上海可愛い
[蓮子の実家・玄関口~メリーside~]
「短い間でしたがお世話になりました。」
玄関口で蓮子のおばあちゃんに別れの挨拶をする。
今は朝の4時。今から帰らないと朝イチの電車に間に合わないのだ。
「また来るよ、それまで上海をよろしくね。」「分かってるよ。」
蓮子がおばあちゃんに言う。
上海はここに置いていくことにした。急に都会に連れていくと、何が起きるか分からないからだ。
寂しそうな声を上げる上海を見ながら、頭を撫でてあげる。
「来週にはまた来るよ。」「.....シャンハーイ.....」「それじゃばあちゃん、また来週に」「ちゃんとご飯は食べなよ。」
その声を背中に無人駅へと歩いていく。私は後ろ歩きで、見えなくなるまで手を振り続けた。
[どこかの田舎の駅]
相変わらず誰もいない。この駅は電車も来ないので、線路に沿って電車が来る駅まで歩かないと行けない。
お土産に貰った山菜を齧りながら線路の上を2人で歩いていく。生で山菜を食べてもいいのかは分からないが、生で齧る。無言でひたすら齧る。
途中イノシシが横の茂みから飛び出してきたが、山菜をあげたら帰っていった。こう見るとイノシシも可愛いものだ。
そこからは電車が通っている駅までひたすら歩いただけだった。特に何もない。
ほぼ乗客のいない電車に乗って、京都まで帰った。ただそれだけだ。
[京都駅前~蓮子side~]
「ん~...長かった~.....」「長かったわね...今もうお昼よ?」
長い電車の旅で、足も腰もボロボロである。
帰ってきたはいいものの、昼前なのでやる事が無い。大学?知らんな。
「今からどうする?」「そうね.....とりあえず私の家に行きましょ。ここからなら私の家の方が近いし。」「いいよ~」
承諾した時、一瞬メリーの顔がゲス顔のようになった気がしたが気のせいだろう。
途中でマクドなナルドで昼食を買い、メリーの家に向かった。
[メリーの家~蓮子side~]
相変わらずいい家だ。メリーは一人暮らしの一軒家持ちなのだ。どこからそんなお金が出てくるのかと尋ねると、いつも(ヒ・ミ・ツ♥)と言う。全くもって謎である。
両親の顔も見たことないし、家族の話もしない。聞いても答えないし、しつこいと少し怒る。謎だな~...
とりあえずリビングに荷物を置き、シャワーを浴びに行く。ほぼ毎日のようにここに遊びに来ているので、まるで自分の家のようにくつろげる。
シャワーを浴びさっぱりした私は、リビングに戻ってくる。リビングに戻ると次はメリーがシャワーを浴びに行く。
私は先に、さっき買ったポテトを食べる。サクサクとしてて非常に美味しい。少し冷えていたが、気にする程では無い。
半分くらい食べたところで、メリーがシャワーを浴びて戻ってくる。
残ったポテトを咥えながら、荷物を片付ける。と言っても、小さなカバンに入るくらいの多さだ。私は必要最小限の荷物だが、メリーはそれより少ない。泊まりに行くなんて言ってなかったもの。
荷物をカバンから出そうと、カバンに手を伸ばす。すると急にカバンが暴れだした。
暴れるカバンを押さえつけ、中を確認する。すると(あ、見つかった...)みたいな顔をした、上海がこちらを見ていた。
待っている間にこれ完成しちゃったよ.....すごい待たされますね、散髪って...