こうして私の自室のクーラーが壊れたのであった。
上海可愛い
これは上海が時空の歪みに入って行ったすぐ後の出来事。
[✕✕神社前~蓮子side~]
上海が入ると、時空の歪みはすぐに消えた。
おばあちゃんの持っている装置が止まったのだ。
昨日と同じように神社は消滅していた。みんな電撃から離れるために神社から離れていたことが幸し、誰も神社と一緒に消えることは無かった。
みんなの無事を確認するとおばあちゃんは、地面に落ちている八雲紫に駆け寄った。
「紫!!」
「菫子.....」
八雲紫の頭はいくつもの電撃により、無数の穴が空いていた。
おばあちゃんは八雲紫を抱き上げた。が、その穴からは血や、それ以外の何かが吹き出していた。
「菫子.....私、もうダメみたい.....」
「あなたのしぶとさはどこ行ったの!?いつも妖力とかで直してたじゃない!!」
「.....その力は上海にあげたわ.....今の私に治癒能力や、不思議な力は残ってないの.....時空の歪みの行き先を固定出来て良かったわ.....」
「紫.....馬鹿...何で私を置いていくのよ.....」
「菫子.....私の話.....聞いてくれる?」
だが、おばあちゃんは泣いてばかりで答えない。
それに答えてしまうと八雲紫が、いなくなってしまいそうだからだ。それは私にも伝わった。
だが、八雲紫は話し出した。
「私は幻想郷を作る時、色んな人に手伝って貰った.....幻想郷ができた時...みんな喜んでいた.....もちろん私も喜んだ.....幻想郷は私の全てなの.....そこで色んな人と出会って...別れ...そしてまた出会った.....いつまでも忘れない.....菫子、短い間.....楽しかったわ..........私は最後の最後までいい事があったわ.....みんなの役に立てたんだもの.....私の命一つで幻想郷が救われる.....そう思えれば十分よ...でも.....最後に.....」
そこまで言うと、八雲紫は目を閉じ穏やかな顔になり
「最後に...幻想郷が見たかったな.......」
そう言い終えると八雲紫は、ゆっくりと首の根元から塵になっていった。
そして最後には八雲紫の被っていた帽子しか残らなかった。
おばあちゃんは大粒の涙をボロボロと流しながら呟いた。
「私も.....あなたと一緒に見たかったわ.....」
おばあちゃんは八雲紫の帽子を握りしめ、胸の前まで持っていった。まるで八雲紫を抱きしめるかのように、大事に大事に抱きしめた。思い出を壊さないように優しく、八雲紫を離さないように強く.....
私達は山を降りた。
私は教授を背負って降りた。
黙って山を降りた。
次の朝、八雲紫の後を追うようにおばあちゃんが死んだ。
眠るように死んでいた。布団の中で帽子を抱きしめ死んでいた。
すぐに医者を呼んだが、手遅れだった。
医者によると、寿命だったらしい。
医者はここまで生きていたのが奇跡だと言った。
私は泣いた。
狂ったように泣いた。
1日中泣いた。
涙が枯れても泣いた。
メリーが後ろから抱きしめてくれる。
でも涙は止まらない。
おばあちゃんのお葬式でも泣いた。ずっと泣いていた。
おばあちゃんの知り合いも慰めてくれた。両親も慰めてくれた。
それでも涙は止まらなかった。
おばあちゃんが火葬された。
八雲紫の帽子と一緒に焼かれた。
涙は止まらなかった。
その日も涙は止まらなかった。
涙が止まらなく、眠れない。
目は赤く腫れ、顔はグチャグチャになっていた。
私は夜中、神社まで来た。
涙を流しながら。
神社は無かった。
空を見上げる。あと少しで1時。
3.....2.....1.....
神社が目の前に現れた。
神社には私の目を引くものがあった。
私が拭いた賽銭箱。その上に八雲紫の帽子が置いてあった。
あの帽子はおばあちゃんと一緒に焼かれたのに。
そう思い、帽子を手に取る。
すると、何かあったかいものを感じた。
私は帽子を被ってみた。
まるでおばあちゃんが頭を撫でてくれているように感じた。
さっきより涙が多く出た。
10分程泣くと、涙は止まっていた。
私は山を降りた。涙は出ていなかった。
私はおばあちゃんとの思い出を大事にする。
この帽子はおばあちゃんが残してくれた最後の思い出。
この帽子は大事にする。
山を降りきった所で、メリーが待っていた。
私は
いつか私は、メリーと幻想郷に行ってみたい。
おばあちゃんと八雲紫が見たかった幻想郷を。
[悲しい感じになってしまいましたね.....結局菫子さんは何歳だったんでしょう.....生きてるのが奇跡みたいな歳.....そこは皆様のご想像にお任せします。次回からは上海、幻想郷リターンです。お楽しみに!!]