さらばIS学園   作:さと~きはち

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 広島にヤクザは二つも要りやせんのじゃ

 ―― 大友勝利 ――

   『仁義なき戦い 広島死闘篇』



戦士の休息

 それぞれの対応は早かった。クラスに戻ってすぐ、オルコットと織斑先生、山田先生がクラスメート全員の前で頭を下げた。オルコットは謝罪の後半はほとんど泣き声でぐちゃぐちゃだったが、気持ちはクラス全員に伝わったようだった。

 織斑先生と山田先生も、今回の事のあらましと己の至らなさをみんなに説明した上で謝り、生徒たちの不利益になることが無いよう出来る限りの措置を取ると約束した。

 普段は言動が乱暴で腕力に頼りがちな織斑先生だが、この時ばかりは潔く自分の過ちを認める姿を見せ、そこだけは立派だと思った。山田先生は裏事情を何も知らなかったのだが、叱られた小学生のようにわんわん泣いて謝っていたのは少し気の毒だった。

 これで本日の時間割も終了し、先生たちは急ぎ職員室へ歩いていった。クラスはいつもの放課後を取り戻し、俺は一夏や本音と一緒にオルコットの机に向かった。

「ほらよ、〝授業録音〟ってフォルダの中だ」

 俺は自分のスマホを当人の机に押しやった。

「本当に、よろしいんですの?」

 オルコットはまだ少し赤いままの目で俺を見つめた。

 俺はなんというか、言葉にし辛くて困った。

「……俺はお前の言葉を信じる。もしそれが間違った判断だってんなら、俺の目が節穴ってだけだ」

 オルコットの顔を正面から見るのはどうにも照れ臭かった、こういう場面は苦手だ。あっさり素直になれる本音や一夏は大したものだと思う。

「あら、そんな言い方をされては、私もあなたに恥をかかせるわけには参りませんわね」

 失礼、とスマホを取り上げると、優雅な手つきで指を滑らせ、件のデータを示して見せた。

「これですわね?」

「ああ、間違いない」

 タッチ一つでデータは抹消された。これでオルコットは憂いが消え、俺としてもオルコットへのわだかまりの原因が消え去った。

「寛大なお心遣い、感謝いたしますわ」

 オルコットがまともな笑顔を見せたのは、この時が初めてだった。

「ようし! これで友達だ!」

「改めてよろしくねー」

「まあ、今後ともよろしく頼む」

 一夏、本音、篠ノ之さんが声をかけ、俺は差し出されたスマホを受け取った。

「遺恨なし、だ。まあ、なんだ、よろしくな」

 突然周囲から拍手が巻き起こった。周囲を見回すと、クラスメートのほとんどが全方位から俺たちを囲んでいた。みんなずっと事の成り行きを見守っていたらしい。

「おめでとう! これでオルコットさんもほんとの意味でクラスの一員だね」

「よかったー! お互いけじめはつけたんだし、いつまでも教室の中がギスギスしてるのはヤダもんねー」

「でも音羽くんも硬いよねー、最近素が出てきてるんだしもっと気楽にいこうよ」

「そうそう、あ、団長だったよね? 団長!」

「団長! あ、団長って何するの? やっぱ戦うの?」

 何で俺ばかり次から次へとあだ名がつくんだ……やっぱイジりやすいのか? 一夏はイケメンだから茶化されないのか?

 ちらりと見ると、オルコットはきょとんとしていた。元ネタを知らないだろうから当然か。一夏はわざわざスマホで何か検索していると思ったら、あ、これか! と勝手に納得している。

「なんかずるいぞ三治! おれも何かカッコイイあだ名が欲しい!」

 知るか。

「おりむーでいいだろ、みんなで呼んでやるから」

「イヤだよ! 箒かオルコット、もう少しマシなのないか?」

 一夏の言葉を聞いて、オルコットがふと気づいたように立ち上がった。

「あらあら。そうそう呼び名ですけれど、私を友人と思って頂けるのなら、私のことはどうぞセシリアとお呼び下さいな」

 他人行儀に思えたオルコット、いやセシリアの笑顔が少し人懐っこそうに見えた。

「俺も三治でいい。よろしくなセシリア」

「はい、三治さん。それと……その、一夏さん」

 セシリアの一夏を見る目が少し熱を帯びているようだ。ははぁ……これは惚れたな。名前で呼んでくれと言ったのも、一夏を自然に名前で呼ぶ為か。策士だな。

 見れば、一夏とセシリアがもう親しげな会話をしている。篠ノ之さんは一時とはいえ蚊帳の外が御気に召さないらしくおかんむりだ。本音は篠ノ之さんとセシリアを見上げてきょろきょろしている。

 とうとう篠ノ之さんにも、本格的にライバル登場だ。最初から一夏に優しくしてりゃ良かったのに。

「あーセシリア! 私も名前で構わないからな!!」

 篠ノ之さん、じゃなくて箒が大人げなく大声を出した。驚いて振り返った一夏を挟んで新旧ヒロイン候補がバチバチと音が聞こえそうなほど激しい視線をぶつけ合う。それに気づいた女子たちがそれぞれの仲良しグループで三角関係についての活発な議論を開始した。

 クラスに修羅場の季節がやってきた。そもそも女の園に一夏を放り込んで、箒のライバルが現れない方がおかしかったのだ。

「なんだ二人とも? どうしたんだよ?」

 鈍感の星の王子様は相変わらずだ。この先の事を考えると、織斑先生のゲンコツなんて悩みの内に入らないだろうな。悪い事ばかり当たる俺の勘は強く警告を発していた。

 ふと、ぐいぐい腕を下から引っ張られているのに気がついた。

「ねーねー、結局クラス代表はおりむーでいいの? それともおとーさん?」

 ハッとした。そうだ、決闘そのものとその影響ばかり気にしていたが、そもそもがクラス代表決定が発端だった!

「そうだよ! 結局誰がなるの!? やっぱり織斑くん?」

「だよねー! 模擬戦で勝ったのは織斑くんだもん! あ、でもその騒ぎの尻拭(しりぬぐ)いをしたのは音羽くんか」

「でも結局ISで勝ったのは織斑くんでしょ? あれ? でも織斑先生ってブリュンヒルデだよね? 世界最強をやり込めたんだから、音羽くんかな?」

 セシリアとの和解が一夏を奪い合う女同士の宣戦布告に変わり、そこにクラス代表を巡る姦しい論争が加わった所で、俺はさっさと帰ることにした。どうせクラスメートのほとんどが一夏を推すだろうから、必要のない喧騒にはお別れだ。

 

 ただ、保険は掛けなきゃならない。

 

「クラス代表は一夏に決定だ! クラス最高の実力を証明したし、専用機もある。なによりそうしなけりゃ担任である織斑先生の顔が立たんからな!!」

 叫ぶように一方的に宣言すると、俺はカバンを持って廊下に出た。

 シーンとなったクラスはすぐに大騒ぎになった。クラス代表就任を祝う声や一夏に感想を求める声が入り乱れて1年1組の教室は揺れに揺れ、あまりの喧騒に顔をしかめて教室を見やると、もみくちゃにされながら何事かを叫んでいる一夏が人波の隙間からチラチラ見えた。

「おおーい!? 待ってくれよ三治ぃ!! いきなり決めるなよ!? 置いて行かないでくれえ!!」

 俺は聞こえない振りをして階段へ向かった。踊り場まで来たとき、軽い足音がハイペースで近づいてきた。

「待ってよ~」

 走ってきた本音が追いつき、カバンと反対の腕に飛びついた。

「一緒に帰ろうよ」

 俺を追いかけてきたのか。生徒会室での事を少し思い出す。俺より一夏のことは気にならないのかな……。

「いいのか?」

「いーの。今日は生徒会お休みだし、おりむーがクラス代表になったお祝いは明日の放課後だから!」

「そっか」

 答えは聞きたい事と違ったが、むしろそれでホッとしていた。

 肩を並べて、というには身長差があったが、二人並んで校舎を出ると、光学的に表示された標識が指す学生寮の方へ歩く。本音のペースに合わせるので、いつもよりゆったりとした下校になった。

 への字を二つ繋いだようなカモメが何羽か群れをつくって飛んでいく。オレンジ色が被さってゆく景色をゆっくり見ながら歩くのは久し振りだった。入学して次の日からセシリアとの模擬戦や一夏の座学に忙しくて、風景なんかどうでもいいという日々が一週間も続いたからだ。

 本音がくんくんと匂いを嗅ぐしぐさをした。

「どうした、スイーツの匂いでもするのか?」

「むぅ~、ちがうもん、潮の匂いがするの」

 言われてみればIS学園のあるここは人工島だ。内陸部でも風が少し潮の香りを運んでくる。

「どれどれ」

 鼻から強く息を吸い込んで嗅いでみた。本音の言うように、かすかにしょっぱい匂いがした。

「ほんとだ」

「でしょ~?」

 えへへーと笑う本音を見ていると、何だかIS学園に入学してから今日までの嫌な事やウンザリした事が全て些細(ささい)なものに思えてきた。

 不思議と落ち着く相手だ。一緒にいるのが自然みたいな。

 ゆっくり歩いたつもりだったが、気づいたときにはもう寮の前まで来ていた。玄関近くの自販機が見える。

「あっ、新しいのが出てる!」

 さっそく本音が近づいていって、届かない高さにある新商品の見本を見ようとピョンピョン跳ねた。

「おごってやるから好きなの言えよ」

「ほんと!? わーい!」

 大喜びの本音を見ていると自然と苦笑いになった。これじゃほんとに〝おとーさん〟だな。

「おとーさんありがとー!」

 パイナップルとキウイのミックスらしい炭酸ジュースをごくごく飲んでいる本音はご満悦だ。まぁこんな時間がたまにあるなら、トラブル過多のIS学園生活もそう悪くはないか。

 不意に本音がジュースの飲み口を差し出してきた。

「一口あげるね~」

 この学園に来て一番心臓が跳ねた瞬間かもしれない。慌てるな、たかがその、あれだ、なんだっけ?

「おっおう、いただ……きます」

 ごくりと一口だけ――

「三治! 置いていくなんてひどいぞ!!」

 いきなりの怒鳴り声に思わず噴き出しそうになった。あわてて無理やり飲み込む。味も何もあったもんじゃない!

「なんだよ!?」

 声の方を向くと、一夏が少し怒った様子でこちらに向かってきた。後ろのセシリアと箒は表情からしてどうにも機嫌が宜しくない。

「一夏! 道場はどうした!? 今日はさぼる気じゃあるまいな!?」

「一夏さん! お二人の邪魔をするべきではありませんわ。ここは私と夕陽を眺めながらティータイムをご一緒なさいませんこと?」

 どうやら通勤ラッシュのごとき混雑からようやく脱出に成功したらしい。後ろの二人は放課後の一夏を独占しようと必死だ。

 ずかずかとやってきた一夏は俺の手を取ってぐいぐい引っ張りながら寮へ入っていく。

「またねーおとーさんとおりむー」

 いつの間にか取り戻したジュースを飲み干した本音が手を、というか袖を振っている。

「あっ、うんまたな」

「おうまたな!」

 放課後の一夏独占権を巡って剣道少女と英国貴族が争っている隙に、俺の手を放さず部屋に向かう一夏に俺は抗議した。あのタイミングで来るか普通?

「急に何だ? さっきまで両手に花だったじゃないかよ」

 一夏はどういうわけか疲れきった表情を見せた。

「クラスのみんなおれにああだこうだと大騒ぎで何言ってるかわかんねーし、やっと教室抜け出したかと思ったら、箒とセシリアが左右から大声でなんのかんの言うし、いい加減たまんねえから逃げて来たんだよ。もう模擬戦も終わったんだしいいだろ?」

 もう今日は休ませてくれよ。そう言って一夏は俺を引きずったまま彼女候補生二人を振り切り、ダンボールの詰まれた寮監室の隣の部屋に逃げ込んだ。ようやく俺の手を放し大きく伸びをする。

「はぁ~疲れた! やっと終わったよなあ。でもずるいぞ勝手にクラス代表押し付けるなんて。おれなんてあの後大変だったんだからな? まったく今日は参ったよ」

 うるせえ俺の青春のひとときを邪魔しやがって。あ、しかしあの時の俺と本音は、なんていうか、そういう風に見えたのかな? どうなんだろう。チラリと聞いたセシリアの言葉が妙に気になった。

 まぁそれはそれとして、一夏の言い分も分からないではなかった。実際男がほとんどいない場所で、自分たちのクラスのイケメンがヒーローになったのだから、女子たちが舞い上がるのも当然だ。そりゃ一夏を囲んで大騒ぎになるわな。

 箒とセシリアにしても、完全に一夏に夢中になっている。特に箒は入学して日の経たぬ内に剣道場で毎日二人きりの放課後を過ごしてきたのだ。それが決闘は終わったからはいオシマイでは、絶対納得しないだろうな。セシリアにしてもアウェイにして新参という不利な状況を(くつがえ)すべく必死だろうから、こちらも相当したたかだろう。

 俺はカバンを片付けながら忠告した。

「いずれにせよ、箒とセシリアのどっちかが折れるまで二人はあの調子だぞ」

 俺の言葉を聞いた一夏がマジかよという顔で俺を見返した。

「な、なんとかならないか?」

 お前がどっちか選べば済むんだよ、とはさすがに言えなかった。

「まぁ当分は二人に平等に接する事だな。一夏がどっちかと付き合いたいと思うなら別だが」

 一夏はなあんだ、という表情になった。

「買い物に付き合えばいいんだろ? 二人まとめて面倒見てやるよ。 もちろん三治もな!」

 あぁ忘れてた。コイツはこういう奴だった。

「言っとくが付き合いたい方ってのは買い物の事じゃないぞ」

 言ってからピンと来た。そうだ、考えてみれば女子が一夏を口説き落とすのは至難の業だが、そうかと言ってあの二人を放っておくとまたぞろ騒ぎになる。特に箒は少々短気で怒りっぽい。セシリアは分からないが、それとなく女心を察してくれない一夏に堪忍袋の緒が切れる可能性はある。もとよりプライドは高いのだし。他の女子と違ってあの二人には、恋人気分を手軽に味わえる一夏との買い物は提案できるプランの一つとして心に留めておいた方がいい。

 もっともただの一時しのぎだが。

「えっ、買い物じゃないなら何なんだ?」

 他に何があるんだ? と言いたげな顔を見るに、今まで一夏の周囲の男子たちはこいつを殴りたくならなかったんだろうかと不思議に思った。

「つーかさ、一夏って中学の頃いきなりクラスの男子に怒鳴られたり殴られたりした事無いか?」

「なんでわかんだよ!? 三治っておれと同じ中学じゃないだろ?」

「……勘だよ」

 俺は真面目に答える気にならなかったが、誰もが俺を責める以前に一夏に呆れるだろう。

「すげーな! 超能力か?」

「その内教えてやるよ」

 靴を脱いでベッドに横になると、全身の力を抜く前に一夏が着替えて制服をハンガーに掛けろとうるさく言った。

「お前はオカンか」

 ISスーツより割烹着(かっぽうぎ)が似合うだろうよと言いながら立ち上がってクローゼットまで歩いた。

「一夏はもうアリーナでシャワー浴びただろ」

 今日俺夕飯前に浴びるからと言おうとして一夏を見ると、ちょうど私服に着替えた一夏がエプロンを羽織る所だった。

「えっなんだって?」

「……お前、今から家事でもする気か?」

 まさか本当に主夫の格好してるとは思わなかった。

「何言ってんだよ、忙しくてもう一週間も水周りの掃除も今日来た食器の片付けもしてないだろ? 手伝ってくれよ」

 何言ってんだよって、そりゃ俺の台詞だ!

「清掃は業者がやってくれるし、食器なんてコップくらいだろ? エプロンしてまで片付ける事があるのか?」

「え? そりゃあるだろこんなに量があんだぞ?」

 きょとんとした顔の一夏は、ドアを開け寮監室前に積まれたダンボールを開けていた。

「お前……まさかそれ全部食器か?」

「ああ、千冬姉に頼んでおいたのがやっと来たぜ」

 答えた一夏は当然だろと言いたげになぜか胸を張った。

「食堂のメシはうまいけど、毎日外食してるようなもんだからな! やっぱりちゃんと自炊しないとダメだろ?」

 

 一夏が言ったのは正論のはずだがこんなにいらだつのはなぜだろう。

 

 一番上の箱からはプチプチに包まれた丼や茶碗や皿やらが出るわ出るわ、唖然として声も出ない俺の前でテーブルが一杯になっていった。

「はしとかスプーンのやつを上の段にして欲しいよな、上のダンボールが崩れて中身が割れたらどうすんだよ」

 一夏の愚痴は全く頭に入ってこない。時として想像の斜め上を行くこいつの行動はとてつもない脱力感をくれる。

「おい一夏、今からそのダンボールの中身全部片づけるってのか?」

「当然だろ。もう一つははしとかが入ってる奴で、残り一つが鍋とかフライパンだよ」

「全部洗って仕舞うってんじゃないだろうな」

 それ俺に手伝わすのかよ。誰もそんなん頼んでねえぞ。

「オイオイしっかりしろよ」

 一夏は相変わらず腹が立つほどの爽やか笑顔を見せた。

「洗って仕舞うに決まってるだろ? いくらプチプチで包んでるったって、食べ物を上に載せるんだぞ?」

「……疲れてるんじゃなかったのかよ」

「? 疲れてても家事はしなくちゃダメだろ?」

「……ハハッ」

 結局家事に疎い俺が一夏と洗い物を片付け、食器乾燥機に詰め込んだりフライパンをキッチンペーパーを広げたテーブルに並べたりするだけで一時間以上かかった。まさかIS学園に入ってタメの男子にそんなんじゃ生活できないぞと家事無能を散々叱られるとは夢にも思わなかった。

 

 

 

 くたくたになってシャワーを浴び、食堂に向かう頃には夜8時近くなり、知っている女子と会う事もなかった。

 夕食を終えて寮に戻ると、SNS禁止の俺の数少ないコミュ手段であるスマホのメールソフトに珍しくメールが来ていた。本音からだ。

 〝今日はおつかれさま。ジュースありがとう、また一緒に帰ろうね〟

 女子からもらうメールは何でこんなに嬉しいのか。特に可愛くて気になる娘からだとひとしおだ。一夏の理不尽な行動も全部……は無理でも半分は忘れられる。

 結局返信の内容に一時間も悩んで、若干ニヤついている所を一夏に見られ頭を心配された。そこだけはお前よりマシだ!

 長い事悩んだ挙句メールは無難な内容に留まった。今度どっか遊びに――と入れるのはさすがに勇気がなかった。

 

 

 

 一夏の奴に頭を心配されたのはかなり屈辱だったが、一日の締めくくりは上々だ。IS学園に来て、明日に前向きになれたのは今日が初めてだろう。

 疲れていたし気分もよかったので、あっさりと深い眠りについた。

 

 スマホに内閣府の番号から着信していても気が付かないほどに。

 

 

 




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