私もたくさんのチョコを貰いました。(現実とは言っていない)
それでは78話どうぞ。
新学期が始まって数週間が経過した。
ホグワーツは平和そのものである。
レオも『蘇りの石』を研究したり、ハーマイオニーの不死鳥化の準備を進めたりと色々な事を同時に行っていた。
そんなある日、レオの元にダンブルドアから連絡が来た。内容は今後のヴォルデモートについて話し合いたいことがあるので次の土曜日に校長室に来て欲しいとの事だった。
土曜日は午前中にジニーを中心とした本格的に戦い方を学びたい者が特別授業を受けるためレオの研究室に訪れている。レオも自身の研究成果を教えたり、新しい魔法を試したりと有意義に時間を使っていた。
そして午後、レオはガーゴイル像の前に立って合言葉を言う。
「白い〇人」
ガーゴイル像が退き、螺旋階段を昇る。
ドアをノックして了承を得てから校長室へと足を踏み入れる。
中には新しい腕もすっかり馴染んだアルバス・ダンブルドアと不死鳥化に欠かせない要素を分析できた不死鳥のフォークス、そしてハリー・ポッターがいた。
「よく来てくれたレオ。新しい腕も問題ない、むしろ魔法の精度が上がったようじゃよ。早速じゃがヴォルデモートについての現状と今後について……」
「ダンブルドア校長! なんでテイラーもいるんですか!?」
「ハリー、今のままでは我々が不利じゃ。彼の力は必ずや必要になって来る。これから話すことには必要不可欠だとわしは考えている。」
「でも……。」
「邪魔なら帰りましょうか?」
「いや、残って欲しい。さて、まずレオはこの記憶を見て欲しい。」
ダンブルドアは杖を頭に当て、白銀色の記憶を取り出し憂いの篩に入れる。
そこで再生された記憶を追体験していく。
記憶は占い学の教師シビル・トレローニーを面接した時のものだった。
面接も終わりダンブルドアが帰ろうとした時トレローニーが突如として豹変した。
そして今までにないぐらいの力を込めて予言を口にした。
予言を要約するとヴォルデモートを倒す子供が生まれる。
その子にヴォルデモート自身が印を残す。
そしてどちらかしか生き残れない。というものだった。
記憶から戻って来るレオ。
ダンブルドアが何かを考えている様子のレオに聞いてくる。
「レオ、これが魔法省で保管されていたヴォルデモートに関する予言じゃ。何か気になることはあるかの?」
「正直予言の内容は興味ないです。それより、トレローニー先生がああなる条件とか予言の精度は気になりますね。」
「トレローニー先生がいつどこであの様になるのかは分からん。わしは時間、場所、予言を告げる相手、そういった条件が全て揃った時だけ力を発揮すると考えている。精度については何とも言えん。だが、わしはこれが限りなく正しいと、ハリーがヴォルデモートに対する切札になりえると思っておる。」
「なるほど。是非ともその状態のトレローニー先生と会ってみたいですね。予言については僕はあまり信じていません。あくまで可能性が最も高いものを告げていると思います。その予言を知った者の行動で変わる可能性もあると。まぁ、その変化した行動の結果が予言と一致するのかもしれませんけどね。正直未来のことは知りたくありません。現在の選択肢が狭められて面白くなくなります。」
「そうかもしれんのぉ……。だが今はその未来を明るいものにするために君の力を貸してほしい。もちろん対価は用意している、死の秘宝をもう一つ提供しよう。」
「受けましょう。」
即決であった。『蘇りの石』と同等レベルの魔法具であれば当然の反応だ。
「ありがとう。レオはもう知っていると思うが、あやつは
「
「闇の魔法でも忌むべきものじゃ。己の魂を切り裂き他のモノに封じる。そうすることで本体が死んでも封じられた魂によってこの世に留めることができる。」
「それじゃああいつは今のままだと殺せない?
「ある程度の予想はしているが、断言はできん。今までに確認されたのは過去の自分の日記とヤツの血筋の宝の指輪じゃ。レオとハリーはあやつがどんなものを
「分かりませんね。そういったことを考えるのは苦手ですので。誰にも見つからないようにするならその辺の石ころを
「あいつがそんなことするわけないだろ! 僕は何か特別なものを選んでいると思います。由緒ある自分にふさわしいとかいう物じゃないですか? どこにでもあるものを使うとは到底思えません。」
「そうじゃろうな。そこで二人にはホラスからあやつと
そこで今回の話は終了となりハリーだけ先に戻ることになった。
「レオ、ここからの話はまだハリーには秘密じゃ。先ほどは断言できんとは言ったが、ヴォルデモートの
「どんなものなんですか?」
「予想している数は六つ。そして自身と合わせて七つにしたと考えられる。
既に壊したトム・リドルの日記とゴーント家の指輪。
サラザール・スリザリンのロケット。
ヘルガ・ハッフルパフの遺産のカップ。
ロウェナ・レイブンクローの髪飾り。
そしてトムが唯一心を開いているであろうペットのナギニじゃろう。
これからハリーにはトム・リドルとしての過去や
「そうですね。それと気が付いてますよね? ハリー・ポッターにもヴォルデモートの魂が入り込んでます。」
「そうじゃろうな。あの夜、意図せず作ってしまったのであろう。レオ、君の『眼』で視た感じではどうなのじゃ? 取り除くことは可能なのか?」
「視たところ魂の残りかすのような欠片しか存在していないので可能でしょう。これ以上放置するとヴォルデモートからの干渉によってハリー・ポッターの魂を喰らってトム・リドルの日記と同じように成長していく可能性もあります。」
「それは危険じゃな。早急に対処しなければ。レオ、死の秘宝の最後の一つの在処を教えるのと引き換えに除去を頼んでも良いか?」
「分かりました。方法は考えておくので時期が来たら呼んでください。それでは最初に言っていた死の秘宝の一つを貰ってもよろしいですか?」
「これがそうじゃ。」
ダンブルドアは机からひとつの杖を出す。
レオの『眼』で視るそれは今まで見てきたどの杖よりも、レオが作った杖よりも強力な杖であった。
「死の秘宝の一つ、『ニワトコの杖』じゃ。死の杖や宿命の杖とも呼ばれる非常に強力な杖でもある。今まで数多くの魔法使いの手を渡ってきたがその全てが命を落としておる。不要な忠告かもしれんが気を付けて欲しい。」
レオが『ニワトコの杖』を受け取る。持った瞬間、杖の忠誠心がレオに向けられるのを感じた。
「ふむ……。38センチ、杖芯にはセストラスの尻尾の毛、杖の材質はその名の通りニワトコ……。一度アバダケダブラを受けたから分かるんですけど、似た気配は感じます。それに忠誠心が他の杖とは全くの別物ですね、そして強力だ。持ち主の技量に関係なく理論値以上に発揮される力、魔力効率も凄まじいし、抵抗はほぼゼロに等しい。ここまでくると杖の究極の完成形だな。これは研究の対象としては素晴らしい。」
校長室から自身の研究室に戻る間もレオは上機嫌だった。
『蘇りの石』、『ニワトコの杖』。レナード・テイラーは二つの死の秘宝を手に入れた。
残る一つも手に入れれば死を制すると言われるが既に死を超越したと言っても過言ではないレナード・テイラーにはそんなことは興味がなくただ単にすごい魔法具を研究できることを喜んでいた。
それに二つの死の秘宝を視て魔法にはまだまだ発展、進化できることが多いと再確認できたことも上機嫌の理由だ。
レオも杖を作ったが『ニワトコの杖』と比べるとまだまだと言わざるを得ない。
そう、レオはまだまだ自分の研究が未完成でこれからもやりがいがあると確信したのだ。
こんなの上機嫌にならないわけがない。
不死化したことによって得た永い生。研究することはまだまだ尽きそうにない。
分霊箱説明回
ダンブルドアはなんで原作でもハリーに対してすら秘密主義ですよね。最初から全部説明すればいいのに。
予言についてはレオは重要視していません。それよりトレローニー先生の方に興味がでました。
お辞儀が何を分霊箱にしたかの推測ではレオよりハリーが当たりですね。
実際に運用するならレオの考えの方が良いとは思いますけど。
蘇りの石に次いでニワトコの杖ゲット。これで後は透明マントだけだ。
というか透明マントはこの物語ではまだ登場してなかったかな?
初登場がレオに奪われるなんてことになりかねない。
そんでもって死の秘宝を手に入れて更なる研究意欲に火が付くレオ。
ちなみに忠誠心が簡単に移ったのも理由があります。
それでは次回お楽しみ。