fate/extra night   作:iekiron

7 / 49
屋上にて

「…………。

――――?」

「――――!

――――!」

 

 声が聞える。

 誰かが言い争っているような声が――

 

「――ええい、分からぬ奴らめ!

だから敵の手など借りぬと言っておる!

何を企んでいたか知らぬが、早々に立ち去れ!」

「襲いかかって来たのはそちらでしょう!

何という言い草ですか!」

「だから二人とも落ち着けってば!」

 

 いまだ頭がはっきりしない。

 一体何を言い争っているのか――

 

「どこの誰とも分からん敵の居城になど、奏者を連れて行けるか!

たった今奏者の命を狙ったばかりではないか!」

「人の話を聴いていたのですか、貴女は!

シロウ、やはりこのような輩を衛宮邸に連れて行く必要はありません!

望み通り、この場で脱落させてあげましょう!」

「落ち着けセイバー!

……アンタが俺達を警戒する気持ちは分かるけど、このまま屋上にいたんじゃこの子、風邪ひいちまうだろ」

 

 ――命。

 狙われて、脱落……

 

「保健室に行けばベッドがあったはずだ。

それにそなた達の手など借りずとも、我が奏者は余が守る!」

「たった今私に倒されかけたばかりではないですか!」

「アンタのマスターも気絶したままだろ。

二人とも本調子になるまで、うちで養生したほうがいい」

 

 倒され、た――?

 

「セイバーッ!」

 ガバッ、と跳ね起きる。

 完全に意識が覚醒した。

「っと、目が覚めたかマスター!

赤毛に青いの、そういうわけだから、我らはそなた達の城になど行かぬ!」

 セイバーが駆け寄って来た。

 後半はわたしではなく、青いサーヴァントとそのマスターに言ったらしい。

「セイバー、怪我は――」

「保健室に戻るぞ。

怪我はなくとも、本調子ではなかろう」

 セイバーは有無を言わさず、わたしを引っ張って行こうとする。 

 今の状況がさっぱり分からない。

「だから待てって!

女の子二人だけじゃ危ないだろ。

襲われたりしたらどうするんだ」

 相手のマスターであろう、赤銅色の髪の少年が追いかけて来た。 

 ……こんな時に何だが、まともに女の子扱いされたのは、前回の聖杯戦争から通しても初めてかもしれない。

「……そなた、何をちょっと嬉しそうにしておるのだ」 

 心の声は表情に出ていたらしい。

 セイバーはわたしを引っ張っていた手を離し、不機嫌そうに少年を指差した。

「あの小僧は敵だぞ、敵!

いやむしろ、羊の皮を被った何かだ。

油断してると、奏者もぱっくりやられるぞ!」

「訂正しなさい!

我がマスターへの侮辱は許しません!

シロウは紳士です!」 

 向こうのサーヴァントが激昂していた。

 赤毛の少年も居心地の悪そうな顔をしながら、わたしの方に向き直った。

「……サーヴァントの話じゃ、ほとんど何も分からないまま、聖杯戦争に参加する事になったんだろ?

俺じゃあ詳しい説明はできないけど、聖杯戦争に詳しい知り合いがいる。

情報収集も兼ねて、アンタのサーヴァントが回復するまで、うちに来ないか?」

 わたしが気絶している間に、セイバーが色々と話したのだろう。

 それにしても、ついさっき殺し合いをした相手である。

「どうなってるの?」

 傍らのセイバーに問いかける。 

「ふん、我らと手を結びたいと言う事だろう。

――うむ。

余と奏者の実力を見抜いている事だけは、称賛に値するな」

 胸を張って答えるセイバー。

 ものすごく曲解してるように聞こえるのは気のせいか? 

 ……ともかく、少年の方に向き直る。

「どうして、わたし達を助けてくれるんです?」

 セイバーは青いサーヴァントに完全に負けていた。

 なのにわたしもセイバーもこうして生きていて、なおかつ敵マスターは自分達に助力してくれると言う。 

 状況が分からなさすぎる。

「だってアンタ達、困ってたんだろ?」

 なのに、更に分からない事を言われた。

 

 ――確か聖杯戦争のルールって、自分以外のマスターとサーヴァントを全員倒して、聖杯を手に入れる事……だったよな?

 

 

ステータス情報が更新されました

【クラス】セイバー

【マスター】衛宮 士郎

【性別】女性

【真名】

【筋力】B 【耐久】C 【敏捷】C 【魔力】B 【幸運】B 【宝具】C

【クラス別能力】対魔力:A 騎乗:B

【保有スキル】直感:A 魔力放出:A カリスマ:B

【宝具】

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。