魔法少女リリカルなのは~チートな主人公が頑張っている物語~   作:てりー

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プロローグ

カタカタカタカタ

部屋に響くのは文字をタイプする音だけ、だだっ広い部屋に一人ってのは寂しいけど、それもそろそろ終わる。

 

「名前は石神剣介。っと」

 

 作り終えたばかりの報告書を隊長に見せるためにプリントアウトする。

他の人は技能訓練中なんだろうな、俺もそっちに行きたいけど魔法が使えないから仕方ない。

 

 そんなことを考えながら出来上がった報告書を持って部屋をでて、すぐ近くにある隊長室のドアをノック。「どうぞ」という声が聞こえたので入るとガタイのいい中年のおじさんがいた。

 

「失礼しますグレアム隊長、報告書作成終了いたしました」

「うむ、確認しよう。見せてくれ」

 

 『脳筋でもできる報告書作成法』というプログラムに入っている練習用なのでほとんど報告することがない、そんな薄っぺらい報告書をじっくりと見つめている。見ているのは内容よりも誤字・脱字なのだろうが見直しはしたので大丈夫……なはず。

 

「よくできているよ、基本的な構成は出来ているから、あとは実際に任務にでるようになってからだね」

「ありがとうございます」

 

「あぁ、剣介君、仕事は終わりだろう。ちょっと話していかないか?」

 

 これで今日の仕事も終わったから帰ろうかな、などと考えているとグレアムさんに呼び止められた。まだ時間はあるから話していこうかな。

事件から一年一ヶ月、ここまであっという間だったな。

 

 思いだそうとすればすぐにでも思い出せるあの光景、あの時のメンツで陸にきたのは俺だけだ。

なのはは武装隊で教官を目指すために修行中、フェイトは執務官になるためアースラで勉強、はやては保護観察ということでヴォルケンズと一緒に海でお手伝い。

まぁ、はやてに関しては近いうちに陸にくるだろう。海での仕事が終われば次は陸だし、地上部隊の指揮官訓練をしたいとも言っていた。

ユーノは無限書庫で働いていて、クロノは相変わらずアースラ勤務ということで陸には誰一人いない。

 

「いきなり頼み込んだにも関わらず、一年で隊員探しから新部隊発足までしてくれて本当に頭が下がる思いですよ」

「君へはたくさんの迷惑をかけてしまったからな、少しでも償いになればいい。

それに部隊員は9名だから、それほど苦労したというわけではないよ。レジアスが手伝ってくれたのも大きかった」

 

 闇の書事件で名声を落とし、飼い殺しのような状態になりかけたグレアムさんを救ってくれたのは陸の最高司令官レジアス・ゲイズ中将だそうだ。

はたからみれば地上部隊のなかでも端っこに位置し、陸でも海でも中途半端な立ち位置だから、レジアス中将が嫌々ながらも引き取らされてしょうがないから置いておいてやる、という風に見えるが実は違う。

 

 この部隊は『ミッド地上部隊所属新人育成課』という名前だ。

やることは名前の通り新人育成なのだが、ただの育成部隊と違うのは海からきた魔導師がいるという点。

陸・海ともに育成部隊はあるが、出向という形以外で所属の違う隊員が混ざることはない、だがこの隊は中途半端という立ち位置だからこそ、陸・海双方ともに正規の部隊員として所属することが可能になった。

そういう意味で、この隊はグレアムさんの希望に沿ったベストな隊なのだ。

 

 最後の一口の余韻を噛み締めながら紅茶を飲み干す。

今日は鍛錬の日だからあまり長くはしゃべっていられないので、そろそろ帰ろう。

 

「では、今日はこのくらいで、紅茶御馳走様でした、美味しかったです」

「あぁ、お疲れ様」

 

 失礼します、と頭を下げて更衣室に向かう。支給された当初はあれほどパリッとしていた地上部隊の制服も少しずつ身体に馴染んでいる気がする……成長期はこれからだから、何回も新調することになるだろうけどね。

 

 更衣室でいつもの服に着替えて外に出ようとすると猫耳をつけたお姉さんに出会った、グレアムさんの使い魔リーゼアリアかリーゼロッテだろう。

 

 最初はどっちがどっちか話すまで分からなかったが最近は見分けがつくようになってきた。尻尾がビュンビュンと勢いよく振られているほうがロッテの確率が高いのだが、今回はおとなしいのでアリアだろう。

 

「あぁ剣介、今帰り?」

「やっぱりアリアか」

「そうだけど、どうしたの?」

「いやいや、なんでもない」

 

 ふぅ危ないあぶない、この判別法を知られるとまた入れ替わりをしてくるからな……結成当初何度も弄られた悪夢は忘れないぞ。

 

「じゃあまた明日な」

「えぇ、また明日」

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