MH-1O-Gz 平行世界のMH世界にトリップした者達 作:夜鹿
ラッキーに狙いを定めた七色爪は、武器の製作を始めたルーツには一切注意を向けなかった。それを理解しているが、少しでも早く合流せねばと作業の手を遅らせる事は無かった。
「……ラッキーには、黙ってたけど、本来、あそこに、剥ぎ取りナイフ、無かった……。」
実際、ラッキーはルーツに言われるまで腰に手を伸ばすことは無かった。それにラッキーはバルフに背中を見せていなかった為、何の違和感も感じなかったのだろう。……元々、ラッキーの腰に剥ぎ取りナイフは無かったが、彼女が有ると認識した時には違和感無く腰に出現していたのだ。
「……つまり、剥ぎ取りナイフ同様、アイテムポーチも、存在する…筈。」
そう言いながらルーツは腰にアイテムポーチがあると思いながら手を伸ばす。するとその手にはアイテムポーチらしき感触と、中身に関するデータが流れ込んできた。
『アイテムポーチ』
力の護符 × 1
力の爪 × 1
守りの護符 × 1
守りの爪 × 1
携帯食料 × 1
いにしえの秘薬 × 1
秘薬 × 1
回復薬 × 7
アオキノコ × 2
薬草 × 2
砥石 × 6
もえないゴミ × 1
老山龍の厚鱗 × 6
老山龍の天鱗 × 1
老山龍の重殻 × 2
太古竜骨 × 2
本来ならば『大タル爆弾G』や『強走薬グレート』に『モドリ玉』が入っているのだが、ラオシャンロン戦の時に使い切ってしまっている。しかし剥ぎ取りを行った事でラオシャンロンの素材がアイテムポーチの中に入っているのだった。
「……推測でしか無かったけど、助かった。」
彼女はそう言いながら『老山龍の厚鱗』を2枚ほど取り出して2本の木の枝に差し込んだ。その枝は無理に折った影響からバサバサとした形状だった事、その事から刃の役割を担う鱗が機能しない事を危惧したのか、ルーツは近くにあった『ツタの葉』で無理矢理枝を補強したのだった。
一方、バルフとラッキーは七色爪に上手くダメージを与えられずにいた。……というのも剥ぎ取りナイフのリーチはとても短く、長い枝はまともにダメージを与えられないのだ。その為2人は回避を繰り返し、たまに反撃する事しか出来ずにいるのだった。
「やっぱ剥ぎ取りナイフはリーチ短いわ~。まぁ、バルフの枝よりはダメージ入っとるとは思うけども…。」
「まぁ、枝で牽制してナイフで一撃を繰り返しているだからね……。都合良く武器が落ちている事も無いし。」
そう言いながらラッキー達が後退すると、ある物が足下に存在していた。それを見てバルフはヒッと呻き、ラッキーは冷静にそれを確認していた。
「ランポスの死体か……なんか、これの方がマシな武器に見えるで……。なんでか毒や麻痺喰らった様な跡有るけどな……。」
「いや、ちょっと待ってラッキー。まさかそれを本当に武器として使う訳じゃ無いわよね!?」
「当たり前やろそんなん……使うに決まっとるやないか!!血も抜けて軽くなっとるやろうしな!!」
ラッキーはそう言いながらランポスの死体の尻尾を両手で掴む。幸い、尻尾には七色爪の攻撃の影響を全く受けていなかった為、手に血が付く事も肉のベチャベチャした感触も無かった。
だが、失念していたのはランポスの頭の脆さ……というか耐久性だ。ハンマー使いらしくラッキーはランポスの死体の頭を七色爪の頭部に命中させたが、振り回した時の勢いの強さも合わさりランポスの頭部が破裂したのである。
その勢いは風船を針で割った様な風景を見たラッキーの頬にはランポスの血がペチャッと音をたてながら付いた。ただ破裂した七色爪の瞳にも血がベッタリと付いていた為ある意味結果オーライとなる。
「……使い捨ての武器にしかならんかったな…。」
「そりゃあそうだろうよ。あれは武器に出来る死体じゃ無い。」
唖然としながらもランポスを投げ捨てたラッキーは剥ぎ取りナイフを七色爪に見せつつバックステップで後ろに下がる。それと同時にバルフが枝で牽制する。
「まぁ、さっきのランポスの攻撃も役に立つかもしれへんな……。」
「そうだといいね……意味も無くグロを見せられた私の立場にもなって貰いたいよ。」
2人はそう言いながらも七色爪から視線を外す事は無かったのだった。ただこの時にラッキーも何かしらの違和感を感じていたのであるが、今はそれを話す時では無いだろう。