その部隊の名は
そこは大本営内にあるとある一室である。そこにはソファーに腰をかけコーヒーを飲む一人の老人とその向かい側にも一人の女性がソファーに腰をかけ同じようにコーヒーを飲んでいる。
「ズズズ…いつ飲んでも大淀の淹れるコーヒーは格別じゃなまあわしはコーヒーの事なぞ全く分からんのだがな」
と老人は笑いながら言うと大淀と言われた女性が
「陛下まさか私の淹れたコーヒーを飲むためだけに呼ばれたのですか?」
「そうじゃg「帰らさせてもらいます」冗談じゃ!冗談!」
「ハァ全く大淀は相変わらず冗談が通じないのぉ」
「陛下私も忙しい身ですので本題を早い所言っていただけると嬉しいのですが」
と大淀は海軍の軍服を身にまとっている老人にため息まじりで言う
「全く忙しないやっちゃのぉ…まあいいじゃろう大淀よ現在確認されているブラック鎮守府の数は幾つじゃ噂でも構わん」
老人は先程の笑顔が嘘だったのように急に鋭い眼差しに変わり大淀に言う
「そうですね…確認されているブラック鎮守府の数は2つ噂になると少なく見ても40…いえ50はあるかと」
「少なく見ても50か…そのほとんどががブラック鎮守府と見て間違いないじゃろうなぁ…今までがそうだったからのぉ…」
そう言って老人は手を顎につけるようにして考え込むと大淀が
「先ほどの確認されていると言った2つの鎮守府には既に制圧部隊を派遣しましたので実質確認されているブラック鎮守府の数は0です」
「…大淀よその派遣した制圧部隊は憲兵か?」
「いいえ派遣した制圧部隊は艦娘の陸上部隊です」
「それなら安心じゃブラック鎮守府の数が増えるにつれ憲兵共も腐敗が始まったからの今じゃブラック鎮守府の提督などに加担する奴がほとんどだからの」
と老人が言うと大淀は顔は平然を保っているものの手は拳を握り今にも血が出そうなほど強く握っている。それを知ってか知らずか老人は話を進める。
「いくらわしの地位でも噂に過ぎない鎮守府に制圧部隊を派遣する事は出来ないしかしそれは表立って部隊を派遣する場合じゃ」
「陛下もしや〈影〉を派遣するのですか?」
〈影〉それは天皇陛下直属の部隊。その部隊は表向きは天皇を守る親衛隊だが実際は違く天皇陛下の命令とあらば諜報活動、情報操作、暗殺、誘拐、拷問等をする部隊である。確かに天皇を守る親衛隊もいるがそれとは全く異なる部隊であり影自体は公表されていない。影は軍属では無いためその存在を知る者は少ないが今まで数々の暗殺や誘拐をしてきたためブラック提督達の間では噂がたちその噂の中では彼らは〈姿無き部隊〉と言われている。
「影を派遣したい所じゃが…最近とうとう噂がたってしまったからの」
「しかしその噂もまだほんの一部でしかたっておりません。是非影の派遣を」
「う~む」と考えこむ老人に大淀は熱のこもった言葉で言う。それもそうだろう今この時も自分の仲間である艦娘がひどい扱いを受けているかも知れないのだから当然の反応であろう。
「そうじゃな…うむ分かった影を派遣するとしようかの最悪その噂も無かった事に出来るからの」
老人はそう言うとおもむろに手をテーブルに置き人差し指の先で「トン、トン、トン、トン、トン」と5回テーブルを叩いた。
「…来たか」
「?…!?」
大淀の腰掛けているソファーの後ろには4人の人間が立っていたのだ。大淀は影を見るのは初めてではないこれで3度目になるが今までの2度は陛下の紹介で会っていたため大淀が部屋に入ると最初っから部屋にいたため外見以外では驚きはしていなかったが今回は違う大淀自身が最初に部屋にいたためその4人がいないこといや自分達以外に人がいないのはわかっていた。大淀が驚いているのはその4人がいつの間に入ったのかに驚いていた。この部屋の扉は開く時にあえて音が出るように作られているため忍びこむことはほぼ不可能に近く窓や通気口は固く閉ざされているためその2つからも侵入は出来ない。大淀がどうやって侵入してきたかを考えているとその中の1人黒装束俗に言う忍者姿に般若の面をつけている男が口を開く。
「陛下仕事でございますか?」
「そうじゃ、今回はそうじゃな…暗殺じゃな」
「ターゲットは誰でしょうか?」
「ブラック鎮守府の提督じゃ頼めるかの?」
「分かりました…どこの鎮守府でしょうか?」
「そうじゃなぁ…大淀よめぼしい鎮守府はあるかの?」
「は、はいそうですね…」
大淀は急に話をふられ少しビックリしたもののすぐにいつもどおりに戻り手を顎にやり考える。
「千葉第3鎮守府はどうでしょうか?最近前の提督が異動し新しい提督になってから黒い噂をよく耳にします」
「ふむ…ならば今回はそこの提督をターゲットにしようかの」
「陛下もしそこがブラックではなかった場合とブラックだった場合提督へ加担している憲兵などはどうしますか?」
「ブラックじゃなかった場合は速やかに帰還し、ブラックだった場合その提督に加担している憲兵などの職員は殺して構わない…もし艦娘の誰かが自らの意思で加担していた場合は確保しろ艦娘は誰も殺すのではないぞ」
「分かりました今日中に千葉第3鎮守府へ向かいます」
「期限は特に設けないがあくまでも暗殺じゃあまり騒ぎ立てるのではないぞ」
「御意に」
そう言うと4人は消えていった。大淀は再び驚いていたそれもそうだろう4人は自分の目の前で消えたのだから驚かない方がおかしい。
「へ、陛下今のは一体?」
「なんじゃ影を見るのは初めてではないじゃろう?」
「ち、違いますなぜ消えたのかを聞いているんです」
動揺している大淀を見て老人は
「それなんじゃがわしもいまだに良く分かってなんじゃよ詳しい事は本人達に聞いてくれ」
「分かりました」
「それより大淀よ忙しいのではなかったのか仕事に戻らなくていいのかの?」
「あれ実は本題を早く聞くための嘘だったんですが…そうですねもう昼休みも終わりますし戻らさせてもらいます」
そう言うと大淀はソファーから立ち上がり軽い会釈をして部屋から出ていった。それと入れ替わるようにして1人の少女がが入ってきた。服装は黒いマントに顔には眼帯をして腰にはサーベルを携えており普通の人が見たら確実に不審者扱いされるだろう。
「爺さんよたまには皇居に顔を出したらどうだ?俺の様な爺さんの親衛隊は良いが皇居の艦娘共が寂しがってるだそうだ特に駆逐艦がな」
「しかしわしの立場上ここから離れるわけにh「鳳翔さんからもお願いだとさ」よし行こうすぐ行こう」
「全く爺さんは相変わらず鳳翔さんには弱いな「どうした木曽!早く行くぞ!」分かったよ今行く」
木曽と呼ばれた少女は「やれやれ」と老人には聞こえぬ声で言い既に準備万端の老人の元に少し駆け足で向かう。
次回からは影視点が多くなると思います。