【完結】ハーマイオニーと天才の魔法式   作:藍多

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不死鳥の騎士団編も残り少しです。
あと3話ぐらいかな。
90話ぐらいで完結だろうか。

それでは70話どうぞ。


70. 死

ロンドンに降り立つハリー・ポッター。中身はレナード・テイラーである。

不死鳥の騎士団のメンバーは目くらましの呪文と透明マントを使って姿を隠している。

騎士団が来ることも敵は想定しているとしてもハリー・ポッターが誘い込まれたという形で魔法省に駆け付けたことにしたのだ。

騎士団の他には連絡を受けた闇祓いが騎士団と死喰い人(デスイーター)の戦いが始まったころに突入する手はずにもなっている。

 

外来用の赤い電話ボックスから地下八階のエントランスホールに入る。

普段であれば職員の姿が必ずはあるはずなのだが誰一人として姿はなかった。

地下九階の神秘部に足を踏み入れるレオ。何度か共同研究のために訪れたことがあるため迷わず予言の間に到着した。いっそ清々しいほどに罠であると主張するほどに嫌な空気が場に充満していた。

予言が保存されているガラス玉の中にハリー・ポッターとヴォルデモートの名が記されたものを見つける。本来であれば予言に関係した者しか取り出せないはずだが、そんな対策は『眼』で解析をしたので関係ない。

手に取った瞬間、奥からルシウス・マルフォイを先頭に大勢の死喰い人(デスイーター)が現れた。

 

「どうも、ルシウス・マルフォイ。」

 

「ハリー・ポッター。その予言をこちらに渡してもらおう。」

 

ルシウスがそう言った途端、レオが何か行動する前に前方にいた死喰い人(デスイーター)の一団が後方の仲間に攻撃を加え始めた。

 

「今じゃ!」

 

ダンブルドアの合図で姿を消していた騎士団も戦闘に参加しだす。

殆どの騎士団はルシウス・マルフォイの裏切りなど100%嘘だとは思っていた。

だが、必死の形相で仲間を攻撃、それも許されざる呪文や殺傷力が高い呪文を使っているところを見てしまっては裏切りが本当だと判断せざるを得なくなった。

裏切り者と騎士団を足しても数で言えば死喰い人(デスイーター)の方がまだまだ多かった。

だが質で言えば圧倒的に騎士団が勝っていた。更には数の優位さえ覆された。

戦闘が開始してからスクリムジョール率いる闇祓いも参戦したのだ。

 

ものの数分で壁際まで追い詰められた死喰い人(デスイーター)。人数は十人にも満たない。

騎士団や闇祓いは傷ついてはいるが重傷者は一人もいない。

死ぬ気だった裏切りの一団も誰一人欠けていない。

もはや勝敗は決した。誰もが勝ちを確信していた。

だがダンブルドアだけは違和感を感じていた。

 

(おかしい……。あっけなさすぎる。だが、ルシウス・マルフォイが裏切ったことも本心からの様だ。)

 

「さぁ、諦めろ。なに、殺しはしない。お前たちは貴重な情報源だ。」

 

スクリムジョールが残った死喰い人(デスイーター)に投降を呼びかける。

 

「くくくく。はははははっはっははあああはははは!」

 

先頭にいた一人が狂ったように笑いだす。

仮面を外してその顔を露にする。

 

「な!? お前は誰だ!?」

 

ルシウス・マルフォイや裏切った死喰い人(デスイーター)が驚く。

彼らはその死喰い人(デスイーター)を見たことが無かったのだ。

ルシウス・マルフォイと言えども死喰い人(デスイーター)全員を把握しているわけでは無い。だが今回の様に重要な作戦に参加するようなメンバーを見たことも無いということはあり得なかった。

 

「誰でもいいだろう。ははっはははは! ここまで上手くいくとは俺様も予想外だ!」

 

「まさか……! お主、トムか!?」

 

「その通りだ、ダンブルドア。そこにいる裏切り者達以外の下僕どもは全員拉致して魂を壊した後に操り人形にしたマグル生まれどもだ。今は魔法を使って俺様の声を届けている。それにしても……失望したぞ、ルシウス。まさか裏切るとはな。」

 

「我が君、いやヴォルデモート! 私は私の愛する者のために行動したまでだ!」

 

「はっ! 愛! くだらん! まぁいい、今回の作戦で裏切り者が誰かはっきりした。

では、諸共死ねぇ!」

 

「いかん! 全員逃げるんじゃ!」

 

瞬間、神秘部がある地下九階が炎と衝撃に包まれた。それだけではないエントランスホールのある地下八階も爆発し、地下九階に向けて瓦礫が降り注ぐ。真上から降り注ぐ瓦礫の重みに耐えきれず神秘部は最下層まで崩落していった。

破壊は神秘部の研究資料、道具、予言、部屋、扉、壁、その全てを吹き飛ばした。

それには誰一人として生かして返さないという凄まじい殺意が込められていた。

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

瓦礫しかない最下層に闇の帝王ヴォルデモートが降り立つ。

側近も誰も連れていない唯一人だ。これは油断からではない。慢心はとうに捨て去った。

この程度の破壊では騎士団や闇祓いの雑魚は殺せても老いぼれやあの小僧は殺せないだろう。

 

「ダンブルドア、テイラー。出て来い。これでお前らが死んだとは思っていない。怪我の一つでもしてくれれば御の字といったところだ。」

 

瓦礫の一部が吹き飛ぶ。現れたのは今世紀最高の魔法使いアルバス・ダンブルドアだ。

あの一瞬で自分と周囲数人を防護する魔法を作り出しこの破壊を生き残ったのだ。

だが周りの数人、マクゴナガル、スネイプ、スクリムジョール以外の姿は見えない。

 

「トム……! よくも……!」

 

「ははは! 良い顔だ、ダンブルドア! 怒りと後悔に染まった顔だ。この瓦礫の下には何人分の死体があるかな? まだ生き残っている愚か者はいるかな?」

 

笑うヴォルデモート。

だがその笑みもすぐに消える。

瓦礫が盛り上がりそこから巨大な蛇が出現した。蛇はすぐに小さくなりレナード・テイラーとその従者のクーがその場に現れた。

 

「やはり傷一つないか……。まぁいい想定内だ。」

 

「クー。研究室に先に帰っておいて。」

 

「畏まりました。」

 

姿くらましでクーが消える。

 

「いやいや、まさかあなたがあのような手段を使うとは思いませんでしたよ。あの爆発……マグルの爆弾ですね? しかも魔法と組み合わせてましたね。」

 

「そうだ。そうだとも! この俺様が! この闇の帝王ヴォルデモート卿ともあろうものが! 薄汚い低俗で愚かなマグルの武器を頼ったのだ! だが、あの裏切り者どもを始末するのにこれ以上相応しい手段はあるまい。見下していたマグルの武器で死ぬのだ! これ以上の無い屈辱的な最期だろう。しかし……しかしだ! 俺様にこのような手段を取らせた罪は大きいぞ! レナード・テイラー!」

 

「え? 何がです?」

 

「俺様にこのような下劣で最悪な方法を選択させたのは貴様の存在だ。

……告白しよう。俺様は貴様を恐れた。ゆえに何が何でも排除しようと決めた。耐えがたいマグルの武器に頼るのも貴様の存在があるからだ! だが! それも今夜限りだ! 貴様はここで殺す!」

 

ヴォルデモートは杖を構える。レオも一歩前に出て戦闘態勢を取る。

レオは内心笑顔を隠すのに必死だった。ヴォルデモートと一騎打ち、これ以上の無い最高の条件だ。誰にも邪魔はさせない。

ダンブルドアが止めようとするだろうからその前に決着を着けなくては。

 

「死ねぇ! ネセス・アバダケダブラ・コルスカス!」

 

ヴォルデモートは死の呪文をレオに向ける。

唯の死の呪文では無かった。閃光の色も緑と黒の斑模様でありより禍々しい雰囲気となっていた。

『眼』で解析したレオは横にステップして躱す。

 

「なるほど。死の呪文に防御無効、貫通、速度上昇などの強化を施したみたいですね。その呪文なら遮蔽物や僕の防御方法でも関係なく貫いて殺せそうだ。」

 

「闇の帝王は日々進化していると知れ。さて自慢の防御もこれでは意味がないな。諦めるなら一思いに殺してやるぞ?」

 

「まさか。ただで死ぬ気などありませんよ。」

 

「誰もが死にたくはないだろう。だが……死ぬときはいつも突然だ。」

 

レオを後ろから緑の閃光が貫く。

ヴォルデモートの開発したネセス・アバダケダブラ・コルスカスにはもう一つ効果があった。

それは追尾効果。躱した対象の背後から強襲する能力だ。

レナード・テイラーはその場に倒れピクリとも動かなくなった。

そして闇の帝王の高笑いだけがその場に響き渡っていた。

 

 

ダンブルドアは混乱していた。

あり得ないモノを見た。

レナード・テイラーが死の呪文に貫かれた。

それすなわちレナード・テイラーが死んだことを意味する。

嘘だと思いたかった。あれより強い存在などいないと信じていた。

予言が真実ならば滅びるのはヴォルデモートではないのか!?

つまり予言は確実ではない? ヴォルデモートは予言を覆す存在?

ヴォルデモートがこちらを見る。

恐怖を覚えた。レナード・テイラーにもずっと恐怖を感じていた。だがそれを葬ったあやつにはそれ以上の恐怖を感じた。

 

(このままではまずい……! 瓦礫の下には生き残りがいるかもしれん。ここでやりあうのは得策とは言えぬ。一旦引くしか……!)

 

逃げる隙を伺っているとヴォルデモートから提案があった。

 

「ダンブルドアよ、俺様はここで引く。先ほどの呪文は予想以上に消耗が激しくてな。ここで貴様と戦うには少々分が悪い。今日は裏切り者の排除と最大の障害のレナード・テイラーの殺害という最大の目的は達成できたので良しとしよう。次に会った時が貴様らの最期だ。」

 

闇の帝王は勝ち誇ったまま姿くらましで消え去った。

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

魔法省の崩落で駆け付けた職員と共にダンブルドアたちは瓦礫の中から生存者を掘り起こした。

生き残ったのはとっさに盾の呪文(プロテゴ)を使えた数人だけ。それでも無傷ではなく酷い有様だった。

騎士団の生き残りはシリウス・ブラック、リーマス・ルーピン、マッド・アイ・ムーディ。

それ以外の騎士団員、キングズリー・シャックルボルト、アーサー・ウィーズリー、ヘスチア・ジョーンズ、ディーダラス・ディグル、エルファイアス・ドージ、他にも多くの団員が死亡。

死喰い人(デスイーター)の裏切り者はルシウス・マルフォイだけしか生き残らなかった。そのルシウス・マルフォイだが両手と片目が欠損しておりギリギリ生き残ったといった感じである。操られていた者たちは体内に爆弾が仕掛けられていたため肉片しか残っていなかった。

闇祓いの生き残りはルーファス・スクリムジョール他二名のみ。

壊滅と言ってもいいほどの結果になった。

 

 

そして、レナード・テイラーも死んだ。

多くの者が悲しみ、怒り、恐怖し、混乱していた。

だからこそ誰もレオの指から指輪がなくなっていることなど気にもしなかった。




「ははははは! レナード・テイラーを葬った! 勝った!
次回からはこの俺様が魔法界を、世界を支配する物語に変わる!
タイトルはもう一度変更しないとならないなぁ! ははははは!」

お辞儀、慢心・油断・驕り、その他一切を捨てて全力。
レオの存在があったためどうすれば殺せるかひたすら考える。
魔法→感知、対抗される→魔法以外ならばいけるか?→マグルの兵器といった感じ。
裏切り者を下等なマグルの武器で殺すのは制裁の意味も込めてる。
ついでにマグルについても徹底的に調査したのでマグルと戦争になった場合の勝率もUP
レオのせいで騎士団の難易度も急上昇した。

肝心のレオにはノーダメージだったがお辞儀としても想定の範囲内。
あくまでマグルの武器攻撃は効いたら御の字ぐらい。
殺すためにはあらゆる手段を試すことにしていた。

ネセス・アバダケダブラ・コルスカス
お辞儀切り札。 必ず殺して滅ぼす、的な意味。
物理防御・魔法防御貫通、速度上昇、追尾機能追加。
欠点は燃費がヤバいこと。お辞儀でも2発が限界。
但し確実に2人は殺せることも意味している。

今回の件で大勢死んだ。しかも死喰い人の名有キャラはほぼ無傷
次回までに原作キャラ死亡タグ追加するか。

レナード・テイラー死亡。この物語はどうなってしまうのか。
さて次回から「ヴォルデモートと純血の世界」が始まりません。

それでは次回お楽しみに!
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