巻が進むごとに話数が少なくなる……。
まぁ、三巻はハグリッド不在でバックビークの件が無いし、逆転時計もないしで
是非もないよね!
あとこの話と同時に登場人物紹介・メモも投稿しているので気になったら見てください。そっちは随時情報更新していこうかと思います。ネタバレがあるので最新話まで見てから読んでください。
では44話どうぞ。
シリウス・ブラックの脱獄と真実。
ピーター・ペティグリューの逃亡。
レナード・テイラーによる殺狼薬の発明。
この1993年での出来事は魔法界を大きく騒がせた。
だが年が明けてからは大きな出来事もなく平和な日々が始まる。
それはホグワーツでも同様であり、生徒も教師も皆変わらぬ日々を過ごしていた。
殺狼薬の接種後、リーマス・ルーピンは満月の夜に狼になることを恐れなくて済むことからなのか、今までの服装なども一新して見違えるようになる。授業もより一層生徒たちを思って取り組むようになり仮に狼人間であったとしても生徒に慕われるような立派な教師になっていた。
宿題に忙殺され、クィディッチの試合で白熱して、グリフィンドールとスリザリンがいがみ合い、ホグズミードに行き、スネイプに減点され、ウィーズリーの双子が騒ぎを起こし、マクゴナガルが怒る。そんな平和なホグワーツが最終日まで続いていた。
学年末パーティーが今年も盛大で生徒たちは料理を楽しんでいる。大広間は真紅と黄金で彩られ、獅子のシンボルがそこらかしこに飾られている。今年の寮杯を獲得したのはグリフィンドールだ。クィディッチでの圧倒的大差での優勝の勢いのまま寮杯の獲得まで至ったのだ。これに大きく貢献したのはチームの要、シーカーのハリー・ポッターだ。なんでも名付け親のシリウス・ブラックから現在の最高峰の箒『
試合など全く見ていない、ついでに寮杯にも興味がないレナード・テイラーにとってはどうでもよいことなのだが。
闇の魔術に対する防衛術の教師は来年もリーマス・ルーピンが担当することになりここ数年間続いていた負の連鎖は断ち切られることとなった。その知らせをダンブルドアが言った時には生徒たちは喜んでいたが、闇の魔術に対する防衛術の教師を切望しているスネイプがルーピンのことをもの凄い顔で睨んでいたのだが触らぬ神に祟りなしということで皆無視していた。
今年もレオを除けばハーマイオニーが受講教科ではトップの成績であった。レイブンクローの生徒以外はもうレオとハーマイオニーは別枠でいいんじゃないかなとあきらめの境地である。
そんなこんなで三年目も終了しホグワーツからキングス・クロス駅に向かう列車の中。
今回はレオとハーマイオニーの二人だけでなくクーもコンパートメントにいる。両親たちにはクーのことを知らせてはいるがクリスマス休暇に戻らなかったこともあって会わせるのは初めてだ。
クーは初めて乗る列車に興味津々の様子だ。今は小さい状態の為に落ち着きなく窓の外を見たりしている。外の風景が少し変わるだけでも驚いて興奮してはしゃいでいる。
「ご主人。今日はご主人の両親やママの両親に会えるの? ん? ママの両親ってことはおじいちゃんとおばあちゃん?」
「クーちゃん。ちょっとそれは言わない方が良いかも。」
「娘がいきなりママって呼ばれてたら流石に怒られるかなぁ……。」
その後もクーが興奮し、ハーマイオニーが相手をして、レオがそれを眺めるという感じでキングス・クロス駅への旅路は続いく。
数時間後。キングス・クロス駅に到着する。
「お帰り、レオ。それにハーミーちゃんも。そしてこの子がクーちゃんね!」
「クーです! ご主人のお母さま、お父さま。よろしくお願いします。」
「ほー……。これがその魔法生物か。ファッジ大臣はメイドって言ってたが随分違うな。」
「メイドになる方が良い?」
そういうとクーはグニャグニャと変形してメイドの姿に変化する。その様子にレオの両親もハーマイオニーの両親も目を丸くする。
「魔法っていうのは何でもありなのねぇ。」
「我が娘もそんな世界にいると思うと遠くに行ってしまった気がするなぁ……。」
その後、九と四分の三番線内に併設されたカフェで両家は学校での出来事や夏休みはどうするのかを話していく。夏休みには大きなイベントがあるとアースキンが話し出す。
「この夏はビックイベントがあるぞ! なんとクィディッチのワールドカップだ。この国で開催されるのは随分と久しぶりになる。警備も兼ねて俺は行くことになるが、家族もどうかってことでここにチケットが二枚ある! どうだ? レオとハーマイオニーの二人で行ってみないか?」
「父さん、悪いけどクィディッチには興味がないから遠慮させてもらうよ。」
「ごめんなさい。レオが行かないなら私もご遠慮します。」
息子とガールフレンドの予想外の反応にショックを受けるアースキン。せっかく息子たちのデートにとコネを使って手に入れたのが無駄になってしまった。
「はいはい。落ち込まないの。それじゃ、私が行くことにするわ。もう一枚どうしましょう。クーちゃん来る?」
「わたくしもレナード様とおか、んん! ハーマイオニー様が行かないのであればあまり気が進みませんね。」
ハーマイオニーの両親も一応誘ってみるがクィディッチを知らないし、一人だけではということで断られた。
「んん~そうね。じゃあ、誰か友達を誘ってみるわ。」
その後はいつものように夏休みの計画を立てるレオとハーマイオニー。今年は旅行や用事もないのでほぼ毎日テイラー邸で魔法の勉強などに時間を費やすことになりそうだ。
両家は別れを済ませたのち、グレンジャー一家は自動車で家に帰り、テイラー一家は煙突ネットワークを使って家に戻る。
「ただいま。クー、ここが僕らの家さ。クーもこれからは僕らの家族なんだから遠慮しないでいいんだよ。」
「そうよそうよ! ねぇねぇ、さっき小さい姿から今みたいにメイドさんになってたけど姿って色々変えられるの? 服は!?」
いきなりのフェリスのテンションに若干引きながらクーが答える。
「は、はい。このメイド服はわたくしの体を作り変えているだけなので形だけならばどのような外見にも変化は出来るはずです。」
「ふふ、いいことを聞いたわ。クーちゃん! 明日からハーミーちゃんと一緒にファッションショーよ! ハーミーちゃんにも連絡してくるわ!」
バタバタと今から出ていくフェリスを呆然と見ているクー。
それを見ていたアースキンが説明してくれる。レオはすでに学校の宿題の片づけを開始していた。
「あー、なんだ。レオはさ魔法ばかりで服とかには興味がないし、フェリスも女の子も欲しかったんだよな。それでクーが来たから娘として見てるのかもな。できれば付き合ってほしいな。」
「レナード様、いかがいたしましょう。」
「とりあえず、母さんが満足するまで頑張れ。嫌だったらそう言っていいから。」
次の日からハーマイオニーを交えて女性たちのクーの着せ替えショーが開催された。
その様子を見ながら今年の夏休みは騒がしくなると確信したレオだった。
来年は静かな年になればいいなぁと思ったがおそらくそれはないであろうと直感が告げていた。
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アルバニアのとある森の中。
そこには見るも哀れな姿に成り果てた存在がいた。
全盛期は闇の帝王として魔法界全ての魔法使いに恐れられ暴虐の限りを尽くした存在であるとはその姿を見て誰も思うまい。
闇の帝王は待っていた、復活の機会を。帝王は信じていた、必ず時は来ると。
そこに一匹のネズミが現れた。ネズミは姿を人に変える。
その瞬間、闇の帝王は時が来たことを理解した。
再び魔法界を闇に染める時が来たのだと。
平和なホグワーツで三年生は終了です。
クィディッチワールドカップはレオたちは不参加です。
代わりにアースキンが頑張ってくれます。
次回はちょっとした閑話を入れて四巻に突入です。
次回予告!
クィディッチワールドカップで起こる騒動。
開催される三大魔法学校対抗試合。
選ばれる四人目の選手。
暗躍する死喰い人。
4章 三大魔法学校対抗試合は研究発表会
ハリー「四人目! つまり僕の出番! そうだよね!?」
作者「未定だ!(本当は決まっている)」