カエサル→カエ
エルヴィン→エル
おりょう→おりょ
左衛門左→左衛門
ダージリン→ダー
オレンジペコ→ペコ
アッサム→アッサ
アンチョビ→チョビ
ペパロニ→ペパ
カルパッチョ→カル
アリーナ→アリー
吾郎の母ちゃん→吾郎母
いつもの大洗女子学園にて。
みほ 「腕相撲大会?」
千鶴 『ええ』
みほは千鶴から電話を受けケータイで会話しているみほ。
千鶴 『今度市で女の子限定で腕相撲大会を開くことになって、みほちゃんたちにもぜひ参加してほしいの』
みほ 「お誘いはうれしいんですが、部外者の私たちが参加しても大丈夫なんでしょうか」
千鶴 『ええ、一向にかまわないわ。むしろみほちゃんたちが飛び入りゲストで参加してくれればもっと盛り上がるでしょうから』
みほ 「わかりました。みんなに聞いてみますね」
千鶴 『ええ、よろしくね』
ピッ
沙織 「みぽりーん、千鶴さん何だって?」
みほ 「うん、女の子限定の腕相撲大会があるって」
華 「腕相撲大会、ですか」
麻子 「由比ガ浜ってしょっちゅうイベントやってるな。祭り好きなのか?」
優花里「きっとそうですね。戦車道の試合も多く行われてますし」
華 「面白そうです。私たちも応援しに行きますか?」
みほ 「それがね、是非私たちにも出場してほしいって」
沙織 「えっ」
麻子 「そう来たか」
華 「確かに、みほさんが出場すれば盛り上がること間違いなしですね」
みほ 「ええっ!?は、華さん!私腕相撲なんて全然強くないよ!?」
沙織 「それに、出場してもし勝ったりしたら見てた男の子にドン引きされかねないじゃん!イヤー!」
華 「見てたら、ですよね?」
みほ 「でもどうしよう・・・・。せっかくお誘い受けたのに、出ないわけにも・・・・」
くいくい
と、みほの袖を引っ張る麻子。
麻子 「忘れたのか西住さん。ウチにはその素質がある者に溢れているぞ」
みほ 「え?」
ちら、と目線を送る麻子。
その先には__
優花里「え」
~~大会当日~~
千鶴 「ではこれより由比ガ浜氏主催、女子腕相撲大会を開催します」
かくして千鶴の司会進行により大会が始まった。
由比ガ浜からたくさんの女性が参加しているが、中には見知った顔も多い。
アッサ「・・・・ダージリン。どうして私たちはここにいるのでしょう。由緒あるグロリアーナ生が、力比べに参戦するなど品性を疑われるのでは?」
ダー 「こんな格言を知ってる?前進をしない人は、後退をしている」
ペコ 「ゲーテですね。つまり、何事にも参加しないで否定しているだけでは進歩はない、と?」
ダー 「パルドン♪」
アッサ「それで、なぜ貴女ではなくオレンジペコに参加させているの」
ダー 「適材適所。この大会には私ではなくペコこそが適役なのよ」
ペコ 「まあ、存じてはいましたけれど」
と言って苦笑するペコ。
操縦手「頑張ってね!優勝したらみんなでジャンクパーティーだよ!」
砲手 「友達にも自慢しちゃうからね!」
車長 「気張りすぎないで、リラックスだよリラックス」
通信手「雄姿はちゃんと撮ってるからねー。あとで隊長にも見てもらおう」
装填手「うん、それなりにがんばるよ~」
盛り上がっているシャーマンチーム。
ミカ 「期待しているよアキ。私たちの将来はこの大会にかかっている」
アキ 「将来って、優勝賞品はお米10キロだよ?」
ミッコ「米は命の源なんだよ」
アキ 「いや、大げさだし」
ポロン♪
アリー「気張んべ!こん中で一番重いもん担いどるニーナならやれっしゃ!」
ニーナ「んだ!錦飾ってカチューシャ隊長に喜んでもらうべ!」
気合十分なニーナ達。
ペパ 「任せたぞカルパッチョ!新開発のリゾットにはあの景品の米が一番合うんだ!」
チョビ「ペパロニはああ言ってるが気負うんじゃないぞ?無理をして体を痛めることだけはないようにな」
カル 「はい、精いっぱい頑張ります!」
笑顔で答えるカルパッチョ。
みほ 「・・・・」
ぽかーんとしているみほ。
優花里「見事にみんな装填手ばかりですね」
カエ 「艦上げることは皆同じということか」
腕相撲大会に出場している大半が見知った顔の『装填手』だった。
千鶴 「それでは一回戦一試合目、選手は位置へお願いします!」
【第一回戦第一試合対戦カード:優花里vsイカ娘】
優花里「ええっ、いきなりイカ娘殿が相手でありますか!?」
イカ娘「ふっふっふ、『手』の力を競う大会で私に勝とうなど、人間どもはおこがましいでゲソね」
余裕の笑みで触手をワキワキする。
イカ娘「安心するでゲソ。ルール通り触手は一本で相手してやるでゲソ」
優花里「うええ、それでも勝てる気がありませんー!」
かくして組み合う二人。
千鶴 「それでは、レディー・・・・ゴー!」
イカ娘「先手必勝でゲソ!」
火ぶたが降りると同時に触手フルパワーで仕掛けるイカ娘。
しかし__
イカ娘「ふぬぬぬぬぬ・・・・!」
顔を真っ赤にして力をこめるイカ娘だが、優花里の腕はピクリとも動かない。
優花里自身もきょとんとしている。
優花里「あの・・・・イカ娘殿?」
イカ娘「!・・・・おのれ、余裕でいられるのも今のうちでゲソ!ふぬぬぬぬぬぬ!」
さらに力を込めているようだがそれでも優花里の腕は傾かない。
優花里「・・・・」
優花里は力を込めて腕を傾け始める。
途端にイカ娘が不利になっていく。
イカ娘「うわ、うわ、うわわっ・・・・!」
必死になるものの結局盛り返すことはできず・・・・
千鶴 「そこまで!一回戦は秋山優花里選手の勝利!」
あっけなく勝負はついた。
優花里「やったー!やりました西住殿ー!」
みほ 「うん、おめでとう優花里さん!」
喜び飛び跳ねる優花里と対照的に落ち込むイカ娘。
イカ娘「な、なぜでゲソ・・・・!最近はきちんと鍛えてたし、衰えなんてなかったはずなのに・・・・!」
栄子 「装填手の実力を侮りすぎだ、お前」
かくして思わぬ番狂わせから始まった腕相撲大会は__
カエ 「ふんっ!」
アキ 「わあっ!?勝負にもならなかったー!?」
ニーナ「ていっ!」
女性 「きゃあ!?」
戦車女子たちの参入により__
装填手「ひゃあ~っ」
通信手「わあー、腕相撲で人が飛んだの初めて見た」
吾郎母「あららごめんなさいね、ちょっと力入れすぎちゃったわ」
ペコ 「流石です。見事なまでの装填手としての研鑽の差を拝見いたしました」
カル 「ううん、あなたもすごく強かったよ」
激戦を極めていった。
そして__準決勝第二回戦。
カル 「やあっ!」
吾郎母「あーらら、負けちゃったわ」
栄子 「マジか!」
カルパッチョは優勝候補とまで言われていた吾郎の母ちゃんを下し、決勝までコマを進めた。
カル 「いい試合をありがとうございました」
吾郎母「こちらこそよ。これほどまでにセンスのある子たちがいるだなんて、私も鼻が高いわあ」
チョビ「よくやったカルパッチョ!ついに決勝だー!」
ペパ 「優勝したられもんでリゾットパーティーっすよ!」
栄子 「凄いな、勝ったのはカルパッチョか。てことは決勝の組み合わせは__」
カル 「・・・・!」
カエ 「ひなちゃん・・・・」
決勝の相手__すでに勝ち進んでいたカエサルはまっすぐカルパッチョを見据えていた。
千鶴 「それではこれより決勝を行います!」
決勝の舞台に立った二人はお互いを見やる。
カエ 「流石ひなちゃんだよ。きっと決勝まで残るって思ってた」
カル 「私もよたかちゃん。あの大会の時に着けられなかった決着、今着けましょう」
カエ 「望むところだ!」
強いまなざしで位置につく二人。
千鶴 「レディー・・・・ゴー!」
かくして決勝戦が始まった。
カル 「っ・・・・!」
カエ 「くっ・・・・!」
お互い必死に力を込めているが、実力は拮抗しているのかお互い動かない。
これまで試合のたびに大盛り上がりだったギャラリーも、二人の真剣勝負に固唾をのんで見守っている。
優花里「手に汗握る戦いであります・・・・!」
みほ 「うん、思わず見入っちゃう・・・・!」
アッサ「気迫が違いますね」
ダー 「一挙一動に込めるあの真摯な姿勢・・・・。あれこそ、装填手のあるべき理想の一つよ」
ペコ 「勉強になります・・・・!」
ニーナ「な、なんだべ、あの溢れ出る気迫!?」
アリー「ひゃー、たんげえなあ~」
栄子 「すげえ・・・・まさに装填手としてのプライドをかけた勝負ってやつか」
吾郎母「いやあ、ほんとすごいわねあの子たち」
栄子 「あ、おばさん」
吾郎母「私としてはカルパッチョちゃんに頑張ってほしいわねえ。えこひいきじゃないけど、私にも勝ったんだからせっかくなら優勝してもらいたいわあ」
栄子 「そうですね。まさかカルパッチョがおばさんを負かすとは思ってなかったですよ」
イカ娘「ふむ、吾郎の母ちゃんを負かすほどということは・・・・」
ぽつりとイカ娘が言う。
イカ娘「この大会で優勝した者は誰よりもムッキムキだということでゲソね」
この一言で会場が凍り付く。
カル 「・・・・!」
カルパッチョに明らかな動揺が見て取れる。
栄子 「おいイカ娘、何言い出してんだ!」
イカ娘「だってそうじゃなイカ。あの吾郎の母ちゃんに勝てるくらいなんだから、そんなのはムッキムキな奴しかいないでゲソ。そんな中で優勝したなら、そ奴は間違いなく一番のムッキムキだということでゲソ」
カル (優勝したら・・・・誰よりも・・・・ムッキムキ・・・・!?)
激しく動揺するカルパッチョ。
そしてそのスキを見逃すカエサルではなかった。
カエ 「今だっ!」
カル 「あっ!?」
一瞬のスキをつき、カエサルはカルパッチョの腕を完全に制したのであった。
千鶴 「そこまで!優勝は__大洗学園、カエサル選手です!」
かくして大会は大盛り上がりで幕を閉じるのだった。
後日、海の家れもんにて。
栄子 「優勝おめでとう!」
カエ 「ああ、ありがとう」
れもんではあんこうチームやカバさんチームの面々を読んで祝賀会を開いていた。
カル 「優勝おめでとう、たかちゃん」
カエ 「うん、ありがとう。・・・・ねえ、ひなちゃん」
カル 「うん?」
カエ 「最後のあの時、ひなちゃん別のこと考えてなかった?」
カル 「えっ!?」
うろたえるカルパッチョ。
しばしの沈黙。
カル 「・・・・あの時、イカ娘ちゃんの言葉が聞こえたの。もしこの大会で優勝したら、その__みんなにムッキムキ、って認知されちゃう、って」
顔を赤くして答える。
カル 「そうしたら私、たかちゃんにもムッキムキな女の子だと思われちゃう、って・・・・。どうしようって思ったら、一瞬頭が真っ白になっちゃって__」
カエ 「・・・・バカだなあ、ひなちゃん」
そっとカルパッチョの頭に手を添えるカエサル。
カエ 「例え負けても、私はひなちゃんのことそんな風に思わない。それとも、ひなちゃんは優勝した私のこと筋肉まみれのムッキムキな奴だと思ってる?」
ハッとした表情のカルパッチョ。
カル 「そんな訳ない!私にとって、たかちゃんはこれまでと変わらないし可愛くて、大好きな友達だよ!」
その言葉にニカッと笑うカエサル。
カエ 「だろ?」
カル 「たかちゃん・・・・」
すっと右手を差し出すカエサル。
カエ 「またやろう!次こそ迷いなく、全力で!」
カル 「・・・・、うん!」
その手を握り返し、ぎゅっと握手するカルパッチョ。
左衛門「ひゅーひゅー!お二人ともアツいねえー!」
おりょ「見てるだけで火傷するぜよ」
エル 「おや、サハラ熱がこちらにも?」
カエ 「お、おまえらー!」
カバさんチームの面々に冷やかされ真っ赤になって追い回すカエサル。
そんなカエサルを見て、握手した右手をそっと見て笑顔を浮かべるカルパッチョ。
カル 「ふふっ。次の大会、いつ開くかな~♪」
装填手に必要なのはただ腕力だけではなく、装填するための姿勢や持ち上げる際に制御するための要領、そして幾度も装填するための持久力も必要だと思います。
作中では対戦相手であり、同じ装填手同士であり、お互いを思い合い良き友人であり続けるカエサルとカルパッチョ。
この二人の組み合わせも大好きだったりします。
今回も同じように間が開いてしまいましたが・・・・
そろそろ休止してしまってから一年。
再開すべき節目であると思っています。