ハリーとくっつく、ロンやフォイとくっつく、誰ともそういう関係にならない
オリキャラ同士とか。まぁ色々あると思います。
何が言いたいかというと。
ハーマイオニーのヒロインの話が増えると良いな! 百合でもいいぞ!
それでは52話どうぞ。
杖調べから数週間。
レナード・テイラーという特大のネタがあるにもかかわらずリータ・スキーターは大人しい記事しか書いていない。そのおかげでレオは平和な学生生活を送っていた。
スキーターがどんな記事を書いていたとしても揺らぐことは無かったであろうが。
第一課題まで後一週間ほどのある夜。
課題の準備として特別なことはしていないレオ。強いて言えばどの装備も念入りに整備しているぐらいであるが、それもいつも通りである。。今日もいつものようにメンテナンスをしているところだ。
クーはメイド状態で研究室の資料整理を行っているが、何かに気が付いたようにその手が止まる。そして禁じられた森の方向に顔を向けて首をかしげる。
「レナード様。……何か禁じられた森にいます。おそらくは、ドラゴンではないかと。」
「森にドラゴン? ああ、そろそろ第一課題だしそのためかな。そうなると課題内容はドラゴンの討伐ってところか。それにしてもよく気が付いたね。」
「何となく気配を感じました。集中すればかすかに臭いを感じます。私の中のドラゴンがそう感じさせるのでしょう。」
「ドラゴンの縄張り意識のようなものか、それとも別の何か……。まぁ、そっちは後でいいか。……ドラゴンか。ハリエットがいるから素材や研究には問題ないけど、さてどうするかな。」
しばらく考え込むレオ。一つの結論を出した。
「よし。捕獲の方向で行こう。クー準備を手伝ってくれ。」
「かしこまりました。」
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11月24日。
代表選手の集合場所であるテントには四人の選手が待機している。
フラーは青ざめた顔で緊張しており、クラムは渋い顔をして腕組みして立っている。
セドリックはせわしなくテント内をうろうろしながら呪文を口に出したりしている。
レオだけはいつもと変わらないように見える。今はカバンから取り出したお菓子で糖分補給中だ。ちなみにハーマイオニーとクーによる合作である。
バグマンが入ってきて課題の説明を開始した。
「全員集合しているね。では説明の前に諸君にはこれからこの袋に入っている模型を引いてもらう。さぁ、レディファーストだ。」
フラー、クラム、セドリックの順番で模型を引く。レオが引こうとしたら止められた。
「おおっと、テイラー君はちょっと待ってくれ。さて今引いた模型のモデルになっている生物、まぁドラゴンだが、それが君たちが戦う相手だ。ああ、安心してくれ! 戦うと言っても討伐する必要はない。ドラゴンが守っている金の卵を取ることが課題のクリア条件だ。模型に付いている数字が課題の順番だ。」
トップバッターはセドリック、スェーデン・ショート・スナウト種。
フラーは2番、ウェールズ・グリーン種。
クラムが3番、チャイニーズ・ファイアボール種。
「僕はどうするんですか?」
「テイラー君は代表だが不正な四人目ということでマダムマクシームやカルカロフ、バーティからの要望でペナルティーだ。こちらの方でドラゴンを選ばせてもらった。順番は最後、ドラゴンの種類も直前まで秘密だ。いいかい?」
「まぁ、本来は存在しない四人目としてここにいるわけですしね。問題ありません。」
「よし、それじゃあ一番手のミスター・ディゴリー! ホイッスルが鳴ったら競技場に出て来てくれたまえ。私は司会もするので行かなくてはならないんだ。諸君の健闘を祈る!」
笑いながらバグマンは出ていった。
レオを除いた三人はドラゴンの討伐が課題ではないと知って少し安心しているようだ。
レオは最後であるのでそれまでゆっくりしておこうと椅子に座って本を読み始めた。
「随分余裕そうね。流石は天才、レナード・テイラーってとこかしら。必勝法でもあるの?」
フラーが話しかけてきた。必勝法という言葉にセドリックもクラムも反応してこちらを窺っている。
「まぁ、相手がドラゴンでもバジリスクの方が強力な気がするから特段緊張する必要はないかな。必勝法はあるとだけ言っておくよ。」
「あるのね……。教えてくださいなんてみっともない真似はしないわ。私は私の方法でドラゴンを攻略する。そしてあなたのこともね。この対抗試合が終わるまでにはあなたに私の美しさを叩きこんであげる!」
ホイッスルが鳴る。セドリックは気合を入れてテントから出ていった。
歓声に悲鳴、ドラゴンの咆哮。そしてしばらく時間が経過して歓声とともにセドリックが戻ってきた。
疲れ切った様子ではあるし擦り傷や服が焦げたり小さなやけどはあるが大きな怪我はないようだ。
しばらくして準備が整ったのかフラーの番になった。
フラーもセドリックと比べるとやや時間がかかっていたが無事戻ってきた。
クラムの出番だ。テントから出ると今日一番の歓声が聞こえてきた。流石はクィディッチのトッププレイヤーというところか。
クラムは今までで最短の時間で戻ってきたがその顔は満足していないようだった。
そしてとうとうレオの出番がやってきた。
合図のホイッスルと同時にテントから出ると同時にバグマンの実況が聞こえてくる。
『さぁラストはこの人! 魔法界にその名を知らぬものはいないであろう天才研究家! 未成年ながらも全てを出し抜いて今この場に立っています! レナード・テイラーだぁあああ!』
レオは前を向いて自分の相手を見る。
メタルグレイの鱗に30メートル近い全長。ウクライナ・アイアンベリー種だ。
だが、その大きさが平均的な個体より大きい。おそらくレオ用に強力な個体を用意したのだろう。
『テイラー選手が挑むのはウクライナ・アイアンベリー種! しかも普通じゃない特別な奴だ! 過去最大級の大きさと凶暴性、こいつを捕らえて連れてくるのに普段の三倍のドラゴンキーパーと闇祓いにダンブルドアにまで手伝ってもらいました!』
なにやらすごいドラゴンの様だ。観客たちは不安そうな顔でレオとドラゴンを見ている。
普段通りなのはハーマイオニーとクーだけだ。いやダンブルドアはレオがどうやってドラゴンを制するのか観察するような目付きだった。
ウクライナ・アイアンベリー種はレオのことを油断なく睨んでいる。強者であるドラゴンはこの小さな人間が自分の脅威になることを感じていた。
『試合開始!』
「鎖よ! 竜を縛れ!」
試合開始宣言と同時にレオが宙に手を上げて叫ぶ。
空中から数十もの巨大な鎖が現れドラゴンに向かって殺到する。
ドラゴンもその脅威を察知して躱そうと空中に飛びあがるが、数が数だけに全てを躱すことは不可能であった。
体に絡まる鎖の数が増えるにつれ、ドラゴンの力が封じられていく。
その巨体から生まれる怪力によっていくつかの鎖は引きちぎられるが、壊れた鎖はその輪の一つ一つが分解してドラゴンの皮膚に付着してその体力と魔力を封じていく。
試合開始して数分後にはドラゴンは空中を飛ぶことすら自力でできなくなるほどになっていた。今やほとんど鎖で吊るされている有様だ。
だが、ドラゴンは強者たる誇りからか最後の攻撃に出た。
持てる全ての力をもって眼下にいる強敵に炎を放った。
対するレオは自分の研究室から空間転移魔法をもって一つの魔法具を呼び出した。
見た目は手のひら大の透明のガラス玉だ。
自分の体をはるかに上回る大きさの炎がレオに迫る。その炎に触れれば火傷では済まないだろう。良くて黒ずみ死体、悪ければ骨も残らず焼失、どちらにしても死亡確定だ。
その炎に向かってレオはガラス玉を投げる。炎とガラス玉がぶつかる直前ガラス玉が弾ける。そして炎を吸収しながらガラス玉が復元し、レオの手に戻ってくる。
ガラス玉の内部には赤く輝くドラゴンの炎が衰えることなく封じられていた。
「仕上げだ。扉よ開け!」
空中に扉が現れる。何の変哲もない金属製の扉だ。だがその大きさが異常だった。100メートルを優に超える大きさであり、出現したことで会場では騒ぎが起こっている。
最後の抵抗で鎖に噛みついているドラゴンを鎖ごと扉の中の先の見えない闇に引き込んでいく。
そうしてドラゴンが見えなくなり扉が閉まると役目を終えた扉は消失する。それと同時にレオは金の卵を手にしていた。
『し、試合終了―! テイラー選手、最短時間で卵をゲットしました! しかも無傷でドラゴンは……ドラゴンはどうなったんだ!? まぁ考えないようにしましょう。さて審査員の点数はいかに!?』
マクシーム……9点
カルカロフ……6点
ダンブルドア……10点
バグマン……10点
クラウチ……7点
点数が表示され、試合結果に呆然としていた観客たちの歓声が爆発した。
『合計42点! クラム選手を上回ってトップだー! 第一課題はこれにて終了です! 次の第二課題は2月24日だ。それまで楽しみに待ちましょう!』
歓声の中テントに戻る。他の代表三人も拍手をもって迎えてくれた。
「流石はレナードだね。自信を無くしそうだよ。」
セドリックが笑いながら話しかけてくる。そう言ってはいるが目は諦めているようには見えない。
「正直、君のこと侮っていた。これからは君が一番手強い敵だと認識して挑むとしよう。」
クラムはこちらを真剣に見つめながら宣言した。
それから二人からあの鎖や扉、ガラス玉はなんだと質問をされた。普通であれば自分の手は見せないであろう、まして二人とは戦うライバルであるのだ。だが、それ以前にレナード・テイラーは研究者だ。自分の研究成果に興味を持ってもらえるなら喜んで紹介するというものだ。
二人に色々と発明品を説明していると、フラーが話しかけてきた。
「レナード……。あなた、良いわ。すごくいい。今まで色んな男を見てきたけど、私の美しさに魅了されなかった男はいなかった。でもあなたは逆。私、あなたの試合を見て、魅せられたわ。端的に言って惚れたわ! そして燃える展開ね! 改めて宣言するわ! この対抗試合が終わるまでにあなたのこと私の虜にする!」
いきなりの告白。レオは平然としているがセドリックとクラムは驚いている。
そんな空気をぶち壊すように、バグマンがテントに入ってくる。
「全員お疲れさま! さぁて、第二の課題は2月24日、十分に長い休みがある。しかし! 時間があるといえども諸君らにはやるべきことがある。」
バグマンは金の卵を指さして言った。
「蝶番が見えるね? その金の卵は開くようになっている。その中に第二課題のヒントが入っている。それを解くことが次の課題までにやることさ。それでは四人とも疲れただろう。……あー、テイラー君は違うかな? 何はともあれゆっくり休むように、解散!」
バグマンはテントを去っていく。残された代表選手も戻ろうとするがレオだけは金の卵を割っていた。途端にひどい叫び声のようなものがテント中に広がる。セドリックは耳をふさいでいるが防ぎきれていない。レオにも何であるかは分からなかったのですぐに閉じた。
しかし、フラーとクラムはこの騒音が何であるかを聞き取れたようだ。
「なんで二人は耳をふさいでいたのかしら? 第二課題の内容説明みたいだったけど?」
「僕にもそう聞こえたが。」
それを聞いて翻訳魔法を金の卵に施し、再度開く。
探しにおいで 声を頼りに
地上じゃ歌は 歌えない
探しながらも 考えよう
われらが捕らえし 大切なもの
探す時間は 1時間
取り返すべし 大切なもの
1時間のその後は――もはや望みはありえない
遅すぎたなら そのものは もはや 二度とは戻らない
どうやら何かしらの人間以外の言語だったようだ。この翻訳魔法が人間以外の言語に通用するとは想定外であったが嬉しい発見であった。
第二課題までにこの金の卵の謎を解く必要があったようだが全員これでその必要がなくなってしまった。
「これっていいのかしら?」
「いいんじゃないか。条件はこれで全員平等だ。第二課題は負けないぞ。」
そう言ってそれぞれ次の課題の対策の為、戻っていくのだった。
「さてと……僕も戻りますか。捕縛したドラゴンの処置もしなくてはならないし。」
こうして第一課題は終了したのであった。
レオ以外は原作通りの展開に点数。
レオには特別製のドラゴンが選ばれました。そんなわけでゲットだぜ!
ガラス玉はどんな炎でも封じる魔法具。
悪霊の火でも封じることができるし、封じた炎は攻撃として開放することは可能。
ただし使用回数は一回限り。改良余地大いに有り。
鎖は前にバジリスクに使用したものの改良発展型。
フラーは惚れたと言っていますが、本当に心から惚れたというわけでは無く
自分の魅力が通じなくて興味を持てる人間だからという面が強いです。
金の卵問題解決。これも翻訳魔法のおかげだぜ。
それでは次回お楽しみに。