では21話どうぞ。
1992年9月1日 ホグワーツ特別特急
レオとハーマイオニーはお互いの両親に出発の挨拶を終え、すでに列車は進み始めていた。
コンパートメントにはレオとハーマイオニーの二人だけだ。
そこへドアがノックされる。ドアが開くと赤毛の少女が立っていた。
「ここ空いてる? 良かったら一緒で大丈夫かしら?」
「構わないよ。」
「ええ、大丈夫よ。」
了承を得た少女は席に着く。ハーマイオニーには彼女に見覚えがあった。
「あなた、ダイアゴン横丁でロンと一緒にいたわね。ロンの妹さんかしら? 私はハーマイオニー・グレンジャー。ロンやその他のウィーズリー兄弟と同じグリフィンドール寮で二年生よ。でこっちが」
「レナード・テイラー。レイブンクロー所属の二年生だ。」
「あなたたちがハーマイオニー・グレンジャーとレナード・テイラーなのね。私はウィーズリー家の末っ子で名前はジネブラ、ジニーって呼ばれてるわ。二人のことはロンから色々と聞かされてるの。ハーマイオニーは学年一の才女で、レナードは勉強ができるだけの嫌な奴だって。でも多分ロンが嫉妬してるだけだから気にしないでくれると助かるわ。」
「才女だなんて……レオの方がずっと上なのに。それにしてもロンったらまだそんなこと言っているのね。」
「別に彼がどう言おうと特に気にしてないから別にいいよ。」
「レナードは大人なのね。ロンも少しは見習ってほしいものよ。私、今年入学なんだけど組み分けとか寮のこととか色々聞きたいの。グリフィンドールに入れるといいんだけど。」
その後はホグワーツの生活など色々と話すこととなった。やはり入学前で緊張しているのか聞きたいことが多いみたいだ。車内販売でお菓子を買ったりフェリス特性弁当を食べたりして時間が過ぎていった。
昼食を食べ終わってしばらく経ったころ、コンパートメントのドアが開かれた。ドアの先には悪戯で有名なグリフィンドールのウィーズリー双子が立っていた。たしかフレッドとジョージだったか。
「ジニー探したぜ。まさか我がグリフィンドールの才女様とそのお師匠様とご一緒だったとはね。」
「俺はてっきり愛しのハリーとついでにロニー坊やと一緒だと思っていたよ。」
「ジョージ!」
ジニーは顔を真っ赤にして双子の片割れに怒鳴る。
(なるほどあちらがジョージか。でこちらがフレッド。)
「さて、初めましてかなレナード・テイラー殿。俺はフレッド。そして相方の」
「ジョージだ。よし噂の天才様に問題を出そう! 答えられるかな?」
双子はコンパートメントから出て行った。数秒後には戻ってきたが、顔はニヤニヤしていた。
「「さぁ、どっちがどっちでしょうか!?」」
レオは即座に答える。
「右がフレッドさんで左がジョージさん。」
双子はまさか答えられるとは思ってもみなかったようだ。
「「うぇっ!? 嘘だろ!? も、もう一回!」」
十数回ほど繰り返してもその全てでレオは即答で正解していった。
「なんでわかるんだ? ママでさえたまに間違えることあるのに……。」
「魔力の質とかは人それぞれで全く異なっているからですね。親子や兄弟でもそれは変わりません。なので一度覚えれば一目瞭然というわけです、フレッドさん。」
「あー、完敗だ。流石はレナード・テイラーってか。それと俺たちのことはフレッド、ジョージでいいよ。もう俺たちは友達だ! でも次は負けないぞ! ふふふ……。今年は廊下での不運な事故には十分注意した方が良いぜ! じゃあな!」
双子は不穏なことを言ってコンパートメントから出て行った。
「うちの双子がごめんなさい。たぶんレナードのこと気に入っちゃたと思うわ。今年は悪戯のターゲットにされること間違いなしね。」
「まぁ、彼らがどんな悪戯をするか興味はあるね。なにか参考に出来るなら御の字ぐらいに考えておくよ。」
「レオなら双子にも余裕で対処できるから大丈夫よ。それにしてもハリーとロンがどこにいるか双子も知らないみたいだったわね。どうしたのかしら?」
その後はレオに対して勉強会のメンバーが挨拶が来たり、双子がさっそく悪戯を仕掛けようとして監督生のパーシー・ウィーズリーに連行されていったり賑やかな雰囲気のまま列車は走っていった。レオはジニーの鞄から見たことない魔法の式が見えていたが、流石にプライベートなものもあるだろうから我慢して見なかったことにした。
そうこうしているうちにホグズミード駅に到着した。
「一年生はこちらです。ついてきなさい。」
ハグリッドがアズカバンに投獄されているため今年からは一年生の引率はマクゴナガル先生の役目のようだ。それに伴い険しい山道は舗装されていて随分と歩きやすくなっているようだ。
ジニーと別れてレオたちは馬車で移動することとなった。
「この馬車、馬がいないのね。魔法で動いているのかしら?」
「セストラルが引いてるね。セストラルは天馬の一種で死を認識した人間しか見ることができないんだ。珍しい種だからよく観察するとしよう。ハーマイオニーも見たいかい?」
「うーん……。ちょっと怖いけど見てみたいわ。でも死を認識なんてどうするの?」
「別に見る側がどうにかしなくてもセストラル自身に細工すれば問題ないよ。彼らの纏ってる認識阻害魔法が死の認識の有無で発動するかどうかなだけだからね。」
レオはセストラルに触れ、その認識阻害を解除する。途端にハーマイオニーの目にもセストラルの姿が確認することができるようになった。
黒毛で骨ばっている外見に翼がある。認識阻害が解除されても大人しく馬車を引いていることからよく躾されているようだ。馬車がホグワーツに到着するまでじっくりと観察を続けた。
組み分けの儀式は去年と同じように行われた。帽子の魔法は相変わらず全く衰えておらず美しい式を纏っている。ただ、帽子の歌は若干細部が違っていた。どうやら毎年少しずつ違っているようだ。
組み分けも終わり宴が始まる。レオも好きなように食べていると、そこかしらで噂が聞こえてくる。何でもハリー・ポッターとロン・ウィーズリーが空飛ぶ自動車で暴れ柳に突っ込んで到着したらしい。列車内で見ていないとの事だったが何とも派手な到着だ。おそらく列車に乗り遅れたせいだろうが、他に方法はなかったのだろうか?
スリザリンのテーブルではドラコ・マルフォイがポッターは退学だなどと騒いでまたグリフィンドールを馬鹿にしている。毎度毎度飽きもせずによくやると感心するほどだ。
宴が終わり校長の挨拶となる。今年は賢者の石もないため基本的な注意事項のみであった。
それと新しい闇の魔術に対する防衛術の教授の紹介もされた。
ギルデロイ・ロックハートが立ち上がり挨拶をする。ただそれだけで女子生徒の大半が黄色い歓声を上げるが、一部の女子生徒とほぼすべての男子生徒、それに教師陣の全員は白い目でさわやかに笑いながら自己紹介をするロックハートを見ていた。
レオは他の生徒とは別方向、自室兼研究室に足を向ける。数カ月ぶりに中に入るが今日も掃除したかのように清潔だった。おそらく屋敷しもべ妖精が掃除をしてくれたのだろう。ありがたいことだ。
また明日から授業が始まるが今年はどんな一年になるのだろうか。
そんなことを考えてベットで眠りについた。
レオはウィーズリー兄弟と仲良くなった!(ロン除く)
双子はオリジナル魔法具を作ったりとレオとも仲良くする要素が多いです。
ジニーはロンがしつこく悪口を言うので逆にロンが悪いんだなと思ってます。
パーシーは接点はないですが優等生で色々研究で有名なレオは好印象です。
トムの日記はジニーが鞄から出していたら下手したら秘密の部屋はここで終了になるとこでした。
ハグリッド投獄での影響が出ましたね。小さいですが。
では次回お楽しみに。