「おーい!ヤチィ、シャンクス達のとこ行こーぜ!」
そう言って、ルフィがドンドン!と扉を叩く。
ドンドン!ドンドン!ドンドン......ガチャ。
「出るのおせーぞ、ヤ」
ルフィが僕に何か言おうとするが、その前に回し蹴りを入れる。ゴロゴロとルフィが階段を勢いよく落ちていく。
「痛ぇぇぇぇ!!」
「痛ぇぇぇ、じゃねぇ!何回扉叩いてんだ。」
ヤチは青筋をたて、ルフィを睨んだ。
「だって、こうしねぇとお前出てこないじゃん」
「出てこないんじゃねぇよ。寝てて気づかないだけだ。それをお前、馬鹿みたい何度も何度も」
「ヤチいつも起きるのおせぇじゃんか」
「てめぇが早すぎんだよ!」
朝4時って普通の人なら寝てる時間だからね。
「でもよ~、さっき店に行ったらシャンクス達起きてたぜ」
「それはただ徹夜で酒飲んでいた、ってシャンクス達んとこに行ったんなら何でわざわざ僕の家に来た?」
「着いた時にヤチがいないことに気づいたから」
ルフィは満面な笑みで答えた。
馬鹿正直な奴だ。
「.......はぁ」
何でこいつはいつも人の都合とか考えないんだ?悪意がないのは分かるが、思いっきり親切心が空回りして迷惑しかかけてないんだが。
「なぁ、早く行こうぜ!ヤチ!」
「たくっ......待ってろ、すぐ着替えてくるから」
「そりゃあ災難だったな!ヤチィ」
シャンクスの笑い声が店中に響き渡った。
この酔っぱらいが、全然笑えねぇよ。
「冗談じゃねぇよ、赤髪。俺はアンタらみたいに徹夜で酒飲みなんて健康に悪い事したくねぇんだ、普通に規則正しい生活を送るのが好きなんだよ」
「アハハハハッ!お前も相変わらずだな、
背後から聞こえた声にうんざりしたように振り返る。
「てめぇは何度言わせれば分かるんだヤソップ?その呼び名は呼ぶなって言ってんだろ、今の俺はただのヤチだ」
「お前もしつこいな~、別に呼んだって減るもんじゃないだろ」
「減らなくても本人が嫌がってるんだから辞めろ」
本当にコイツらが来ると胃が痛くなる。酒は浴びるように飲むわ、紫煙が店ん中に充満するわで本当に健康に良くないことだらけだ。
おまけに......
「シャンクス!今度の航海には俺も連れていってくれよ」
子供の教育にも悪い。
赤髪が来る度にルフィの海賊への思いは海のように大きく広がっているようだ。それでも、何とか更正させたい。
横からコップにオレンジジュースを注ぎつつ、ルフィをヤチが諭す。
「ルフィ、言っとくが海賊なんてロクなもんじゃねぇぞ。まともな死に方できないだろうし、海軍や賞金稼ぎに命を狙われる」
「海軍や賞金稼ぎが何だってんだよ!俺のパンチはピストルなんだぞ!」
「はぁ?」
ルフィの答えにヤチは呆れた。
俺のパンチはピストル?意味が分からない。それが海軍や賞金稼ぎと何の関係があるんだ?
シャンクス達はゲラゲラとルフィを指差して笑っている。
「笑うなー!!!」
そこに勢いよく店の両扉が開いた。
バァン!ギィ.....ギィィ.......
「酒をもらいてぇんだが?」
腰に剣を差した男達、山賊が店に入って来る。店に不穏な空気が流れた。
主人公は青年です。