風華は白狐に話かけながら過ごしずつ間合いを詰めていた。
「へぇ、珍しい武器使ってるわね」
「…」
風華の目線は、白狐が両腕に持っている十手にいっていた。そして白狐の十手は少し変わっていた。十手の殆どには刃は無く警棒の様な棒状の物が多いが、白狐の十手には刃がある。
「それ使うなら短刀とか脇差使った方いいんじゃない?」
「…」
「全く人が親切にアドバイスしてあげてるのに、黙りはないんじゃない?」
「…」
「まぁ、うるさい奴よりはやりやすくて良いわね…それにもう私の間合いよ?」
そう言うとまだ6mちかく離れている距離を一気に詰白狐の腹部めがけて蹴りを放つ
「…」
「やっぱり蹴りはよけられるわね」
「…!?」
白狐は確かに蹴りは避けたがなぜか腹部に血は出ていないが切り傷が出来ていた。
「さあ!避けれるものなら避けてみなさい!」
風華はそう言いながら足、腕、腹、顔など様々な所に蹴りを放ってくる。
「…」
「出血はしてないみたいだけど切り傷がどんどん増えてってるわよ!」
白狐は蹴りはかわしているがなぜか切り傷がそのかわり増えていく。その時風華が白狐の顔めがけて回し蹴りを放ってきた。
「!」
白狐は回し蹴りを後ろに3回ほどバク転してかわす。
「あら?かなり後ろに下がったわね」
「…」
白狐は両腕の力を抜く。
「降参かしら?」
風華がそう言うと白狐は視界から消え、小さい声で言葉が聞こえる。
「鎌鼬(かまいたち)」
「!?」
風華が後ろを振り向くと10mほど先に白狐がいた。しかし様子がおかしい両腕の力を脱力させたまま肩や腰をひねって腕を動かしている。
「ッ!?」
そしてそのすぐに風華は体の様々な所から出血をする。
「斬撃を飛ばしているの!?そんな無茶苦茶な!」
そう言うと風華は横に大きく飛び退き白狐の方を見るもそこには誰もいない。
「また消えた!?」
一瞬困惑したすきに白狐は風華の懐に入り体を沈め、右腕で風華の右肩を掴み一本背負投の体制になり風華をコンクリートの地面に叩きつける。
「ゴホッ!ゴホッ!」
「…」
あまりにも一瞬の事すぎて受身をとれずにコンクリートの地面に叩きつけられたため背中に激痛が走る。
「…」スチャ
「お、おい待て、待て、待て、待て待て待て待て!があああぁぁぁぁ!!」
白狐は仰向けで倒れている風華の左足に躊躇なく十手を突き刺す。
「ぁぁぁぁぁ、クソッ貧乏くじ引いたわねこれ」
「…」
「あんたは何が聞きたいのよ」
「…この鎮守府の事」スチャ
「話すからその十手おろしてよね」
「…」スッ
「私が知ってることなんてほんの僅かよ」
「…」コクっ
「私含めて3人は雇われたのよ。まああの男は「楽しければいい」みたいなこと言って報酬は貰ってないらしいけどね」
「…」
「んでこの鎮守府の異常な設備は全部b「ビー!ビー!ビー!」
「!?」
白狐は戦う前に地面に置いておいたドラグノフのドットサイトから海上を見る。距離はまだ何10kmもありシルエットでしかわからないもののヘリ及び空母中心の機動艦隊のようなものがこちらに向かってきているのが見えた。艦娘の護衛らしきものは見えない。
「その感じだと私達の迎えか増援が来たのかしら?」
「どういう事だ?」
白狐がかなりドスの聞いた声でそう言う。
「私達の雇い主がね」
「雇い主?」
「急におしゃべりになったわね?まぁ雇い主迎えに来たか増援の部隊を送ってきたって意味」
「雇い主はここの提督じゃないのか?」
「提督?」
「?」
「違うとだけ言えるわね。これ以上は言えないわよ?契約上ね」
「…」スッ
「…いい情報を1つあげるわ、陽動部隊の方に行ってあげなさい早く行かないと死人がでるわよ」
「!?」
「もう遅いかもだけどね」
白狐は最初自分をここから離す嘘だと思った。だがすぐに異変に気づいた、朝潮達のいる方からの戦闘音が聞こえなくなっていたのだ。白狐は翁ほど耳は良くないものの戦闘音の有無の確認程度はできる。
「ッ!」
「私の足に刺さってた十手抜いて行ったけど抜く速度速すぎて痛くなかったわね…」
そうして白狐は正門の方へ駆けていった。
朝潮達のいた山
白狐は陽動部隊のいるはずの山にいた。白狐がそこで目にしたものは倒れて動かない五月雨と菊月の姿だった。
「…」
白狐は手前にいた五月雨の呼吸と脈を確認し、息があるのを確認すると懐から数個の錠剤を取り出し五月雨の口に入れる。そうすると
「ゴホッゴホッ」
「大丈夫か?」
「あれ?白狐さん?どうしてここに?」
「…嫌な予感がしてな…とりあえず少し休んでくれ自分はまだやることがある」
そう言うと今度は菊月の方に行き呼吸と脈を確認するが
(マズイな…呼吸と脈がかなり弱い、これでは錠剤を飲み込む事が…)
「あ、あの私、注射型の修復材ならあります」
「すまない、菊月にうってくれるか?」
「わ、わかりました」
五月雨はそう言うとベルトについていたポーチの様な物から注射器を取り出し菊月の首元あたりにうつと
「うぅ」
弱々しい声だが意識が戻る。そしてすかさず白狐は菊月口の中に錠剤をいれ、飲み込む。
「すまない世話をかけたようだな」
「気にするな…歩けるか?」
「あぁ問題ない」
「良かったです!」
意識が戻った2人は少し話をしているが白狐は地面の足跡をみて朝潮達が行ったと思われる方向を確認していた。
(かなり慌てた用だな、これほどクッキリ足跡を残すとわ…この様子だとトンネルの向こう側の方に向かった用だな)
「2人とも朝潮たちと合流するぞ」
「了解」
「了解しました」
そうして3人は朝潮達が向かった方向であろう方に向かっていった。
錠剤型高速修復材 飲み込めばどんな怪我でも一瞬で完治
注射型修復材 意識を戻す程度
戦闘がすごく…少ないです。次回は戦闘盛り沢山な予定。ちなみにですが風華の蹴りで切り傷がついたのは、靴にナイフが仕込まれてたためです。アラーム音の正体は般若視点の時に明らかにされます。