遊戯王AU-M<英雄の孫>   作:yourphone

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最近新しいデッキを作る気力が起きない。
友達がF.A(フォーミュラ・アスリート)作ったからそれに対抗してU.A(ウルトラ・アスリート)を作りたいなーとか思ったけど全然見つからないわけだ。
なんなんだかなぁ。


主人公の戦い

 トラゴエディアの一撃が天馬を吹き飛ばす。天馬は公園の木にぶつかり、ぐったりと倒れ伏す。

 俺はそれを見ながら、何も出来なかった。……いや。操られていたとはいえ、俺が。

 もう戻れなくなってからようやく気づく。これ(トラゴエディア)は強い。だけど、だから、封印されたのだと。それを解放したのは……俺だ。

 

『な、トラゴエディアだと!? それにあれは―――』

『うむ? おぉ……会いたかったぞ……遊城十里ィィィッ!』

『違う、十里はわしの息子だっ! わしは、十代! 孫を離せ!』

 

 絶望の中、希望(ヒーロー)は現れた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふふ、私はこれでターンエンド」

 

 金上さんが居れば、そう思わざるを得ない。沢渡さんも次の仕事の関係でスノーエンジェル宝石店に行っちゃってるし。

 凪草ちゃんと新葉ちゃんは既にやられちゃって倒れてる。職員さんたちには二人がデュエルしている間に逃げてもらった。

 後は、私がスタンディングデュエルでどこまでやれるかにかかってる。

 

「ドロー! ねぇ、貴女の目的はなんなの? 道場破りならプロになってからにしてよ」

「クスクス……そんな古臭い事しないわよ。人を待ってるの。ここに居ると思ったのだけど……まぁ、その内来るでしょう?」

「いや聞かれても……」

 

 引きはまあまあ。相手の場は『大天使 クリスティア』と伏せが二枚。ちょーっと厳しいな。

 

「とにかく、新葉ちゃんと凪草ちゃんの仇はとるよ! 永続魔法、『陽炎柱(ヘイズピラー)』を発動! これで陽炎(ヘイズ)はリリース無しで召喚出来る!」

「あら、陽炎って攻撃力2800を超えられたかしら?」

「う……。特殊召喚出来なきゃ無理だよちくしょうっ! なんか魔法入れてたっけなぁ」

 

 なーんてね。

 

「モンスターをセットしてターンエンド!」

「ではトラップ、『背徳の堕天使』を手札の『堕天使スペルビア』を墓地へ送り発動。そのモンスターを破壊しますわ」

 

 スペルビアがモンスターを破壊する……そんな、これじゃあ。

 

「次のターン凌げるか分かんなくなっちゃった。でも破壊された『火舞太刀(かまいたち)』の効果でクリスティアを破壊! そして500のダメージだ!」

「あら」

 

 ???? LP7500

 

「陽炎で無理ならしっかりサポートするだけだよ!」

「……ままならないものね。クリスティアはフィールドから墓地へ送られる場合、デッキトップへと帰る」

 

 よーし、相手の手札は無し。だからこれで負ける事は無い!

 

「エンドフェイズ中に『リビングデッドの呼び声』ですわ。対象は当然スペルビア。そしてスペルビアの効果で私、イシュタムを蘇生しますわ」

「ノオォォッ!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『あら。ねぇ』

『あ?』

 

 じいさんはあの日トラゴエディアと相討ちとなり……その身を(てい)してトラゴエディアの力を削いだ。だが、俺の体に侵食していたトラゴエディアを再び封印する事は出来ず、俺は引っ越す事になった。

 

 しかし……俺にはあのデュエルはトラウマとなって残っていた。

 じいさんの全力、俺に向かって攻撃してくるヒーローたち、そしてそのダメージは全て俺へとくる。

 堪えきれず叫んでしまう度に苦しい顔をするじいさん。

 それを見て嬉々として嘲笑(わら)うトラゴエディア。その声は、俺の口から出ていた……。

 

『あなた面白いわ。これ、お願いね』

『は? ちょっ』

 

 この世界はデュエルが全てを支配している。それは、俺にとって凄く生きづらいものとなっていた。

 トラウマのせいでろくろくデュエルも出来ず、かと言って悪い成績ではじいさんの……俺が、殺した、じいさんの。名前に泥を塗ってしまうから。

 止める両親を振り切って、どうにかこうにかデュエルアカデミアへと入学した。

 

『おい、なんだこれ。真っ白なカードって……おい。おい?』

『……Zzz』

 

 その入学式で『眠り姫』と出会って、あの不思議なカードを押し付けられた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「クスクス……随分と粘るわね」

「それが取り柄だからね」

 

 あのあと、『神属の堕天使』でクリスティアの効果が切れた一瞬の隙で破壊する事に成功した。

 したけど、もう後が無い。

 たった今最後の『バトルフェーダー』を使い切った。『BK(バーニングナックラー) ベイル』ももうデッキに無い。

 

 相手のフィールドは……スペルビア、テスカトリポカ、イシュタムの三体。

 私の手札はさっき破壊されたサーベラスの効果で持ってきたペリュトンと魔法が一枚だけ。『補充部隊』が真っ先に破壊されたのが、きつかったなぁ。

 

「ではターンエンド。クスクス……次の私のターンで終わりすわね」

「それはどうかな。―――ド、ローーー!」

 

 よーし! 一気に攻め……待った、確か神属の堕天使が墓地に残ってる。うーん……。

 

「メインフェイズ! 『バトルフェーダー』をリリースして『陽炎獣 ペリュトン』を召喚!」

「効果を使われると面倒だわ。ライフを1000払いテスカトリポカの効果。対象は勿論墓地の『神属の堕天使』。ペリュトンの効果を無効に」

 

 ???? LP3800

 

 ペリュトンの体に液体がかけられ、炎を消されちゃう。

 

「そして攻撃力分回復するわ」

 

 ???? LP5400

 

 むっぐー、ずっこいなぁ。こっちのモンスターは対象にしないなんて。

 ペリュトンの効果が無効化されちゃったし……後残ってるのは、『背徳の堕天使』と『堕天使の戒壇』だったかな。あっちに伏せは無いけど、何か分からない手札が一枚あるし、イシュタムは墓地の効果を使える。だから、まだ。

 

「それならそれで! 私のフィールドと墓地に炎属性以外のモンスターは居ない! だから手札の『陽炎獣 グリプス』を特殊召喚! そして二体でエクシーズ召喚! 再び降臨せよ、『陽炎獣 バジリコック』!」

 

 私のエクストラデッキにはすっごく強いモンスターが何体かいるけど……今、この状況ならやっぱりこの子しか居ない!

 

「確か除外してくるのよね? なら破壊させて貰うわ。私の分身、イシュタムの効果! ライフを1000払い墓地の『背徳の堕天使』の効果を適用、破壊させてもらうわ」

 

 ???? LP4400

 

 ごめんバジリコック。出落ちさせちゃって。

 ……でも、これで妨害は無くなったよね!

 

「手札から最強の魔法カード、『真炎の爆発』を発動!」

「あら」

「墓地の火種よ、今一度その身を燃やせ! 特殊召喚するのはヒッポグリフ三体、サーベラスを二体!」

 

私の身を守るように五体の陽炎獣たちが立ち塞がる。

でも、普段ならもっと心強くて熱いのに今は寒い。

 

「あら、ヒュドラーは呼んであげないの? 薄情な子……クスクス」

 

 嫌らしく笑ってくるけど、こっちはそれどころじゃない。

 

「これって、貴女の仕業だよね」

「クスクス……何の話かしら?」

「私はカードの精霊が見える。陽炎獣(ヘイズビースト)たちはもっとお喋りなのに、このデュエルだと全然喋ってくれない。……何をしたの?」

 

 相手はクスクスと笑い続ける。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『ねぇ、おニちゃん』

 

 なんだ宇良華?

 

『私の事は……私たちの事は忘れていいよ』

 

 はあ?

 

『だけど、代わりにあの人を許してあげて。あの人も、必死だったから』

 

 知らねぇよ。

 

『うん、おニちゃんならそう言うよね。それに十哉は優しいから、あの人に復讐しに行くよね』

 

 ……。そのつもりだ。その為なら、俺は悪に染まってやる。

 

 デュエルのトラウマを克服するのは、一人じゃ無理だった。『眠り姫』とオシリスレッドの異常に厳しい環境で、デュエル自体へのトラウマを克服せざるを得なかった。それだって一日に二回、せいぜい三回が限界だ。

 それにトラウマはそれだけじゃない。そっちは、デュエルとは別の問題だ。

 尊敬するじいさんを殺したというトラウマは、未だに治らない。この事実は決して消えない。

 

 だけどな。『眠り姫』と宇良華、お前たちなら、この事実を知っても、特別視してこないと、そう思えたんだよ。

 

 だから、もしかしたらこれは復讐じゃないかもしれない。そうだとしたら、大事な事に気付かせてくれた()()()()だ。

 

『……。ねぇ、お願いを、お願いしたいけど、お願いしたいのが多くて決められないから、何か約束して?』

 

 約束は出来ない。俺はそんな良いやつじゃねぇ。だけどそんなに言うなら……俺を信じて待ってろ。

 待ってる内に、和解してろ『裏風の精霊』、『エルシャドール・ミドラーシュ』。

 

『っ……ず、ずるい』

 

 ずるくて結構だ。

 

 じゃあ―――

 

「行くか」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「―――精霊界で無理矢理押さえ付けるなんて、貴女が悪い精霊だって分かったよ」

「あら酷い。クスクス……でも精霊持ちっていうのは繋がりを千切れば弱いものなのよ?」

「……」

 

 そうかもしれない。けど、私たちの絆はそう簡単には切れない!

 それに、貴女じゃあ押さえられないのが私の中にいる。

 

「私、少~し怒ったからね! フィールドの五体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築!

 混沌よ渦巻け! 私の負の感情を喰らい、暗い炎をたぎらせろ!

 カオスエクシーズ! 現れろ、『CNo.05 亡朧龍(もうろうりゅう) カオスキマイラドラゴン』!」

 

 これが私の持つ()()のナンバーズの片方。圧倒的な攻撃力でデュエルを終演させる強力なモンスター!

 

 

『CNo.05 亡朧龍(もうろうりゅう) カオスキマイラドラゴン』

 ランク6 闇属性 ドラゴン族 エクシーズ

 攻撃力0 守備力0

 [エクシーズ素材の数だけ攻撃力が上がり、素材を取り除いてモンスターに連撃、更に膨大なライフコストを払う事でドローロックも出来る。せめて対象に取れなければ……]

 

 

「……へぇ」

「やっと笑い顔が消えたね? バトル! カオスキマイラドラゴンはエクシーズ素材の数×1000の攻撃力となる。つまり攻撃力は5000! いっけぇ!テスカトリポカを攻撃だぁっ! 超混沌獣撃(オーバー・カオス・ビースト)!」

「ぐっ……」

 

 ???? LP2200

 

 カオスキマイラドラゴンはその長い尻尾でテスカトリポカを叩き潰す。

 そして、イシュタムの方を見ると体の周りを回るエクシーズ素材を一つ、食らう。

 

「エクシーズ素材を使って連続攻撃! 二連打っ!」

「きゃああっ!」

 

 イシュタムとスペルビアは守備表示だからダメージは無いはずだけど、テスカトリポカが破壊された時よりも痛そうにしてる。分身とか言ってたしね。

 

「だけど容赦はしない! 三連打っ!」

 

 スペルビアも破壊。……倒さない方が良かったかもしれないけど、墓地には既にスペルビアが落ちてるし関係ない。それよりもフィールドからコストにされる方が怖い。

 

「バトルフェイズ終了時、ライフを半分払って効果を発動! うぐぅっ」

 

 九重純香 LP850

 

 カオスキマイラドラゴンに巻き付かれ、締め付けられる。大丈夫、これで死ぬことはない。

 

「あ、なたの、墓地のスペルビアと、私の墓地の『火舞太刀』を対象! スペルビアはデッキトップに、火舞太刀はエクシーズ素材に!」

 

 あの手札が何か分からないけど、これで大抵の事なら大丈夫。攻撃力4000は伊達じゃない。

 

「私はこれでターンエンド」

 

 『トレードイン』だったらドローされる。『背徳の堕天使』だったら私のターンに破壊される。『神属の堕天使』なら、時間を稼がれる。本当は、凄く分が悪い。

 でも、信じてるから。私は私のデッキを信じてる!

 

 

 

 

 

 

 

 

 外は夜。アカデミアの孤島なら真っ暗で目の前すら見えなくなるが、ここは町だ。眩しいくらいだ。

 だろ? トラゴエディア。

 

『クックックッ……自ら我に話し掛けるとはな』

 

 次のデュエルだけは、絶対に負けられないからな。なのにお前らの使い方を良く知らねぇし。

 

『なるほど。ククク……だがお前に使いこなせるか?』

 

 余裕だ。てめぇらの効果は全部分かってる。だが使いこなしてもあの堕天使とやりあうのは……無理なんじゃねぇか?

 

『それは我らが弱いと言いたいのか?』

 

 いや十分弱いだろうが。サポート多くしたからどうにか回るだろうけどよ。

 

『ふん。まぁ、我はデュエルを楽しみたいだけだがな』

 

 どうだか。

 

 デッキから一枚のカードを取り出す。本来なら世界に何枚もあったはずのカード。今ではこの一枚しかないカード。そして、未だに使える気がしない、気難しいカード。

 

「……それでいい。誰も、俺を許すな。お前たちを否定した俺を許すんじゃねぇ。ただ、デュエルででしゃばらなけりゃいい。デュエルの邪魔をしなけりゃいい」

 

 さて、トラゴエディアが付けた糸を辿った先。そこはYUSHOプロジェクトの事務所。なんでこんなとこに来たんだか。




純香さんと????のデュエルの結果は次回。まあ見え透いてますけど。
で、次回かその次らへんがこの小説の最終回となります。終わりが……見えてきた。

つーか読み返すとキャラがぶれぶれで設定を作ってなかったのがバレてしまう!
今更かな? ってことで次回予告。ナレーター:十哉。

俺のリベンジデュエル。相手の堕天使デッキは完成度が高く苦戦は必至。
俺のデッキは、勝てるのか? ……いや、勝つしかない。
そして、あの女の目的は? 待ち人とは誰か?

次回、『堕天VS闇』
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