ぼっちは六花を謳歌する。   作:すのどろ Snowdrop

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5話

次の日、休み時間ごとの質問責めがめんどくさくなった俺は、残りの授業をサボり、ベストプレイス探しの旅にでた。旅といっても学園内をブラつくだけなんだが。散歩と言った方がいいかもしれない。

なかなか良さそうな場所がないなぁ。

俺がベストプレイスを探し始めて2時間弱が経過した。

これだけ探し歩いても良さそうな場所が見つからないなんてどういうことだ。

 

「比企谷君」

 

「あれ?どうしたんですか?陽乃さん」

 

「比企谷君があまりにも遅いから迎えに来たよ」

 

迎え?何故

 

「どういうことですか?」

 

いやまさかな。そんなわけがない。

 

「比企谷君は私のルームメイトなんだよ」

 

嫌な予感が的中してしまった。

 

「なんで陽乃さんと相部屋なんですか……。てか女子と相部屋はダメでしょ普通……」

 

「んふふー、クローディアに言ったら許可貰っちゃった♪」

 

クローディアのせいかぁ!

 

「俺は早いとこ弱そうな冒頭の十二人を探して一人部屋にしなきゃいけないんです。一人の方が楽なので」

 

「その分広い部屋だよ?あと料理もしなくてもいいんだよ?」

 

「一人なら広いも狭いもありませんし、料理も自分でできます」

 

「お願い……」

 

涙目の上目遣いは狡いですよ、陽乃さん……。

 

「…………………はぁ。わかりました。相部屋くらいいいですよ。でも夕飯は俺に作らせてください。あと鳳凰星武祭にでるからには冒頭の十二人にはなっておきたいんですよ」

 

少しでも楽したいからな。それに金も貰えるらしいし。

 

「ありがとね、比企谷君」

 

「いえ。でも相部屋の相手が陽乃さんで良かったです。遠慮する必要もありませんし」

 

「そっかそっかー、なら私も遠慮しないでおこうかな」

 

いやいや、陽乃さんは遠慮して欲しいです。

 

「は、はい、これからよろしくお願いします」

 

夕日が陽乃さんの笑顔を照らしてるなか、ふいに怒鳴り声が聞こえた。

 

「……なら、なんで無名のあんなやつと決闘しやがった!」

 

気の小さい者ならすくみあがってしまいそうな剣幕で、ビリビリと辺りの空気を震わせている。

 

「誰です?」

 

「星導館名物のユリスとマクフェイルだよ。当時マクフェイルは序列5位でユリスは17位だった」

 

「てことはユリスが勝ってそのあとマクフェイルが挑み続けた?」

 

「うん、それで序列戦ではユリスに2回指名した。2回が上限だから」

 

「決闘に拘っているがユリスは受けない感じか。3回負けてればそうなるか」

 

小声で話しつつ木陰に隠れる。

 

「答えろユリス!」

 

聞こえてきたその名前に俺は自分の体全体を圧縮し、他人からは絶対に見えない大きさまで縮む。蟻よりも小さいだろう。

 

「……マクフェイルは序列9位だよ」

 

「陽乃さん、ここで待っててください。来ないでくださいよ?圧縮」

 

俺は文句を言いたそうな陽乃さんを一人残し、俺はリースフェルト達に近づく。

 

そしてすばやく近づき、解放してもとの大きさに戻る。

 

「うっせぇな、昼寝の邪魔すんなよ」

 

「んだてめぇ」

「お前、何故ここに?」

 

「そこで昼寝してたんだよ。安眠の邪魔すんなってんだよ」

 

さっきまでいた茂みを指す。

 

「ああっ!レスター!そいつが例の転入生だよ!」

 

うるさい……。

 

「なんだと……?」

 

より鋭さを増した視線が俺を突き刺す。そんなんじゃダメージなんざ受けないけどな。小中学校で体験済みだ。

 

……たしか陽乃さんがマクフェイルは序列9位だって言ってたな。

 

「……なぁ、マクフェイルさん、俺と決闘してくれよ」

 

「はあ?なんでてめぇと決闘しなきゃいけないんだよ!」

 

「俺に勝てたらリースフェルトに決闘受けるように口添えしてやるよ」

 

「なんで私が!?」

「ほう?」

 

「リースフェルト、俺が負けたらなんでも言う事を聞いてやろう」

 

万に一つも負けはない。少なくともここでは負けない。

 

「不撓の証たる赤蓮の名の下に、我比企谷八幡は汝レスター・マクフェイルへの決闘を申請する」

 

「てめぇ……いいだろう、ぶっ潰してやる。我レスター・マクフェイルは汝比企谷八幡の決闘申請を受諾する」

 

視線をリースフェルトに向け、瞼を閉じ、すぐに開ける。頷くかわりだ。

 

「全力で来いよ。じゃないと……」

 

少し溜めをつくってから言い放つ。

 

「負けるよ?」

 

そして嘲笑っているような表情を作る。自分ではわからないが多分出来ているだろう。

 

「潰す!」

 

マクフェイルは斧型煌式武装を起動させながら走り出す。短絡的だ。リースフェルトが決闘を受けないのも分かる。

 

「解放、守護陣、星奏、歌姫」

 

星辰力を突っ込んで来ている進路に膜として貼り、守護陣をつくる。

 

「ちっ!」

 

そして星辰力の塊でできたスタンドマイクが現れ。

スッと息を吸う。

 

「降り積もる白に〜♪小さな芽覆われてく♪遠い遠い春は〜♪雪の下♪」

 

マクフェイルはどこからともなく降ってきた雪に覆われていく。

 

「その程度か?そんなんでリースフェルトに決闘を挑むのかよ。笑えるわ」

 

「クソがぁっ!」

 

立ち上がる。まだまだだが、な。

 

「解放、六弁の爆焔花」

 

「なに!?」

 

リースフェルトの得意技を使い、マクフェイルを吹き飛ばす。

 

「召喚、影龍」

 

影と星辰力が立体化、変化し、ドラゴンを形作る。

俺はそれに飛び乗った。

 

「解放、ナイフ星成」

 

そのままの通り、星辰力で創られたナイフを生成し吹き飛ばしたマクフェイルに肉薄する。

 

「やっぱりお前じゃリースフェルトには届かない。リースフェルトが可哀想だ」

 

校章を切る。

 

『校章破壊、勝者比企谷八幡』

 

「本当に勝ったね、比企谷君」

 

いつの間にか傍に来ていた陽乃さん。俺はその陽乃さんに答える。

 

「当たり前じゃないですか。あんな短気で短絡的な動きをするやつに負けるほど俺は弱くはないので」

 

わざわざ弱くを強調するあたり俺も性格悪いなぁ、と思う。

 

「じゃ、行こっか、比企谷君」

 

「はい、行きましょうか」

 

俺と陽乃さんは倒れているマクフェイルと呆然と立ち竦んでいる取り巻き二人とリースフェルトを放置し、その場を立ち去った。

 

 




俺ガイル2期op“春擬き”より歌詞を1部抜粋させていただきました。

解放、影龍
影と星辰力で龍を形作る。龍に攻撃力はなく、敵をすり抜けるが、最高速度は新幹線に匹敵する。この他にも龍を形作ることができる。
炎龍、氷龍、雷龍、水龍、光龍、闇龍、地龍、鋼龍、龍神など

解放、ナイフ星成
ナイフを生成する。武具生産と違い、ナイフを確実に生成する。
確実に生成できる武具はナイフとハンドガン、マイクのみ。
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