北米地域に降下したヒュース小隊は、奇跡的に連邦の妨害を受けることなく無事にキャルフォニアベースに到着した。
~キャルフォニアベース・ブリーフィングルーム~
「お疲れ様です、キャルフォニアベースにようこそ。しかし、歓迎している暇はそうなさそうです。近頃この基地は頻繁に連邦軍の攻撃を受けているのです
。」
キャルフォニアベースの司令官が、直接サディア達を迎え入れるとキャルフォニアベースの現状を説明する。
「つまり、僕達に迎撃の手伝いをしてほしいと?」
「そう言うことだ。」
いち早く司令官の言いたいことを察した一人の隊員の発言に司令官は頷く。するとサディアは不安そうな顔をする。
「隊長・・・。隊長がそんな顔をしてどうするんです。僕らは隊長に命を預けているんですから。」
「けど・・・。」
一人の隊員の言葉を受けサディアはますます表情を強張らせる。
「隊長、私たちがサポートしますから、隊長はやれるだけの事をやってください。」
すかさずもう一人の隊員が、フォローに回る。
「まったく、フユキ君は隊長をますます緊張させてどうするの。」
「す、すまん。メイ・・・。」
怒られたのは、フユキ・ヤスハラ曹長、一方セタンを叱っているのがメイ・ユンファー曹長だ。
「そうだ、君達にもう一つお願いしたいことがあるんだ。」
「なんです?」
「先程届いた水陸両用MSのテストパイロットをやってもらいたい。」
「わかりました。」
サディアはしばらく考えた後指令官からの依頼を承諾する。
「ありがとう、では早速格納庫に向かってくれ。」
「了解!」
サディアらは司令官に向かって敬礼した後、格納庫へ向かった。
~キャルフォニアベース・格納庫~
格納庫ではすでにヒュース隊以外のMSパイロット数名が水陸両用MSの調整を行っていた。
「・・・。」
黙々と作業を続けているのは、マーク・ギルダー少尉。
技術士から説明を受けながら機体整備をしているのが、アグノス・ティミド軍曹とフォルティス・ラ-曹長である。
そこにサディア達が格納庫へと入って来た。
サディアらに気付き、機体整備中のパイロットたちがサディア達に近づいてくる。
「マーク・ギルダー少尉です。」
マークはビシッと敬礼する。
「アグノス・ティミド軍曹です・・・。」
アグノスはおどおどしながら敬礼する。
「フォルティス・ラ-軍曹であります!」
フォルティスもマークと同じく、ビシッ敬礼する。
サディア達も名前と階級を述べ、敬礼した。
「君達もテストパイロットを頼まれたのか?」
マークの問いにサディアはその通りですと返答する。するとマークはある方向指さしそこにあるMSがテストすることになるMSだと教えた。
サディア達はマークに一言礼を述べた後自分たちが搭乗するMSへと向かって行った。
一方その頃・・・キャルフォニアベースから数十キロ離れた地域では・・・。
~ビックトレー・ブリーフィングルーム~
ビックトレーの艦長は所属するMSパイロット及び戦闘機パイロットらに任務を伝えていた、任務内容はキャルフォニアベースへの威力偵察任務である。
「威力偵察か・・・。」
一人のパイロットがぼそっと呟く。
「そうだ、ミク少尉。」
本来、軍隊内で相手の名前を呼ぶ場合、名字+階級だが、ミクという人物は、名前+階級で呼ばれた。これには訳があり、部隊内で同一性のパイロットが他に2人いるからである。それぞれ本名をミク・アイサワ、アキ・アイサワ、サエ・アイサワという名前で彼女らは姉妹である。
一通りの説明を終えた艦長は、直ちに出撃するように指示を出す。パイロットらが一斉に了解というとそのまま格納庫へと向かって行った。
~北米地区・荒野地帯~
「偵察部隊、敵の反応は?」
「はっ、今のところありません。」
先行する、偵察機(コア・ブースター)のパイロットからの通信を受けたミクは、偵察の継続を指示する。
ーキャルフォニアベース・休憩室
MSの操縦訓練を終え、ヒュース小隊は休憩室でティータイムを取っていた。
「さすがは、水陸両用MS様々な所が従来のMSとは異なるか。」
サディアは水陸両用MS独自の性能をそう分析し、メイとフユキも同意見ということを伝える。
「このまま何もなければ後はギルダー小隊と共にオデッサへと向かうだけか。」
フユキがそう言った瞬間、警報が鳴り響く。
「連邦軍の部隊が接近、各パイロットは大至急出撃せよ!繰り返す連邦軍の部隊が接近、各パイロットは大至急出撃せよ!」
「来ちゃったね、隊長、フユキ君、私達も!」
「ええ。」
メイの言葉を受けサディア達は格納庫へ向かった。
-キャルフォニアベース外部-
「敵機発見行けぇ!」
連邦軍のMS(ジム)を発見した防衛部隊のMS(ザクⅡ)は、ザクマシンガンで、発砲するがその攻撃はいとも簡単に避けられる。
「終わり・・・。」
狙われたジムに乗っていたのは、アキ・アイサワ。彼女は追撃を受ける前にビームスプレーガンで反撃する。その攻撃は的確にザクⅡのコクピットを捉え、撃破する。
「流石、アキお姉ちゃん。よーし私も!」
アキの動きを見たサエは、バーニアを噴射させ飛び上がる。そしてビームサーベルを構え、そのまま垂直に降下する。
「チェストォー!」
サエのジムにより防衛部隊のザクⅡは、一刀両断される。
-キャルフォニアベース・格納庫-
「発進準備完了、フユキ、メイ。準備はいい?」
サディアの問いに2人準備完了と答え、サディアの号令でヒュース小隊のMSは出撃する。
それぞれ搭乗機は、サディアはズゴック、メイがアックガイ、冬樹がジュアッグである。
「アグノス、フォルティス。行くぞ!」
マークの号令に2人は「了解です隊長!」と返答しギルダー小隊も出撃する。
ギルダー小隊の編成は、マークがアッガイ、アグノスがアッグ、フォルティスがゾゴックである。
-キャルフォニアベース・外部-
「隊長、データに無い機体が接近、数は6!」
アイサワ小隊に接近するヒュース小隊及びギルダー小隊を発見した連邦兵はミクに通信を送る。
通信を受けたミクは、小隊員に近づいてくる部隊の迎撃の指示を出す。
「これで・・・。」
いち早く敵機を射程内に捉えたアキはサディアのズゴックをビームスプレーガンで狙う。その攻撃をサディアはぎりぎりで回避し、いい腕の持ち主だ。と呟く。攻撃を受けたサディアはそのまま腕に内蔵されたメガ粒子砲で反撃する
。アキもその攻撃をぎりぎりのタイミングで回避し相手が強敵であると悟る。
「アキちゃん、援護するよ。」
上空にいたコアブースターは、アキを援護すべくミサイルをサディア機に向け発射する。アキはコアブースターのミサイル発射後サディア機に接近する。ミサイル攻撃を軽々とサディアは避ける。
「今度こそ・・・。」
「しまった!」
接近してきたアキ機のビームサーベルを何とか回避するがズゴックの右腕は切断されてしまう。
「隊長、援護します。今のうちに後退を!」
フユキがサディアに交代を促す、サディアは後は任せると言い残し格納庫へ後退を始める。
「これでぇ!」
フユキがジュアッグの両腕に搭載されたミサイルを一斉射する。その攻撃をアキは全弾回避する。
「よし、今です。メイさん!」
フユキの指示でメイはアッグガイのヒートロッドをアキ機に向け伸ばす。
「アキお姉ちゃんはやらせない!」
サエのジムが間に入り、ビームサーベルでアキ機に向け伸びで来たヒートロッドをビームサーベルで切断する。
「しまったヒートロッドが!?」
ヒートロッドを切断されメイ機は後退を余儀なくされる。フユキも1対2では分が悪いと判断し一時後退する。
一方ギルダー小隊はミク機と交戦していた。
「落としてやる!」
フォルティスの駆るゾゴックの腹部からワイドカッターと呼ばれる飛び道具が放たれる。ミクは何と奇怪な武器を持ったMSだと思いながらもその攻撃を回避するが・・・。
「地中から失礼します・・・!」
突如地面に穴が空き、そこからアグノスのアッグが現れる。
アッグの攻撃でミク機は宙へ浮く、すかさず今度はゾゴックのアームパンチが
ミク機に命中する。ミク機はそのまま吹き飛ばされる。
「おまけだこいつも持っていけ!」
吹き飛ばされたミク機に今度はマークの駆るアッガイの右腕から放たれたメガ粒子砲が命中する。
「くっ、ここまでやられるとは、全機撤退です!」
戦闘不能に陥りミク機は撤退指示を通達する。撤退指示を受けた連邦軍は速やかに撤退を開始する。
~キャルフォニアベース・ブリーフィングルーム~
「お疲れ様。」
無事帰還した、ヒュース小隊とギルダー小隊はブリーフィングルームに集合し
、基地司令からねぎらいの言葉を受ける。
「何とか帰還できたが、ズゴックの腕が破壊されてしまった。申し訳ない。」
サディアは基地司令に頭を下げる。
「いや、無事生きて帰って来てくれただけで良しとする。ズゴックは大至急修理させよう。」
基地司令は、そうサディアを励まし顔を上げるよう促す。
「では、君達に今後の方針を伝える。ヒュース小隊とギルダー小隊は、準備が済み次第ユーコンでオデッサへ向かってもらう。」
「了解!」
ヒュース小隊とギルダー小隊の面々は敬礼をする。
~ビックトレー・休憩室~
一方、アイサワ小隊のメンバーも無事母艦へと帰還し登場機の整備の合間を使い休憩していた。
「驚いた、ジオンにも腕の立つ連中がいるのね。」
ミクはそう言うと水を飲む。
「ジオンの新型MS、侮れない。」
「そうだね。」
アキの言葉を受けサエは頷く。
「ところで、これから私達はどう動くの?」
「えっと、私たちはこれからオデッサへと向かうわ。」
サエの質問にミクはそう答え、大規模な反攻作戦だということも伝える。
こうして、アイサワ小隊を乗せたビッグトレーとヒュース小隊とギルダー小隊を乗せたユーコンはオデッサへと向かって行くことになった。