ハイスクールD×D〜暗黒英雄と赤龍帝〜   作:ゼパル・ガルベスク

2 / 3
今回は前よりも少なめです。

まぁ、楽しんで下さい。



第1話:イッセー、自分を改める

一誠「……ん?どこだ、ココ?」

 

目を覚ました一誠が居たのは空が黒く、地面が赤く燃えている不思議な空間だった。そこに一誠はフワフワと浮いていた。

 

一誠「確か…兄貴に廃工場に呼ばれて、そこで兄貴に殺されて、いつの間にか兄貴の葬式に出て…っておかしく無いか?何で俺じゃなく兄貴?」

 

そう、確かに殺されたのは一誠で一也ではない、なのに死んでいるのは一也で生きているのは一誠なのだ。

 

一誠「何が、一体どうなっているんだ?訳が分からねぇよ…『俺が説明しよう』ッ!?誰だ!?」

 

一誠が声に反応すると、燃え盛る炎から赤い鱗にエメラルドの様な瞳を持った気品溢れる龍が現れた。

 

一誠「あ、赤い龍………?もしかしてお前が!!」

 

ドライグ『その通り、俺が赤龍帝と呼ばれし二天龍の一角…ア・ドライグ・ゴッホだ。よろしくな、相棒』

 

一誠「何がよろしくだよ!俺はお前の所為で……いや、何でもない」

 

怒りの表情で責め立てようとした一誠だが、すぐに落ち込んだ様に暗い表情をした。自分が殺されたのはドライグが居ただけじゃない、自分が相応しくないと判断されたからである。

 

ドライグ『…責めないのか?』

 

一誠「お前を責めたら、もう殺される心配は無くなるのかよ…んな訳ねぇだろ。俺だってそれぐらい分かるよ」

 

ドライグ『そうか……だが、俺にも非はある。聞いた話では俺はお前を欲望のまま生きる様に進めたらしい、汚名を着せられても仕方ない』

 

一誠「いや、もう良いよ。それよりさ…何で俺は生きているんだ?兄貴にやられてからこの瞬間までの記憶が曖昧なんだけど……?」

 

ドライグ『それは、俺にも知らない存在によって蘇生されたからだ』

 

一誠「蘇生?どんな人が?」

 

ドライグ『さっぱり分からない、恐らく人の形をしているのだろうが人間では無いのは確実だ。そしてこんな事を行って来た、お前を鍛えろと』

 

一誠「お、俺を!?」

 

 

一誠の驚きに肯定するように周りの炎の威力が上がる、ドライグは頷きながら翼を広げて答えた。

 

ドライグ『その通りだ、元々俺とお前は会話が出来ないだけで神器や魂の波長などはピッタリとあっていた。ただ、戦いに疎い一般人だとまともに扱えないのが普通の事なんだ。だが、これから先またあんな力になり溺れた馬鹿どもに殺されて良いように使われるのも癪だしな』

 

一誠「でも、俺は何の才能も無いんだろ?それなのに強くなる意味なんて…」

 

ドライグ『いや、確かに才能は必要だが強い覚悟も必要だ。お前はもう殺されまいと言う目標が既にある、その目標の為に強くなればいい』

 

一誠「・・・・・・・」

 

 

一誠は俯きながら考える、確かに死ぬのは嫌だ。だが、それが自分にできるのだろうか…今回は謎の人物にすくわれたが今度もそうなるとは限らないのだ、次はもっとひどくなるのかも知れない。だが、ふとその事が頭を下げ過ぎるとその人物の事が頭から離れなくなった。

 

一誠「俺を助けてくれた人はさ…善人なのかな?」

 

ドライグ『それは断言出来んな…パッと見た所、奴の趣味は悪党をジワジワ嬲り殺す事だからな。話は通じるみたいだから狂人は狂人でも常識のある狂人らしい』

 

一誠「どんな狂人だよそれ…でも、強くなったらさ…お礼言えるかな?」

 

ドライグ『さぁな……まぁ、力は貸すぞ?相棒』

 

 

 

***

それから一誠は変わった、持っていたエロ本は全て友である松田と元浜に譲ったり売り飛ばしたりして片付けた。勉強も真面目にやれば何時もより解るようになり、身体も鍛える事で前よりも強くなった。

 

勿論、周りの者はどうしたんだと心配したが兄が死んだ為に自分が頑張らなければならないと言って誤魔化した。両親は涙を流し喜んでくれたが無理はするなと言い、変態二人組は元に戻そうとしている。寂しいのだろう…だが、付き合いはやめないでいる。

 

そして少しづつだが周りの反応が変わっていった。

 

 

「兵藤の奴、変わったよね…」

 

「お兄さん死んじゃったし、それでじゃ無い?」

 

「なんか、カッコよく見えてきた…」

 

 

 

それはこんな所でも…

 

「ねぇ、あの子…なんて名前だったかしら?」

 

「彼ですか?確か兵藤一誠…と言ったような……」

 

「兵藤、イッセー…」

 

 

 

そして、ココでも…

 

「彼が神器を持っている兵藤一誠?」

 

「は、確かとの事です」

 

「ふぅん、中々いい男ね…殺すのが勿体無いわ」

 

 

 

そして、こんな所でも…

 

「赤龍帝の力…強まった?」

 

「アルビオン、感じるか?」

 

『微弱ながらな…だが、お前に叶うとは思えんぞ』

 

「ククク、それはどうかな」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「どうやら、赤龍帝の力が目覚めた様だな…暫くは様子を見るか。まぁ、頑張ってくれよ?最高の主人公くん……」

 

 

そんな事を呟きながら、電柱の影から覗いている一誠を救った人物はその影に吸い込まれる様に消えていった。

 

 

 

 

 

 




まぁ、解る人には解るよね…最後以外。

謎の人物の正体はまだ先ですが、次回から原作前のイッセーの一年間の奮闘に移ります。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。