MH-1O-Gz 平行世界のMH世界にトリップした者達 作:夜鹿
『ーーーーーッ!!』
作戦会議中にルーツの後ろから涎を垂らした七色爪が頭にかぶりつこうとする。しかし何か悪寒を感じていたのか横に転げ回る。その際ルーツはゲーム内での『ジャスト回避』と似たような感覚を覚えていた。
「……なんとか、避けれた。」
「いや、避けれたとか言っとる場合や無いやろ!!いくらドスランポスゆーてもウチ等は武器持ってへんやで!!」
「……なら、調達してくる。」
「いや、調達するゆーてもどっから持ってくんねん!」
「とりあえず、バルフ、枝で攻撃。太刀の代わり、なると思う。」
「……分かった。ただ、私は太刀使用回数一桁だから期待しないで貰いたいね。」
ゲームの中では木の枝をそのまま武器にする事は無かったが、今回の様なケースでは仕方が無いと、バルフは長い木の枝を持って七色爪に突っ込んでいった。
「……とりあえず武器になりそうな物が無いか探してみる事にせんとあかんな……。」
「アイテムポーチ、使い方、分かんないからね…。」
「合ったとしてもまともな物は護符と爪だけやろうな……。あのラオシャンロン強すぎたけん、攻撃系のアイテムは使い切っとる……どころかスッカスカやで?」
「……とりあえず、剥ぎ取りナイフ、腰に挿してあった。だから、乗る事、できる。」
「いや、確かに出来るやろうけど……ウチそこまで跳躍力無いで!?」
2人が話している間、バルフは慣れない太刀でどうにか七色爪の攻撃をギリギリで躱す事を繰り返していた。何度か攻撃は当たっているものの、元々太刀使いで無い事やリアルなモンスターへの恐怖からあまりダメージが入っていなかった。
「……ルーツもはよう合流せいよ。ウチはバルフを援護しに行っとくわ。」
「……無茶は、しないで。」
「分かっとる。少なくともここは3人五体満足で生き残るで!!」
ラッキーが剥ぎ取りナイフ片手に七色爪に向かっていくと、ルーツは近くにある太く均等な枝を2本ほど折ろうと体重を乗せながら剥ぎ取りナイフを食い込ませたのだった。
ラッキーが七色爪の方に合流すると、バルフは申し訳なさそうな顔をするが、すぐに七色爪の方に視線を戻した。その様子を見て七色爪は涎を飲み込む様に喉を動かす。それはまるで獲物が1匹増えた事を喜んでいるようだった。
「……ゴメン、あんまりダメージ与えられてないや……。ただ、あのドスランポスは普通のドスランポスじゃ無いかもしれない。」
「分かるで、そん気持ち……。あの爪はどう見ても普通のドスランポスには見えん。ルーツには何か策があるみたいやからな……。時間稼ぐ……あわよくば倒す方針で行くで!」
そして2人は七色爪をおびき寄せる為に、七色爪の出てきたであろう方向へと走る。その時ラッキーはすれ違いざまに剥ぎ取りナイフで一撃を入れる。その一撃は意外と深く入ったのかうっすらとだが血が流れる。しかし血の色は七色爪の皮に赤色が滲むことは無かった。
だが、僅かな痛みを与えてきた事に怒りを覚えた七色爪は最初の獲物をラッキーへと定め、涎を数滴ラッキーの走っている方向へ飛ばしてから猛スピードで走って行くのだった。