Let's!魔法使いプリキュア 作:たんぽぽ
「……ここは、どこ?」
少女が呟く。
「……私は、どうすればいいの?」
空を仰ぎみると、夜空に星が光っていた。
☆
「リコ、はーちゃん、モフルン、おはよう!」
「おはよう!」
「おはようモフ!」
「おはよう、みらい。ご機嫌ね」
「何だかワクワクの予感がするの!」
「はー!」
朝日奈家のダイニングで朝食をとり、四人は家を出た。
今日は休日なので、魔法界まで出掛けることにしたのだ。
「この春休みが終わったら、みらいが高校一年生になるなんて信じられないわ」
「リコは魔法学校四年生でしょ」
「そうよ。今年も頑張らなくちゃ!」
再開したばかりなので、会話は尽きない。カタツムリニアに乗りながらもおしゃべりを続け、気付いたら魔法界に到着していた。
「どこに行く?」
「やっぱり魔法商店街でしょ!」
ことはの言葉で、まずは魔法商店街へ行くことになった。
☆
「あー、楽しかった」
「はー!」
魔法商店街でたくさんの人達に会ったり、色々なものを食べたりした四人は、色が変わる滝の前に座って休んでいた。
「平和っていいね」
「そうね。あの時は大変だったわね。みらいのリンクルストーンが盗られたりして」
「変身できなくて大変だったモフ」
「でも、今の魔法界はぜーんぶ解決されて平和だよ!」
ことはが言った瞬間、空が黒い雲で覆われた。
「何?」
「何だか、嫌な気配……」
ことはが呟くと、
「おやおや、言ってくれますねぇ」
黒いマントに身を包んだ魔法使いが空中に浮かんでいた。
「この世界を正すため、あなたがたのリンクルストーンは頂きますよ」
魔法使いが指を鳴らすと、リンクルストーンが浮かび上がって魔法使いの手元に集まろうとする。
「ダメよ! キュアップ・ラパパ、リンクルストーンよ、戻って!」
リコが唱えると、リンクルストーンのスピードが遅くなった。みらいとことはも加わる。
綱引き状態がしばらく続いたあと、五つの『守りの石』とエメラルドはみらい達の元へ、『支えの石』は一つを除いて黒い魔法使いの手におさまった。両者の間に落ちたピンクトルマリンを取りに行こうとするみらいは、一人の少女に気が付いた。
中学に上がったばかりに見える容姿の少女は、ピンクトルマリンを拾うとみらい達と黒い魔法使いを見た。
「これは誰の?」
「私達の!」
「私のだ!」
一斉に答える両者に困った顔をする。
「私に渡しなさい。そうすれば、世界を正してあげましょう」
「世界を正すって?」
「本来あるべき姿に戻すのです」
「あるべき姿?」
「その通りです」
少女は考え込む。
「……それって、みんなが笑顔になれる世界?」
「まさか。この世界を絶望で覆うのです」
少女は怒ったような顔をした。
「そんなの、あるべき姿じゃない」
「あなたに何がわかるのです? さあ、そのリンクルストーンを渡しなさい」
「嫌! 渡さない!」
「なら、死ね」
杖を振り上げる黒い魔法使いと、防御姿勢をとる少女。それを見て、モフルンは叫んだ。
「変身するモフ!」
キュアップ・ラパパ! ダイヤ!
ミラクル・マジカル・ジュエリーレ!
キュアップ・ラパパ! エメラルド!
フェリーチェ・ファンファン・フラワーレ!
「二人の奇跡! キュアミラクル!」
「二人の魔法! キュアマジカル!」
「あまねく命に祝福を。キュアフェリーチェ!」
魔法使いプリキュア!
「キュアップ・ラパパ。リンクルストーンよ、闇に染まれ!」
黒い魔法使いが唱えると、その手にあるリンクルストーンが黒いオーラを纏い始めた。
「キュアップ・ラパパ、襲え!」
リンクルストーンから黒ずんだ光が放たれ、三人は地面に叩きつけられる。
それを見て、少女は叫んだ。
「何てことするの!」
「素直にリンクルストーンを渡せば済んだものを。愚かな人達ですねぇ」
「愚かなのはあなただよ!」
「何?」
少女は黒い魔法使いを睨みつけた。
「人を傷つけて、笑顔のない世界を作るなんて、許せない!」
そう叫んだ瞬間。
少女の手の中のピンクトルマリンが光った。
キュアップ・ラパパ! ピンクトルマリン!
スマイル・フラワー・ジュエリーレ!
胴は白いコスチュームで覆われ、ピンクの大きなリボンが胸元に付けられる。何重にも重なった白いフリルに、アクセントのピンクのフリルが入ったスカートが現れ、白地に小さなピンクの花がひとつあしらわれたブーツ、白いリボンの腕カバーも装着される。
もともと長かった、ミラクルのよりも明るい金髪は更に長くなり、耳の後ろの位置で二つに結わかれた。飾りに小さなピンクの花が二つずつつく。イヤリングは、金色の星だ。
閉じていた金の瞳で前を見据えると、胸のリボンの結び目にピンクトルマリンが装着された。
金色の魔法陣から飛び出すと、少女は両手を広げて名乗った。
「笑顔の魔法! キュアスマイル!」