まだ失踪はしませんょ……。
文字数の関係で、3話と4話を合成しました。('・ω・')
※今回はかげろうが、出てきません。
かげろうのを読みたかった人には申し訳ないです。
元の世界
2024年10月4日――東シナ海戦の起きた日の夜。
22:00になると、news22のスタジオに映像が切り替わり、いつものキャスターの2人のうち男の方が話し出す。
「こんばんは、news22です。では、一つ目のニュースです。今日、中国軍が突如沖縄に侵攻を開始、海上自衛隊をはじめとする自衛隊はこれを迎撃しました。」
そしてVTRに切り替わる。
「こちら、海上自衛隊佐世保基地です。今は朝の6時。次々と海上自衛隊の艦艇が出航していき、ただ事ではない気配が伺えます。」
そして映像はスタジオに戻る。
「そこで起きたのが今回の武力衝突なんですね。」
「スタジオには軍事ジャーナリストの坂田さんをお呼びしています。坂田さん、今回の事態の経過を説明してもらっていいですか?」
「はい。政府の情報によると、中国海軍の空母2隻を含む98隻の艦隊が青島基地から出航したのを受けて、佐世保基地と横須賀基地配置の第1,2,5,6,8護衛隊が警戒行動を取りました。」
坂田さんは、机の下からボードを取り出す。
「そして3時5分、距離100kmの地点で、中国艦隊は日本艦隊にミサイルを発射。自衛隊は自衛権を行使し、中国軍と自衛隊は戦闘状態に陥ります。」
坂田さんは中国艦隊をあらわす4つの星マークが書かれた艦の絵の上に、ミサイルの絵の磁石をはる。彼の手元には、弾道ミサイルの磁石や、3種類の戦闘機の磁石がある。
「中国海軍がミサイルを発射したのとほぼ同時に、中国本土から沖縄に弾道ミサイルが発射され、航空自衛隊および在日米空軍と中国軍が衝突しました。そして、自衛隊および在日米軍は死闘の末に中国軍を撃退しました。」
キャスター2人のうち女の方が口を開く。
「今回の武力衝突、海上自衛隊は護衛艦かげろう、そして航空自衛隊はF15Jをはじめとする作戦機31機を失い、自衛隊員291名が戦死しました。アメリカ軍は、F15C/Dをはじめとする17機を失い、21名が戦死しました。坂田さん、今回の事態、軍事的視点で見るとどのように考えられますか?」
「”ついに起きたか。”という感じですね。中国は太平洋に進出するという目標がありましたので、日本が震災で手一杯になっている今がチャンスと思ったのでしょう。」
「今回の武力衝突。政府発表によると、中国軍は空母1隻、駆逐艦5隻、フリゲート10隻、揚陸艦14隻を失い、半数以上が被弾しました。中国海軍にとって今回の事態で彼らの予想を上回る大きな損害を出しました。よって、暫くは大きく動くことは難しいでしょう。
海上自衛隊はその点、1隻のみの被害なので、今を好機と捉え中国軍に何か仕掛けることになるかもしれません。しかし視線を空中にむけてみますと、中国空軍は約70機の損害を出したのに対して、航空自衛隊も約30機失いましたので、両者とも大きな損害を受け、痛み分けに終わったイメージがありますね。」
女の方のキャスターは、今回のインタビューにおいて最もメインとなる質問をする。
「では今回の事態において、勝ったのは自衛隊と中国軍、どちらですか?」
「日本の防衛に成功したという意味では、自衛隊の勝利でしょう。被害を考えても自衛隊の勝利で間違いないでしょうね。
ただ忘れてはならないのは、中国と日本では、命の重みの考え方や、軍事費、兵士に大きな差があるということです。これだけは頭に留めおかねばならない事実です。」
「坂田さんありがとうございました。では次のニュースです。ついさっき、午後十時にアメリカシャーマン大統領が、次のような発声明をだしました。」
ホワイトハウスをバックに、画面の真ん中にシャーマン大統領が映った。
「――今日、中国の大艦隊が突然沖縄に侵攻し、我が国と同盟国日本の勇敢な戦士は戦場に散った。中国は必ず我がアメリカと同盟国日本の怒りの鉄槌に必ず今回の愚行を後悔することになるだろう。」
スタジオに画面が戻る。
「シャーマン大統領は強い怒りを顕著にしていましたね。」
「これは未確認情報ですが、アメリカ西海岸海軍基地から4個空母打撃群が出航したとの情報がありました。これが今回の有事を対象とするものならば、日本近海に5個空母打撃群が展開するという前代未聞の事態になりそうです。」
薄暗い部屋の中に青年。明日学校がないので、徹夜でゲームをしようと思っていた。国のことには普段全く関心を示さない彼だが、柄にもなく今後の日本について不安になってしまっている。彼はテレビを消し、ベッドに入ったがなかなか寝付くことができなかった。
東京都千代田区にある首相官邸の地下にある危機管理センター。有事の際には此処が指揮の最前線となる。
「状況は?」
急いだ様子で入ってきた澤田総理大臣が阿原防衛大臣に尋ねる。総理は今までずっと他国首脳と会談を行っていたのである。
「まず海上自衛隊からです。
第3護衛隊、第4護衛隊が南シナ海に、警戒のために急行中。第7護衛隊は舞鶴に進出。
潜水艦隊は横須賀配置の3個潜水艦隊が東シナ海まで急行中。呉配置の2個潜水艦隊が沖縄近海に展開しています。
また、戦闘後の第1護衛隊、第2護衛隊、第5護衛隊、第6護衛隊、第8護衛隊の補給は明日正午までのには完了します。
次に航空自衛隊ですが、第6飛行隊、第201飛行隊、第303飛行隊が那覇基地に移転しました。
陸上自衛隊は、全国の重要防護施設135ヶ所に展開が完了しています。」
「そして、アメリカ軍との打ち合わせの結果立案された作戦計画です。」
防衛大臣が総理大臣に渡した薄い冊子には、赤いインクで極秘と書かれていた。
総理である彼――澤田栄一には軽いはずのたかが数十枚のプリントの束がとても重く感じられる。だが、それも無理もないことではある。自衛隊は戦闘行動を1度経験したが、それは受ける側としてであり、この作戦は戦後で日本が自ら仕掛ける初の大規模な戦闘であった。
「では、作戦を聞かせてくれ。」
作戦開始は1日後、10/5。アメリカ海軍と海上自衛隊が参加するこの作戦は、
“operation anger hammer”
――怒りの鉄槌作戦
まず作戦の第一段階として、海上自衛隊第1,2,5,6,8護衛隊とアメリカ海軍第7艦隊所属の第5空母打撃群と第15駆逐隊を臨時編成した第1統合任務隊が中国北海艦隊の母港である青島、旅順、葫芦島を攻撃する。戦力集中投入の法則から外れたこの前段作戦は、中国海軍が第一次東シナ海海戦でのダメージを回復する前に叩くという目的で発案された。基地の回復を遅らせ、第ニ段階で叩きやすくするのが主な目的である。
第2段階では、アメリカ海軍5個空母打撃群を含む第2統合任務隊を編成し、大規模攻勢を掛ける。
「再び聞くようだが、シーレーンの防衛は大丈夫なのか?」
食料や資源、諸々を輸入に頼っている日本にとってシーレーンの防衛は死活問題である。アメリカ海軍の対潜枠を担当するためという説もあるが、どちらかというとそれは副次的な目的である。
「沖縄近海及び東シナ海では、海上自衛隊航空集団と潜水艦隊による強力な布陣を敷いています。しかし、……」
防衛大臣の阿原は言葉を詰まらせる。だが、すぐに再び口を開く。
「東シナ海方面には第3,4護衛隊を向かわせていますが、正直、力不足感が否めません。
2週間後にはひゅうが型の改修が終了し、ひゅうが型もシーレーン防衛に投入できますが……。」
ひゅうが型の改修では、個艦防衛能力の強化をコンセプトに、システムのアップグレードやVLS、CIWS、SeaRAMの増設が成された。当初の予定であれば、10月にはすでに復帰していたが、このVLSの増設改修で設計上の不具合が見つかり3週間伸びた。
復帰すれば、同時期に就役する改むつき型護衛艦4隻と第15護衛隊のむつき型護衛艦2隻とで第5護衛隊群を構成する。
36期中防(中期防衛力整備計画)で計画されたむつき型をゴリ押しで4隻も1年半と少しで就役させてしまうあたり流石である。31期中防のにいづき型で鍛えられた成果がでたのか……。最も、改むつき型になって建造過程がずいぶん簡略化されたのも無視できないが。あの中国も真っ青かもしれない……?
「日本の防衛は大丈夫なんだろうな?」
海上自衛隊における事実上の実戦部門の統括部隊を担う、自衛艦隊。その自衛艦隊直轄の、護衛艦隊隷下4個護衛隊群、8個護衛隊の内、7個護衛隊が引き抜かれる。
総理の心配も最もである。
「航空自衛隊と陸上自衛隊でカバーします」
「よろしい。」
「米軍との調整は既に終わり、アメリカ大統領の承認を得ています。後は、総理がこの作戦を承認すれば全てが始まります。」
暫くして、澤田総理大臣が口を開く……
「分かった。この澤田総理大臣の名をもって、怒りの鉄槌作戦を承認する。」
その言葉と同時に、作戦計画書に大判の承認印を押した。
言い訳をするとですね、この話を書くときに温めておいた案の矛盾が見つかって、大惨事と化し……。(あと、あさひ型2番艦の命名も遅れた理由の一つ。)(´・ω・`)
元の世界の話を書いたのは伏線の意味合いもあるんですが、半分は趣味です。編成表は貼っておくのでぜひ見てください。(*´∀`)
矛盾とか、質問とかはぜひ感想欄にお願いします。
すぐに改善できないかもですがそこは容赦を……。
では、次話で会いましょーヾ(。>﹏<。)ノ゙✧*。
11/29 指摘により文を改変。
指摘の文を、考えた結果、少し自分なりに改変しています。
11/29 誤字訂正。