メタファイズが入ってるパック、18ほど買ったんですけど、ラグナロク一枚しか当たらなかったです。
……レリーフの『メタファイズ・エグゼキューター』含め、全種類集まったのは僥倖でしたけど。
メタファイズよりクローラーが大量に出てきて、その癖星遺物の傀儡が一枚しか当たらないという笑い話。
ドリアード二枚、ふつくしい―――
放課後、夕食を作っている時。
「なぁ十哉。どうすればオベリスクブルーになれる?」
かなり真面目な顔をしてたから何かと思ったら……。たまに親から送られてくる野菜を切りながら答える。
「これから一週間ぐらいでテストがあるだろ?」
「そうだね」
「それの筆記を満点、実技をマッチ形式でやってもらって全部ワンキル」
「ふんふん思ってたより簡単……じゃないな!?」
「それでイエローに上がれるから、また来月同じようにすればいい。つまり、どんな天才でも二回使わないとブルーには上がれないな」
去年全力で頼み込んだから電気とガス、水道ぐらいは使える。味噌を取り、あらかじめ昆布で出汁を取っておいたお湯に入れる。
「むぅ……」
「ちなみに、レッドからイエローくらいならそこまで難しくも無い。一年生だしな、けっこうイエローとブルーは入れ替わる。ただし」
野菜を入れ、豆腐も形が崩れないように入れる。後は加熱しとけば良い。米は炊いてあるから、後はおかずか。毎日魚なんて飽きるからなぁ……。
「『ただし』……何だよ?」
「ん? ……あーっと、そうそう。一年を過ぎたら、ほぼ確実に寮替えは実現しない。何故かってーと、それ以降の実技の試験官は門番だからだ」
「ん? 門番って、あの厳ついボディーガードみたいな奴の事か?」
「そうだ。俺の天敵でもある。……あいつ、この学園最強だからな」
あー、門番にたかる? ……無いな。ここまで夕飯の準備しちまったんだから、今からじゃ門番のとこには行けない。
「え……最強って、あの天上院って奴だと言ったじゃないか」
「あれはあくまで『生徒最強』。学園最強は門番。常に最強のデッキを使い、それを使いこなし、相当な運がないとモンスター一体倒すので精一杯。……噂によると、元プロだとかKCの影の存在だとか」
ったく、野菜炒めにするか。肉が無いんだよな……そろそろ他のとこの寮母さんたちと和解するべきか。色々しつこいからぶちギレちまったんだよなぁ……。
「いや、まさか。しかし……」
「あん? どうした遠亞」
「な、何でもない! そ、それよりもテストだ! 実技はどうにかなるから、筆記を教えてくれ!」
両手を合わせて頼み込んできた。
「めんどい」
「そこをなんとか!」
「お前ならオベリスクの女子どもがこぞって助けに来てくれるだろ」
野菜炒めを皿に盛り付け、遠亞に渡す。
「持ってけ」
「……うん」
「お~い宇良華! 準備手伝え!」
「はーい!」
ご飯を四つ、味噌汁を四つ。普通に夕飯だな。
夜。俺の目の前には机とノート。レッド生はテストでしくったら即退学だからな。
遠亞は大丈夫かね。あいつなら実技だけで取り敢えず退学は免れるだろうけど……。
それに、宇良華をどうにかして追い出さないとな。あいつの背中にある羽は他人に見えてない事とか、テンテンの奴が疑って無い事とか、学園関係者意外がこの島に居るのに誰もおかしく思わない事とか、胡散臭い事だらけだし。
……いやマジで何者だよ宇良華。幸い、宇良華の存在を知ってるのは『眠り姫』に遠亞、門番、テンテンに校長、ぐらいか?……いや、イエローのトップも知ってるか。名前何だっけな。
ん、この問題は……こんなとこかな。
「……」
同じ部屋で『眠り姫』と宇良華が寝ているので、静かにテスト勉強。何てことはない。簡単な事だ。
「……ちっ、二問間違いか。これと……これ……か」
俺はテストの筆記だけで退学を免れている。だから、嫌でも勉強はしなくちゃいけない。自然と点数は上がるし、それなりに知識は付く。
逆に『眠り姫』は実技だけで退学を免れる。……地味に凄い事だよな。門番とのデュエルで、勝ち負けはともかく合格点を貰えてるんだから。
「ふわぁ。……そろそろ寝るかね」
生活環境が変わりすぎてそんなに集中出来ない。こりゃ、実技をちゃんと受けなきゃいけない可能性もあるな。
……デッキの調整しとくか。門番、今はどんなデッキ使ってるんだ?
テスト前日。
なんとなく気になって一年の教室に顔を出したが、遠亞はブルー女子たちに囲まれて勉強していた。そしてそれを羨ましそうに見ている男子たち。嫉妬の視線が遠亞に突き刺さってるな。
しっかし、俺にはそこまでよく分からないがショタというんだっけか。遠亞はそんなに可愛いか? 確かにチビだし童顔だけど。……まあいいや。テスト終わったら不腐風先輩に『ショタの良いところ』でも聞きに行くか。
……うん、ついでに遠亞も連れていこう。不腐風先輩がどんな反応をするか楽しみだ。
さて、案外遠亞は大丈夫そうだから戻るか―――
「あのっ、遊城十哉さんですよね?」
「人違いだ」
恐らくデュエルの申し出を断り、さっさと移動する。戻る? そんな生易しいものじゃない。逃走だ。
しかし、呼び掛けてきた男子は追い掛けてくる。ちっ、追い付かれるつもりは一切無いが……同学年や先輩たちが慣れてきてたから忘れてたぜ。
遊城の名はちょいとばかり重すぎる。派手すぎて、俺は持ってるだけで精一杯なんだよ。
あー、コンディション最悪だ。テスト大丈夫か? 今回は久し振りに全力でテスト勉強するべきだな。
ちなみに『眠り姫』は普段通り寝ていた。そのマイペースが羨ましいぜ。
そして時間はあっさり過ぎ去りテスト当日。
おお、解ける解ける。ブンボーグの高打点を喰らったライフのように解ける。これなら或いは満点行くかもな。実技もすっぽかして良いレベルだ。
見直しの時間もかなり取れた。……っと、ここチゲェな。カオスポッドじゃなくてメタモルポッドだ。
テスト終了。これで今日の午後は何も無い。明日、実技があるが……すっぽかそう。調子は良いが、門番なんかに勝てる気がしない。
恐らく白紙で提出したであろう『眠り姫』を回収して試験場である大講堂を出る。
「やあジュージュー。テストはどうだった?」
「おうテンテン。実技を受けなくても良い程度だ」
「もう、十哉ならちゃんと受ければブルーまですぐに上がれるだろうに」
「やだよめんどい」
テンテンと決まり文句を言い合う。まぁテンテンはいちいち本気で言ってくるけどな。
「っとあいつの様子でも見に行くか……。わり、テンテン。用事があるんで後でな」
「あぁ」
何処に居るかね。……取り敢えず一年の場所に行くかな。
遠亞は教室に居た。一人ポツンと、机に突っ伏している。
……見事に焼ききれてやがるな。アニメか漫画だったら頭から煙でも出てそうだな。
「おい遠亞。起きてっか?」
「うぅ……十哉。辛かった」
「それは見りゃ分かる。どうよ、満点取れそうか?」
力無く頷く遠亞。自信はあるのかよ。
「それなら良いんじゃねぇか? で、お前名字カ行だから実技今日だよな? 準備は?」
「…………あぁっ!?」
ガタンと音を立てて立ち上がる遠亞。実技の事忘れてたなこいつ。
「周りに誰も居ない時点で気付けバカ。ほら急げ!」
「うわあぁぁっ!」
教室を飛び出し走っていく。ほんと、コミカルな奴だな。
「お前は準備とか良い……聞くまでも無かったな」
「ふわぁ。これでもしっかり準備はしてありますわぁ」
……実技一本なのは変わらない、と。まぁこいつが退学になればそれだけで俺の負担が激減するから良いんだけどな。
どうせ今回も合格貰うんだろうし。
大きく伸びをして寮へ帰る。心の中で遠亞にエールを送っといたから大丈夫だろ。……そうだ、今のうちに寮母さんたちに会うか。
デュエルなんて無かった。次は何のデッキ出そうか凄く迷ってるんですよね……。
なんか『このデッキ出して欲しい』と言うのがあったら感想へどうぞ。
では次回予告。ナレーター:十哉。
これで月一テスト終了。結果が出るまで暫く間が空くからな。何処か面白い所でも行くかね。……離島だからマシなとこ無いけど。
―――そうだ、不腐風先輩の所行こう。万能部の活動もやらなきゃな。ついでに遠亞も入部させちまえ。
次回、『万能部ってなぁに?』