そろそろ一周年か……。
出来れば一周年記念で最終話を投稿したかったけど無理そうだ。
それでは88話どうぞ。
常軌を逸した戦場がそこにはあった。
そこは数時間前までは唯の魔法学校の敷地であったはずなのだ。
それが今や数多の魔法生物の血と死骸、戦いによる破壊痕がそこら中に広がっている。
湖は血と毒で濁り残骸が浮かび、森は燃え続けて獣たちが逃げまどっている。
未だに各所で魔法生物の雄叫び、断末魔がこだましている。
その光景よりもありえない凄まじい光景がホグワーツ城のすぐ近くで繰り広げられていた。
まったく同じ顔、体格の男たちとひとりの少年が戦っている。
全盛期以上の力を持った複数の闇の帝王ヴォルデモートがレナード・テイラーに迫る。
同一魂を持ったそれらは乱れないコンビネーションでレナード・テイラーを打倒しよう全力を持って戦っている。その体は
一人でも強大な存在が抜群の連携で襲い掛かって来る。史上最強の魔法使いと言われたアルバス・ダンブルドアでさえ、全盛期ならいざ知らず年老いた今ならば敗北は確実だろう。
だが、レナード・テイラーはそれと対等に戦っている。
高速移動で迫る帝王を叩き落しながら、同等の速度で回避する。
逃げ場のないほどの密度で迫る魔法を真正面から打ち破る。
マグルのマシンガンの銃弾よりも多くの魔法をたった一人で瞬時に発動する。
確かにヴォルデモートは史上最強の闇の魔法使いだ。しかし魔法使いなのだ。
対してレナード・テイラーはそもそも魔法使いとしての常識から逸脱している。
数多の魔法生物の特徴を組み込んだ体。
究極の癒し、命そのものと言える賢者の石から生み出される命の水が何物にも犯されない体にし無限の魔力に変換する。
強力無比な魔法具をいくつもその身に装備する。
決して滅ぶことの無い魂。
こんな存在が魔法使いと言えるであろうか?
コレは最早そんなものではない。
ヴォルデモートたちもそれは分かり切っている。戦っている自分たちが誰よりも理解している。それでも負ける気も、死ぬ気も微塵もない。
既に十を超える数の帝王が、地面に横たわっている。
個の力では勝てないことは知っている。ならば、こちらも全てをぶつけるだけ!
倒されるより多く、多く、多く! 己の全てを使って戦わなければ勝機はない!
倒される速度を増加する速度が上回る。
「はは、流石に数が多すぎて追いつかなくなってきたな。それならばこれはどうかな?」
一瞬のうちにレオを中心に30メートルほどの空間の空気が変わった。
即座に危険を感知した帝王たちは離脱するが、人数が多すぎて一部がその空間の中に取り残された。
「こ れ は … … ! ?」
「な ん だ ? 」
その空間にいる自分たちの動きや言葉がとてつもなく遅くなっていた。
範囲外からの攻撃もその範囲に入るとのろのろとしか進まなくなった。
まるで、そうまるで時間がおかしくなったかのようだ。
「正解。あなたたちの予想どうりこの空間内では時間の流れが通常より遅い。ここで通常通り動けるのは僕だけ。さて少し数を減らしますか。」
そうレオが言うと効果範囲内の帝王は一人ずつ壊されていった。
「おのれ……!」
「さて、どんどん新作魔法の実戦テストだ。
レオが放つ閃光が命中した帝王の一人は地面に崩れ落ちる。
その顔は幸せでだらしなくなっており、涙と涎でぐちゃぐちゃだった。
「次。
次の魔法が放たれる。帝王たちも愚鈍ではないのでもちろん回避行動をとる。
追尾してくる魔法も
三人はまともな死体さえ残らなかった。ドロドロの液体や気体となって蒸発してしまった。
だが、そんな死体など気にする余裕はない。防御を破り体を破壊し、僅かでも隙をついて動きを止めて、永遠に復活できぬよう封じるのだ。
そのためには犠牲など惜しむ必要もないし、我が身が死のうとも誰か一人だけでもが生き残れば良いのだ。
「「「おおおおおおおおお!!!」」」
帝王の咆哮がホグワーツに響き渡る。
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数十分後。
敵性魔法生物勢力も僅かとなっていた。
命の水を持った単細胞生物の群体であるクーはほとんど不死だ。ゆえに大量のそして改造された魔法生物であろうと殺されることはない。殺傷能力などで上回れようとその点だけで相手に勝ち目はないのだ。
クーは残った魔法生物の駆逐をしながら帝王とレナード・テイラーの戦いを見守っていた。
ヴォルデモートのほとんどが死体となって散乱していた。
無傷、バラバラ、液体状、欠片もない、焦げている、様々な同一人物の死体が転がっている。
残るは僅か5人。追加の帝王も現れずその命も底が見えた。
「そろそろ終わりですかね。もう新しい魔法はありませんか?」
そう言いつつ一人を葬る。
帝王は返事をしない。代わりににやりと笑う。
「もちろんあるぞ。これだけやっても勝てないとは予想していたが、ここまでの差とは想定以上だ。」
三人が全力で
切札を発動するには十秒程度時間が必要だ。その時間を稼ぐために魂を削る勢いで盾を創り出す。
レオはそれを邪魔する気はなかった。魂の分裂と複製、その次はどんな魔法を魅せてくれるのか。魔法界、世界を賭けた頂上決戦だと言うのにレナード・テイラーにとっては魔法が最優先する事柄なのだ。
「我は我、己は己の中に。我が全ては眼前の敵を打ち滅ぼすために!」
全神経を集中して呪文を一言一句魂を込めて吐き出す。
「全ての我が魂よ、ここに!」
その言葉を最後に護っていた三人が倒れ伏す。
そしてその体から薄く光る何かが抜け出し呪文を唱えた最後の帝王に入り込む。
それだけではない、そこら中に散らばった百を超える死体、その全てから同じように何かが飛び出し帝王に吸い込まれていった。
「魂か……。」
それらは魂だった。他人の魂を喰らい肥大した魂が一つの肉体に入っていく。
一つ、一つ、魂が注入されるごとにヴォルデモートの存在感、魔力、何もかもが増大していくのをホグワーツにいる全員が感じていた。
全ての魂を取り込んだ時そこにはまさに、帝王と呼ぶにふさわしい存在が立っていた。
「待たせたな。」
「なるほどなるほど。魂を束ねて力を高めるとは。同じ魂が複数あるあなたならではの方ほ
言葉を最後まで発することなくレオはホグワーツ城の壁まで吹き飛ばされていた。
四層ある指輪の防御は突破され、確実に肉体へのダメージを与えられていた。
「
城壁に埋まったレオを引き戻して更なる追撃を与える帝王。
吹き飛ばし、切り刻み、爆破して地面に叩きつける。
出来上がったクレーターに追撃の悪霊の火を放つ。
「どうだ? 聞こえているか? 数多の魂を束ね、その全てを貴様を殺すためだけに使っている。魔法は魔力を形に変えて発動する、基本だ。その魔法を発動するのに一番大切なのは何かなど今更貴様に語る必要もあるまい。呪文? 杖? 確かに重要だ。だが、最も大事なのは精神だ! 今俺様が使った秘術は魂を一つにするだけではない。この俺様の全てを集めた膨大な魔力! その全てを貴様を滅ぼすためだけにしか使えぬように俺様自身を作り替えたのだ! この強力な力を貴様にしか使えぬがそんなことは些細な事! おかげでこの制御するのも難しいであろう途方もない魔力を貴様を殺すだけには十全に使いこなすことができる! このまま燃え尽きるがいい!」
炎は更に熱量を上げ勢いを増す。
全ての細胞をその再生速度を上回るほどに、魂の一片までも燃やし尽くすように魔力を込め続ける。
その光景をこの世の終わりの様にホグワーツにいる全員が見ていた。
炎が猛る穴の底では人外が焼け焦げながらも笑みを浮かべていた。
最終決戦パート2
クーと魔法生物の戦いはほぼ終了。
結局クーを殺しきる手段がない限り殺傷力や破壊力で上回っていようがいずれは負けることは必然。
無数のお辞儀VSレオ
戦況としてはほぼ互角。ただし、お辞儀が無限残機であった場合である。
複製を作るのにも時間や生贄が必要なので残機は有限。
徐々に数が減っていくことによって徐々にレオが優勢に。
時間をゆっくりにしたのは逆転時計を分析した副産物。
欠点は展開時間をそれほど長くできない。
最高の夢:北〇有情拳をもっとヤバくした感じ。アへ顔のお辞儀……誰得。
状態超過:物質の三態を瞬時に変える魔法。魔法薬の作成に役立つ呪文として創ったけど人体への影響も興味があって実験してみた。
お辞儀の切札
肉体が破壊されてもそれぞれの肉体が分霊箱と同じ働きをしていたのでその辺にはお辞儀の複製魂が存在していた。分割した魂はそれぞれが他人の魂を吸収して成長しているのでそれを一つの肉体にまとめた結果相当な総量になっていました。
結果として全能力が魂分(百倍ぐらい)に上昇。
更に、レナード・テイラーを殺すためだけに十全以上に力を発揮するようにしている。
魔法の全てがレオに対して特別補正が入る感じですね。
ハリポタ世界の魔法は特定の対象だけに効果が発揮する魔法があるのでそれを究極まで突き詰めた感じ。
お辞儀VSレオは最終ラウンドへ
それでは次回お楽しみ。