原作と比べて活躍しないハリー。
それ以上に出番がない、かつ本来の嫁のハーマイオニーを取られるロン。
難易度アルティメットモードになっているお辞儀。
逆にハッピーになってるのはルーピンやシリウスでしょうね。
どれをとってもレオのせいだな。
「どうしたものか……。」
レナード・テイラーは悩んでいた。現在研究しているモノの理論が完成し、実験も成功。
後少しというところなのだが、それを起動するには条件としてはかなり厳しいと言わざるを得ない。
(学生じゃあまず無理。騎士団はできるだろうけどダンブルドアを筆頭に絶対に許可しないだろうしなぁ。いっそ
考えてもしょうがないのでとりあえずはその他の調整と準備だけでも完璧にしておくことにした。
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とうとうふくろう試験が始まった。
試験期間は二週間に及ぶ。
五年生は必死になって試験に取り組んでいる。
余裕なのはハーマイオニー・グレンジャーぐらいである。
しかし平年と比べると必死さの度合いは低いと言っていいだろう。
レナード・テイラーの闇の魔術に対する防衛術の授業はただ単に防衛術を教えるだけではなくそれぞれの個性を伸ばす方向での授業でもあり、魔法の基礎にも重きを置いている。
生徒によっては変身術、呪文学、魔法薬学の能力も向上している。
そのため防衛術以外のふくろう試験についても生徒はある程度余裕をもって挑めるのである。
ちなみにレナード・テイラーはふくろう試験は受けていない。
普通であればふくろう試験の結果をもって更に高難易度のイモリ試験に進むかの可否を決めるのである。さらにイモリ試験の結果が就職に影響してくる。
そういう意味ではふくろう試験は最初の就職試験であるとも言える。
その点、レナード・テイラーは就職先に困っていない。
まだ五年生でありながら既に引く手数多なのである。
魔法改善研究所、魔法薬協会、闇祓い、グリンゴッツ侵入者対策部門、魔法生物保護の会、聖マンゴ魔法疾患傷害病院……他にも数多くの団体・協会・部門がレナード・テイラーという特別な才能を求めている。今までの功績からふくろう試験どころかイモリ試験すら超越したと証明されているので試験など無視して今すぐにでもホグワーツから自らの手元に置いておきたいのである。それに今更ふくろう試験などに時間を費やされて研究が遅れるのも時間の損失であるためふくろう試験の免除がホグワーツに求められ、教師陣もそれを認め、ダンブルドア校長も当然のように許可を出したのだ。
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「最終調整終了。あとは変換と転送だけなんだけどなぁ。」
研究室でレオは目の前のカプセルを前にして悩んでいた。
カプセル内の培養液にはあるモノが浮いている。
これが完成することでレナード・テイラーの夢は一歩前進する。
今まで多くの発明をしてきた。
幸福薬、殺狼薬、守護霊の呪文の改良、服従の呪文の特定と解除、賢者の石の発展改良、クーという魔法生物、殲滅魔法……他にも多くの魔法や魔法薬を作り出してきた。
それでもレオは満足していなかった。この世にはまだまだ未知は多く魔法は万能には程遠い。マグルの科学技術の方が進歩していることの方が多いほどだ。
レナード・テイラーの夢は魔法を極めること。それには途方もない時間が必要になってくる。
賢者の石を創造したニコラス・フラメルは数百年の時を生きてきた。だが、賢者の石がもたらす命の水は不老不死を与えるが、それも限定的だ。命の水を摂取しなければその命を保てない不完全と言っていい存在だ。
体内に賢者の石を取り込んでいるクーでさえ不老であり不滅には限りなく近いが完全な生命体であるとは言えない。
だが、レオのこの研究は更にその先を行くだろう。
不老不死を求めた闇の帝王の
「起動条件はどうしようかなぁ……。何か良いきっかけがあればなぁ……。ダンブルドアに騎士団の任務に参加できるように掛け合ってみようかな。」
とりあえずは現状で出来ることはない。
全て調整終了だ。後は起動条件さえ整えば万事OKだ。
レオは息抜きに研究室を出て散歩でもすることにした。
(そういえばハーマイオニーと出会ったのも息抜きの散歩の図書館でだったな。今日も何かいい出会いでもあると良いな。)
そう懐かしんでいると前から誰かが走ってきた。
ハリー・ポッターだった。試験中のはずだが焦った様子で全力でどこかに向かおうとしている。
「どうしたんだい? 今は試験中だろう?」
「どけ! テイラー! 今はお前と喋っている暇は……。そうだ! お前も騎士団の端くれだったな。シリウスがヴォルデモートに捕まった! 助けに行かなくちゃ! スネイプにも伝えたけどこれっぽっちも信じてくれない。ダンブルドアもちょうど任務でいないとか言うし! こうなったら僕だけでもシリウスを助けに行くんだ! 止めるなよ!」
「
正気とはとても思えなかったので動きを止めた。失神させなかったのは意識を奪ってしまえば心を覗くことができなくなるからだ。
「どれどれ。」
相変わらず閉心術に対して無防備なハリーの心は容易に読み取ることができた。
どうやらヴォルデモートにシリウス・ブラックが魔法省の神秘部で拷問されている幻覚を刷り込まれたらしい。
魂で繋がっているヴォルデモートの思考を読み取ろうともしたが流石に無理だった。
断片的な情報では神秘部で
親同然らしいシリウス・ブラックを餌に使えばハリーを誘い出すなど簡単だろう。
実際レオと遭遇しなければ箒でも使って飛び出していただろう。
(それにしてもなんで神秘部? ポッターを殺すだけならそこでなくてもホグズミードにでも呼べ出せば余裕だろうに。神秘部……。何かポッターを利用したのかな? とりあえずダンブルドアに連絡するか。)
ダンブルドアに念話をして石にしたままのハリーを浮かせて校長室に向かった。
校長室に到着するころにはダンブルドアは戻っていた。
「レオ、詳細を聞こう。何があったのじゃ?」
「ハリー・ポッターがヴォルデモートに利用されて神秘部に誘い出されていました。ヴォルデモートはハリー・ポッターとの繋がりを利用する方法を確立したみたいですね。閉心術も習得していないようなので悪化すれば完全に操られることになりかねませんよ。」
「そうか。ようハリーを止めてくれた。ヴォルデモートとの繋がりについては後で詳しく聞こう。わしの予想が正しいか確認したい。だが今は神秘部の件が先じゃな。」
「神秘部では
「おそらく予言にじゃろうな。ハリーとあやつに関する予言が保管されておる。あやつが知る予言は不完全なものじゃ。だから完全に予言を知ってハリーに対して有利に運ぼうと考えたのじゃろう。」
「なるほど。どうします?」
「これは好機じゃ。できるだけ戦力を集めて奴らを叩く。」
ダンブルドアはすぐに騎士団の本部に連絡を入れる。
すぐにシリウスやルーピンなどを含めた精鋭が編成された。
「では、僕はハリー・ポッターに変身して囮となりましょう。背格好から考えれば僕が適任かと。」
ダンブルドアは違和感を覚えた。レナード・テイラーがここまで積極的に任務に参加するとは思えなかった。
だが、今はその違和感よりは
ポリジュース薬を使ってハリーの姿になったレオとダンブルドアが校長室から出る。
扉の先にはスネイプとドラコ・マルフォイが立っていた。
「校長、今回の件でドラコから話があるようです。」
「ふむ。マルフォイ君、言っておくれ。君が家族を闇から連れ戻そうとしていたことは知っておる。」
ドラコは泣きながらダンブルドアに話し始めた。
「ダンブルドア……。父上を助けて下さい……! 父上は死ぬ気です! 僕と母上を助けるために他の
ドラコ・マルフォイが語るには今回の神秘部の罠にはかなりの
その場でルシウス・マルフォイは闇の帝王を裏切る同士と共に
もちろん多勢に無勢、すぐにやられてしまうだろう。だが、その結果をもって残った家族だけでも騎士団側へ逃がすことの許しを得たいとの事だ。
『私たちは罪がある。今更それはどうにもならない。だが、息子には、子供たちには未来がある。私たちのような罪人にはなって欲しくなどないのだ。私たちが同じ罪を持った者たちを道連れにすることで子供たちの安全を約束して欲しい。』
ドラコから手渡された手紙には子の幸せを願う父親の心がこもっていた。
「ドラコ・マルフォイ君、約束しよう。この言葉に嘘偽りが無ければ必ず君の父上とその仲間を助けると。」
感謝するドラコ・マルフォイを残しダンブルドアを先頭にマクゴナガル、フリットウィック、スネイプ、そしてハリー・ポッターの姿をしたレオが続く。服に擬態したクーも一緒である。
目指すは魔法省神秘部。
待ち受けるのは闇の罠。騎士団は覚悟を決めて進んでいった。
そんな中、レナード・テイラーだけは目的が違っていた。
(ヴォルデモートが来なかったら帰ろう。……上手くいったらハーマイオニーが心配するかな。でも伝言も残してあるし大丈夫だろう。)
レオの研究は何であるか予想してみてください。
ヒントは今までの話にも出ています。
レオを求める各機関は適当に名前つけました。
こんなのがあるだろうぐらいの感じですね。
ハリーとレオが遭遇したのは偶然でも主人公補正でもないです。
ハリーは無意識ですが、お辞儀に操られてレオと出会って魔法省まで連れてくるように仕向けました。レオにとっても願っても無かったのですけどね。
裏切るマルフォイ家。
その他にもいくつかの家が裏切ってます。
今回の作戦で特攻して裏切りが嘘ではないと証明して子供たちだけでも保護してもらうつもりです。
裏切った理由は元々の忠誠心が低いのとレオの圧倒的な力を見てたからですね。
実際お辞儀がレオを殺せない場面を見てますから。
次回は魔法省、一体どんな卑劣で最悪な罠が待っているのだろうか。
それでは次回お楽しみに。