侵略!パンツァー娘   作:慶斗

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カエサル→カエ
エルヴィン→エル
左衛門佐→左衛門
おりょう→おりょ

ナカジマ→ナカ

ダージリン→ダー
オレンジペコ→ペコ
アッサム→アッサ

アンチョビ→チョビ
カルパッチョ→カル
ペパロニ→ペパ

カチューシャ→カチュ
クラーラ→クラ
アリーナ→アリー

シンデョー→シン

能面ライダー般若→HN
能面ライダーひょっとこ→HT


Chapter25:あなたの名は、です!

ドオーン!

バーン!

 

町中を激しい砲撃の応酬が響き渡る。

 

ペコ 「これで数えて四回目の交戦です」

 

オレンジペコが冷静に回数を伝える。

 

アッサ「残存勢力が結集したからといって、短時間の間にこれだけ遭遇するペースは不自然ですね」

ダー 「ええ、何らかの意図が絡んでいるのは明白だわ」

 

お返しとばかりにダージリンのチャーチルも撃ち返す。

 

ギャコン!

 

すぐ脇にある道路標識に当たり、相手はまたしても引き返していった。

 

ノンナ「こちらに損害を与えるつもりもなく、また深追いせずすぐに姿を隠す。どういったつもりなのでしょう」

カチュ「まったくちまちまとみみっちい攻撃するわね。やるなら一気に全勢力投下して決戦を仕掛ける気概くらい見せなさいよ」

クラー「その時こそ我々の出番ですね」

チョビ『私たちもいるしな!』

早苗 「私たちはまだ弾数にも余裕があるもんね」

ペパ 「次に襲撃があれば率先して前に出るっす!」

カル 「突出しすぎて孤立しないようにね?」

 

合流を果たしたアンチョビたちも息巻いている。

 

西  「頼もしい限りですな。それにしても・・・・」

 

ちらり、と西が目線を送る。

その先にはケッテンクラートに跨る二人の能面ライダーがそびえていた。

 

愛里寿「誰だか分からないけれど、立ち振る舞いでわかる。・・・・只者じゃない。多分、この場にいる誰よりも強い」

イカ娘「サメですら比にならない威圧感を感じるでゲソ。一体、何者なのでゲソか・・・・」

ナオミ(本気で言ってるんだろうか)

 

戦々恐々としているメンバーを遠目に見るナオミ。

 

ドオン!

 

直後、またしても砲撃音が鳴り響く。

 

カチュ「何よ、またちょっかい入れに来たって訳!?ノンナ!」

ノンナ「お任せを」

 

速やかにノンナが迎撃に向かう。

 

ダー 「これで五回目。そろそろ精査できた頃かしら」

アッサ「はい、こちらを」

 

ダージリンの言葉にアッサムが何かのデータを見せる。

それを受け取り目を通すダージリン。

 

ダー 「報告の限り、ちょっかいを出してくる車両は全て黒森峰戦車・・・・予想通りですわね」

ペコ 「では、やはり」

ダー 「ええ。皆さんに通達を。周囲を警戒いたしましょう」

 

バアン!

ドオン!

 

その間にも交戦が続く。

その様子を小高い丘から見る戦車団がいた。

 

あゆみ「おっ、予想通り食いついてる。グロリアーナとかは周囲を警戒してるよ」

梓  「ここまでは計画通りだね」

あや 「こんだけちょっかい出してたら奇襲が来ると思うよね」

桂利奈「何かこの作戦、前の西住隊長っぽいよね」

紗季 「・・・・(コクコク)」

優季 「私としてはこっちのほうがらしくて好きかな~?」

 

これまでを反省したみほが立て直した作戦。

それは黒森峰戦車で何度も正面から小規模の戦闘を起こし注意を引き、射程の長い大洗戦車で高台から狙撃する作戦だった。

アヒルさんチームによる綿密な偵察によって大学&れもんチームの配置は割れており、奇襲を警戒している大学&れもんチームは狙撃の可能性を想定できていなかった。

 

杏  「いつもの西住ちゃんだったらさ~、これにも可愛い作戦名付けてたろうね~」

ナカ 『あ、それはあるかもですね』

左衛門『啄木鳥戦法!』

スズキ『いや、それは硬すぎるんじゃ』

 

などと緊張感のない会話を交わす。

 

ねこ 『やっと任された一大作戦の要!燃えるシチュエーションだにゃー!』

典子 『こちらアヒル、IS-2およびファイアフライもロックフォーゲルにかかりました!』

 

アヒルさんチームの報告により、注意すべき長射程・高火力の注意が逸れたことを報告する。

それは狙撃の可能性を向こうが想定できていないことの証明でもあり、作戦の成功率が高いことにも繋がる。

 

杏  『よ~し、構えて~』

 

ガコンッ!

 

杏の合図で各所に陣取った三突・ヘッツァー・ポルシェティーガーが狙いをつける。

あとは一斉砲撃の合図を待つばかり。

 

あや 「う~ん」

あゆみ「どしたの?」

あや 「ひっぱり作戦とかどう?」

あゆみ「まだ考えてたの」

 

緊張感のないあやの言葉に呆れる。

 

あや 「う~ん、西住隊長なら・・・・きっと・・・・」

???「『つんつん作戦』とかどうかしら?」

あや 「あっ!それいい!ナイスネーミング!」

 

あやがしっくり来たかのように声のした方を向くと___

 

HN (ヒラヒラ)

 

M3の真後ろに、能面ライダー般若がいた。

あやが存在に気が付くと、手をヒラヒラを振って見せた。

 

あや 「あ」

あゆみ「い」

梓  「う」

優季 「え~?」

桂利奈「お!?」

紗季 「・・・・」

 

固まるウサギさんチーム。

直後、

 

ウサギ「「「「「ギャーーーーッ!」」」」」

 

ギャイイイイイン!

 

耳をつんざく悲鳴を上げたかと思うと、M3は全速力で逃げ出し始めた。

 

おりょ「うおっ!?何ぜよ何ぜよ!?」

カエ 「おい、危ないぞ、ぶつかる!」

 

これまで散々般若に追いかけまわされたトラウマか、M3はデタラメに走り回り狙いをつけていた三突に突っ込んでいく。

 

梓  「ぶつかる!旋回旋回ーっ!」

桂利奈「あいいいー!?」

 

ギャリンッ!

 

三突に気づき慌てて旋回するが、かわし切れず車体が掠める。

 

左衛門「うおあっ!?」

 

バアン!

 

ぶつかった衝撃で思わず引き金を引いてしまい、三突が砲撃を放ってしまう。

しかし狙いがぶれてしまったため、大学&れもんのどの車両にも命中せずあさっての場所に着弾した。

 

イカ娘「何ごとでゲソ!?」

愛里寿「一時の方向!狙われてる!」

 

センチュリオンが五式を庇う形で前に出る。

 

ドカアン!

ボガァン!

 

イカ娘「こ、今度は何ごとでゲソ!?」

 

それと同時に北と南西、二方向から同時に砲撃に襲われる。

妨害に見舞われなかったヘッツァーとポルシェティーガーによる砲撃が五式を狙い次々と飛んでくる。

 

ダー 「三方向からの狙撃。行っているのは大洗の皆様で間違いありませんわ」

ペコ 「ここに来て、ついに皆さんが動き始めたと言うことですね」

 

黒森峰による細かな牽制により固まった部隊への多方向からの遠距離攻撃。

それを任されている大洗勢の運用から見て、彼女らの実力をみほが認めたという推測に繋がる。

 

ノンナ「大洗の皆さんの強さは、もちろんみほさんの指揮によるものも大きいですが、彼女ら個々の練度と挙げられる作戦を違わず遂行できるその腕前によるものが大きいです」

カチュ「そうね、ミホーシャのあんなムチャクチャな作戦をことごとく成功させてきたんだもの、一人一人が弱いわけがないわ」

クラ <そんな彼女らが黒森峰の作戦に従う。どれほどの精度を見せてくるのか予想がつきませんね>

カチュ「日本語で話しなさい!」

 

そうこうしている間にも砲撃は続き、隊が少しずつ分散し始めている。

 

ペパ 「くっそー、自分たちは安全な場所からバカスカ撃ってくるなんてズルいっすよ!」

チョビ『作戦ってのはそういうもんだ!これくらいを否定してたら真っ向からの撃ち合い以外全部ズルい扱いになるぞ!』

早苗 「でもどうしようドゥーチェ、このままじゃ一方的に撃たれ続けてイカちゃんが・・・・」

カル 「となれば狙撃している方たちを止めなければ」

 

カルパッチョの意見に同意したアンチョビが、被っているニセイカ娘の左側頭部に手を当てる。

 

チョビ『クルセイダー!聞こえるか!』

ローズ『あらサハの字の皆さま、聞こえておりますわ!』

チョビ『かくかくしかじか、というわけで私たちで砲撃してきてる奴らを止めるぞ!』

ローズ『ええ~』

チョビ『ええ~ってなんだええ~って!方法考えてられる状況じゃないぞ!』

ローズ『だってダージリンさまや大隊長のご指示じゃないんですもの』

チョビ『へ』

ローズ『隊員が個々で考え勝手に動いては隊が崩壊いたしますわ!きちんと大隊長、それが難しいのであれば小隊長のご指示に従うのが隊員としてのお務めですわ!』

チョビ『』

ペパ 「ありゃー、こりゃ一本取られましたね姐さん」

早苗 「すごい正論なんだけど、すごい違和感」

ダー 『拝聴いたしましたわ』

カル 「あ、ダージリンさん」

イカ娘『私も聞いていたでゲソ!』

 

無線にダージリンとイカ娘が加わって来た。

 

イカ娘『アンチョビの言う通りでゲソ、このままじゃいずれ各個撃破でゲソ、思い切ってあっちに攻め込んでいくべきでゲソ!』

ペパ 「おっ!大隊長の許可もでたっすね!ということは・・・・」

ダー 『ローズヒップ。アンツィオの方々と力を合わせ狙撃隊を殲滅なさい』

ローズ『了解いたしましたわ~!』

 

ヴオオオオオオン!

 

ダージリンの指示が来るや否や全速力で走りだすクルセイダー。

 

ペパ 「あ、待つっすよ!」

チョビ『釈然としない!』

 

慌ててクルセイダーを追いかけながら、狙撃ポイントの一つへ向かうサハリアノだった。

 

ナオミ「聞いたか」

西  「はい、狙撃手撃破の為隊を分ける判断ですな」

 

アンチョビらの無線を聞いていたナオミが西へ話を促す。

 

ナオミ「大隊長、こちらはどうする」

イカ娘『うむ、ナオミたちにも他の狙撃隊を対処してほしいでゲソ』

ナオミ「そうなるだろうな、隊分けはどうする」

ダー 『もう一方へは私たちが向かいます』

西  「ダージリン殿が?」

ダー 『私たちはまだ戦力が残っております。それにこの局面を乗り越えたほうが試合の結果を掴むのは明白。ならば全力で勤めるまでですわ』

ナオミ「なら大隊長の守りはどうする、フラッグ車が丸裸になるぞ」

愛里寿『私が守る』

 

愛里寿が割って入る。

 

愛里寿『例え大洗の全車両が襲い掛かってきても私が守り切って見せる』

ナオミ「それは心強いな」

 

ナオミの言葉には皮肉は無く、心からの信頼を寄せたトーンが含まれている。

 

愛里寿『それに、もう一人狙撃に明るいアドバイザーをつけるから』

ナオミ「ほう。それは誰だ?」

西  「・・・・」

ダー 『・・・・』

愛里寿『・・・・』

イカ娘『・・・・』

ナオミ「ん?」

 

ナオミの問いに全員が何を言っているんだという反応をする。

その沈黙に、すぐナオミが察する。

 

ナオミ「私か」

イカ娘『うむ。ナオミはケイがもっとも信頼している狙撃手でゲソ。ならばナオミが適任でゲソ』

ナオミ「・・・・!」

 

イカ娘からの真っすぐな信頼に少し頬を赤らめるナオミ。

 

ナオミ「わかった、引き受けよう」

愛里寿『良かった』

ダー 『ではすぐにでも動きましょう。西さん、もう一方はお任せいたしますわ』

西  『お任せを!では、また後でお会いいたしましょう!』

 

手はず良くグロリアーナと知波単勢は各自の相手の元へと向かっていく。

その場に残ったのは五式・センチュリオン・ファイアフライ・プラウダの四両・オイだった。

 

ナオミ「一気に本隊が手薄になったな」

愛里寿「それは仕方ない。このまま放っておけば砲撃に晒され続けてもっと危ないことになる」

イカ娘「ナオミ、砲撃が止むまで隠れる場所はなイカ?」

ナオミ「それなら・・・・」

 

周囲を探り、各所から狙われにくい高い建物に囲まれた場所へ隊が身を移す。

 

イカ娘「これなら周囲から狙われにくいでゲソね、さすがナオミでゲソ」

愛里寿「もうしばらくじっとしていればみんなが狙撃部隊と交戦し始める。そうしたら再度移動してもっと安全な場所を探そう」

カチュ「まっかせなさい、このカチューシャ率いるプラウダが護衛に回ってるのよ、例え黒森峰本体がけしかけてきたって追い返してやるわ!」

 

ふふんとのけぞるカチューシャ。

 

清美 「心強いね、イカちゃん!」

イカ娘「うむ、持つべきは大同志でゲソ!」

 

などと和気あいあいとしていると、

 

ナオミ「・・・・」

 

ナオミは安心とは程遠い、何か考え込んだ顔をしている。

 

ノンナ「どうされました、何か思うところが」

ナオミ「ああ、少し」

 

ノンナに尋ねられ、口を開く。

 

ナオミ「通常、狙撃を行う場合は準備がいる」

ノンナ「はい」

ナオミ「狙撃に適した立地に構え、ターゲットとの距離を掴み、周囲に相手がいないことを確認したうえで初めて行われる」

清美 「とても繊細な作業なんですね」

ナオミ「そんな狙撃だが、大前提とされているものがある」

カチュ「それは何よ」

ナオミ「『相手の場所が分かっている』ことだ」

 

ビシッ

 

一同が一瞬にして固まる。

 

イカ娘「・・・・そういえば、どうしてさっき私たちの居場所がわかってたのでゲソ」

愛里寿「三か所に分かれそれぞれがこちら狙ってきたことを考えると、向こう全員に私たちの居場所が筒抜けだったことになる」

ニーナ「そういえば一日目のドーラがやられた時も、場所がばれたせいで狙い撃ちされてたんだべな」

アリー「そん時は・・・・たしかあれだ、場所を教えてたポインターがおったって話で・・・・」

 

ドルルル・・・・

 

静まり返った一同の耳に、少し離れた場所からエンジン音が聞こえてくる。

そちらの方を振り返ると・・・・

 

典子 「あ」

イカ娘「あ」

 

一瞬の間が空き____

 

イカ娘「アヒルさんでゲソーッ!」

 

バアン!

 

典子 「全速後退-ッ!」

 

ギャリイッ!

 

咄嗟に放たれたセンチュリオンの一撃をすんでのところで躱し、八九式はあっという間にいなくなった。

 

栄子 「八九式・・・・!ずっとアヒルさんチームにマークされてたのか!」

シン 「さすがね、今まで気づかなかった」

渚  「それってまずくないですか?直前まで見張られてたってことは・・・・」

 

ギャギャギャギャギャ

 

すぐに聞こえてくるいくつもの履帯の音。

 

ナオミ「まずいな、黒森峰本隊だ。こちらの居場所を突き止めて一気に仕掛けてくるぞ」

由佳 「ヤバいですよ、みんな出払ってるこのタイミングに!」

カチュ「その展開まで織り込み済みって訳ね、いやらしいったらありゃしない!」

 

などと言っている間にも迫りくる黒森峰戦車たち。

 

ノンナ「イカチューシャ、お下がりください。ここは私が」

カチュ「ちょっとノンナ、それカチューシャの台詞よ!」

 

前に出ようとするIS-2の更に前に乗り出すカチューシャのT-34/76。

 

 

イカ娘「カチューシャ?」

カチュ「ここはカチューシャたちに任せて、五式は下がりなさい!」

渚  「そんな!」

ノンナ「残弾が無い貴女がたでは抗戦の術がありません。であれば相手から距離を取る、それが最も適した判断です」

ニーナ「私らはまだ残弾に余裕がありますんで、ここで派手にぶちかましてやったるべよ!」

クラ 「我らプラウダの重戦車隊こそ黒森峰のお相手に相応しい。早く撤退を」

イカ娘「ぬぬぬ・・・・」

 

口惜しそうな顔をするも、それ以外に良策が思いつかないイカ娘。

 

愛里寿「イカ娘、行こう。あの人たちの決意を無駄にしちゃいけない」

カチュ「ふん、やっと物分かりが良くなったわねがきんちょ隊長」

愛里寿「くれぐれもすぐにやられないでね、ちびっ子隊長」

カチュ「誰がちびっ子よ誰が!」 

 

発破をかけようと声をかけるも逆に激昂するカチューシャだった。

その場をプラウダ勢に任せ去ろうとする五式とセンチュリオン。

しかし、一両ついてこないことに気が付き振り返る。

 

イカ娘「清美!何してるでゲソ、早くここから離れるでゲソ!」

 

その場から未だ離れない清美のオイに向かって急かすイカ娘。

その声に振り返る清美の顔には、一種の覚悟のようなものが浮かんでいた。

 

清美 「イカちゃん、ごめんね。私たちはもうついていけない」

イカ娘「清美・・・・!?」

 

清美の急な発言に目を丸くしていたイカ娘だったが、清美の視線の先を見て理解する。

 

ギギ・・・・ガコ・・・・

 

清美のオイの転輪が歪み、動かすたびに不穏な軋み音を立てる。

少しでも負荷をかければ転輪が弾け飛びそうだ。

 

綾乃 「やっぱりマウスの砲撃を受け止めるのは無理があったね」

知美 「でも一発食らってここまで来れたんだから、さすがと言うべきだよ」

由佳 「と言う訳なんですイカ先輩、すいませんがここまでです」

イカ娘「そんな!」

 

突然の清美たちの宣告を受け止め難いイカ娘が涙ぐむ。

そんなイカ娘を見た清美は、笑顔を浮かべる。

 

清美 「心配しないでイカちゃん、私たちはまだ戦える。たとえ動けなくっても、黒森峰の戦車を食い止めてみせるよ」

ノンナ「はい、私たちが共にいますので」

 

ノンナの言葉に強く頷く清美。

 

清美 「愛里寿ちゃん、ここは絶対に防ぐから、イカちゃんをお願い」

愛里寿「・・・・分かった。事が済んだら連絡を入れて」

 

愛里寿の言葉に笑みを返す清美。

ますます迫る黒森峰。

 

ニーナ「き、来まーす!」

カチュ「かかって来なさい!黒森峰キラーの名、今こそ思い知らせてあげるわ!」

清美 「さあ、行ってイカちゃん!」

愛里寿「大隊長!」

イカ娘「・・・・!」

 

後ろ髪を引かれるように反転する五式。

 

イカ娘「みんな・・・・絶対に後で合流するでゲソよ!」

ノンナ「当然です」

クラ <我らには最高の仲間がついておりますので>

 

隠して五式とセンチュリオンはその場から離脱していった。

その後ろ姿を見届けたカチューシャと清美。

 

カチュ「言っておくけど、アンタを頼りにしているワケじゃないわ。これが一番有効だと判断したからよ」

 

ライバル感丸出しで清美に語りかける。

 

清美 「はい、わかっています。みんなイカちゃんのため、ですよね!」

カチュ「うっ」

 

真っ直ぐで遠回しな言葉の効かない清美に後ろめたさを感じたカチューシャ。

気を取り直し黒森峰戦車隊に向き直す。

 

カチュ「さあやるわよキヨーミ!」

清美 「はい!」

 

ドガアン!

バゴオン!

 

かくしてプラウダ+オイと黒森峰戦車隊の戦いの火蓋が切って落とされた。

 

イカ娘「・・・・」

 

急ぎ離脱する中、イカ娘の表情は暗い。

 

愛里寿「イカ娘」

 

愛里寿の声に顔を上げる。

 

愛里寿「気持ちはわかるけど、試合っていうのはこういうもの。それでも結果を受け入れてなお前を向くのが大隊長の役目だよ」

イカ娘「・・・・うむ」

 

愛里寿の言葉に少し気持ちを取り戻す。

 

イカ娘「悪いことばかり考えてもしょうがないでゲソな。これからどうすればいいかを考えるべきでゲソ」

栄子 「そうそう。お前からポジティブ取り除いたらなーんも残らんからな」

 

はっはっは、と和む一同。

 

渚  「ですがどうすればいいんでしょう?未だ砲弾は補充できませんし、このまま逃げ続けて相手が残り十両切って判定勝ち、を狙いますか?」

シン 「それも良いかもだけど、逆に私たちにも言えることよ。勝ちを狙いに行くなら確実さに欠けるわね」

鮎美 「皆さんがやられる、なんて考えたくありませんが・・・・万が一、もありますし・・・・」

愛里寿「それにそんな消極的な案、今のみほさんが考えるとは思えない」

栄子 「そうだな、きっと今も何か仕掛けようとしてるかもしれない。油断は・・・・」

カチュ『もしもし!五式、聞こえる!?』

 

直後、カチューシャから無線が入る。

 

イカ娘「聞こえてるでゲソ!カチューシャ、何かあったでゲソ?」

カチュ『今黒森峰の奴らと交戦してるんだけど・・・・いないのよ!』

鮎美 「いない?どなたがですか?」

カチュ『決まってるでしょ!Ⅳ号とティーガーⅡよ!』

渚  「えっ!?」

 

カチューシャの報告に空気が変わる。

 

カチュ『まさかとは思ってるんだけど・・・・ミホーシャが絡んでくると話が変わってくるわ!』

愛里寿「分かった、最大限に警戒しておく」

 

ドゴオン!

 

無線の向こうから砲撃音が響く。

 

カチュ『それじゃ切るわよ!こらニーナ!そんな前に出たらジャマでしょー!』

ニーナ『す、すんませーん!』

 

カチューシャからの無線が閉じた後、五式、センチュリオン、ファイアフライが周囲を警戒する。

 

愛里寿「黒森峰の残存戦力から考えると、プラウダを引きつけるのは十分に可能だと思う。それにマウスも一両残ってる、決して侮れない」

栄子 「それだけの戦力を投じたのは、やっぱりプラウダの人たちを封じるために?」

ナオミ「間違い無いだろう。現状、我々の中で黒森峰本隊を相手どれるのはプラウダのみだ」

渚  「そして予想通りプラウダの方々が交戦を買って出た。・・・・なら、次の手は?」

ナオミ「ん」

 

と、ナオミが何かに気が付く。

 

イカ娘「ナオミ、どうしたでゲソ?」

ナオミ「栄子、直ちにバック」

栄子 「へっ!?」

 

ギュイン!

 

ナオミの言葉に反射的にバックする栄子。

 

イカ娘「ぐえっ!?」

 

急すぎるバックにキューポラのフチがイカ娘の腹部に当たる。

直後、

 

ドオーン!

 

イカ娘「何ごとでゲソ!?」

 

五式のすぐ近くで爆発が起きた。

愛里寿が勢いよく振り返ると、そこには・・・・

 

華  「ごめんなさい、外れました」

みほ 「ううん、今のは向こうが一瞬早かった」

麻子 「向こうにファイアフライがいるな」

優花里「きっとナオミさんですね。この距離からの砲撃を察知するなんて流石です!」

沙織 「でもこっちの位置もバレちゃったよ、どうしよう?」

エリカ『プランBよ。作戦通りに行きましょう』

 

愛里寿の向いた先にはⅣ号とティーガーⅡの姿があった。

しかし奇襲が外れたのを目視するや否や二手に分かれて姿をくらませた。

 

愛里寿「みほさんたちだ」

渚  「えっ!?」

イカ娘「どっ、どこでゲソ!?」

 

慌てて愛里寿の観ていた方を見るが既に誰もいない。

愛里寿が五式の方に戻ってくる。

 

愛里寿「すぐまた仕掛けてくる。移動した方がいい」

ナオミ「そうするとしよう。大隊長、どこへ向かう」

イカ娘「そ、そうでゲソね・・・・」

 

ナオミに促され慌てて地図を広げる。

 

イカ娘「えっと、あっちはカチューシャが戦闘してて、みほたちはあそこにいたからあっちはダメでゲソね、じゃあこっちはどうでゲソ!?」

 

イカ娘が地図を指で指し示す。

それを見たナオミが首を振る。

 

ナオミ「そっちはグロリアーナが向かった狙撃ポイントだ。向かえば戦闘に巻き込まれるし彼女らの邪魔になる」

イカ娘「こっちは・・・・」

愛里寿「そっちは知波単」

イカ娘「ここは!?」

鮎美 「そこにはアンツィオの方々が・・・・」

イカ娘「ううううう」

 

示す場所がことごとく没をくらい、混乱してきたイカ娘。

しかしそうしているうちにも戦況は進み、Ⅳ号やティーガーⅡが迫ってくる。

 

栄子 「どこ向かうんだ、イカ娘!」

愛里寿「イカ娘!」

ナオミ「大隊長!」

 

さあさあと詰め寄られ、ついにイカ娘は

 

イカ娘「うがーーーっ!」

 

キレた。

 

イカ娘「もう知らないでゲソ!どうとでもなれでゲソーーーーッ!」

 

ビョーーーーーーン!

 

色々なことを放棄したイカ娘は勢いよく触手を伸ばして真上に高く伸びあがった。

 

ドオン!

ドガアン!

 

黒森峰戦車隊を食い止めているカチューシャたち。

 

カチュ「ノンナ、前は固めるからしっかり狙いなさい!ニーナ!キヨーミに射線かぶってるわよ!クラーラ、だから伝達は日本語で、って・・・・」

 

指揮をしているカチューシャがふと上を見上げると、空に伸びるイカ娘と触手が目に入った。

 

カチュ「何してんの、イカチューシャ!?」

 

三突の陣取る丘では。

 

エル 「アレは!?」

 

丘の頂上でグロリアーナ隊を迎え撃っていたカバさんチームも、時同じくして

高く登るイカ娘に気がついた。

 

カエ 「あれは・・・・前に見たぞ、イカ娘が索敵するときに使ってた手だ!」

おりょ「あん時は居場所バレてボコられたんの忘れたのか!?」

左衛門「いや、既に居場所はバレてるから今更だ。つまりアレは・・・・」

 

レオポンさんチームと交戦している知波単隊。

 

福田 「西隊長殿、あれは!?」

西  「あの青い柱は・・・・烏賊娘大隊長のものだ!」

細見 「なんと!?あれでは狙ってくれと言わんばかりでは無いですか?!」

西  「うむ、だが逆もまた然り。攻撃こそ最大の防御なのだ!」

 

ヘッツァー。

 

杏  「ありゃー、思い切ったなぁイカちゃん」

桃  「何を考えてるんだ!あれではすぐに襲われてしまうぞ!」

柚子 「でも利点もあるよ。あの高さにいるイカ娘ちゃんは全てが見える。つまり・・・・」

 

そして上空のイカ娘が一つに焦点を絞る。

 

イカ娘「見つけたでゲソ」

みほ 「・・・・!」

 

イカ娘の眼光の捉えた先、それは住宅地に紛れ背後に回り込もうとしていたⅣ号の姿だった。

みほの計画では、八九式によるポインター狙撃が失敗した場合、更なる攻撃を加える計画にあった。

それはⅣ号とティーガーⅡが分散、各自再び死角からの攻撃を加える作戦だった。

そのために建物の影に隠れ、姿を見せず背後に回り込もうとしていた。

実際地理を熟知したみほにとって、位置がばれている相手に回り込むのは造作もないこと。

ましてや姿を見せずに近づくのも容易なため、一方的な攻撃に繋がるはずだった。

しかし・・・・

 

みほ 「いけない、転身!エリカさんと合流します!」

イカ娘「Ⅳ号は東に逃げたでゲソ!商店街、西口門から入るでゲソ!」

 

上空から居場所を丸裸にされるのはあまりにもまずかった。

姿を隠しながら挟撃するため、このタイミングだけはティーガーⅡとは距離をとっていた。

つまり、今フラッグ車・・・・Ⅳ号は孤立しているのである。

イカ娘によってⅣ号は正確な位置をばらされ、そこへセンチュリオンとファイアフライが急行した。

 

キキキキィ!

ガッシャーン!

 

慌てて逃げに転じ、商店を突き破りながら距離を離そうとするⅣ号。

しかし高く上空にい続けるイカ娘は無線で正確にⅣ号の逃走ルートを伝える。

今だけは位置が丸わかりでピンチなのはⅣ号の方だった。

 

麻子 「勝負を仕掛けに行った瞬間こんなカウンターをくらうとは」

沙織 「あんなのありなの!?てかマネしたくてもできないし!」

華  「戦車道に触手を使ってはならないとはありませんものね」

優花里「まあ、あれも体の一部でありますし・・・・独特ではありますが、特色と言わざるを得ないかと」

 

やがて高く伸び上がったままのイカ娘がⅣ号の方へ動き始める。

 

沙織 「うわっ!追っかけてきた!なんか怖い!」

優花里「あちらはフラッグ車でありますが、それはこちらもでありますし!」

麻子 「近くには必ず仲間がいるはず。センチュリオンとファイアフライもこちらの位置を把握してるはずだ」

華  「こちらも逸見さんと合流しなければ、分が悪いですね」

みほ 「エリカさん・・・・!」

 

逃げに徹することになったⅣ号は、エリカのティーガーⅡの援護に期待を寄せる。

しかし、

 

ドォン!

バガァン!

 

エリカ「くっ!いちいち正確で鬱陶しいわね!」

 

同じくイカ娘に位置が丸わかりになっているティーガーⅡはファイアフライの牽制により思うまま近づくことができない。

むしろ追われるⅣ号と距離が離され始め、Ⅳ号の孤立は拍車かかっている。

 

隊員A「西住隊長がピンチだ!」

隊員B「すぐに救援に行かなければ・・・・、しかし・・・・!」

 

ドォン!

 

立場を離れ増援に行こうとする黒森峰隊にプラウダの砲撃がそれを阻む。

 

カチュ「どこ行こうっていうの?自分たちから突っかかってきたんだから、最後まで相手してもらうわよ!」

 

状況を把握したカチューシャが逃すわけがなく、誰もⅣ号のフォローに向かえない状態だった。

 

バァン!

ガッシャアーン!

 

砲撃により建物を貫き、そこから飛び出してくるⅣ号。

商店街から抜け出したⅣ号は、なおも東に向かって逃走を続ける。

なおも続くイカ娘の高度からの偵察により逃げる姿は丸見えになっていた。

 

イカ娘「Ⅳ号は東に逃げ続けてるでゲソね。他は・・・・」

 

ぐるりと周囲を偵察する。

五式の先を行くセンチュリオン。

後から追いつつ、ティーガーⅡを牽制し続けるファイアフライ。

各所で戦闘を繰り広げる各隊。

それぞれの位置や局面は丸見えになっていた。

・・・・しかし、ふと違和感が生じた。

 

イカ娘「何かおかしいでゲソ」

鮎美 『どうしましたか?』

 

無線で下から鮎美が質問してくる。

 

イカ娘「何か、足りなくなイカ?」

渚  『え?』

 

その間にもⅣ号を追い続けるセンチュリオン。

やがて愛里寿もⅣ号を肉眼で捉え、射程に捉え始める。

愛里寿のサインに呼応し狙いを定める。

あとは愛里寿の合図で砲撃が放たれようとした瞬間。

 

イカ娘「アヒルさんがいないでゲソ!」

 

イカ娘が叫んだその刹那。

 

ドバァーン!

 

センチュリオンが通り過ぎようとした小屋から勢いよく八九式が飛び出してきた。

 

典子 「激烈根性ーッ!」

 

イカ娘による高高度からの偵察により位置が丸裸になり追われる身となっていたⅣ号。

しかしみほは次の手を打っていた。

無線により予定した逃走ルートを伝えられたアヒルさんチームは、イカ娘に悟られないよう建物沿いに先回りし、小屋の中で合図を待ち続けてきた。

そして____

 

典子 「激烈根性ーッ!」

 

小屋の前を通過しようとしたセンチュリオンの真横に八九式は強襲をかけたのだった。

 

バァーン!

 

間髪おかず放たれる八九式の砲弾。

それにも反応した愛里寿が信地旋回でかわそうとする。

が、

 

ドカァン!

 

愛里寿「っ!」

 

それすらも読んでいたⅣ号の砲撃がセンチュリオンに命中する。

 

イカ娘「愛里寿!」

愛里寿「大丈夫、貫通はしていないから!」

 

当たりどころが良かったのか撃破扱いにはならず、愛里寿はⅣ号と八九式を睨みつける。

 

あけび「おしい!当たったのに!」

妙子 「ならもう一本!」

典子 「西住大隊長と呼吸を合わせろ!私たちで隙を引き出すんだ!」

忍  「クイックコンビネーションですね!」

 

建物を盾にしつつセンチュリオンに攻撃を続ける八九式。

それに対応しようと砲口を向ければⅣ号が狙い、Ⅳ号に向き直せば八九式が即座に撃ち込んでくる。

普通なら下がって距離を取ればいいのだが、後ろにはフラッグ車である五式が構えているため下手に下がるわけにもいかない。

ならば増援を、と言いたいところだが・・・・

 

ドォン!

ドガァン!

 

エリカ「ほらどこ行くつもりよ!さっきまで散々張り付いてきたんだから今更離れるとか言わせないわよ!」

ナオミ「ちっ」

 

合流を阻止するために立ちはだかっていたファイアフライは、今や逆に離脱をティーガーⅡに阻まれ、愛里寿のフォローに向かえないでいた。

 

ドォン!

バァン!

 

Ⅳ号と八九式の砲撃が交互に飛び交い、愛里寿に反撃と退却の隙を与えない。

二両相手にも怯まず立ち回る愛里寿だが、背後に五式を庇いながらの立ち回りはやはり動きを制限されてしまう。

 

イカ娘「愛里寿がピンチでゲソ!」

 

未だ触手を伸ばし戦況を見るしかないイカ娘がもどかしそうにする。

 

シン 「いっそのこと最後の一発に勝負仕掛けてみる?あっちもまさかこちらから仕掛けてくるとは思わないでしょ」

渚  「それはリスクが高すぎます。前に出たら集中砲火ですし、外せば即負け。ましてやイチバチで西住さんのⅣ号に当てるって、そんなこと出来るんですか?」

シン 「やってみないとわからないでしょ」

イカ娘「そうでゲソね!」

栄子 「お前が賛同すんな!」

鮎美 「でもどうしましょう、このままじゃ愛里寿さんが・・・・!」

イカ娘「ぐぬぬ・・・・」

 

何か手はないかと上空から周囲を見回す。

と____

 

キラッ

 

少し離れた所で何かが光る。

 

イカ娘「む?」

栄子 「どうした!?」

イカ娘「向こうで何か光ったでゲソ」

栄子 「それがどうした」

イカ娘「気になるでゲソ」

栄子 「んなこと言っとる場合か!」

 

だがイカ娘は気になってしょうがない。

 

チカチカチカッ

 

なおも光は何かの信号を送るかのように点滅し続ける。

 

イカ娘「あの光に呼ばれてる気がするのでゲソ!きっとあそこに行くべきなのでゲソ!」

 

グイグイ

 

サポート用に巻き付けていた触手を操縦桿に回し強引に操縦しようとし始める。

 

栄子 「おいバカやめろ!血迷うな!」

渚  「うわ、ちょっと!車内で暴れないでください!」

 

触手を引きはがそうと抵抗する栄子とコントロールを奪おうとするイカ娘で五式は混乱に陥る。

 

愛里寿「何やってるの、あっち・・・・」

 

激しい攻防を繰り広げながら、何やら騒いでいる五式の方が気になる愛里寿。

やがて、

 

ギュイイイイイイン

 

五式が突如方向転換し、勢いよく走り去っていってしまう。

 

愛里寿「えっ、ちょっと、イカ娘!?」

 

突然の展開に驚きながらも、狙いすました砲撃により一瞬のスキを作り出したセンチュリオンはその場を離脱し五式を追いかけ始めた。

 

沙織 「みぽりん、あれ!」

みほ 「五式とセンチュリオンが・・・・逃げていく?」

華  「急用でもできたのでしょうか」

優花里「いや、さすがにそれは・・・・。ですが、気になりますね」

麻子 「どうする」

みほ 「・・・・追いかけましょう]

麻子 「いいんだな?」

みほ 「あの方角には車両の発見報告はありません。唯一一両だけ未発見の車両がありますので、それの警戒はおこたらないようにしましょう。アヒルさんチーム、先行をお願いします」

典子 「了解!」

 

Ⅳ号と八九式が追い始める中、独断で突っ走っていく五式。

 

栄子 「んで、お前が見た光ってどこだよ」

イカ娘「この辺りだったはずなのでゲソが・・・・」

 

結局操縦桿を触手にもぎ取られた栄子は、運転席で腕組みしながら外を眺める。

 

渚  「イカの人が見たっていう光、何なんでしょうか」

栄子 「さあね。何にしろこんな勝手な行動、みんなが知ったら大目玉だよ」

 

やがて、五式に追いついたセンチュリオンが姿を現した。

 

愛里寿「ちょっと、戦闘中にいきなり離脱するってどういうこと?」

栄子 「ああ悪い愛里寿ちゃん、これこれこうでイカ娘の奴がね」

愛里寿「謎の光?そんなことで戦闘から抜け出すなんて・・・・」

 

愛里寿も非難を口にするが、真剣に周囲を探るイカ娘の顔を見て口を閉じる。

 

渚  「どこまで行くんでしょうか」

 

周囲を警戒しながら呟く渚。

 

栄子 「うーん・・・・」

 

しきりに栄子がキョロキョロし始める。

 

シン 「どうかしたの?」

栄子 「うん、何だかこの辺、見覚えある気がして」

シン 「そうなの?じゃあれもんの近くなのかしら」

栄子 「いや、そういう感じじゃなくて、最近この辺を通ったような気が・・・・」

 

ポロン・・・・

 

鮎美 「あれ?」

 

ふと、何かが聞こえてきた。

 

鮎美 「あの、何か聞こえませんか・・・・?」

栄子 「えっ?」

 

言われて耳を澄ますと_____

 

シン 「本当だわ、聞こえる。これは・・・・楽器の音?」

イカ娘「こっちから聞こえてくるでゲソ」

 

今度は音に誘われるように道を進んでいく。

やがて、見覚えのある屋敷へと一同はたどり着いた。

 

栄子 「ここは、もしかして・・・・」

 

栄子がぽつりと呟くと_____

 

みほ 「!!」

 

屋敷を挟んだ反対側の角からⅣ号が姿を現した。

 

愛里寿「Ⅳ号!?」

 

ギャリッ!

 

みほ 「っ!」

 

ガコンッ!

 

咄嗟に砲口を向けあう二両。

しかしその双方から砲弾が放たれることは無かった。

二両の間に、一人の人物がゆっくりと姿を現したからだ。

突然の人物に全員が固まる。

 

イカ娘「お、お主は・・・・!」

栄子 「そうか、ここって・・・・!」

 

イカ娘と栄子には、その人物に見覚えがあった。

上品な物腰と柔らかい笑顔、そして赤い上品なストールを纏った老婦人。

 

田辺 「またお会いしましたわね」

 

老婦人_____『田辺凛』は、にっこりと笑顔をイカ娘に向けた。

 

 

ビーーーーーーーーーーッ!

 

 

直後、終了を知らすブザーが鳴り響く。

 

 

 

 

二日目、終了。




オリンピックを観ながら、ガルパンの世界にはオリンピックの種目に戦車道はあったりするのかな、と思ったりしていました。
カテゴリーとしては武道っとなっていますし、世界規模に行われているのでもしかしたらあるかも、なんて考えていました。

そして例のアレも未だかつてない規模で猛威を振るっております。
皆様もご自愛なさって、是非乗り越えて最終章4話を観ていただければと思います。
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