【完結】ハーマイオニーと天才の魔法式   作:藍多

81 / 96
ハリー・ポッターの二次のオリ主にはチートキャラもいっぱいいる。
それが全部勢ぞろいしたらカオスなホグワーツが出来上がるだろうなと思った。

そういえば感想数が1000を超えていました!
基本的に感想には全部返信するつもりです。

それでは79話どうぞ。


79. スラグ・クラブ

ホラス・スラグホーンにはある不思議な才能が有った。

それは他人が特定の分野で何かしらの才能や成功する力を秘めているかどうかが分かるというものだ。そのことに気が付いたのはホグワーツを卒業してからだった。

その後はその才能を活かして未来ある若者を導こうと教師になることを決意した。

初めのうちは活躍する者を育てることに喜びを感じていた。

皆で更なる高みを目指す目的で才能ある者たちの集まりがスラグホーンを中心に形成されていった。

しかし、成功した教え子たちからの感謝や見返り、そしてあらゆる分野への有用な人脈が形成されるにつれてスラグホーンは段々と変わっていった。

いつしか導くことよりも成功した力のある者たちと一緒にいることが好きになっていた。

そういう者たちに自分が影響を与えていると感じることが楽しいと思うようになっていったのだ。

スラグホーンを中心とした集まり、通称スラグ・クラブはスラグホーンのお気に入り、将来のための有用な人材との人脈の為の場になっていった。

 

ホグワーツに再び教師として戻ってきたスラグホーンは当然のように有能な子、魅力ある子、人脈のある子などに目をつけていった。そして新学期が始まって一カ月ほどして品定めが終わったのかスラグ・クラブを開催が決まった。

 

土曜の夜。

スラグホーンに招待された生徒たちがスラグ・クラブの会場で開始を待っていた。

生徒はそれなりの数がいる。このクラブは聖二十八一族のような名家の子供も多く参加しているためコネを作るために参加している生徒もいるのである。

生徒はどの寮からも差別なく参加している。

『生き残った男の子』、『選ばれし者』などと呼ばれている、ハリー・ポッター。

聖二十八一族の一つロングボトム家、成績も上々のネビル・ロングボトム。

同じく聖二十八一族、ウィーズリー家の紅一点、ジニー・ウィーズリー。

有名人の知り合いが多い最上級生、コーマック・マクラーゲン。

母親が美人で金持ちな、ブレーズ・ザビニ。

祖父の代からスラグホーンの教え子である、マーカス・ベルビィ。

聖二十八一族、闇を裏切ったマルフォイ家、ドラコ・マルフォイ。

全科目学年トップ、ホグワーツ史上最高の才女、ハーマイオニー・グレンジャー。

そして説明不要のレナード・テイラー。

その他にもたくさんだ。

お気に入りの生徒の集まりを見て満足そうなスラグホーンが開始を宣言する。

 

「みんな! 今日はよく集まってくれた! おいしい料理もお菓子もたっぷりある。楽しんでいってくれ!」

 

クラブが始まり生徒たちは思い思いに楽しんでいる。

生徒同士の交流も盛んに行われる。普段は犬猿の仲のグリフィンドールとスリザリンも例外ではない。理由は簡単である。ここに招かれているスリザリン生は闇の陣営と縁を切ると宣言した生徒だけなのだ。親がどう思っているかはともかく子供たちが全員闇の魔法使いになりたいわけではないのだ。レナード・テイラーの力を知っているならなおさらである。

それゆえにホグワーツ内では徐々にスリザリンでも闇に反対すると声に出す生徒が増えだし、他の寮とも交流する生徒が増え始めているのだ。

それでも何人かのグリフィンドール生は未だに疑っていることから寮間の溝は深いと感じさせる。

 

交流のなかで多くの生徒を集める中心となる人物が幾人か存在している。

昨年度は魔法省に嘘つき呼ばわりされても真実を叫び続けた、生き残った男の子ハリー・ポッター。例のあの人に対する力を有していると噂されており注目の的になっているようだ。

 

帝王を裏切った純血一族の一人息子、ドラコ・マルフォイ。

ここにいる闇陣営に敵対しているスリザリン生からは一目置かれているのだ。由緒ある一族の為、マナー等も完璧であり仲間には優しい。重傷を負った父親の為にあらゆる力を欲してどんどん力をつけているのも好印象を与えることになっている。

 

ジニー・ウィーズリー。

年齢を重ねるにつれ美しく成長しており、密かにファンクラブができるにまでなった。

それでいて皆をまとめてレナード・テイラーの特別授業(戦闘訓練)を開催させるきっかけを作るなど行動力もあり、父の遺志を継いで皆を守る闇祓いを目指すなど優等生でもある。

この機にお近づきになりたい男子が周りに集まっているがジニーとしては現在は特定の男子と付き合うつもりはないようだ。

 

最後にレナード・テイラーとハーマイオニー・グレンジャー

人の身ではなくなったことから距離を取られていたが、呪文学の授業や特別授業を通じて人でなくても今までと何も変わらないということで元通り頼りになる教師扱いである。

ハーマイオニーも優秀で美しく多くのファンがいるのである。

とは言え、二人が恋人同士であるのはもはや周知の事実。あくまでファン止まりである。

現在も隣同士で座って傍目から見てもいちゃついているようにしか見えない。

 

「お、これ美味しい。前に言ってたパイナップルの砂糖漬けか。スラグホーン先生が好物にするのも解るね。」

 

「本当? 一口ちょうだい。」

 

「はい。」

 

「あー……、うん。美味しい!」

 

こうして周りに人がいると言うのに自然とあーんなどとやってのけるのだ。

パイナップルの砂糖漬けより甘い空気に当てられて胸焼けする生徒が出始めている。

 

「ほっほう! 噂に違わぬ熱々ぶりだ! 楽しんでいるかね二人とも。」

 

スラグホーンが二人に話しかけてくる。ハーマイオニーもレオに次いで彼のお気に入りの生徒になっている。

 

「ええ、楽しんでます。たまには研究から離れてゆっくりするのも必要ですし良い息抜きになってます。」

 

「お招きいただきありがとうございます。他の寮とも交流できて楽しいです。」

 

「そいつは良かった。二人ともクラブ以外でも私を訪ねてくれてもいいんだよ? いつでも大歓迎さ!」

 

その後も色んな生徒と話をした。

ジニーを中心とした特別授業のメンバーと魔法運用について語ったり、ジニーがハーマイオニーとレオとの出会いから付き合うまでの出来事を話して女子たちに羨まれていたり、ドラコ・マルフォイが治癒魔法のコツを教えて欲しいと言って来たりした。

 

 

楽しかったクラブも終わり、生徒たちが各々の寮に帰っていく。

その中でレオとハーマイオニー、それとハリーは最後まで残っている。

もちろんダンブルドアからの依頼をこなすためだ。

 

「さてさて、君たちも早く帰りなさい。睡眠も大切だよ?」

 

「先生! 教えて欲しいことがあるんです!」

 

「何かね、ハリー? 私に答えられることなら何でも答えよう。」

 

「あの……。あいつ、ヴォルデモートに対抗するのに必要なんです。分霊箱(ホークラックス)についてなんです。ご存知でしょう?」

 

分霊箱(ホークラックス)とハリーの口から出た瞬間、それまでの笑顔が凍り付いた。

そして油断ならない相手を見る目付きでハリーを見る。もちろん心は固く閉ざしてしまった。

 

「……ダンブルドアだな。知らん、知らんぞ。渡した記憶が全てだ。さぁ、帰りなさい、帰るんだ! レオとハーマイオニーもだ!」

 

「でも、先生!」

 

「スラグホーン先生。先生は何か間違った認識をしているみたいですね。」

 

「……いったい何をかね?」

 

分霊箱(ホークラックス)は闇の魔法と言われています。確かに技量が低ければ魂を分割するのに殺人行為が必要です。だからと言って知識として知っていることを恥じる必要はありませんし、それを誰かに教えたとしても何が問題なのでしょう? 闇の魔法も他と同じ魔法です、違いはありません。使う人間がどのような人間かの違いだけで魔法は魔法、綺麗か複雑か優れているかだけなのです。」

 

魔法界の大抵の人間が闇の魔法というだけで忌避反応を示す。レオにとっては魔法の価値は優れているか、美しいかどうかしか関係がない。ゆえに分霊箱(ホークラックス)は優れた魔法という分類で拒絶することなどありえなかったのだ。

 

「だ、だが……私のせいであの人は……。そのせいで人が死んだのかもしれんのだ。」

 

「スラグホーンさんがヴォルデモートが分霊箱(ホークラックス)を知るきっかけになったかもしれませんけれど、それであなたが悪人というわけではないでしょう。それに分霊箱(ホークラックス)を知っている僕は悪人ですか? ダンブルドアだって知っているでしょう。」

 

「…………レオはあの人に分霊箱(ホークラックス)について話した私を軽蔑するかね?」

 

「そんなことはあり得ませんね。あなたはヴォルデモートではない、ホラス・スラグホーンです。あなたの記憶がヴォルデモートに対抗するのに必要としている人がいる、その人に恩を売るぐらいの方がここで悩むよりあなたらしいと思いますよ。」

 

「そうだな、過去を悔いるよりは未来のために行動した方が気持ち良いしな。ダンブルドアに恩を売って給料アップでもしてもらおう!」

 

スラグホーンは杖を頭に当て銀色の靄を取り出して瓶にしまう。

それをレオに渡す。

 

「レオ、もう一度聞かせてくれ。私は悪くないのか……? こんな小心者の私を見損なったりしないでおくれ。」

 

「改めて言います。あなたは何も悪くない。あなたは優れた魔法使いです。」

 

「スラグホーン先生、私も先生は素晴らしい教師だと確信してます。私たちだけじゃなく多くの生徒たちがそう思っているはずですよ。」

 

レオとハーマイオニー二人の真っ直ぐな評価。それを聞いて心のしこりが取れたのか険しかった顔も元に戻る。

レオはハリーの記憶を渡す。ハリーはスラグホーンに礼を言ってすぐに校長室に向かっていった。

レオとハーマイオニーも研究室に戻る。

帰るとクーが出迎えてくれた。

 

「お帰りなさいませレナード様、お母様。お帰り早々で申し訳ありませんが、お伝えすることがあります。」

 

「ただいま。何かあった?」

 

「はい。アレがまた暴れました。拘束と説得にも限度があるかと。」

 

「そっか。それじゃあ、性能テストといこうか。」

 

「また何かやるつもりなのねレオ。今度は何かしら?」

 

「とりあえずダンブルドアから情報を得てからになるかな。」

 

レナード・テイラーの研究によってまた一つ世界への影響が現れるまで後、数日。




スラグホーンは悪人ではないけど完全な善人でもないとても現実の人間に近くて好感を持ってます。

スラグ・クラブは今ではスラグホーンの人脈の為の場ですが、
昔はもっと違ったのかと思ってこういう設定にしました。

クラブに参加したのは成績優秀者、闇に与しない名家、人脈がある者、スラグホーンの直感による選出といった感じですかね。ちなみにレオはスラグホーンが見た中でかつてないほどの逸材として出会った時からお気に入りです。

治癒魔法を勉強するフォイ。将来の夢は癒者になってます。

分霊箱に関する記憶ゲット。
レオは分霊箱は高度な魔法として悪い感情は持っていません。
そもそも魔法に悪いものはないと考えています。
ちなみにレオの技量なら殺人をしなくても魂の分割はできます。
とはいってもレオは既に人を殺してますけどね。

さてアレとは何でしょうね?

それでは次回お楽しみ。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。