「な、何故フェンリルが三頭も……!?」
「この二体はスコルとハティ——————ヤルンヴィドに住まう巨人族の女を狼に変えて交わらせた。その結果生まれたのがこの二匹だ。無論。親と同じく神殺しの牙を持つ。一度でも噛まれればたちまち死をもたらすぞ?」
面倒な……歯噛みしていると、リアス・グレモリーが手を挙げる。すると、
「にゃん♪」
黒歌が微笑み、術式を展開。魔法の鎖、グレイプニルを取り出して親フェンリルを縛り付ける。
「ふはは!無駄だグレイプニルの効果など、とうの昔に————————」
「残念、強化済みです」
「ふぁっ!?な、ならば、スコル!ハティ!鎖を引きちぎれ!!」
「させない」
瞬間、フェンリルの周りに結界を張る。
一時しのぎにしかならないのはわかってる。
でも、やらないよりましだ!
「イッセーとヴァーリは基本ロキの相手を!アリアはスコルとハティをやれ!他の奴らは量産型ミドガルズオルムを片付けろ!いいな!」
『はい(了解/おう)!』
アザゼルさんの号令を皮切りに皆が戦闘に入る
眼前には血走った瞳の神喰狼二頭。
—————さて、使うしかないよね。
私は
「
『Balance Break!! Wake Up The Lord Of Darkness!!!!!!!!!』
『
『Venom・・・・・・!!』
鎌の宝玉から音声が鳴り、刀身に禍々しい黒のオーラが静かに、しかし激しく迸る。
「せいっ!」
鎌を振り、オーラをスコルとハティに飛ばす。当然避けるけど・・・
「ふっ・・・!」
「「ガッ!?」」
「
最後の仕上げのために、グレイプニルを真似た魔法を放つ。
何時もは『獣を縛る』っていう効果を付加してるけど、今回は少しアレンジした。
『フェンリルを縛る』こうして種族を絞ることで、他の獣には意味が無くとも、フェンリルには絶大な効果を発揮する。
それに加えて、
「
魔法を付加する事で鎖は棘を持ち、毒を纏う。
「グルッ!?グルァ!!!」
「ギャンギャン!!」
二頭は苦しみに悶えながらも鎖を破ろうとする。
まぁ、種族特効に加えて動けば動く程絡まるようにしてあるから無意味なのだけれど。
「丁度いいから、神殺しの牙をこの鎌に加えましょう。
『G-G-G-Glu-Glu-Gluttony・・・・・・!!
Beelzebub Scythe!!!』
Beelzebub Scythe———————即ち
更にはオーラまでもがハエの群のように放出されていて、鎧にも機械的かつ有機的なハエの羽、複眼の様なモノクル、複眼の様にカットされた宝玉となっている。
「さぁ、
笑う、嗤う、可笑しそうに、嬉しそうに、誰かがこのアリアの姿を見ていたら、間違い無くこう呼ぶであろう。
魔王と———————
ザシュッ——————————————
『Double Fenrir, Power is taken!!!』
肉と骨を切り裂く音と共に、鎌から音声が鳴り、二頭の神喰狼の亡骸をハエのオーラが喰らい尽くして鎌へと還元される。
「なっ、フェ、フェンリルを喰らい尽くしただと———————!?」
「えぇ、ちょっと可哀想ではあったけど、フェンリルの力は欲しかったから。ごめんなさいね」
さて、状況確認ね。と、アリアは周りを見渡す。
親フェンリルとヴァーリ居ないところを見ると、ヴァーリは親フェンリルを討っているのだろう。
それに、あれ!?もう1匹フェンリル!?何で!?と、いきなり狼狽えたアリアは急いでアザゼルに念話を送る。
「〈アザゼル総督!なんでフェンリル増えてるの!?〉」
「〈ロキが出しやがったんだよ。スコルとハティの弟だそうだ!〉」
「〈はぁ!?何それ!何時出したの!?〉」
「〈ついさっきだよ!隠し玉だってよ!クソが!〉」
と、アリアがアザゼルと念話をしているなか。
ロキは言い様のない恐怖に襲われる。
分からない、ワカラナイ———————『コレ』は人間なのか?
フェンリルを喰らい、糧にする人間などいてたまるか
人間の皮を被った『
分からない、分からない、ワカラナイ———————
そんな中———————
「おっさん!」
イッセーが声を張り上げる。
何かと思って念話を打ち切ってイッセーの方向へ向くと、
「乳神様って、何処の神話体系の神様だ!?」
・・・・・・・・・はっ?
「・・・リアス嬢ォオオオオオオ!!!アイツの頭に回復魔法かけてやってくれぇ!致命傷だぁっ!!!」
「
「もちつけアリア!!こんな時は頭を叩けばなんとかなる!」
「総督こそしっかりしてください!それは一昔前のテレビの直し方です!」
「イッセー!しっかり!しっかりして!幻聴よ!あぁ、なんてことなの!?フェンリルの毒牙は精神にも影響を!?」
「ち、違うんです!なんか、朱乃さんのおっぱいが!自分は乳の精霊だって!」
「赤龍帝・・・貴様ァ・・・うちの娘がそんな訳のわからん巫山戯たものだと言うのか・・・・・・!おのれおっぱいドラゴン!!」
あ、アーシアがイッセーくんの頭に治癒の光飛ばしたわね。と、アリアがどうでもいい事に気を取らている中———————
『い、いや、皆聞いてくれ。確かに俺にも乳の精霊とやらの声が聞こえる・・・・・・俺の知らない世界の力を感じる。残念な結果だが、こいつは異世界の神の使いを呼び寄せたらしい』
「バカな!」
「そんな!」
「ドライグまでダメージを!!」
『うおおおおんっ!どうせおっぱいドラゴンの言葉なんて誰も信じちゃくれないんだ!おれなにもわるくないもん!あいぼーが、あいぼーがぁぁぁぁ!!』
今度は鎧の宝玉に光が飛んだ。
まぁ、
さて、カオスが跋扈するこの戦場。
勝利を手にするのは、悪魔か、悪神か。
To be continued・・・・・・
『あいぼーのバカぁあああああああ!!うわあああんっ!』