色んなオリ主がいるホグワーツが舞台ですごくカオスだった。
まぁただの夢でしたが。
それでは46話どうぞ。
1994年9月1日 キングス・クロス駅 九と四分の三番線。
今年もホグワーツ行きの赤い蒸気機関車が出発の時を待っている。
生徒たちは続々と列車に乗り込み両親たちと別れの挨拶をしている。
レオとハーマイオニーもそれは同じである。
出発時刻となり列車が動き出す。親たちの多くは遠くに見えなくなる列車を見ながら自分たちもこうやって見送られていたんだなと感じていた。
「今年は何もないと良いんだけど……。」
保護者の集団の中の誰かがそう呟いた。その呟きが聞こえた者たちは誰もが同様な思いを抱いた。
三年前は教師の一人が
一昨年は秘密の部屋が開かれて怪物であるバジリスクによる被害がでていた。幸いにも死者はでなかったが、それも紙一重の奇跡だろう。
そして去年は殺人犯と思われていたシリウス・ブラックが侵入して吸魂鬼が我が物顔でホグワーツにいたらしい。結局はシリウス・ブラックは無実で危険は無かったのだが。
ここ数年立て続けにホグワーツでは色んな事が起こりすぎている。
子を持つ親として何事もなく平和な学生生活をおくって欲しいと誰もが願っていた。
その願いが叶わないだろうとは薄々感じていたのだが。
キングス・クロス駅からホグズミード駅までは去年のように吸魂鬼が乱入するようなこともなく無事に到着した。
だが、天候は最悪だ。雨も風も猛烈でありホグワーツに着くまでにびしょ濡れになるのは当たり前だった。そんな周りを見ながら自分とハーマイオニー、クーを雨風遮断膜で覆いながら見ているレオは既存の傘に魔法を付与して完璧に雨を防げて風で壊れないようにしたらいい商品になるのかな、なんて考えていた。
新入生たちを待っている間に上級生や先生たちが魔法を使って生徒たちの服を乾かしている。組み分け前には全員が問題なくテーブルに着いた。
組み分けも無事終了。ダンブルドアの号令で宴が始まる。
相変わらずホグワーツの料理は、自国民でさえ不味いと思っているイギリスの中でトップクラスの味付けだ。これを食べるのが楽しみでホグワーツに在籍している生徒もいるのではないかと言われているほどだ。
楽しい食事も終わり、ダンブルドアが話し始めた。
「皆よく食べ、よく飲んだことじゃろう。さていくつか知らせる事柄がある。」
持ち込み禁止の品、禁じられた森への立ち入り禁止、これらは毎年のことだ。
だが次にダンブルドアの口から出た言葉はほとんどの生徒に衝撃を与えた。
「さて、これから伝える内容は皆にとって辛いかもしれん。今年のクィディッチ大会は取りやめることとなった。」
大広間にどよめきが上がる。中には叫んで立ち上がる生徒もいる。前年卒業したグリフィンドールのオリバー・ウッドがいなくてよかったとグリフィンドールの生徒は誰もが思った。
生徒たちが静かになってからダンブルドアは続きを話し出す。
「なぜクィディッチが取りやめるのか? その答えを示そう。10月から今学期の終わりまであるイベントが続くからじゃ。クィディッチにも劣らぬほど皆が楽しむであろうとわしは確信しておる。」
ダンブルドアは一旦ためを作ってみせた。
「今年、ホグワーツで、
「ご冗談でしょう!」
グリフィンドールの双子の片割れ、フレッドの声が響く。大広間は爆笑につつまれる。
ダンブルドアが詳しい説明を始める。
「その昔はボーバトン、ダームストラング、ホグワーツで共催して五年ごとに持ち回りで行っておった。だが、悲しいことに夥しい死者が出てしまい中止になってしまっていた。だが、それぞれの学校の校長と魔法省の魔法ゲーム・スポーツ部と協力して今年、数世紀ぶりに再開されることが決まった。」
「立候補するぞ!」
どの寮からも代表への立候補の声が上がる。声を出さなかった者も自分が代表になって活躍する姿を思い浮かべている。だがダンブルドアの次の一言は彼らに衝撃を与えた。
「今大会からは、参加選手に年齢制限を設ける。成人、つまり17歳になっておらん生徒は立候補は出来ないのじゃ。」
この宣言には大ブーイングが巻き起こった。特にギリギリ成人になっていない者は納得がいっていないようだ。
ダンブルドアはそれを無視して説明を続ける。今までの競技では死傷者が多数出てしまったことから成人してないような未熟な魔法使いでは課題をこなすだけの実力が無いことから今回のような制限が付けられたようだ。
ダンブルドアの話が終わり各寮に戻る生徒。寮への道中話題はどうやったら未成年でも出場できるか、誰がどの寮から出場するのか、他校はどんななのか等々、
自室兼研究室に戻るレオとクー。明日からまた授業が始まるので今日はもう寝てしまおうとしていた。
「レナード様は
「うーん……。今のところはちょっとぐらい興味があるかな。昔はどんな内容だったのか調べてから考えてもいいんじゃないかな。対抗試合より他校の生徒と交流できる方が興味があるね。」
レオは名誉や栄光には興味がない。賞金がどのくらいなのか知らないが研究の成果によってレオ個人の資産は相当なものになっている。それよりは試合を自作の魔法具や魔法の試験運用目的にした方が良いぐらいの気持ちであった。
新学期が始まってから最初の休日。
レオとハーマイオニーは図書室で
他の生徒も調べているかと思ったが、皆でどんなものかを話したり代表の予想を立てているだけでそういった生徒は本当に参加したい極少数だった。
図書室についてはレオよりハーマイオニーの方が詳しいので本を探すのは彼女にお任せしておいた。数分もすると何冊もの本を抱えたハーマイオニーが戻ってきた。
二人で並んで過去の課題内容を確認していく。
「どれどれ……。『凶暴な魔法生物の討伐』、『超難関な魔法薬の解毒剤を作って自身の毒を解毒』、『超距離の罠満載の道を走破』」
「こっちは、『当時の他校校長と決闘』、『過酷な環境下で一週間サバイバル』、『出場選手同士での乱闘』……色々ひどいものばかりね。」
過去の課題内容は他にもひどいものばかりであった。本を読み進めるにつれ更にとんでもないものが出てくる。正直頭がイカレているとしか思えない出場選手を殺す内容になっていた。原因は各学校が自分の学校で開催時に自校の代表選手が有利になるような課題を決めており、それがエスカレートして開催校が入れ替わるごとにどんどん凶悪になっていって誰もまともにクリアさせる気が無いようなものになってしまったようだ。
「でもちょっと面白そうかもね。そういったものを僕の造った物で切り抜けられるのか試してみたいな。」
「レオ、出場するの? 能力的には絶対大丈夫だと思うけど。」
「代表の選出方法次第かなぁ。僕が名乗り出ても未成年だからその場で却下される可能性の方が高いだろうな。でも、もし魔法的な何かで選出するのなら突破は可能だろうね。ハーマイオニーはどうするの? 君なら実力は十分だろう?」
「私はパス。名誉や賞金が興味がないと言えば噓になるけど命まで賭けるのはちょっとね。特にこんな過去の課題を知っちゃう後だとね。」
「そっか。まぁ僕も自分の研究の成果確認だけで危険だと思ったら即リタイアするね。」
それからは研究室に戻って課題内容を予想したり、いつものように魔法やその他の事を時間いっぱい話し込んだ。
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ダンブルドアは
過去と違って安全対策には自信がある。
だが、それでも不安要素がある。レナード・テイラーだ。
今回の代表選手選定方法を考えるに彼が立候補したら選ばれてしまう確率が高いだろう。
無理やりにでも止めるべきなのだろうか、いやトレローニーの予言から敵対は破滅を意味するかもしれない。闇の帝王が復活する前にレナード・テイラーの不興を買うのは避けなければならない。もしこちらを見限って敵対するならまだしもヴォルデモートと手を組まれでもしたらおしまいだ。
一生徒のことをこんな風に考えている自分は教育者としては落第だろう。だが魔法界のことを考えるならば少しの油断もしてはならない。
「とりあえず、代表選手選定の時になって彼がどう動いてもいいように準備だけはしておこうかのぉ……。」
レナードが入ってきてから毎年のように問題が起こる。そしてその問題は大抵彼が関わってどうにかしてしまっている。今年は対抗試合に関わらないように祈るダンブルドアだった。
現状ではレオはそこまで対抗試合に興味は持ってないです。
でも少しは興味があるということでもあります。
過去の課題内容は捏造です。
死傷者が多数出るなら殺す気ありありの内容なんでしょうね。
レオが参加可能な年齢ならここまで校長は悩まなくて済んだでしょうね。
それでは次回お楽しみに。