さらばIS学園   作:さと~きはち

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 酔いつぶれて全てを忘れたいぜ。

 ―― 曲垣五郎 ――

   『滅びの宴』


異邦人

 織斑先生は買い物帰りらしくコンビニ袋を手に提げていた。俺を睨みはしたものの、振り返った俺の疲れた顔にやれやれという表情で首を振り、あまり根をつめ過ぎるなと言ってさっさと寮に入っていった。自分の弟が原因だと察したのだろうか。去り際に袋からのぞいた何本ものロング缶が陽光を反射した。ひょっとして早く飲みたかっただけか?

「あ~こわかった~」

 本音はいつからか俺の手を握り締めていた力を緩めた。やっぱり本音もブリュンヒルデは恐いか。

≪もしもし、三治か?≫

 足元に落ちたスマホからの声にハッとして、俺は事の発端を思い出した。

 

 

 

 

 セシリアの言い分と一夏との通話を総合するとこういう事らしい。セシリアと二人で行った横浜の赤レンガ倉庫の前で、一夏はあぶない刑事のファンだというよそのオッサン達と意気投合し、セシリアをほっぽって一緒にエンディングを真似して写真を撮ったりして盛り上がり、すっかり怒らせてしまったという。セシリアはその後一日お(かんむり)で、一夏も謝罪の甲斐なく不機嫌のままでケンカ別れしてしまったという。

 流石に今回は一夏が悪いが、謝っても許そうとせず拗ねてしまったセシリアもちょっとなぁ……。

 

 俺は二人を会わせる前に、それぞれに一対一で話をした。同情はしつつも大人げの無さをそれとなく示唆(しさ)し、もう少し広い心と謙虚な気持ちで向き合った方がこの先上手くいくと淡々と語った。二人とも少々不満げではあったが、一夏は何かと俺に借りがある負い目か、セシリアは俺と本音の仲が地味に進展している事に話の説得力を認めたのか、どうにか双方を仲直りさせてその日は落ち着いた。

 

 こいつらが自分たちで痴話ゲンカを収める日が早く来て欲しい。俺があれこれ言い過ぎるのが悪いのかも知れないな……。

 

 

 

 日付が変わって月曜日。本日は入学以来初のIS実習だ。スクール水着かと見まがう姿の女子が整列する中にいるのは酷い違和感と気恥ずかしさを覚える。そりゃまあ、近くでこんな格好の美少女たちを眺められるのは眼福だが、同時に周囲の女子たちの視線も飛んでくるので変な所は見られない。ましてやそんな所を織斑先生に見つかったらどうなることか。

 まぁ今の俺は本音がいるし! ……いまだに何も出来ないけどな。

 

 一方で先生二人は色気も味気もないジャージ姿だ。山田先生のISスーツ姿はちょっと見てみたい気もするが。

 

 やがて織斑先生の指示で専用機を展開した一夏とセシリアは、アリーナを周回飛行や着地、装備の展開などを行い、先生たちによる指導で終了した。一夏は着地のときISの足を1m近くめり込ませて織斑先生に大目玉を食らっていたが。

 

 せっかく全員ISスーツに着替えたというのに、見学の後専用機持ち以外は10分ほど訓練機に乗るだけで終わってしまった。一夏とセシリアの実演をカットすれば全員もっとIS実習出来たんじゃないのか? というか一夏が失敗して困るなら、先生二人がさらっと訓練機で手本を見せりゃ良かったのに。

「次回は訓練機による実習が中心だ」

 自分の番が終わってチラッと織斑先生の顔をうかがうと、眉を寄せた表情で言い訳のようにそう言った。

 俺に言い訳されても困る……というかさらっと人の心を読むなよ。あんたはエスパーか?

 

「そうだ! ISならスタントやってもケガしないだろ? 白式でジャッキーになるぜ!」

 いきなり一夏が快心の発想だとばかりに思い付きを口走った。

「白式は剣があるだろ、わざわざ格闘戦する意味あるのか? まだ飛び道具の方が必要だろ」

「そんなこと言って、三治もやってみたいくせにさぁ」

 俺の気のない返事に対する一夏のニヤニヤ加減が絶妙にウザい。

「ジャッキーごっこより穴埋めごっこを先に終わらせろよ」

「そんな冷たいこと言うなよ! それに何で三治は手伝ってくれないんだ!?」

 着地失敗で開けた大穴を埋めるよう織斑先生に厳命された一夏のウザ顔が泣き顔になった。

「一夏! せっかく私が手伝ってやっているのに、口より手を動かせ!」

「そうですわ、しっかりなさいませ! 私のような高貴な者が、このような野良仕事の真似事までして差し上げているというのに!!」

 一夏と共に白式の開けた穴をスコップでふさぐのを手伝う箒とセシリアが声を上げた。

 二人に一夏を手伝うよう強引に言った時はちょっとやり過ぎかと思ったが、なんやかや言って二人とも一夏と過ごしたいし、俺があれこれ口を挟むより、それが何であれ邪魔のない所で一夏と過ごす時間を増やした方がいいと思った。今後はもう少し口出しを減らして、なるべく3人一緒に居させてみよう。箒だって成長しているのだ、セシリアと一夏だって少しずつでも変わってゆくだろう。たぶん。

「じゃ、俺は先行くから」

「ま、待ってくれよ! おれもすぐ行くからさ」

 一夏は慌てて作業を再開した。

 

 

 

 クラスの女子たちは今週行われるクラス対抗戦の話題でもちきりだった。なにせうちのクラスの代表は、ブリュンヒルデの弟にして模擬戦で代表候補生を破った専用機持ちなのだ。期待しないほうがおかしいだろう。

「2組代表との対戦もうすぐだよね、織斑くん勝てるかな?」

「一週間でセシリアさんに勝てるぐらい強くなったんだし、きっと楽勝だって!」

 本音もたれ袖をぶんぶん振って盛り上がっている。

「楽しみだね~デザート無料券!」

「そうだな……え? 無料券って何?」

 俺が尋ねると谷本さんが説明した。

「クラス対抗戦で優勝したクラスの生徒たちは食堂のデザートフリーパスがもらえるの! 織斑くんには是非頑張ってもらわなきゃ!」

「音羽くんからも発破をかけといてね! なにせウチのクラスのスイーツ事情がかかってるんだから!」

 相川さんも拳を握って力説してくる。ひょっとしてみんな一夏が勝つよりデザートのほうを重視してない?

「まあ1年で他に専用機持ちいるの4組だけだし余裕だよ」

 鷹月さんが言うのを聞いて俺は複雑な気分になった。4組の専用機持ちとは簪さんのことだ。一夏の白式製作による影響で専用機の製作が頓挫(とんざ)、本音も手伝い会長のコネからも協力を(つの)って今まさに完成を急いでいる最中でもある。もし一夏と簪さんが勝ち進めば、二人は対決することになるわけだ。

 

 因縁の対決か……どちらを応援するべきかな……。

 

 その割には本音は無邪気にはしゃいでいる。まあ本音の性格からして、細かい事は気にせず両方応援するとか言いそうだ。別にこの勝敗で完全に優劣が決まる訳じゃなし、俺も素直に応援……待てよ? 2組は確か――

 

「その情報、古いよ」

 聞き覚えのある声が廊下から響いた。開いたドアの向こうで、長いツインテールに低い背と傾斜の少ない胸を持つ女子が八重歯をひらめかせた。

「2組も専用機持ちがクラス代表になったの! 今日は宣戦布告に――って、一夏はどこよ?」

「あ、りんりんだ~」

 本音の言を聞くまでもなく、それは凰さんだった。

「一夏なら箒たちとアリーナの穴ふさいでるぞ」

「穴ってなによ!? なんであのバカは肝心な時にいないわけ!? 音羽! あんたわざと一夏をあたしから遠ざけてないでしょうね!?」

 一夏を探して1年1組をくまなく見回す凰さんに教えてやると、昨日散々聞いた怒声をまた聞くことが出来た。嬉しくない。

「もうじき帰ってくるから落ち着けよ」

 おバカな問答をしている内に一夏たちがクラスに戻ってきた。それを見て2組のクラス代表さんは矛先を意中の相手に変えようとした。

 しかし会話の口火を切ったのは一夏のほうだった。

「おまえ鈴か? 久しぶりだなぁ、何カッコつけてんだ? ぜんぜん似合ってないぞ」

 確かに衝撃的な再会になったようだ、凰さんにとっては。

「あ、あんたねえ……」

 想定外の展開で言葉を失う凰さんに追い討ちを掛ける一夏。

「中学の時の友達に連絡したか? あいつらすげぇ喜ぶぞ」

 さらに一緒にいる箒とセシリアが凰さんとの関係について問いただすと、一夏はこともなげに返事した。

「幼馴染だよ、箒と入れ替わりで転校してきたんだ。箒がファースト幼馴染で鈴はセカンド幼馴染ってとこだな、うん、ここは譲れん」

 あの馬鹿なに言ってんだ。凰さんが苛立(いらだ)っているのに気づきもしない。

 ……いかん、凰さんが歯を食いしばったまま握り拳を固めて震えだした。どう見てもキレる寸前だ。

 その時予鈴が鳴った。

「なあ、続きはまた後にして、そろそろクラスに戻った方が良いと思うぞ」

「あんたは黙ってなさいよ!」

 一夏とのコミュニケーションがままならぬ腹立たしさをこちらにぶつけられてしまった。まあ無理もない。昨日も言ったが一夏に女心を、ましてや恋心を察しろと言うのは裏返したトランプの数字を当てろと言うようなものだ。しかしそうと分かっていても想い人に気持ちが伝わらないのは辛いだろう。まして凰さん気が短そうだし。

「何してる! さっさと教室に入れ」

 言ってる間に時間切れだ。むっとして振り返った凰さんが固まった。

「ち、千冬さん」

「織斑先生だ」

 そそくさと教室に入る一夏たちに、また来るから逃げるなと早口で言うと凰さんは逃げるように2組へ飛んで行った。

「鈴のやつどうしたんだ? なんか様子がヘンだったよな」

「まぁ、後でゆっくり話をしてみろよ」

 後ろから聞こえる一夏のつぶやきにそれだけ言っておいた。

 

 

 

 昼休みに本音や一夏と連れ立って食堂へ入ると、もう凰さんは先に券売機の列に並んでいた。

 凰さんと二人でゆっくり食べれば良いものを、料理を持った一夏は俺まで引っ張って扇状の席に座った。本音も俺の隣に座る。

「友達なのにいつまでも凰さんなんて水くさいだろ? 鈴も三治のこと名前で呼べよ」

 俺と本音がついて来て凰さん改め鈴は微妙な顔をしていたが、食べながら一夏と話すうちに昔話に花を咲かせ、それを聞いていた俺と本音は色々な事を知った。鈴の家が昔中華料理屋で一夏がよく食べに行っていたことや、しょっちゅう鈴が一夏の家に遊びに行っていたこと、鈴は昔から織斑先生が苦手なこと……。

 友達どまりの二人が我慢できずに思い出話へ割り込んだためその後はぐだぐだになったものの、一夏との再会が多少不憫(ふびん)な結果になった鈴の機嫌が直って良かった。

 なにせ、セシリアと同じ専用機持ちだし。痴話ゲンカにISなんか持ち出されたらたまらん。まぁ流石にそんな事はあり得ないか。

 

 

 

 放課後になるといつものように一夏は箒に引っ張られていき、俺は本音と帰ろうとした所をセシリアに呼び止められた。

「お話がございますの……」

 カフェの目立たない端の席、本音と並んだ俺はセシリアに頭を下げられた。

「先日はお見苦しい所をお見せしました、せっかく三治さんにお話を通して頂いたと言うのに。そもそもの原因である私の不徳も(あわ)せて謝罪いたしますわ」

 昨日のデート失敗による八つ当たりについての謝罪だった。セシリアにだって貴族としてのプライド以前に、自分の無作法を恥じ相手に謝罪する理性や誠実さがあるんだ。彼女とていつまでも一夏がらみで大人げない真似を続けるほど子供のままではいないだろう。

「今朝の授業の後一夏さんの手伝いをするよう(おっしゃ)ったのも、未来の伴侶と苦しみを分かち合い互いに支え合うことを学べという事でしたのね! 流石は三治さんですわ」

「いや、そこまでの意味は……」

 紅茶とケーキをご馳走になりながら、鈴ももう少し大人になってくれたらなどと考えていると、急にセシリアが勢い込んで俺に詰め寄った。

「それで、その、次回の一夏さんとの逢瀬(おうせ)についての調整を願えますかしら!? 出来うれば是非箒さんよりも先に!!」

「あー……やっぱそうなるか」

 となりを向くと、いつの間にかケーキを平らげた本音がカップを手にあはは~と苦笑した。

 

 

 

 セシリアとの話は予想以上に長くもつれ込んでしまい、カフェを出る頃には陽が落ちかけていた。俺は本音と手をつないで寮まで戻って来ると、廊下で別れて自室に向かった。本音と話し合ったが、ついこの間まで女子校だったIS学園で、わざわざ人目の多い時にイチャイチャするのは周囲に喧嘩を売るようなものなので、あまり目だたない放課後や休日だけ手をつなぐことにしたのだ。個人的にも本音が周りに白い目で見られないか心配でもあった。本音は普段から絶対防御のある専用機持ちではないのだ。

「ただいま」

 ドアを開けると、いきなりかん高い声で出迎えられた。

「やっと帰ってきた! お願い三治、あたしと部屋替わって!!」

 中にいた鈴がすっ飛んできた。部屋の真ん中に昨日背負っていたピンクのボストンバッグが置いてある。

 無言で一夏を見ると、お手上げの様子で俺を拝んできた。

「すまん! 鈴のやつどれだけ言ってもここで暮らすって言って聞かないんだ」

 俺が下に向き直ると今度は鈴が不平をたれた。

「あんたあたしに一夏と同室って言わなかったじゃない、なんで教えないのよ?」

「普通分かるだろ? 男子は二人しかいないんだから」

「ちゃんと言いなさいよそういうのは! とにかくいいわよね? あんたも男同士より可愛い女の子と同室になる方がいいでしょ?」

 全くたいした行動力だが、あいにく間に合ってるし俺が決められる事でもない。ゆっくり息を吐き出すと、イライラしだした鈴に落ち着いて話した。

「条件がある。この部屋のとなりが寮監室なのは知ってるな? この時間ならもういるはずだから、行って部屋割り変更の許可をもらってこい。それさえ出来ればすぐにでも部屋を替わってやるよ」

 鈴は楽勝だと言わんばかりの顔ですぐに部屋を出て行った。一夏の止める声も聞かずに……。

 すぐに寮監室のドアを乱暴に叩く様子が伝わってきた。ドアが開く音がしていくらか言葉のやり取りがあった後、鈴が凄い勢いで駆け戻ってきた。勢いよくドアを閉めて勝手にカギとチェーンまで掛けている。

「三治っ! あんた騙したわね!?」

 睨みつける鈴に俺は肩をすくめた。

「騙しちゃいないさ、織斑先生が寮監ってだけの話だ。その許可が出なきゃこの話は無しだ」

 鈴がムキーッと怒りの表情を見せると、箒とセシリアがやってきた。

 俺はカギとチェーンを外して入れてやった。

「一夏、三治、入るぞ――ん? なんで貴様がここにいる?」

「失礼しますわ一夏さんと三治さん、今週末に教えて頂く日本料理について――あら? 鈴さん何故こちらに?」

 怪訝(けげん)な態度の二人に鈴は小柄な体で精一杯ふんぞり返った。

「あたしは一夏の幼馴染だし、一緒に居るくらい普通でしょ?」

 その一言でむきになった箒たちがやいのやいのと言い出したのも気に留めず、鈴は一夏に向き直って尋ねた。

「ねえ、一夏。……約束、覚えてる? 小学校のときにした――」

「ああ、鈴が料理の腕を上げたら、毎日酢豚をおごってくれるってやつだな! ちゃんと覚えてるぜ!」

 直後に鋭い音と共に強烈なビンタを喰らい、一夏の頬に紅葉みたいな手形がついた。

「最っ低! 女の子との約束も覚えてないなんて、犬にかまれて死ねっ!」

 その後あれよあれよという間に二人の話はこじれ、一夏と鈴は今週のクラス対抗戦で負けた方は勝った方の言うことを何でも聞くと決めて喧嘩別れしてしまった。鈴はすっかり怒って部屋を出て行き、箒とセシリアもそんな一夏をボロクソに言って帰ってしまった。

 

「何だよみんなして! おれが何を間違ったんだよ!?」

 俺がカバンを片付け私服に着替えても、一夏は怒られた原因が分からず憤慨(ふんがい)していた。

「なあ三治、おれ何かおかしなこと言ったか?」

 何となく察しはつくが、一夏から詳しく話を聞いてみる事にした。面白くなさそうな顔のまま一夏は緑茶を二人分()れ、俺は昨日買った栗饅頭(まんじゅう)を二つ出してテーブルに座った。

「取り敢えずさ、昔鈴と約束したって時の事を詳しく教えてくれ」

 俺は栗饅頭の包みを開けながら水を向けた。

「くわしくも何も、さっき話してた通りだぞ。三治も聞いてたろ?」

 一夏が言うには、小学生の頃放課後に鈴と二人きりの教室で、『私の料理の腕が上がったら、毎日私の酢豚を食べてくれる?』というような事を言われたらしい。

 それ、ある意味プロポーズの言葉じゃないのか? まあ少し分かり難いかもしれないが。一夏は額面どおりに言葉を受け取る性格だから、言葉に込められた意味には気づかないだろうな。

「そんなこと言われたら、普通は毎日酢豚を食わせてくれるもんだと思うだろ? なのに鈴のやつ、『約束の意味が違う!』って。じゃあ何なんだよって話じゃないか!」

 これだよこいつは。言葉そのまんまに受け止めてる。恋愛的な解釈には全く思い至らない所もいかにも一夏だ。

「まあ、一夏ならそうだろうな……」

 まさにこの性格ならではのトラブルだ。でも箒とセシリアもアドバイスしてやるつもりは毛頭無いだろうし、誰も何もしなけりゃ鈴とはこのまま仲違いしてしまうかも知れない。それはそれで後味が悪いが、あんまり口出しする事でも……。

「おれならって、ひょっとして三治には分かるのか?」

「え、まあ大体はな。でもこれは一夏が自分で分からなきゃ意味無いぞ」

「えっ? なんでだ?」

「何でって……」

 普段は素直でいい奴だけど、こういう時はほんとに困る。おそらく鈴は一夏が自分で約束の意味を理解して謝罪しないと納得せんだろうし、といって一夏にヒントを出すのも……。

「いじわるしないで教えてくれよ。それだけ分かればすむ話だろ?」

「いや、あのな? こういうのは何て言うか、人に聞く事じゃなくて……そういうのは無粋で、自力で理解するのが誠意だと思うぞ?」

「なんで聞いちゃだめなんだよ?」

 お前少しは自分で考えろよ。

「だからさ、え~と……例えば一夏が織斑先生に伝えたい気持ちを、織斑先生が自分で分かってくれなきゃ嫌だろ? 一夏も自分で鈴の言葉の意味を分からなくちゃ駄目ってことだよ」

「えっ? 千冬姉はおれの言ったことちゃんと分かるぞ?」

「あのな、そういう意味じゃなくて……」

 禅問答(ぜんもんどう)じみた展開に辟易(へきえき)していると、急にドアがノックされてビクッとしてしまった。

「おとーさ~ん、食堂いこ~」

 間延びしたゆるい声がドア越しに聞こえ、俺はホッとした。

「とりあえず夕飯に行こう」

 俺は本音のタイミングの良さに感謝した。

 

 ……その後結局一夏を納得させることは出来なかったが。

 

 

 

 翌朝、食堂で会っても鈴はぷいと一夏から顔をそむけて反対側のテーブルに行ってしまい、箒とセシリアも珍しく厳しい態度でほとんど一夏には寄って来なかった。おかげで今日は一日一夏に食いつかれ、一緒に過ごす時間をがっつり削られたせいか、本音はのほほんでなくむうっという雰囲気で放課後を迎えた。

「三治、訓練付き合ってくれよ。箒もセシリアもあんな調子だしさ」

 明日はいよいよ2組代表、つまり鈴との対戦日……だというのに、本来なら自分から強引に同行を求める二人が先に怒ったまま下校してしまい、IS訓練をする相手がいないのだ。特にセシリアは専用機持ちで、訓練相手には最適任なのに。

 それで一夏は俺に声を掛けてきたのだが、はたと困ってしまった。

「う~ん……」

 弱ったな。ISを動かすのもまだ怪しい俺では一夏の訓練相手にならない。いっそ会長に頼んでみようかとも思ったが、いくら打鉄弐式の製作協力が2年整備科の助っ人に移ったとはいえ、妹のライバルを鍛えてくれとは流石に頼めない。

 クラスの中で他に操縦に自信のある人は……既にほとんどの生徒が帰宅した今からではまず無理だ。いっそ織斑先生か山田先生に頼んでみようか? それこそ無理か……。

「えいっ」

 急に胸にぽふっと柔らかいものが当たる感触がした。

「ほ、本音」

「えへへ~ハグした事はまだないよね~」

 真正面から本音に抱きしめられて、俺はどぎまぎして何も考えられなくなった。まだ少し人が残ってるのに大胆な奴だ。どうにもかなわない。

「おとーさん、何か悩んでたでしょ? おりむーの事? それともりんりん?」

 いつになく真面目な顔で俺を見上げてくる本音にどきりとする。やはり顔に出ていたか、まったく本音に隠し事は出来ないな。

「まあ、両方かな」

 俺は、一夏の訓練相手と鈴との和解について困っている事を告げた。

「ん~、おりむーの訓練相手は今からだとちょっと難しいかなー。りんりんの方は時間がかかると思うよ~」

 ゆっくり離れた本音は腕を組んで考え込む表情になった。

「だよなぁ……どうにもならん事を悩んでもしょうがないか」

 俺は本音の頭をそっとなでた。髪から少しいいにおいがする。

「ありがとう本音」

 結局いつも本音には助けられてばかりだ。考えてみれば心配ばっかりかけてる気もする。

「ふふっくすぐったいよー」

「三治はのほほんさんと仲いいんだな。次は俺な!」

 今の今まで存在を忘れていた声の主を見た。両腕を開いて俺を待ち受けるように立っている。

「……お前何してんだ」

「えっ? 次は俺の番だろ?」

 普通男同士でハグして楽しいか? ホラ早く、と急かす一夏に、俺はフリーハグというものを教えようか本気で悩んだ。

 

 明日がクラス対抗戦一日目だからか既に訓練機の使用許可は満杯で、俺が悩んだ理由の半分は悲しいほど無駄だった。結局一夏は箒に道場で相手してもらえないか頼んでみると言って剣道場へと向かった。急ぎの用がなくなった俺はここ数日抱いているISに関する不安について、迷ったものの簪さんのIS製作から離れた会長に相談する事にした。

 本音が言うには、徹夜続きでクタクタになった会長は今日一日虚先輩とのんびり過ごしているらしい。携帯で連絡を入れると、退屈していたらしくカフェで本音との進展具合を教えろと抜かしてきた。

 

 扇形のソファに並んだ俺たち4人の会話は、めいめい頼んだ品に口をつけながら会長のいつもの調子で始まった。

「それで本音ちゃんとはどこまでいったの? ちょっとぐらい教えなさいよ!」

 もはやこのノリも恒例行事のように感じる。他に聞く事ないんだろうか。

「ほんと気楽に聞きますよね。大体俺が自由に恋あ……女子と付き合えると思ってるんですか?」

「何言ってるのよ? 本音ちゃんは代々御国に奉公してきた更識家に仕える布仏の娘よ? 利権を争う省庁や海外資本はともかく、政府や霞ヶ関からすれば音羽くんが交際するにはかなり安心できる対象じゃない。むしろ私たちは本音ちゃんでほっとしたわよ? キミに身元の怪しい女子が近づいたときの対処について、私たちがどれだけミーティングしたことか」

 大変だったわよ~と両手を挙げたポーズを取る会長と、隣でうなずく虚先輩。

「なっ……そんな話は初耳ですよ!? なんで今まで言わなかったんです!」

 会長の言葉は俺にとって余りに意外で驚きそのものだった。一瞬で何を考えていたのかも忘れ、思わず立ち上がって会長に詰め寄った。

 にまにましながら会長はクリームあんみつをすくった。

「だって聞かなかったじゃな~い?」

 くそったれめ! 俺が散々悩んだのは何だったんだよ!?

「おと~さん」

 本音に袖を引っ張られ、不満がおさまらないまま俺はしぶしぶソファに尻を落ち着けた。

「まったく……そのうち鼻に小豆を詰め込んでやる」

「やめなさいよ! キミが言うと冗談に聞こえないのよ!?」

 俺のささやかな反撃を大げさに嫌がる会長に軽く嘆息すると、俺はさっさと話題を変えた。

「まあそれは置いといて、本題のISについてなんですが」

「ねえ! やっぱり音羽くん私に対して冷たすぎない?」

 俺は会長の抗議を無視して、ここ数日の訓練で感じたISに関する言いようのない不安について語った。

「どうにも俺の意思でISが動くのではなく、ISが俺の脳内を読み取って勝手に動いているように思えてならないんですが、似たような例はあるんでしょうか?」

 ISには生体維持機能もあるというが、それにしたって操縦者の体までコントロールするなんてやりすぎだ。それとも俺のIS適正が低過ぎるのを補うためにこうなったのだろうか?

 俺の話を聞いている内に会長はさっきと打って変わって難しい表情になった。

「……残念だけど、私の知る限りそんな実例は報告されていないわ。虚ちゃんはどう?」

 話を振られた虚先輩はかぶりを振った。

「私も存じ上げている情報でそのような話は覚えがありません。音羽くんの話が確かであれば、おそらく初の事例ではないかと」

 結局さっぱり分からんという事か。俺はため息をついて本音を見た。

「早く分かるといいね~」

 本音はパフェをぱくぱく食べる手を止めて俺を見上げた。こいつは本当に甘いものをよく食うな。

「そんなの食って夕飯食べられるのかよ?」

「甘い物は別腹だも~ん」

 会長は腕を組み真面目な顔つきで俺の方に向いた。俺の目を見る。冗談やイタズラの類でない事を確かめたのか、直後に目を閉じて首をひねり、要チェックねとつぶやくと再び俺に向き直った。

「申し訳ないけれど、すぐに答えを出す事は出来ないわ。取り敢えずこの件は私に預けてくれないかしら? いずれ国の方に報告は入れるとしても、しばらくこちらで調べてからにしたいのよ。政府機関や関係各所でも調査や情報交換はあるけれど、ここIS学園ほど多くISに直で触れた記録や生の情報が集まる場所もないもの。そういえば、IS操縦データはちゃんと連絡員に渡した? 無関係な人に預けちゃ駄目よ?」

「ああ、もちろん直接渡しますよ。明後日に内閣府の人間が取りに来るそうです」

 こういう手際の良さはさすが生徒会長というべきか。まぁちゃんと調査はしてくれるだろうし、何か分かれば余程の事でない限り教えてくれるだろう。……だが何も分からなかった場合は? 

 知らず知らずの内に眉をしかめていると、いきなり白い指で額を突っつかれて我に返った。

「そんな顔しないの。たとえ政府が音羽くんについて要調査という結論を出しても、いきなり研究所で人体実験なんて事にはならないわよ、世界でたった二人の男性IS操縦者なんだから。各国もDNAでの要因解明を諦めつつあるし」

「……そうですか」

 本音がそっと俺の手を握ってくれた。それで少しだけ落ち着きを取り戻した。

 

 実際、適正検査直後から俺のDNAを入手しようと各国の情報機関が暗躍し、ガバガバな日本の防諜体制では防ぎようもなかったと聞く。そもそも人間生きてりゃ汗もかくし毛も抜けるし咳もくしゃみもするのだから、どこかで何かしら洩れても完璧には防ぎようがない。適性検査の翌日には中学に残っていた俺の私物は全部消えたと言うし、この前の散髪だって事前に内閣情報調査室に連絡を入れて、俺の散髪が終わった直後に店内の清掃をして全ての髪を焼却処分にしていたが、髪一本も洩らさなかったかどうかなんて分からない。

 

 しかし、DNA調査で判明しないなら、結局俺自身を調べるという事になるんじゃないか?

 

 俺の納得しきれない顔に会長はやれやれとため息をついて見せた。そんな態度にいささかイラッとする。あんたは他人事でも俺は当事者なんだよ。

「仕様がないわねえ。いい? 確かに音羽くんを体中隅々まで調べれば何か分かるかも知れない。でも政府にしてみればキミは金のガチョウであり金の卵を産むニワトリなのよ。そう簡単にバラバラになんて出来やしないわ」

「……金のガチョウとニワトリ?」

 気休めはよしてくれと言いたくなった俺は意外な言葉に首をひねった。

「金のガチョウの童話は知ってる? 頭の弱い正直者が手に入れた金のガチョウを欲しがる人達が、ガチョウにくっついて離れなくなっちゃうのよ。それを見て笑顔になったお姫様とその男は結婚してめでたしめでたしってお話」

 なんとなく分かる気はする。有力者や力を持つ組織・集団はみな俺に擦り寄ってくるようだしな。

 俺の反応を見つつ、会長はどこか下品な笑いを浮かべて普段以上にうっとうしい顔をした。

「金の卵を産む、これについてはまだ推測の域を出ないけれど……音羽くんに男の子が出来た場合、おそらくISを動かせる可能性が高いと各国のIS関係者の間で見解が一致しているのよねぇ」

「はあ!? それこそ初耳じゃないですかっ!! 何か根拠でもあるんですか!?」

 俺は今度こそ飛び上がりそうになった。そりゃ考えれば誰でも想像つくといえばそうだが、世界中の専門家で同じ意見が出ているとなれば話は別だ。政府関係者もハニトラにうるさく言う訳だよ!

「ないわ。ただ、織斑先生の血縁者である織斑くんがISを動かした事もあって、その可能性は高いと関係各所で意見は一致しているの。いえ、正確には希望的観測だけれど、それだけキミと織斑くんが男児をもうける事を世界中の男性有力者が期待しているのよ」

「……はぁ。そりゃまたずいぶん身勝手な話ですね」

 産れるかどうかも分からない人の子供に勝手な期待すんな。あまりに他力本願で、この上なくいい加減な話だった。それにそんな事はもっと早く言って欲しかった。

「さっきもそれを言おうとしたのに、勝手に話題を変えるもんだから言えなかったのよね~」

 またも会長の言葉にイラついた。今回悪いのは自分とはいえ、この人の言う事はいちいち俺の神経を逆なでする。それとも俺が過剰に反応しすぎなのか?

「だ・か・ら、本音ちゃんとの進展はとーっても大事な話なのよねぇ……で、どうなの? ねえねえ!」

 会長は無駄に目を輝かせてしつこく迫ってくる。やっぱりイラつくわ!

「何もないです」

 俺はにべもなく答えてさっさと残りのコーヒーを飲み干した。

 

 いらんお世話も無くはないが、あれで会長も会長なりに俺の事を気にかけてくれているのだろう。でなければあそこまで俺の気持ちや立場を考えて色々言ってくれはしまい。

 

 

 

 しかし、さっきの話で気がかりな事がある。以前会長は俺と一夏の安全確保も生徒会の仕事だと言った。俺の付き合う相手についての監視もだ。であるならば……。

 

 

 

 ……ひょっとして、入学当日に本音が話し掛けてきたのは、俺を監視あるいは管理するためだったのか? 

 考えたくはないが、今まで一緒にいたのも……全部、生徒会か布仏家の仕事としてだったのだろうか?

 

 

 

 可愛い女子と過ごすなんてこれまで一度も無かったもんだから、今の今まで舞い上がって不自然さなんて考える事もなかった。他に色々有り過ぎたというのもあるが。

 しかし今になって考えてみれば、俺のように絵に描いたような陰キャコミュ障に女子が寄って来るなんておかしくないか? 理屈っぽいし感情が顔に出やすいし、女子の喜ぶような会話が出来るでもなし、ISやその他の能力に優れるでもない。

 同じISを動かせる男子なら、一夏の方に寄っていくのでは……? やっぱり本音が俺のそばにいるのって――

「おとーさん? おとーさん!」

「わっ!? あ、本音……」

 本音に横から呼ばれて我に返った。大声を出されるまで気付かぬほど深く、暗い想像に没頭していたらしい。

 なんだか、酷く暗い場所から急に明るい所へ出たようだった。

「大丈夫? すごく顔色が悪いよ?」

「そ、そうか?」

 なんだか寒気がする。なんとなく額に手をやると、べっとりと嫌な汗がついた。

「……保健室へ行きなさい。本音ちゃん、連れて行ってあげて」

 会長の急に冷静な声で、俺は急速に頭が冷えていった。

 

 

 

 食堂へと夕食に向かう女子たちとすれ違い、アリーナに続く道の近くまで来ると、俺もだいぶ冷静さを取り戻していた。

 

 さっきの事は、忘れた方がいいのかな……本音には聞くべきじゃないのだろうか。

 また悩んでしまうが……疑い始めるときりがない。俺は無駄に考え過ぎるクセがあるし、確たる根拠もないのにどうせドツボにはまるだけだ。

 なにより、俺はここIS学園に入学してからずっと本音に助けられてきた。

 

「今は本音を信じよう……」

「信じるって、わたしの何を~?」

 うっかり口に出していた。最近脇が甘いというか隙があるというか、やはり疲れているのか……。

「い、いや何でもないんだ」

 不思議そうな本音の顔から目を逸らすと、視界の端に見覚えのある長い髪が揺れたような気がした。

「あ! りんりんだ。お~い」

 その直後本音の声に振り向くと、ちょうどアリーナの方から訓練を終えたらしい鈴が歩いてくる所だった。

「鈴……」

 懸念を抱える相手に意外な所で遭遇して、思わず固まってしまった。何も言わずに去るべきか、それとも何か言うべきか迷う。本音も俺が一夏を理解させようと四苦八苦していたのを横で聞いていて、おおよその事情は知っている。

「あ~、あのさ」

 やぶ蛇かも知れないが、放っておいてこのまま身近でギスギスされるのも気分が良くないし、もしこれが原因で1組と2組の生徒全体が険悪になったら怖い。しかし何をどう言ったものか……。

 1秒足らずの葛藤(かっとう)だったがこの相手には長すぎたようだ。

「なによ? 何か用なの?」

 せっかちな言葉に俺は慌てて何か言おうとしたが、鈴に先を越されてしまった。

「どうせ昨日の事でしょ? あたしだって分かってるわよ、一夏が超鈍感野郎ってことくらい……でも、あの約束だけは、あの事だけは! ちゃんと理解していて欲しかったのよ!!」

 そう言うと鈴は歯を噛み締めた。うつむいて肩を震わせる。

 なんにも言えなくなってしまった。覚悟もなしに他人の事情に首を突っ込んで反省したのはつい最近の事なのに、俺という奴は成長も覚悟も足りない。

 ふとその時、数日前に聞いた本音の言葉を思い出した。『ゆっくり変わればいい』

 それに、箒やセシリアの成長や変化。急激にではないにせよ、皆昨日よりも先に進んでいる。

 

 箒たちの成長……ゆっくり変わればいい……。

 

 俺は要らぬ世話なのは百も承知で鈴に話しかけた。

「確かに今の一夏は鈴との約束の正しい意味は分からないだろう。でも、あいつだって少しずつ成長してるんだよ。どれ位かかるか分からないが、その内きっと自分で正解にたどり着く……と思うぞ」

 最後は自信がなくて少しあやふやになってしまった。我ながら無責任な言葉が情けない。

 反応を伺うと、細目でにらんでいた鈴はこちらに向き直った。

「脇から勝手なこと言ってくれるじゃない。あたしはあんたより一夏との付き合いはずっと長いんだからね」

 言いながら背を向け、俺が自分の口下手を後悔し始めたとき、

「あんた意外とおせっかいよね。でも……一応礼は言っとくわ。ありがと」

 先ほどよりは明るい声でそう言い立ち去ろうとして、急にまた振り向いた。

「あっ、でも明日は絶対に手加減しないから! 一夏には覚悟しろって言っときなさいよ? いいわね!」

 それだけ叫ぶように言うと、寮の方向へと駆けていった。

「ばいば~いまたねー」

 照れ隠しのような鈴の捨て台詞に苦笑しつつ、俺は本音とその後ろ姿を見送った。

 

 

 

 保健室のドアを開けるなり、保健医が厳しい顔をした。

「あのねぇ二人とも、保健室はラブホテルじゃないのよ? そういうことは場所を考えなさい」

「ちげーよ! どいつもこいつも恋愛脳からいい加減離れろ!」

 まだそこまで踏み込んどらんわ! 教師まで色恋に焦がれすぎじゃ!!

 本音の制止にようやく気を落ち着けながら、この学園の最大の欠点はまぎれもなく男日照りだと痛感した。

 




 何かオリ主が一番大人になれてない気がする……気苦労多いしね。
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