仲間と共に愛しい君のもとへ   作:清夜

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これからアローラ地方での冒険が始まります。

精一杯頑張りますので宜しくお願いします。


1話 アローラへ

「着いたぞ、レイ」

 

声をかけてきたのは父親のカイト。

 

研究者である父親は研究者のなかではかなり有名で、有能であると言われているらしい。

 

故にあちらこちらで引っ張りだこで、こうしてアローラ地方のククイ博士の要請を受けてやって来た。

 

「ほんとうにすまない、レイ。ルチア君とも...」

 

「もういいって。お父さん。」

 

レイは安心させるように微笑む。

 

「それより行こう、お父さん。ククイ博士を待たせているんだろう?」

 

「そうだな。」

 

そうして二人は研究所へ向かった。

 

 

 

~ククイ博士の研究所~

 

「初めまして!僕がこの研究所のククイだ。遠路遥々ご苦労様です。カイト博士」

 

「いえ、初めまして。カイトと申します。そして、」

 

「息子のレイと申します。」

 

レイは父親につづいて挨拶をする。

 

「うん、話は聞いているよ!ホウエン地方のチャンピオン!」

 

「元、ですよ。」

 

レイは苦笑いする。

 

「レイ、お父さんはククイ博士と話がある。お前はつまらないだろうし、外を見てくると良い。」

 

「わかった。それではククイ博士、失礼します。」

 

「うん、また後で。」

 

そう言ってレイは出ていく。

 

「とても礼儀正しくて良い息子さんですね。」

 

ククイ博士が感心したように言う。

 

「はい、自慢の息子です。」

 

そう言ってカイトは微笑む。

 

 

 

 

~リリィタウン~

 

「ここは、リリィタウン?」

 

レイは一つの町へと来ていた。すると、

 

「む?君は...見かけない顔ですな」

 

そこには大柄で褐色肌の白い髭を生やした人物が居た。

 

 

「どうも初めまして、レイといいます。」

 

「ほう、君がククイ博士が言っていた子ですな。私の名前はハラともうします。以後よろしく。」

 

「宜しくお願いします。」

 

そうしてお互いに握手をする。

 

「じーちゃーん!!」

 

後ろから大きな声が聞こえて、振り返ると、一人の少年が走ってくる。

 

「ん?キミだーれ?」

 

「コレ!ハウ!自己紹介せんか!お前にも話しただろう。ククイ博士が言っていた子だ。」

 

「そっかー。俺、ハウ!キミはレイだよね!バトルしよーよ!」

 

そう言って勝負を挑んでくるハウ。

 

「いいよ。丁度僕のポケモンも初バトルの子もいるからね。改めて、僕はレイ!楽しいバトルをしよう!」

 

そうして急なポケモンバトルが始まる。

 

「行け!ニャビー!!」

 

ハウが出してきたのは赤い猫のようなポケモン。

 

「ニャビーか、知らないポケモンだな。リラン!!lady!go!!」

 

そうして俺が繰り出したのは母親の忘れ形見。イーブイだ。

 

母親の手持ちだったニンフィアのたまごだったのだろう。

 

父親からはどのポケモンのたまごかは聞いていなかったからしらなかったが、孵化したイーブイを見てそう思った。

 

「へぇ~イーブイか。それじゃ、ニャビー!ひのこ!」

 

ハウが先攻で指示をだす。

 

「リラン!!避けて砂かけ!」

 

「ブイ!」

 

リランがひのこを素早く避け、後ろ足で砂をかける。

 

「ニャッ」

 

「ニャビー!」

 

ニャルビーは顔に砂をまともに受け身動きがとれなくなる。

 

「リラン!シャドーボール!!」

 

「ブイ!ブイブイ!」

 

「ニャビー!!」

 

目に入った砂で動けないニャルビーにシャドーボールが直撃する。

 

「うわっ!強いな~。でも!」

 

今の衝撃で目の砂はとれたのだろう、ニャビーが落ち着きを取り戻す。

 

「ニャビー!ひっかく!!」

 

「ニャッニャッ!」

 

ニャビーが走ってイーブイへ向かってくる。

 

「リラン!シャドーボール!」

 

「ブイブイ!」

 

 

「ニャビー!ひのこ!」

 

「ニャッ!」

 

リランが放ったシャドーボールはひのこに相殺される。

 

「行け!ニャビー!!」

 

「ニャッビー!!」

 

リランにニャビーの爪が迫る。

 

「リラン!体当たり!!」

 

「ブッイー!!」

 

「ニャッ!ギニャー」

 

リランはニャビーの懐に体当たりをすることでニャビーの爪が届かないように技を当てた。

 

「リラン!凄いぞ!」

 

レイは体当たりでひっかくと相討ちにするつもりだったが、気転を生かしたリランの今の攻撃を凄いと思った。

 

「(初めての戦闘でここまで出来るとは)」

 

母親の忘れ形見はやはりただ者ではない。

 

「にゃ...にゃびー」

 

ニャビーはボロボロになりながらも立ち上がる。

 

「ニャビー...ありがとう。もう休んで」

 

ハウはまだ戦闘不能になってないニャビーを戻す。

 

「いやー、やっぱ強いね~レイは!全然歯が立たなかったよー」

 

ハウが笑ながらいう。

 

「いや、ハウもなかなか良かったと思うよ。」

 

「はは!ありがとうー」

 

「うむ、勝負ありですな。話には聞いておりましたが、やはり凄いバトルセンスですな。」

 

ハラもあっぱれというように賛辞を送る。

 

「それじゃあ、僕はニャビーをポケモンセンターにつれていくね!じゃねー」

 

そう言ってハウは駆けていく。

 

「まったく、落ち着きのない。ハウは私の孫でしてな、一体誰に似たのか...」

 

「良いことじゃないですか、行動力があることは。とても成長が早いタイプです。」

 

レイは眩しそうにハウが駆けていった場所を見ていた。

 

 

 

 

その後、レイはマハロ山道へ来ていた。

 

「あれは?」

 

そこには長い金髪でノースリーブの白いワンピースと白い帽子を被った少女が吊り橋の先を見ていた。

 

とりあえずそこまでいくと、

 

「っ!!あ、あの!」

 

「どうしたんですか?」

 

少女は焦っていた。そして助けを求める

 

「ほしぐもちゃんを...ほしぐもちゃんを助けてください!!」

 

そう言って橋の先を見る。

 

そこには複数のオニスズメに襲われている紫色の雲の様なポケモンが居た。

 

「おねがい...します!」

 

涙目で懇願される。

 

「言われるまでもない!レイラ!lady!go!!」

 

「この時を...待ってました。マスター」

 

レイの一番の相棒、サーナイトのレイラが現れる。

 

「レイラ!エナジーボール!乱射!!」

 

「はい!」

 

レイラは応えると、周囲に緑色のエネルギーの玉を6つ浮かべる。

 

ポケモンを襲っているオニスズメの数だ。

 

「そこを退きなさい!」

 

レイラがエナジーボールを発射し、全てオニスズメに直撃させる。

 

「レイラ!」

 

「わかってます!」

 

そのままレイラは指示を出す前にほしぐもと呼ばれたポケモンを念力でこちらへ連れてきて、レイが受け止める。

 

「はい」

 

「あ!ありがとうございます!!」

 

「どういたしまして。そのほしぐもちゃんは大丈夫かい?」

 

「...はい、このキズぐすりで」

 

そう言って少女はほしぐもちゃんにキズぐすりを吹き掛けて治療する。

 

「ピュイー!!」

 

「!!」

 

鳥ポケモン独特の高い声が聞こえて振り返ると、先ほどのオニスズメの親だろうか、オニドリルの群れがこちらへ向かってきていた。

 

「マスター!!」

 

「ああ、めんどくさいな。一気に決めるぞ、レイラ!!」

 

そうしてレイとレイラは臨戦態勢をとる。

 

「レイラ!めいそう!!」

 

「...」

 

レイが指示を出すとレイラは目をつむる。

 

それと同時にレイも目を閉じ、完全に棒立ちになる。

 

「あ、あの...」

 

少女はそれを見て声をかける。

 

こうしてる間にもオニドリル達はどんどん近づいてきている。

 

「「...」」

 

レイとレイラは同時に目を開く。

 

レイは漆黒だったはずの目の色が、レイラと同じ赤色になっていた。

 

「...」

 

レイは何も黙ったままだったが、レイラは動いた。

 

両手の手のひらをオニドリルの群れに向ける。

 

そうすると手のひらの先に青の球体が現れ、どんどん大きくなっていく。

 

「「...」」

 

お互いに喋らないが、心は通じあっていた。

 

最高潮に達したエネルギー波は一気にオニドリルの群れを凪ぎ払った。

 

「す...すごい」

 

少女はその光景にただ、そう呟くことしか出来なかった。

 

 

 

「さて、面倒ごとも終わったね。改めまして、俺はレイ、ホウエン地方から来ました。君の名前は?」

 

「あ、は、はい!私はリーリエと申します...えと、あの...」

 

「クス、そんなに焦らなくても大丈夫だよ。」

 

レイはおかしそうにクスリと笑ながら微笑みかける。

 

「っ!...うぅぅぅ~~~~」

 

リーリエはその微笑みを見たときかおを赤くしてつばの長い白い帽子で顔を隠す。

 

レイは恥ずかしがり屋さんなんだな~と心のなかでおもっていると。

 

「...」

 

「ゾクッ..どうした?レイラ」

 

背中に寒気を感じたので振り向けばそこには冷たい眼でこちらを睨んでいるレイラが居た。

 

「フンッ」

 

レイラは何も言わずそっぽ向いて勝手にボールのなかに戻る。

 

「あーあ、レイラを怒らしちまった。」

 

後のフォローどうしようと頭を抱えるレイだった。

 

 

 

~リリィタウン~

 

「お?レイ君、それにリーリエも一緒じゃないか!」

 

「さっきぶりです、博士。」

 

リリィタウンに戻ってくるとククイ博士が来ていた。

 

「リーリエとは自己紹介は済んだのかな?」

 

「ええ、一応」

 

レイはオニスズメの件をククイ博士に伝える。

 

「そうか、リーリエとも仲良くなってくれたみたいで良かった。彼女は少し人見知りするからね。リーリエとほしぐもちゃんを助けてくれてありがとう。僕からも礼を言わせてもらうよ。」

 

「いえ、当然のことしたまでです。」

 

「あの...それでも...ありがとうございました」

 

そう言うとリーリエは顔を赤くしてうつむく。

 

「クス、どういたしまして。そういえばお父さんは?」

 

「ああ、カイト博士は研究所で早速仕事に取りかかってくれている。今日は帰れなさそうだと伝えておいてくれと言われたよ。」

 

「そうですか、わかりました。」

 

レイは頷くと、これからの予定を頭のなかで立てる。

 

「因みにこれからの予定はどうするのかな?」

 

ククイ博士がなぜか楽しげに聞いてきた。

 

「そうですね、まずは家の引っ越しの荷物を片付けないといけないのでそれから片づけて夕飯ですかね。」

 

「そうか!ならリーリエ、キミも手伝ってくると良い」

 

「ふぇっ!?」

 

リーリエはびっくりして可愛げな声を出す。

 

「そんな、いいですよ。荷物はそんなにありませんし、無理して来て貰わなくても...」

 

「あ、あの!ごはん...まだなのですよね」

 

「? そうだけど」

 

「あ、あの、なら...レイさんが片づけている間に、ごはん作らせて貰っても...いいですか?」

 

リーリエが顔を赤くしながら提案してくれた。

 

正直ククイ博士も以外だった。

 

まさか人見知りのリーリエが会って間もない彼にご飯を作ると言い出すとは。

 

「(なんだか、娘が好きな人出来たときの親というのはこんな心境なのだろうか...)」

 

リーリエとはそこまで長い付き合いな訳ではないが、どこか娘に近い感情を抱いていたのだろう。

 

「そんな!別に大丈夫ですよ、そんなに気を使ってもらわなくても。」

 

レイが慌てて断りを入れる。

 

「迷惑...ですか?」

 

するとリーリエが少し泣きそうな上目使いで見てくる。

 

「うっ、迷惑では全然ないし、嬉しいけど...」

 

レイも流石に言葉を濁す。

 

「まぁまぁ、レイ君、リーリエはきっと助けてもらったお礼がしたいんだよ。それに、リーリエの手料理はとても旨いんだ。料理出来ない私の代わりによく作ってくれるからね。」

 

レイは少し迷ったが、リーリエのせっかくの好意なのだし、ククイ博士も良いと言ってくれたのだから言葉に甘えることにした。

 

「なら、リーリエさん、お願いしますね。」

 

「! はい!後、私の事は...リーリエで良いです...後、敬語も...」

 

元気よく返事した後、また赤くなりながらしどろもどろに言葉を続ける。

 

「そっか、じゃあ、リーリエ、宜しくね」

 

そうしてリーリエが家でご飯を作ってくれることになった。

 

 

 

 

~レイとカイトの家~

 

「これはここで、これはここ。」

 

「主、この段ボールはどうしますか?」

 

「ああ、それは端っこに置いといてくれ。リール」

 

現在荷物を手持ちのルカリオことリールと片づけている。

 

レイラにも頼もうと思って声をかけたが、さっきの件でまだ拗ねているらしく、モンスターボールにすぐ戻ってしまった。

 

「悪いな、リール。こんなこと頼んじまって。」

 

「全然構いませんよ。主の力になれるのであればいつでもお手伝いします。」

 

リールはレイラの次に付き合いの長い相棒だ。

 

とても俺に忠実で、こっちが申し訳ないくらいだ。

 

テレパシーも使えて、人と会話することが可能である。

 

「まったく、レイラのやつは自分の事情で主の手を煩わせるとは...」

 

拗ねてしまったレイラのことでぐちぐち文句は言うが。

 

「よし、取りあえずは終わりかな。後の段ボールは追々片付けるとしよう。」

 

そう一段落ついたとき、

 

コンコン

 

「レイさん、ごはん...出来ました」

 

「ああ、ありがとう、今行くね。リールありがとうな。戻って。」

 

「はい。」

 

リーリエからご飯の知らせが来たので、リールを戻し、軽く残った段ボール等を退かして階段を下りていく。

 

「うん、良い香りだ。」

 

リビングに着くと、キッチンからとても良い香りがした。

 

「今日は...カレーです。好物だと...聞いたので」

 

「? なんで知ってるの?」

 

 

「ククイ博士がお義父さ...カイト博士に聞いてくれたので...」

 

言い終わる前にリーリエの顔が赤くなってしまっていた。

 

リーリエは思い出す。

 

「いいかい、リーリエ、カイト博士からレイ君はカレーが好きだと聞いた。うまいことレイ君の胃袋を掴めばリーリエを意識するかもしれない!このチャンスを逃すなよ。そうなればカイト博士はリーリエのお義父さんになるからね。今のうちに練習しておいても良いんじゃないかい?」

 

「(いくらなんでも展開が早すぎです...応援してくれるのは嬉しいですけど...)」

 

レイと出会ってまだ数時間しかたってないのにククイ博士の中ではここまで話が進んでしまっている。

 

「(でも,..もし、私と...レイさんが...)」

 

「あ、あの...リーリエ?」

 

「ひゃ!ひゃい!?」

 

顔を赤くして赤くして動かなくなったリーリエを心配して声をかけたが、リーリエはびっくりしてしまう。

 

「大丈夫?具合悪いんじゃないの?」

 

「だ、大丈夫です、少し考え事していて...」

 

「本当に?」

 

レイは真剣な顔でリーリエを見る。

 

「...」

 

そしてリーリエはレイのその深く澄んだ瞳に魅せられてしまった。

 

深い青い色した瞳は全てを包み込んでくれるようだ。

 

「リーリエ?」

 

「ッ!本当に大丈夫です!!」

 

「そう、無理しないでね」

 

「は、はい...それじゃあ...食べましょう」

 

そうしてリーリエとレイの食事は始まった。

 

「レイさんは...」

 

リーリエと二人でカレーを食べていると、リーリエが話を振ってきた。

 

「レイさんはホウエン地方のチャンピオンなんですよね?」

 

「元、ね」

 

アローラ地方へ来る際にチャンピオンの座はダイゴへ返還している。

 

しかし、ダイゴはレイがチャンピオンにふさわしく、また戻ってくると信じて代理のチャンピオンという形を取っている。

 

「その、ホウエン地方はどんな所でしたか?」

 

「そうだな...ここに比べたら結構都会だね。」

 

レイはリーリエにホウエン地方の色んな場所や出来事を教えた。

 

「大地の化身...グラードン...海の海神...カイオーガ...天空の王者...レックウザ...ホウエン地方の伝説と呼ばれるポケモンとも闘ったのですね...」

 

「まぁ、レックウザが来るまでの時間稼ぎでグラードンとカイオーガとバトルしただけだよ。主な目的は町を守るための防衛戦だからね。」

 

「...それでも...凄いです。そんなポケモンと戦える勇気を持てるのは。」

 

リーリエは尊敬を込めた眼差しでレイを見る。

 

「まぁ、あの時は必死だったしね。でも、死ぬかもって覚悟もした。」

 

実際かなりの激戦だった。

 

当時のチャンピオンのダイゴや、ルネシティのジムリーダーであり、ルチアの叔父でもあるミクリ、ヒマワキシティのジムリーダーのナギ、マグマ団幹部のカガリ、冒険の途中で出会ったシンオウ地方から来ていたトレーナーのシロナさん、オダマキ博士の助手であるハルカ達の力を借りてやっとだったのだ。

 

「ホウエン地方の実力者が勢揃いとまではいかなかったが、少数精鋭ではあったかな。」

 

レイ達がグラードン、カイオーガと戦ってる間にルチアと度々力を貸してくれていたヒガナという少女はレックウザを目覚めさせるために空の柱へ向かっていた。

 

そうしてレックウザに認められたルチアの祈りがレックウザをメガシンカさせることが出来た。

 

そうしてレックウザを目覚めさせることに成功し、グラードンとカイオーガを鎮めることに成功したのだった。

 

「まぁ、あれがあったおかげでおれの相棒たちも強くなったんだけどな。」

 

「レイさんは...アローラ地方で旅をするのですか?」

 

リーリエがふと聞いてきた。

 

「一応そのつもりだよ。明日辺りにでも廻ってみるつもり。」

 

「そうですか...あ、片付けますね。」

 

「いや、後片付けは俺がやるよ。作ってもらったんだし。」

 

レイが食器を纏めて持ち立ち上がる。

 

「い、いえ、私がやります!」

 

「大丈夫だって、リーリエは座って休んでて。」

 

そう言ってレイは手早く片づけて洗い物を始める。

 

「レイさんは...家事得意なのですか?」

 

「まぁ、母さんが亡くなってからはお父さんと二人で暮らししていたし、お父さんは家事とか出来ないからね。たまにルチアが来て手伝ってもくれたし、自分でもやってたからそれなりにってところかな。」

 

「ご、ごめんなさい、お母様が亡くなられていたなんて...」

 

「?、ああ、いいよ別に。リーリエが悪い訳じゃないし。それにいつまでも落ち込んでられないしね。」

 

洗い物を済ませたレイは微笑みながら席へ戻り言う。

 

その笑顔に安心したリーリエはもう1つ聞きたいことがあった。

 

「あの...その...ルチアさんは幼なじみって言ってましたよね。」

 

「そうだよ。とても...大切な...幼なじみなんだ。」

 

リーリエはその時のレイの顔を見た瞬間冷水を浴びたかのように心も体も冷えるのがわかった。

 

そして目頭が熱くなり始めた。

 

その時レイはとても親愛と慈愛の満ちた微笑みを浮かべていたのだから...

 

それで気付いてしまったのだ。

 

レイがルチアをどう思っているのかを。

 

自分の入りこむ隙間なんて無いのだと。

 

「そ、そうですか...ごめんなさい。変なこと聞いて...私...もう帰りますね」

 

リーリエは震えそうになる声と涙を必死に抑え別れを告げる。

 

「? そう、大丈夫?顔色悪いけど。送っていくよ。」

 

「いえ、大丈夫です!すいません、お邪魔してしまって。では、また...」

 

そう言ってリーリエはソファーで眠っているほしぐもちゃんをいつも入れている鞄に起こさないように入れ、ありがとうございましたと頭を下げて出ていった。

 

「なにか気にさわること言っちゃったかな?」

 

するとモンスターボールからレイラが勝手に出てきた。

 

「...」

 

「な、なに?」

 

レイラがかなり冷えた眼差しをレイへ贈っていた。

 

しかし一度ため息をつき話す。

 

「マスター、本当にわかりませんか?」

 

「...わからないな。」

 

レイ答える。

 

「...いえ、本当は気付いているはずです。」

 

「...」

 

レイはまさかと想っていたことを口にする。

 

「まさか、リーリエが俺のこと好きになっていたとか言わないよな。」

 

「...」

 

レイラは無言でレイを見つめる。

 

沈黙は肯定ということだ。

 

「今日あったばかりたぞ?」

 

「この気持ちに時間は関係ありません。私のように...」

 

レイラは胸に手をあて目を瞑りながら言う

 

「...」

 

少し黙りこんだレイは外へ出ようとする。

 

「待ってください」

 

しかしレイラに止められた。

 

「今引き留めてなんて言うつもりですか?」

 

「それは...」

 

レイは言いかけるが口を閉ざしてしまう。

 

「そんな貴方が出ていってもなにも出来ません。今はそっとさせてあげてください。」

 

「だが!」

 

「マスター」

 

なおも食い下がろうとするレイをレイラは静かに、しかしどこか有無を言わせぬように言う。

 

「貴方は優しい。故に今の貴方にはなにも出来ない。」

 

「っ!....」

 

レイは黙って俯くしか出来なかった。

 

 

 

「うっ...うっ..えぐっ...」

 

リーリエは、はや歩きしながら研究所を目指す。

 

しかし、涙をもう抑えることはできなかった。

 

胸中で様々な気持ちが渦巻く。

 

悲しみ、悔やみ、憂い...嫉妬。

 

そう、リーリエはまだあったこともないルチアに嫉妬していたのだ。

 

研究所に着いたリーリエは自分の部屋へ閉じ籠る。

 

そしてベッドへ身を投げ出し、丸くなって嗚咽を漏らし始める。

 

「きゅうう~ん」

 

泣いているリーリエにほしぐもちゃんが心配そうにすり寄る。

 

「うっ...ううっ...ごめんね、ほしぐもちゃん...今日だけ...今日だけは...」

 

そう言ってリーリエはほしぐもちゃんを抱きしめそのまま泣きつかれて眠ってしまうのだった。

 




ハウとハラのしゃべり方これであってるかな?

リーリエとの関係の展開が早すぎですよね。

でも書き始めるとこうなってしまいました。

レイのホウエン地方の過去話に出てきたシロナはチャンピオンになっていない時です。

因みにシロナの年齢はレイの一つ上です。

この作品は時系列無視しているのでそういう設定です。

何か違和感や誤字脱字があればコメント貰えるとうれしいです!

まだ未熟者ですが、そのまま見てくれるとうれしいです!
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