ぼっちは六花を謳歌する。   作:すのどろ Snowdrop

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9話

翌日の放課後、純星煌式武装の適合率検査を受けるために生徒会室に入った俺と天霧を、クローディアと陽乃さんは笑顔で迎えた。

 

「昨日は大変だったようですね、綾斗、比企谷君」

 

「天霧、何かあったのか?」

 

「あぁ、ユリスに学園を案内して貰ってたんだけど、俺が飲み物を買ってくるうちにユリス達が奇襲かけられたんだよ。そういう比企谷は?」

 

言いたくねぇ。

けど言わないと陽乃さんかクローディアに言われそうだな。

 

「陽乃さんと決闘して自滅した」

 

「は?」

 

「星辰力解放したら制御できなくなって俺の校章が砕け散った」

 

あの後すぐに影で星辰力を制御するバッジを作らなきゃいけなくなったことは陽乃さんしか知らない。…………はず。

 

「昨日の光の柱がそれかい?」

 

「いやー、あの時はビックリしたよー。いきなり星辰力が増えたんだもん。自滅するとは思わなかったけど」

 

それだけ言うと肩を震わせる。笑いを堪えているのだろうが、堪えきれてない。ほんと笑い話ではあるんだけどね!?それでも腹は立つのよ!

いつかリベンジしてやる。次からは星辰力が暴走することはないだろうし。

 

暫く考え事をしていると、生徒会室のドアが荒々しくノックされた。

 

「……と、すみません。今日はあなた達以外にも来客があることを忘れていました。この続きは後ほど」

 

クローディアが執務机の端末を操作してドアを開く。すると、思わぬ一行が入ってきた。

それは向こうにとっても同じだったようで、揃って俺を睨みつけてくる。今の俺にとってはどこ吹く風なのだが。

 

「えぇと、純星煌式武装の利用申請は色々と手続きが面倒なので、できれば一度に済ませてしまいたいと思いまして。こちらは……」

 

にこやかに紹介してくれようとしたが、マクフェイルがそれを邪魔した。

 

「てめぇ、あとで俺と決闘しろ」

 

「あなたが純星煌式武装に認められたならいいですよ。そのかわり認められなかったら諦めてください」

 

前回ですでに実力は分かっている。一方的な試合だったのに再戦を求めるとは思わなかった。

 

「いいだろう。やってやるよ」

 

**********************

 

時と場所は変わり、装備局。

地下なのにもかかわらず、ずいぶんと天井が高い。

片方の壁には六角形の模様がズラリと並び、その反対側は1部ガラス張りになっている。

そこでは装備局の職員とマクフェイルの取り巻き2人と陽乃さんが待機している。

 

「先に始めるぜ。いいな?」

 

「構いませんか、綾斗、比企谷君」

 

「ああ、うん。どうぞ」

「俺は最後にやる」

 

俺は短剣がなければやらないからな。最後でいい。

 

マクフェイルは手馴れた様子で六角形が並んだ壁の隅に置かれている端末を操作し始める。

巨大な空間ウィンドウがいくつも表示され、真剣な表情でそれと向き合っている。

 

手馴れてる……。もう何度も来ているのか……?

 

「よし、これでいい」

 

やがてマクフェイルは一覧から一つ選びウィンドウを閉じた。

 

 

 

やけにうるさいな。吠えてんじゃねぇよ。純星煌式武装に嫌われるぞ?

 

『適合率97%、です……』

 

ほう?マクフェイルもなかなかやるな、と目を開くと、壁際まで下がっているマクフェイルと、純星煌式武装を地面に突き立てている天霧の姿が見えた。

なるほど、今のはマクフェイルじゃなく天霧だったらしい。天霧もなかなかやるな。

 

「結構」

 

クローディアは綾斗を見つめ満足そうに頷いてから、マクフェイルに視線を向ける。

 

「そういうわけです。あなたには残念ですが、異議はありませんね?」

 

マクフェイルは悔しそうに唇を噛んでその拳を床に叩きつけた。

 

「さて、次は俺か」

 

適当に端末を操作し、短剣がないか探す。

 

………、ない、だと……。

 

「《隠蔽の星散》か……」

 

ショットガンとか使って見たかったしこれでいいか。

 

『計測準備ができました。どうぞ始めてください』

 

「星辰力を縛りし我は今を以て我が1統星を解放す!」

 

星辰力を解放する。一応ね?なんていうの?全力で取り掛かりたいし?

 

俺は《隠蔽の星散》を手に取り、星辰力を流し込む。すると……。

なんだ、今誰かに見られたような……。

まぁ、陽乃さんや天霧が見てるからな。その視線だろう。

 

『て、適合率、99%………』

 

信じられないような声で言った。

 

おー、適合率高いな。適合しないと思ってたぞ。

 

代償は起動する度星辰力の1/4の提供か。それで隠蔽できるなら安いかもな。

 

「おめでとうございます、比企谷君。これで《隠蔽の星散》はあなたの物ですよ。といっても貸し出しですが」

 

「はぁ、ありがとう?星辰力よ、我が身から解放されし1統星の力を封印せよ」

 

「あとその純星煌式武装は使い手がなかなか現れなかったんですよ。純星煌式武装が求める条件が独りを好む者ですから」

 

「えぇ……」

 

星辰力を封印し《隠蔽の星散》を腰のホルダーにぶら下げる。

 

「……ちっ」

 

マクフェイルは舌打ちをして装備局から立ち去った。

 

**********************

 

川崎さんと材木座君の両方の都合がいいのは今週の日曜日だった。だから今はどこが集合場所に適しているかを考えている。

とりあえず総武中前にして置こうか。みんな知ってるしね!

 

To:川崎さん、材木座君、八幡(小町ちゃん)

From:戸塚

title:八幡について

text:今週の日曜日に総武中前でいいかな?そこならみんな分かるし混むことはないからいいと思うんだけど。そこがダメならまた考えるからその時は連絡して!

 

八幡、葉山君と由比ヶ浜さんと雪ノ下さんと相模さんと今回のことを良く思ってない人はどうするの?なんか復讐に燃えてるから八幡に話しておきたいんだけど……。連絡ください!

 

 





隠蔽の星散
適合者はぼっちを好む、もしくは苛められた過去がある者。能力は武器の隠蔽、歩行時使用者の隠蔽、移動速度上昇、隠蔽の星散の射程内の空間支配。代償は起動する度に総星辰力の1/4の提供。
八幡が使う場合には統星を二段階ほど解放しなければならない。
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