理不尽壊しのリインカーネイション外伝 〜大切な人を守る物語〜   作:橆諳髃

6 / 9
1ヶ月ぶりです……作者です。

あれから忙しかった……と言う訳ではありませんが、何故が活力が湧かずちまちま書いていました。本当に申し訳ないです。

「だか少しずつ進めていたのだろう? ならばそれで投稿できたら十分だ」

が、ガエリオさんが私に優しい……だと?

「作者の暴走行為を(暴力という名で)諌める事はあるが、私は鬼ではない。偶には優しい言葉もかける」

あぁ、ありがとうございます。これからも頑張ります……

「その意気だ。読者には遅くなって申し訳ないが、今回の話を読み進めて欲しい」


5話 R-15 バルクホルンは見た!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

時刻は既に夕方の5時を回っていた。俺はあの後ミーナと一緒に眠ってしまっていて、気付けばこの時間になっていた。

 

俺は別に長く寝ていたとしても、身体が鈍る訳ではない。何しろ今日入ったばかりだからな……咎められる事は……ないと思いたい。

 

だがミーナは違う。ミーナは俺と違って中佐でありこの部隊の隊長だ。戦闘以外にも書類仕事は多いだろう。今日も本当は、俺を案内した後書類仕事をしていたに違いない。

 

そう考えたなら……俺にも責任がある。俺に書類仕事の類ができるか分からんが……今度手伝わせてもらおう。にしても……

 

「これでは身動きが取れんな……」

 

今の状況を簡単に説明するとしよう。ミーナが俺を抱き枕のごとく抱きしめながら眠っている。それに付け加えて下着姿で……だ。

 

俺からすれば……いつの間にその姿になったのか疑問に残るが……

 

「んん……ガエリオ……」

 

寝言で俺の名を呼ぶミーナの顔は笑っていた。俺が傍にいるだけで彼女が笑顔になるのなら……俺は喜んでいくらでも傍にいよう。

 

だが今はやらねばいけない事がある。ミーナの寝顔をまだ見ていたい気持ちはあるが、今回は我慢しよう。そう思ってミーナからそっと離れようとしたのだが……ミーナな抱き着きが異様に強く簡単に抜け出せなかった。

 

仕方がなく少し……ほんの少し強引に抜け出したが……

 

「うぅ……ガエリオ……」

 

今度は目の端に涙を浮かばせ、悲しそうな顔になっていた。ミーナの顔は……正直どんな顔をしていても綺麗だ。だがはやり……

 

「君には……笑顔が1番だ」

 

親指の腹でミーナの涙を優しく拭い、ミーナの部屋から静かに退室した。

 

 

 

 

 

 

 

それからしばらく歩いた時、

 

「あっ……あなたは確か」

 

「ん? 君は……リネット軍曹、で良かったかな?」

 

「は、はい! あの、なんで私の名前を?」

 

「ここに来る前に、501にいる者達の名前と特徴を全て覚えたに過ぎない。ただそれだけの事さ」

 

「そ、そうなんですか⁉︎」

 

「あぁ。それと大まかな出身地も一応な。確か君はブリタニアの出身なのだったな」

 

「は……はい。そうですね」

 

リネット軍曹のその時の顔は少し複雑そうに見えた。そうなってしまう大体の見通しはつく。今まで人類はネウロイに自分達の国や住んでいた町を奪われた。この部隊にはその者が多い。

 

そして彼女はここの出身……いつ自分の故郷がそうなってしまうか分からない。だからこそ、果たして自分はこの故郷を守り通す事ができるのか……故郷の話が出る度にその考えが頭をよぎるのだろうな。今回は私の落ち度だが……

 

(これに関しては本人が乗り越えなければならない事だ。俺がどうこう言っても何も解決しないだろう……だが……)

 

「君は訓練の時の様な力を本番では半分も引き出せてはいない……違うかな?」

 

「えっ⁉︎ な、なんでそれを……」

 

「そうだな……ここでは私の勘とだけ言っておこう。それと戦場で訓練の半分の力を出せない件だが……それは誰しも最初はそうだ。私もそうだった」

 

「ヴィダール少尉も……ですか?」

 

「あぁ。最初は……頭の中でのイメージトレーニングや訓練では上手くいく。だが、いざ実践に出てみると私も思う様な成果は得られなかったんだ。だがそんな中でも今の様な力をつける事が出来たのは……身近にいた大切な存在や、ライバルの様な友の存在だ。だからこそ今の私がいる」

 

「大切な存在や……友の存在?」

 

「そうだ。大切な者な存在がいるから、私はその者を守るために命を張って戦う事ができる。ライバルの様な友がいるからこそ……己を高める事ができる。そうしていくうちに自分なりの答えを見出せた。だから……今の私がいるんだ」

 

「その……答えって……」

 

「それ自身、自分で見つけるしかない。確かに今は目の前の事で中々前に進めないかもしれない。だが……近いうちに自分の中で答えの一端は……見えてくるかもしれないな。少し長話が過ぎたか……私はここで失礼してもらおう」

 

俺がリネット軍曹の側を通り過ぎようとした時、後ろから大きな声で感謝を言われた。俺らしくない事をしただろうかと思ったが……それでも他人からの感謝の気持ちというのは中々に心地が良いものだ。

 

こんな気持ちを……颯也はどんな想いで受け止めているのだろうか? ただ、自分が普通の事をしたまでと思っているのか、それともこの心地良い想いをする事ができるから率先して人助けを行なっているのか……

 

(いや……心地良いからであいつが人助けなどしない。何せあいつは根っからのお節介焼きだからな……)

 

そう考えるとつい笑ってしまう。俺は……どっちなのだろうな……

 

リネット軍曹と別れた後、俺は食堂に向かう。時間的にはそろそろ夕食が準備される頃だろうと思った。ミーナに案内された時に係の者が作るとは聞いたものの、時たま501の者が厨房に立って郷土料理を振る舞う事がある様だ。

 

「ふむ……私が今日は作ってみるか」

 

係の者には悪いが……今日眠ってばかりで何もしていないのでな。遠慮なくつかせてもらうとしよう。

 

 

 

 

 

それから2時間後……

 

 

 

 

 

 

 

「ふむ……こんなところだろう」

 

主に俺がこの世界で住んでいたカールスラントに伝わる料理だ。まさか俺が炊事をするとは……前世の俺が見たら驚くだろう。この世界に来ておじさんに引き取られてからは代わりばんこで炊事をしていた事もあって苦ではないな。さて、501に所属している子達も来たようだ。

 

「おっ⁉ 今日も美味しそうな匂いがするな‼ 誰が作ったんだ⁉」

 

「何だか懐かしい香りだな……これはカールスラント料理だな。しかも盛り付けも綺麗だな。だが本当に誰が作ったんだ? ミーナが作った場面は見た事がないが……」

 

「あら? 懐かしい香りがすると思ったら……」

 

「ん? ミーナ? 今日はミーナが作ったんじゃないのか?」

 

「そうね……私はさっきまで書類を片付けていたから……」

 

「だとすると……」

 

「今日は僭越ながら私が作らせてもらった」

 

「ヴィ、ヴィダール少尉⁉」

 

うん、予想通りの反応だな。

 

「が……んん! ヴィ、ヴィダール少尉が作ってくれたのね。まさかここまで料理ができるなんて……」

 

「まぁな。昔から炊事はしていた方だからな。さぁ、冷める前に召し上がってくれ」

 

それからは部隊の子が全員集合して夕食を食べた。その時隣の席がミーナだったのは……嬉しかった。ミーナ本人は嬉しかったのか、それとも恥ずかしかったのか落ち着かない様子だったが……

 

そんな時間も過ぎて、洗い物も全て終わらせた時だ。

 

「ミーナ中佐、少しいいだろうか?」

 

「あら? 何かしらヴィダール少尉」

 

「私は今日配属されたばかりではあるが……正直料理を作っただけでは今日の役目を果たしたとは思えなくてな。だから……2時間だけで構わない。夜間の偵察に向かわせて欲しい」

 

「えっ……でも……」

 

「心配……だと思う。だが俺は……」

 

「……はぁ~。貴方は昔から変わらないわね。自分の言った事は曲げない……」

 

「……すまない」

 

ミーナが少しだけだが悲しそうな顔をしていた。俺は……いつもそうだった。危ない事にあまり首を突っ込む事は無かったが、そこにミーナが絡んでしまうと別だ。自分の身なんて後回しだった。その度にミーナには心配をかけた。今回も……ミーナを悲しませてしまった……な。

 

「でも……私は貴方のそんな所に惚れたのよ?」

 

ミーナが俺の仮面を外し、俺の瞳を見ながらそう言ってきた。その瞳には……悲しみの様相はあった。だがそれとは別に……俺を慈しむといった、そんな感情を向けられていたと思う。

 

「ヴィダール少尉……今から約2時間ほどの哨戒任務にあたってもらいます。装備の方は……」

 

「問題ない。装備は既に準備できている。それとこれを」

 

「これは……?」

 

「当初のネウロイからそうだが、最近ではジャミングで味方同士の連絡が取りにくいという事象が起きやすくなっている。だがそれならば、奴らはジャミングで情報の寸断はできない。そしてそれからは、俺からの主観が常に送られる様になっている。リアルタイムでな。最初は分からないと思うが……そのうち慣れるから心配はしないでくれ」

 

「わ、分かったわ。じゃあ私からは……」

 

「ん? ミーナ……」

 

俺はミーナに手で顔を固定されて、呆気に取られている隙にキスをされていた。

 

「行ってらっしゃいのキスと、おまじないをかけたわ。貴方が無事に帰ってくる様に……ね」

 

「……ありがとう。では、行ってくる」

 

「えぇ。行ってらっしゃい」

 

ガエリオさんはミーナから仮面を受け取り、その場で被って出撃した。そんな中……

 

(み……みみみミーナがヴィダール少尉とあんなに仲良く⁉︎ しかもあれ……き、きききキスをしていたのか⁉︎ 入隊初日で⁉︎ ど、どういう事だ⁉︎ ヴィダール少尉の顔は見えなかったが……これは本人に直接聞いた方が早いな)

 

家政婦ならぬ……バルクホルン大尉は見ていた!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ミーナと別れた俺は、ウィッチ達が出撃する際に使用する滑走路に来ていた。今の時期は春だが、夜の7時を過ぎると暗い。だがその代わりに空は快晴で、暗い地面を月明かりが照らしていた。さて行くか……その前に、

 

「私をさっきからつけているのは分かっている。それに対して文句は言わないから、素直に出てきて欲しい」

 

「……バレていたか」

 

ふむ、バルクホルン大尉か。昼の続きをしようというのだろうか……まぁ今は周りに私達2人以外の気配は感じられないから良いが?

 

「バルクホルン大尉……で良かったかな?」

 

「あぁ。自己紹介をした覚えはないが、それで合っている」

 

「配属される前に、部隊に所属しているもの達の簡単な資料を見て覚えた。それで? 私に何の用かな? 昼の続きだろうか?」

 

「いや、確かに昼の事が気にならないと言えば嘘になるが、今はそれを聞きに来たんじゃない。さっきミーナとヴィダール少尉が親しげに話しているところを偶々見てしまってな……」

 

「なるほど……それが気になるのか?」

 

「あぁ。だから単刀直入に聞く。ミーナとはどんな関係だ? ミーナは3年前のある事から男との接点は必要最低限持たない様にしていたし、それを私達にも規律として守らせていた。それほどミーナはそちらの方面に関して厳しかった。だが……」

 

「入隊初日である私が来てからはその態度も一変し、自分が作った規律も緩めた……それ自体おかしいが、それをさせた私という存在が気になる……と?」

 

「あぁ……その通りだ。だから……貴様が誰なのか……私は知りたい」

 

「……残念だが、私の詳細な事、正体について答える事はできない。だが強いていうなら……ミーナ中佐と私は昔馴染みだという事だ。これ以上は言えない。もし知りたいのなら……先ずは君が未だに引きずっている未練……それを断ち切ってからだ」

 

「私の……未練だと?」

 

「そうだ。私からの話は以上だ。では、私は今から任務があるのでな……そろそろ行かせてもらおう」

 

俺は滑走路の先に立ち、そして海に身を投げた。

 

「ヴィ、ヴィダール少尉⁉︎」

 

背後からバルクホルン大尉の驚きの声が聞こえるが、私はそれを気にする事なく、

 

「行くぞ、キマリス」

 

そう静かに唱えて、キマリスの脚部、腕部、背のブースターを装着する。そしてトルーパー形態に変形して暗い海の上を平行に進んで行く。ある程度行くと、上昇して哨戒任務についた。

 

それから数分後の事だった。ブリタニアの南東でネウロイを発見した。どうやらあちらも哨戒中らしい。だが俺には気づいてはいない様だ。俺は気付かれる前にミーナに連絡を取る。

 

「こちらヴィダール。ブリタニアの南東にネウロイを補足。まだ気付かれてはいない。敵の進行方向は西……哨戒中だと思われる」

 

『こちらはミーナ中佐です。ヴィダール少尉、こちらからは距離的に援軍は送ったとしても30分ほどかかると思います。今他に哨戒任務に当たらせてるサーニャ中尉を向かわせたとしても最低で20分はかかると思うわ』

 

「分かった。だが俺は援軍には期待をしてはいない。寧ろ昼間に頑張っていた皆には休んでいて欲しいと思う。だから援軍はいらない」

 

『ヴィダール少尉……』

 

「そんな悲しそうな声をしないでくれ……俺は帰ってくる。約束しただろ?」

 

『えぇ……えぇ。そうね。待っているから……』

 

「あぁ。では戦闘に入る」

 

俺は手元にグレイズの斧を呼び出す。そしてそれをネウロイに向かって投げる。もちろんその時に固有魔法をかけるのを忘れない。俺の手元から離れた斧は、前方向に回転しながらネウロイに向かう。それはネウロイに気付かれる事なくネウロイの装甲を貫通した。

 

ん? 斧がネウロイの装甲を貫通する事はおかしい? 銃弾でも貫通する事はないのに? だと? 俺の魔法を忘れたか?

 

俺の魔法は螺旋力……言い換えれば回転力だ。その回転はどの方向にもかける事が可能だ。例えばさっきネウロイを貫通した斧……あれはそのまま行けば海に落ちてしまうだろう。だがおれの魔法は、手元から離れた物でさえ回転の方向、速さを変える事は可能だ。だから……

 

ネウロイを貫通した斧は、前方向にかかる回転が遅くなる事なくネウロイの方にカーブして戻った。そして再びネウロイの装甲を貫通する。ネウロイからすれば何が起こっているのか分からない。

 

「このまま1つでするのも良いが……」

 

俺は両手に1つずつ斧を出し、それらに螺旋の魔法をかけて投擲する。合計3枚の斧がネウロイに襲いかかり、やがて1つの斧が核を割ってそのネウロイは消滅した。

 

「こちらヴィダール、ネウロイを撃破した」

 

『こちらはミーナ中佐です。私の方でも確認しました。続けて任務を続行して下さい』

 

「了解。任務に戻る」

 

それから哨戒任務に戻ったが……俺の行く先々でネウロイと遭遇……2時間のうちに計4体のネウロイを撃破してきたに戻った。

 

そしてこれは余談だが……ガエリオが戦っている勇姿をミーナさんはうっとりした表情で見つめていたが、その隣で興味本位で覗いていた坂本少佐はガエリオの戦闘力に驚きっぱなしだったという。




「……俺がネウロイ相手に無双か」

「えぇ‼︎ とても良かったと思うわ。私は貴方が戦う姿……とてもかっこいいと思うわよ♡」

「み、ミーナ///」

「うふふ♡ 照れてるガエリオ……可愛い♡」

「か、からかうな///」

さて、いちゃついている2人は放っておいて……多分次も前半あたり2人はいちゃつくと思うので、そこら辺よろしくお願いします……リア充どっか行け(ボソッ)

「ん? なんか言ったか?」

「多分私達が目の前でいちゃついているから嫉妬しているのよ。そっとしておきましょう?」

うわぁーん‼︎ ミーナさんのいけずぅ〜(びゅ〜ん)

「あらあら……私悪いことしちゃったかしら?」

「……そっとしておこう」
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。