天人お嬢様に恋をした   作:橘 聖

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今回はこの頃にしては珍しく早め(?)
それが不定期投稿のいいところ



会話文多めです


7話目 常連

大特価祭も終わり、いつもの雰囲気に戻った日の昼下がり

お客様の姿も少なく、のんびりとした時間の流れを感じている今日この頃

うっすら聞こえる外の活気を聞きつつ、店内で溶けているとお客様が入ってくる

 

「いらっしゃいませ…あ、お嬢様じゃないですか」

 

「暇だから来たけど…その呼び方やめてよ」

 

笑いながら店内に入ってきたのは見慣れたお客様

しかし服装は違った

水色のワンピースに身を包み、桃の飾りがついた髪留めで前髪を留めており、清楚な印象が見受けられる

 

「今日はお洒落してきたんですね」

 

「なんかそのいつもはしてないみたいな言い方は止めて」

 

頬を膨らませて不機嫌そうな顔で言い返してくる

 

「まだお嬢様のことは知らないですし、断言せざるをえなかったんですよ」

 

「…まあいいわ、いつものお願い」

 

「まだ二回しかご来店なされてないじゃないですか。でも記憶が正しければ、みたらしとよもぎですがそれでよろしいでしょうか?」

 

お嬢様は俺が覚えているとは思っていなかったのか少し驚いた表情をしつつ、すぐに頭を縦に振った

 

「わかりました。ではあちらの席におかけになっておまちふださ…お待ちください」

 

また噛んでしまった

お嬢様に席の場所を伝えた後、そこから逃げるように厨房内に入った

 

「…お母さん、みたらしとよもぎね」

 

「わかったけど、あんた顔赤くない? ははーん、さては恋したな?」

 

「な、恋なんぞしとらんわい!」

 

「応援してるから、早く私にお嫁さんを見せてね」

 

「な…ま、まだ恋すらしてないって言ってるだろ!」

 

「顔真っ赤にしてると肯定にしか聞こえないよ」

 

「うがあぁぁぁぁぁ!!」

 

一方、団子を食べてる客たちはというと…

 

「まーた親子喧嘩か。団子が余計においしいねぇ」

 

「日常茶飯事ですからねぇ、これがないとここに来たって感じがしませんし」

 

「お酒があったらもっと繁盛するだろうがなぁ、こればっかりは仕方ないか」

 

「おかみさん曰く『蒼夜が飲まないように』だってさ、前科があるのかねぇ」

 

「そういや勝手に飲んで、すごい上機嫌になって何をするにも笑顔だったとかいう噂を聞いたことがあるな」

 

「まだここに来て数年目だけどそんな蒼夜君は見たことないねぇ」

 

「私はかれこれ八年くらい通ってますけど飴をあげても思いっきり笑顔になったことはないはず」

 

「鉄仮面、蒼夜とかの名で世に出したらどうなるんだろうな」

 

「…センスないと思います」

 

そんな会話が本人の知らぬところで行われていた

 

 

 

 

 

厨房で口論していた青年は、終始鼻がムズムズしていたという




子どもは親には勝てません

いつもより短めですいません
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