侵略!パンツァー娘   作:慶斗

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※形式の都合上、キャラの名前が一部略称になっています。


カエサル→カエ
エルヴィン→エル
左衛門佐→左衛門
おりょう→おりょ

ナカジマ→ナカ

ダージリン→ダー
オレンジペコ→ペコ
アッサム→アッサ

ニセイカ娘→ニセ娘
アンチョビ→チョビ
カルパッチョ→カル
ペパロニ→ペパ

カチューシャ→カチュ
クラーラ→クラ
アリーナ→アリー

シンデョー→シン

能面ライダー般若→HN
能面ライダーひょっとこ→HT


Chapter24:強豪、集結です!

みほ 「こちらもだいぶ数が少なくなってきてしまいました」

 

大学選抜&れもん連合との激戦後、大きく退いたみほたちは公園に集まり、今後の方針を話し合っていた。

 

優花里「こちらの残存車両数、二十。向こうよりもこちらのダメージが大きくなってますね」

沙織 「ルールだと、あと十両やられたら負けちゃうんだっけ」

みほ 「はい、まさに瀬戸際と言えるかもしれません。決して侮っていたわけじゃない、けどここまでの痛手を被ってしまったと言うことは、向こうは予想以上に強いということです」

麻子 「それは認めざるを得ないな」

華  「まだ、勝負はわかりませんね」

沙織 「それで、どうするの?みぽりん」

みほ 「・・・・」

沙織 「みぼりん?」

 

沙織に尋ねられるが、みほは言葉を返せない。

『西住流を体現する者』としての記憶にすり替わっているみほの記憶の中では、撤退をした記憶など存在していなかった。

いつでも悠然と、常に前を向き歩みを止めず、どんな相手も西住流に携わる者としての技量と信念を持って勝ち歩み続けていた。

つまり、このみほの中では『撤退は初めて』の経験だったのである。

 

みほ (お姉様だって、これまでどんな窮地に立たされようと決して逃げたりなんてしなかった。いつだって西住流の名に恥じない振る舞いと成果を出し続けていた。なのに、私はこんな大事な試合でミスをした上にこんな失態を・・・・)

 

みほは先程の結果に激しいショックを受け、未だ精神的に立て直せていなかった。

集まった公園内ではメンテナンスをしている隊員の他にみほを心配そうに見る隊員たちの姿も見られ、少なからず動揺が隊の中に広まりつつあった。

そんな不穏な空気の中、みほのところへ近づく人影があった。

 

エリカ「いつまで辛気臭い顔してるのよ」

みほ 「エリカさん・・・・」

 

語りかけてきたエリカに、気まずそうな視線を向けるみほ。

 

エリカ「戦車道の試合はいつだって不変なもの。必ず勝てる勝負なんて存在しないし、そんなもの私はお断りだわ」

みほ 「・・・・」

エリカ「だけど訓練や経験によって自分の腕で勝利を掴み取れた時は嬉しい、楽しいものよね。だから皆は戦車道を続けているし、私もこれまでやってこれた。・・・・で、あんたはここで何をしているの」

みほ 「!・・・・」

 

一瞬語尾を強めたエリカの言葉にみほはびくっと身を縮める。

 

エリカ「一度作戦がうまくいかなかったからって何いじけてんのよ。一度上手くいかなかっただけでそれくらいなら、誰も戦車道なんてやってらんないわよ」

みほ 「でも・・・・、でも!」

エリカ「でも何よ」

みほ 「でも・・・・私は西住流の師範代になるべく声を上げました。そんな私が、西住流を体現できず、失態を晒した上に逃走だなんて・・・・そんなの、お母様は後継者として認めてくれません!」

華  「みほさん・・・・」

みほ 「私は、結果を出さないといけないんです!西住流として、みんなを導いて、勝利をもたらす存在でないといけないんです!私は、私は・・・・!」

エリカ「・・・・なんで勝てないか、まだわからないの?」

 

エリカは、心底呆れたという感じでいる。

みほは、わからないといった顔でエリカを見る。

 

エリカ「『みんなを導く』とか言っといて、全員を導けてない(・・・・・・・・)からよ」

みほ 「えっ・・・・」

エリカ「アンタ、ここまでに至るまでで大洗の子たちをどれくらい作戦に参加させた?主要な役を一度でも任せた?信頼して前に出したりした?」

 

エリカの言葉に自覚があるのか、みほははっとして目を伏せる。

 

エリカ「試合開始前、たいちょ・・・・、まほさんだって言ってたわよね。大洗はアンタが思っている以上の実力がある。私たちと互角以上の実力がある、って」

みほ 「・・・・」

エリカ「確かに当初の作戦よりは役割に組み込まれてたりはしていたわ。だけどあくまで一要因。確かな味方として信頼しきれていないのは明白よ」

 

図星をつかれ、みほはすっかり縮こまっている。

 

エリカ「アンタがどれだけこの試合を勝ちたかってるかは分かってる。だからこそ、彼女らの力を信じるべき。彼女らも導き、持てる全ての力を引き出させて勝ってこそ本当に西住流の証明になるのよ。それに」

みほ 「それに・・・・?」

エリカ「ここまでに至るまで、一両でも大洗の戦車は脱落した?」

 

その言葉にハッとする。

確かに最前線ではないにしろ、彼女たちも何度も交戦の機会があった。

しかし、その度黒森峰の戦車に被害が出るも大洗の戦車はピンピンしていた。

その実力の差は、改めて見てみれば明白だ。

 

みほ 「・・・・私は、道を急ぎすぎていたんですね」

エリカ「それに気付いただけ上等よ。・・・・後はやれるわね?」

みほ 「はい!」

 

真っ直ぐな眼差しで返事をするみほに、エリカはふっと微笑んでその場を離れた。

 

優花里「西住殿・・・・」

 

そのやりとりを見ていたあんこうチームの面々がみほを見つめる。

そんな眼差しに、みほはゆっくり笑顔で頷いてみせる。

 

みほ 「みなさん!」

 

声を上げると、全員の注目がみほに集まる。

 

みほ 「すいません、私のミスです。みんなにはたくさん迷惑をかけてしまいました」

黒森A「そんな、隊長が謝る必要なんて!」

黒森B「そうですよ、これからいくらでも私たちが盛り返しますから!」

梓  「皆さんのいう通りです!私たちならやれます!」

杏  「おー、やる気満ちてるねー。お手並み拝見」

ねこ 「ものすごく他人ごとな人がおりますですにゃー」

そど子「風紀の改善は乱れてからが勝負!ここから一気に品行方正ムーブよ!」

 

みほの言葉に誰もネガティブな言葉はかけず、むしろどんどんと自ら士気を高めてくれている。

そんな光景を見て、みほはこれまでの自分の考えが間違っていることを痛感した。

 

みほ 「・・・・もう一度、逆転の芽を拾いに行きます。皆さん、力を貸してください」

 

決意を新たにしたみほに対し、メンバー全員が笑顔で返すのだった。

 

エル 「暇だ」

 

町が一望できる高台に位置している三突の上で、エルヴィンが暇そうに伸びをしている。

 

エル 「占領地を守るのも重要だが、このまま待機していて果たしていいものなのか?」

カエ 「まあ待て、先程の戦いでお互いに大きく消耗したそうだ。となれば戦力に余力がある我々が呼ばれるのも時間の問題だろう」

エル 「であればいいのだがな。二人はどう思う?」

 

左衛門左とおりょうに意見を問おうと車内を覗き込む。

 

おりょ「永倉新八!」

左衛門「ち、ち・・・・長宗我部元親!」

おりょ「ぬぬ!か、か、か・・・・勝海舟!」

左衛門「やるな!う・・・・上杉景勝!」

おりょ「くっ、上杉謙信と答えると思ったのに!」

左衛門「はっはっはっ、我を見くびったな!」

カエ 「くつろぎ過ぎだろう」

おりょ「おお、二人も混ざるか?」

エル 「もう少し緊張感をだな・・・・ん?」

 

二人に提言しようとしたエルヴィンがふと陸側を見ると、沿岸沿いを進む戦車隊を見つけた。

早速双眼鏡で覗くと・・・・それはシャーマンの戦車隊だった。

 

カエ 「どうだ?どこの隊だった?」

エル 「シャーマン3、ファイアフライ1。間違いない、サンダースだ」

カエ 「今朝稲村ヶ崎温泉でアヒルとやり合ったらしいな」

エル 「ああ、一対一の決闘でシャーマン一両を失ったと聞いた」

おりょ「中央での戦いには参加していなかったんだな」

左衛門「では今は何をしているんだ?」

 

などと話しながら動向を見守っていると・・・・

 

おりょ「あ、止まった」

 

沿岸沿いを走っていたサンダース隊は、やがて江の島大橋前で停車した。

そして旋回、砲口を江の島に向ける。

 

カエ 「もしや、我らを江の島から出させない作戦か」

エル 「あり得るな。中央隊は戦力の補充、さもあれば全隊の集合を望んでいるだろう。とすれば先手を打たれた形になるぞ」

ナカ 『あーあー、カバさん聞こえるー?』

 

直後、ナカジマから無線が届く。

 

カエ 「ああ、聞こえるぞ。何か進展があったか」

ナカ 『うん、今ちょうど西住大隊長から集合要請が入ったんだ。決戦に向けて戦力を結集させたい、って』

カエ 「なるほど、な」

ナカ 『うん、一手遅かったねー』

おりょ「どうするぜよ。このままでは江の島から出られんぞ」

ナカ 『それはこれから赤星隊長と相談することになるね。とりあえずこの先交戦することになるだろうから、準備済ましておいてってさー』

カエ 「了解した」

 

そう言って無線は終了した。

 

エル 「うむ、やっとだな。昨日から動かなすぎて鈍ってしまう所だった」

 

やっと戦闘に参加できるという期待にエルヴィンの目が輝く。

 

カエ 「よし、とりあえず正面のサンダース隊から目を離さないでおこう。ファイアフライの砲撃ならこちらに届くからな」

左衛門「威嚇射撃でも行くか!」

エル 「やめておけ、残弾は昨日から引き継ぎなんだぞ。考えなしに撃っても補充できず自滅するだけだ」

おりょ「残弾と言えば、野営薬庫とやらはまだ見つかってないんだな。どちらが見つけたという報告も聞かんし」

左衛門「昨日今日で町中を駆け回っていただろうに、未だ発見なしとはどういったことだろうな」

カエ 「そもそも我々がここに来たのもここに薬庫があると踏んだ西住まほ殿の見込みで乗り込んだんだしな」

エル 「しかし思ったのだが」

左衛門「どした?」

 

エルヴィンがおもむろに口を開く。

 

エル 「本当に薬庫は江の島に無かったのか(・・・・・・・・・・・・・・・・)?」

カエ 「・・・・」

左衛門「・・・・」

おりよ「・・・・」

 

エルヴィンの立てた仮説に、三人は異論を挟まず深刻な顔を見せる。

 

カエ 「・・・・実の所、私も気になっていた」

左衛門「というか、未だに無かったということが信じられん」

おりょ「ここ以外に適所が思いつかんものな」

エル 「そういえば、江の島に薬庫が無いと決定付けたのは誰だった?」

左衛門「そりゃ、西住まほ小隊長殿だろう」

カエ 「もし本当に薬庫が江の島にあったとするならば、つまり、まほ隊長は見つけた上で薬庫が無かったと虚偽の報告をしたことになるぞ」

おりょ「そんなことする必要どこにあるんぜよ」

左衛門「いかにも。それではまるでまほ殿がわざと負けようとしている(・・・・・・・・・・・・)ようなものだぞ」

カバ 「・・・・」

 

四人を不安な沈黙が覆う。

 

エル 「・・・・どうする、今のうちに確認に行くか?」

カエ 「いや、やめておこう。それはまほ隊長を疑ってかかる行為だ」

左衛門「そうだな。ここにあるか無いかは重要ではない」

おりょ「我らの役目はここで睨みをきかせること。それ以外にはあらんぜよ」

 

ザザッ

 

小梅 『皆さんに通達します』

エル 「お、赤星小隊長からか」

小梅 『現在サンダース小隊が江の島の出口に陣取り、我々の本隊への合流を阻止しています』

カエ 「うむ、そうだな」

小梅 『このままでは本隊への合流はままならず、しかし膠着させるわけにもいきません』

おりょ「確かに、本隊の戦力不足を考えれば猶予は無いぜよ」

小梅 『ですが島を出たい私たちにはこの状況を打破するには不利と考えます』

左衛門「だろうな。出口は一直線の大橋のみ、強引に押し開くにも無理がある」

カエ 「籠るには便利でも出るには不便な立地だな」

小梅 『なので・・・・少しでもいい結果を掴み取るため、ずるい手段(・・・・・)をとる決意をしました』

 

小梅が無線越しに作戦を説明する。

 

左衛門「なるほど・・・・考えたな、赤星殿も」

エル 「これならサンダースの性質を利用し、被害と時間を抑えられる可能性がある」

小梅 『この作戦にあたり、協力してくれる方を募ります。もし姑息だ、と案に乗れなければ辞退して下さい』

 

しばらくの沈黙の後。

 

カエ 「乗った」

 

カエサルが名乗りを上げた。

 

カエ 「私はこれを姑息とは思わん。事態を打破するために知恵を絞った赤星さんの決意に水を差すつもりもない」

赤星 『カエサルさん・・・・』

エル 「それにここを乗り切らねば我らに先は無い。道を切り開くには奸智も必要なのだ」

おりょ「だが悪いことではない。これも作戦ぜよ」

左衛門「よし、やるぞ!」

 

かくしてカバさんチームが名乗り出たのをきっかけに、小梅の『作戦』が発動される運びとなった。

 

ケイ 「彼女たち、仕掛けてくるかしら」

ナオミ「来るでしょうね。何せ大洗と『みほさんの影響が濃い』あの人で構成されてますから」

 

陸地側で待ち受けるサンダース小隊、ケイはウキウキした顔で今か今かと待ち侘びている。

 

ナオミ「楽しそうですね」

ケイ 「オフコース!このいわば袋のネズミなこの状況、どうひっくり返してくるか楽しみじゃない?」

ナオミ「ひっくり返されたらこちらは一気に劣勢ですけどね」

 

などと話していると、江の島方面から動きが見えた。

江の島から大橋へ、小梅のパンターがゆっくりと姿を現した。

 

ナオミ「あれは・・・・パンターGですね。車長も確認できます、あれは赤星ですね」

ケイ 「ワオ、小隊長自ら先陣きって?何狙いかしら」

ナオミ「あと、後ろから何両か続いてきます」

 

小梅が渡り始めたのを筆頭に、Ⅵ号、Ⅲ号J型と続いて現れ、四両目にはカバさんチームの三突が現れる。

 

ケイ 「随分ゆっくりね・・・・どういうつもりかしら。橋の上をゆっくり進むだなんて、的にしてくれって言ってるようなものよ」

 

小梅の真意を測ろうと眺めていたケイだが、ふと何かに気づく。

 

ケイ 「ナオミ、橋に出てきたのは何両?残りの車両は何してる?」

ナオミ「はい、・・・・橋に出てきたのは四両、残り四両は江の島に待機しています」

 

ナオミが確認した通り、三突を最後にポルシェティーガーなどは橋に近づこうともせず、江の島を離れる四両を見守るようにしている。

さらに残った車両の隊員たちは全員車外に姿を見せ、まるで戦う意思がないようなそぶりさえ感じられる。

 

ケイ 「突撃を敢行するわけでもなく、四両で堂々と、残りの車両は手出ししないという意思表示・・・・。・・・・オーライ」

 

狙いを読み取ったのか、ケイがニヤリと笑みを浮かべる。

 

サッ

 

ケイがハンドサインを送ると、サンダース小隊の四両がバックし橋出口から距離を取る。

そしてゆっくりと、一切の交戦を行わず小梅たちは陸地への到達を果たす。

 

小梅 「こちらの意図を汲んでいただき、感謝します」

 

凛とした表情で小梅が告げる。

 

ケイ 「ノープロブレム。このまま海を挟んでの砲撃合戦は進展がないし、膠着状態に陥るよりはよっぽど建設的な展開よ」

 

お互い言いたいことは十分伝わった、といった表情を見せる。

 

小梅 「では・・・・」

ケイ 「あとは『これ』で語り合いましょ」

 

ぽん、とシャーマンに手を置くケイ。

 

小梅 「・・・・」

ケイ 「・・・・」

 

しばしの沈黙の後。

 

ケイ 「イッツショータイム!」

 

バアン!

ギャリッ!

 

ケイの合図と共に放たれたシャーマンの砲弾。

瞬間、信地旋回により車体を回転させることにより砲塔を掠らせるだけに抑えたパンターGは、そのまま加速して側面に回り込み始める。

だが小回りのきくシャーマンはそれを許さず、バック旋回により射線に立たないよう立ち回った。

その隙にファイアフライは後退し姿を潜め、シャーマン三両で前線を押し固める配置となった。

 

スズキ「おー、始まった始まった」

 

未だ江の島待機を続けているレオポンさんチームの面々は、ポルシェティーガーに乗り上げ双眼鏡で始まった勝負を見守っている。

 

ツチヤ「それにしても、本当に赤星さんの言った通りでしたね」

ホシノ「フェアプレイの精神っていうのも時には大変なんだなぁ」

 

____赤星の立てた打開のための策。

それはいわばケイのフェアプレイ精神につけ込むような内容だった。

ケイは、他の誰よりも『公平な勝負』を好む。

第六十三回大会の時に見せた大洗への配慮がまさにそれだった。

彼女は仕掛けられた際の不利には一切不平は口にしないが、自分たちが有利になる場面に関しては意見する傾向にあった。

今回に例えれば、江の島に続く大橋の存在。

もし小梅たちを本隊に合流させたくないと思っているなら、橋を攻撃して壊せばよかった。

それだけで計八両が事実上無力化し、試合は圧倒的有利に進む。

しかしそれをしなかった、何故か?

それはまさに『フェアじゃないから』である。

戦車同士で決着をつけず、橋を落とすことで相手を負けさせる・・・・言うなれば戦車道の試合で戦車道を行わずして勝つ、ということになるからだ。

だからケイは橋を落とさず、戦車同士での決着を望んでいる、小梅はそう読んだ。

 

ドォン!

バァン!

 

故に小梅はサンダース小隊と同じ四両で橋を渡った。

こちらも数で押そうとはせず、相手と同じ車両数でゆっくりと橋を渡ることにより、小梅たちにも『フェアな決着を望む』姿勢があると示したのだ。

そして望み通り小梅たちは無傷で橋を渡り切り、対等な条件のもと戦車道の戦いを繰り広げるのだった。

 

イカ娘「全然見つからないでゲソ」

 

ケイが小梅らとやり合っている最中、イカ娘たちは市境にある建物を調べ回っていた。

全員で動くのは危険ということで、地理に詳しい清美やイカ娘、同じように薬庫を探していると思われるみほたちと出会した時のためにダージリンやカチューシャ、愛里寿も同行している。

学校、工場、神社、倉庫、市民体育館・・・・。

侵略部の地元の理を生かし次々と上がる候補を速やかに調べていくメンバーたちだったが、未だ発見の報が届かない。

 

栄子 「おっかしいなー、流石にもう見つかってもいいはずなんだが」

清美 「そろそろ私たちがリストアップした建物も調べ尽くしちゃいます」

カチュ「どういうことよ?やっぱり薬庫はどっちかの陣営に寄ってるってこと?」

ノンナ「それは考えにくいかと。そんな片方を贔屓するような采配を協会が認めるとは思えません」

ダー 「では逆に」

イカ娘「逆に?」

ダー 「双方のエリアに一つずつ、『計二つの薬庫』があってもおかしくありませんわね」

 

ビキッ

 

ダージリンの仮説に一同が固まる。

 

栄子 「うわーやめてくれ、これまでの捜索が無駄になるようなこと言うなー!」

ダー 「申し訳ありません、あくまで仮説の一つとして捉えていただければ」

 

口は申し訳なさそうにしていたが、栄子たちの反応を見るダージリンの表情はいたずらっ子のようにも見えた。

 

清美 「もしそうなると、候補は無数に増えてしまいます」

由佳 「それこそ文字通り町中探さなきゃいけなくなっちゃいますもんね」

知美 「倉鎌側だけでもどれだけあるか・・・・」

綾乃 「さすがに全部見る時間はないよ」

 

どうしたものかと考え込む。

 

イカ娘「ひょっとしたら、本当に江の島にあったんじゃなイカ?」

栄子 「そりゃ私もちょっとは考えたけどさ。そしたら向こうの攻撃はもっと激しかったんじゃないか?いくらでも補充できる状態にあるなら、もっと容赦なくバカスカ撃ってくるだろ」

渚  「確かに、さっきの西住さんたちにもそんな様子は見れませんでしたね。無駄撃ちを控え、残弾に気を遣っている印象でした。・・・・まあ、一発ずつを正確に撃とうとする方針だったとしたら断定はできませんが・・・・」

シン 「でも私もそうだと思うわ。もし江の島の補給が成立していたなら、向こうは総火力でこちらを攻撃できたはず。それをしなかったってことは、やっぱり事情はこちらと同じだと思うわ」

ペコ 「もしどちらかだったにせよ、私たちがこのままの状態で勝つのは厳しいですね」

ニーナ『それに、向こうには大洗の人たち全員残っちょるんでしょう?そんだけですでに脅威だけんど』

アリー『あんま前線に出てんかったし、残弾もさぞ余裕があんじゃろなぁ。おっかねぇー!』

 

無線越しにニーナたちが戦々恐々としている。

 

カチュ「望むところよ!たとえ大洗が相手でも、毎度不覚を取るカチューシャじゃないわ!」

ノンナ「その意気です」

愛里寿「とにかく捜索を完了させよう。市境に存在しているか否をハッキリさせる必要がある」

西  「島田殿に同意ですな。では紗倉殿、引き続きお頼みします」

清美 「はい、残りの建物候補はこっちです!」

 

清美たちの案内で残りの建物も捜索し終えた大学れもんチーム。

 

栄子 「無ぇーーーーーーーーっ!」

 

結局、どこの建物も薬庫ではなかった。

 

西  「これで薬庫の発見は絶望的、既存の戦力で戦い抜かねばならなくなりましたな」

 

腕を組み、深刻な面持ちで呟く。

 

栄子 「そろそろ向こうも決着着く頃だよな・・・・。どうするよ、このままじゃ____」

 

ドカアン!

 

直後、江の島方面から特に大きい騒音が鳴り響く。

 

真里 『シャーマン、戦闘不能!』

車長 「うわーん、隊長ごめんなさーい!」

ケイ 「ドンウォリー!!後は任せなさい!」

 

シャーマンチームも撃破されケイの小隊は残り二両、ケイのシャーマンとナオミのファイアフライのみとなった。

それに対し小梅小隊の被害はⅥ号一両と、アドバンテージを得ている。

 

ケイ 「うーん、さすがコウメとヒポポタマズの組み合わせ、一筋縄ではいかないわね。やっぱり真っ向からやりあうのは不利だったかしら」

ナオミ『後悔してますか?』

ケイ 「まさか!判断ミスをしたとしても結果に不満なんてありはしないわ。望んだ展開についてくる結果だもの、受け入れることはあっても後悔なんてそれこそ自分自身を否定することよ」

ナオミ『なら満足行く結果を出しに行くとしましょう』

 

ギャギャギャギャギャ

 

ナオミのファイアフライがバックし身を隠す。

ケイはあえて姿を晒し続け、相手の注意を一手に引き受ける作戦に出ている。

シャーマンチームを撃破後小梅たちも一旦身を潜めており、ケイは周囲の警戒に神経を使う。

 

ケイ (残りはコウメのパンター、ヒポポタマズの三突とⅢ号J。物陰から出てくるなら砲塔が回せるⅢ号Jしかあり得ない。姿を見せた瞬間に仕留めて即離脱、ヒットアンドアウェイで引き込むしかないわね)

 

しばらくの静寂の後、履帯の音とともにⅢ号Jの前身が姿を見せる。

 

ケイ 「今よ、ファ____」

 

好機は逃さずとケイが砲撃指示を出そうとした瞬間、ケイの背筋に冷たいものが走った。

 

ケイ 「ライトターンバック!」

 

ギュオン!

 

ケイの咄嗟の指示に反応したシャーマンが車体を右へ勢いよく旋回すると同時に全速力でバックする。

 

ドゴオン!

バゴオン!

ベギンッ!

 

建物を貫通しながら二つの砲弾がシャーマンに襲い掛かる。

間一髪で直撃を免れたシャーマンの装甲が大きく抉られる。

視界を妨げていた建物を貫通し、パンターGと三突の75mmがケイのシャーマンに撃ち込まれていた。

 

小梅 「外れた!」

左衛門「さすがケイ殿、いい勘をしてる!」

エル 「下がれ!位置を悟られるぞ!」

 

Ⅲ号をデコイにケイの位置を把握した小梅の建物貫通砲撃。

それを外したことにより小梅たちの位置がばれ、慌てて身を隠す。

 

バァン!

シュポッ

 

デコイ役として前に出ていたⅢ号を逃さずケイのシャーマンが仕留め、再びニ対ニのイーブンに持ち込んだ。

が、攻撃はそこまで止まりで小梅への追撃はできなかった。

小梅は再び建物の影に身を潜めてしまい、下手に追えば待ち構えた75mmの直撃を食うことになる。

しかしその場に留まっていても同じように位置を把握されれば建物越しに狙われる。

 

ギャリ・・・・ガコンッ・・・・

 

直撃を免れたとはいえ、シャーマンのダメージは大きく履帯も微妙に噛み合わない音を立てている。

更にカバさんチームの三突は未だ位置を把握できず、ただ動くことさえためらわれる状況となった。

 

ナオミ『隊長、一時こちらへ下がってください。守りを固め身を潜めながら立ち回るべきです』

 

小梅たちから狙われないよう死角に身を潜めながらナオミが後退を促す。

だがケイは動かない。

 

ナオミ『・・・・隊長?』

ケイ 「ナオミ、あなたこの間の動体視力検査、学年トップだったらしいわね?」

ナオミ『え?・・・・ええ、まあ・・・・それが今なんの関係が・・・・』

 

そこまで言ってナオミはケイの狙いに気づき言葉を失う。

ケイは笑顔を浮かべている。

 

ナオミ『隊長、あなたは・・・・』

ケイ 「後は任せるわ、ナオミ。スクイーディの力になってあげて」

 

バァン!

 

ケイのシャーマンが建物に向かって火を吹く。

しかしそれはなんの確証もない一撃で、誰を仕留めることもなく、そして同時に後で自分の位置を相手に教える結果にしかならなかった。

直後。

 

バァン!

シュポッ

 

砲撃を聞きつけ位置がバレたケイのシャーマンが建物越しの一撃により直撃を受け、白旗を上げる。

その瞬間、ナオミのファイアフライは標的を捉えていた。

砲撃音が聞こえた方角、砲撃音が聞こえてからケイのシャーマンが撃破されるまでのタイムラグ、シャーマンに浴びせた砲撃の射角。

それらから位置を割り出したナオミは、見えないはずの建物越しに小梅のパンターGを見つけ出した。

 

ナオミ『・・・・FIRE』

 

バァン!

シュポッ

 

小梅 「きゃあっ!?」

 

研ぎ澄まされたナオミの一撃により、パンターGは撃破された。

 

エル 「赤星小隊長が!」

左衛門「おのれ!」

 

事態を把握した三突が同じようにナオミの位置を推測し砲撃を放つ。

 

ドガァン!

 

____しかし、既にその場所にはファイアフライの姿はなかった。

 

左衛門「外した!」

おりょ「どこに行ったぜよ!?」

カエ 「・・・・いや、もうここにはいないな」

エル 「ああ。戦いは終わった」

 

エルヴィンが江の島に向かって合図をする。

それを見た江の島に残っていた残りの四両が大橋を渡り三突と合流し始める。

 

ナカ 「もういいの?ファイアフライがまだ残ってるんじゃない?」

左衛門『いや、あいつはもう去ったはずだ』

スズキ「そうなの?てっきり最後の一両まで決着つけようとすると思ったけど」

ツチヤ「きっとケイさんが最後まで残ってたらそうしてたでしょうけど、ケイさんはナオミさんに後を託して小梅小隊長との相打ちをとったんです。だからナオミさんはケイさんの意図を汲んで本隊への合流を選んだんでしょうね」

ホシノ「決闘を受けたのは自分だから、最後まで付き合う必要はないということか。彼女らしい」

おりょ『わかっていても自分だけ落ち延びるのは辛いものだろう。客観的な立場から見て、自分を抑えることができるナオミさんだから出来た判断ぜよ』

 

やがて三両が橋を渡りきり、殿のレオポンが渡り切ろうという所で

 

ナカ 『ほいさっと!』

 

ヴィィィィィン!

ガラガラガラガラ

 

ポルシェティーガーが急発進し、以前の大会の時のように橋を崩す。

これによりこの試合中もう誰にも江の島には渡れなくなった。

 

スズキ「さらば江の島」

ツチヤ「また会う日まで〜」

 

かくして四両は江の島から去っていくのだった。

 

キッ

 

撃破されたパンターGのキューポラから、小梅が姿を現す。

そして誰もいなくなった江の島を見て・・・・まるで何かから解放されたような、安堵したような表情を浮かべていた。

 

時同じくして。

 

ヴィイイイイン

ギュイイイイン

 

ニセ娘『急げ急げ!あっちは合流果たしたら仕掛けてくるかもしれないぞ!』

 

クルセイダーが先行し後に続くサハリアノ。

急ぎ進む二両が進んでいる道は、道路ではなかった。

 

ペパ 「こんな抜け道思いつくなんて、流石姐さんっす!」

ニセ娘『コラ、前みろ前!レールを踏み外すと洒落にならないぞ!」

 

クルセイダーとサハリアノが進んでいるのは江ノ島電鉄の線路____レールの上だった。

 

カル 「れもんのお手伝いをしていた時、よく買い出しのために乗ってましたからね。この風景も見慣れたものです」

早苗 「ここを通れば万が一向こうに遭遇することもないしね。このまま進んで最寄りの駅から降りれば安全に合流できるはずだよ」

ローズ「サハの字の皆さま、このまままっすぐでよろしいんですのー?」

 

先を行くローズヒップが訪ねてくる。

 

ニセ娘『ああ、この路線は分岐のない単線だからな。目当ての駅までは迷うこともないぞ』

ローズ「了解しましたわ!では・・・・善は急げですわー!」

 

ヴォォォン!

 

さらにクルセイダーが加速し、サハリアノとの距離が広がる。

 

ニセ娘『あっ、コラ!足並みを崩すな!』

ペパ 「おんのれー、逃がさないっすよ!」

 

ヴィィィィン!

 

クルセイダーのスピードを目の当たりにしたペパロニが張り合って速度を上げる。

 

ギュイイイイン!

 

特に急ぐ理由も競う必要もないのに、互いを焚きつけるように速度を上げていく。

 

カル 「ねえ、速度上げすぎよ?」

ペパ 「なーに言ってる、サハリアノのスピードはまだまだこんなもんじゃないって!」

ニセ娘『何競ってるんだお前らは!』

 

さらにクルセイダーに追い縋るべく加速するサハリアノ。

もはや最高速に近くなってきた。

それに伴い車外に露出しているニセイカ娘の頭部分に猛烈な風が遠慮なく吹き付けてくる。

 

ニセ娘『ちょ、ペパロニ!スピード落とせ!』

ペパ 「何言ってるんすか、そんなことしたら置いてかれちゃいますよ!」

ニセ娘『アホー!これ以上加速したら、頭が、頭がー!』

 

風圧のせいでガタガタ大きく揺れるニセイカ娘の頭。

飛ばされないよう必死に押さえるが、掴みきれない。

すっかりスピードに酔ったペパロニは言うことを聞かず更に加速する。

そのせいでニセ娘の頭に更に風がぶつかり、そしてついに耐えきれず____

 

スポーーーンッ!

 

ニセイカ娘の頭が吹っ飛んだ。

そして。

 

???「のわっ!?」

早苗 「あっ」

カル 「えっ」

ペパ 「おっ?」

 

キューポラの方から聞こえた妙にクリアな、生の声に近いアンチョビの叫びに思わず一同が振り返る。

そして、そこにいた人物を目にし・・・・

 

チョビ「あ」

カル 「・・・・」

ペパ 「・・・・」

早苗 「・・・・」

 

言葉を失った。

吹っ飛んだニセイカ娘の頭部分に、アンチョビの顔があったのだ。

直後。

 

チョビ「しまったあーっ!」

 

叫びながら慌てて車内に引っ込む。

 

カル 「ドゥーチェ!?」

早苗 「えっ、なんで、どうして!?」

 

予想しなかった展開に車内はパニックになった。

そのせいで一瞬片輪が浮き、あわや転倒しかけたがなんとか持ち直した。

 

ペパ 「どどど、どういうことっすか!?ニセイカ娘から姐さんが産まれた!?」

チョビ「アホ!最初から中にいたに決まってるだろうが!」

 

ニセイカ娘の頭部分を無くした格好のアンチョビは、首から下を触手のコスプレでもしているかのように異様な格好をしている。

 

早苗 「最初から・・・・って、ドゥーチェ、学校は!?もう出席日数は限界なんでしょう!?」

チョビ「ああ、だから・・・・」

 

 

〜〜アンツィオ高校学園艦にて〜〜

 

 

教師 「では出席を取る。赤谷」

生徒A「はい」

教師 「有吉」

生徒B「はい!」

教師 「安斎」

生徒C「はーい」

 

教師の点呼に応える生徒。

だが・・・・

 

教師 「・・・・」

 

教師は訝しげに見る。

点呼した人物は・・・・どう見てもアンチョビではない人物だった。

しかし、

 

教師 「お前、本当に安斎か?」

 

一応尋ねてみる。

 

生徒C「えっ、何言ってるんですか先生、本人ですってば」

生徒A「そうそう、ちゃんと見てくださいよ、安斎のここ!」

 

そう言って生徒Cが頭につけているアンチョビの最大の特徴、緑ロールのツインテールをつまみ上げる。

 

生徒A「こんな特徴的な髪してるの安斎以外いないっしょ?」

生徒B「そうそう、どこからどう見てもアンチョビ、安斎千代美」

教師 「・・・・」

 

どう考えても別人がウィッグをつけている風にしか見えない。

だが教師は否定から入らなかった。

 

教師 「なあ、みんなは彼女が安斎に見えるか?」

全員 「はい!」

教師 「後で何か聞かれても安斎は出席してたと言えるか?」

全員 「はい!」

教師 「ならばよし!安斎、出席!」

全員 「エッヴィーヴァー!」

 

強引なノリで替え玉作戦は成功していた。

 

 

〜〜倉鎌へ戻る〜〜

 

 

早苗 「そんなのでいいんだ・・・・」

ペパ 「ウチんとこの先生もノリいいからなー」

カル 「でも先生だってきっと事情を鑑みて合わせてくれているだけ。いつまで経っても戻らなかったり、その場にいなかったことが立証されてしまったら庇ってはもらえないでしょうね」

チョビ「ああ、だから学園艦に乗った直後に裏口から抜け出して、南風のおっさんにこの『なりきりニセイカ娘スーツ』を借りたんだ。姿さえ見せなければごまかしは効くからな」

早苗 「でも・・・・どうしてそんな危険を冒してまで?もしバレたらそれこそ留年は免れないのに・・・・」

チョビ「何言ってるんだ、私はお前たちのドゥーチェだぞ?自分の保身のため自分だけ違う場所から指示を飛ばすなんて、そんなの導く立場のすることじゃない。みんなと同じ場所で同じものを見て一緒に成果を分かち合う、それこそアンツィオの戦車道だ!」

ペパ 「痺れるっす、姐さん!」

カル 「そのお気持ちは嬉しいのですが・・・・どうしましょう」

 

ニセイカ娘の頭が吹っ飛んでしまった以上、顔バレする危険性があるためアンチョビは車外に姿を見せられない。

車長が外を見られないと言うのは想像以上に不利となるのは誰しもが分かっていた。

どうしよう、と悩んでいると____

 

ババババババババ

 

後方から聞き覚えのある駆動音が聞こえてきた。

後ろの覗き窓を覗いてみると、そこには迫り来る般若の面があった。

 

チョビ「怖っ!?」

カル 「あれは・・・・能面ライダーさんたちです!」

 

ババババババババ!

 

後方から猛スピードで追いかけてきたのは、能面ライダー般若とひょっとこが駆るケッテンクラートだった。

 

HT「安斎ーッ!」

 

ひょっとこが声を張り上げて何かを持ち上げる。

それは、さっきすっぽ抜けたニセイカ娘の頭部だった。

 

チョビ「あれは!」

早苗 「ひょっとこさん、拾っててくれたのね!」

 

ぐんぐん近づいてくるケッテンクラート。

 

HN 「じゃあひょっとこちゃん、少しの間お願い」

HT 「はい」

 

般若が操縦から離れ、ひょっとこが受け継ぐ。

そしてケッテンクラートが限界までサハリアノに近づいた瞬間、

 

HN 「とうっ!」

 

ニセイカ娘の頭部を持った般若が高く飛び上がり、真上からサハリアノに急降下する。

 

HN 「アンチョビちゃん、今よ!」

チョビ「!」

 

般若の合図にアンチョビがキューポラから砲塔へ姿を現す。

直後!

 

ガッチョーーン!

 

アンチョビの頭にニセイカ娘の頭が取り付けられ、再びニセイカ娘の全身が出来上がった。

 

早苗 「やった!」

 

ひらり、とバク転しケッテンクラートに舞い戻る般若。

 

チョビ「よし、これでまた外が見れるぞ!」

カル 「般若さん、ありがとうございます!」

ペパ 「よっし、このまま一気に合流するっすよー!」

 

かくして三両は連なり合流ポイントに一番近い駅へと辿り着くのだった。




七月に入りましたが、今だ世間的には梅雨真っただ中ですね。
この多湿な時期が終わってほしいと思う反面、次に待つのはあの激しい夏の日差しあので来てほしくもない我儘な心境です。

例のウィルスに対するワクチンも広がってまいりました。
皆さんもそれらに関する対処をしっかりと把握したうえで、あと少しの波を一緒に乗り越えられたらと思います。

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