~ 親愛なるソロモンへ ~
ソロモン。
改めてこうやって書こうとすると、本当に何だか照れくさいね。でも 面向かって君に言う事の方がもっともっと難しいから、こうやって書き記す事にしたんだ。
君と出会って……いったいどれくらい経ったのかな。
苦しい事や悲しい事、沢山あったけれど 楽しい事や嬉しい事も沢山あったよね。その思い出を全て書き記すとなると、幾ら時間があっても、幾ら書物があってもまるで足りないよ。
ソロモン。君はきっと薄々感じていたと思うんだ。
僕は―――。
この世界の名は
理想郷の名を持つ世界。
そして無数の世界がこの世には 存在していた。その世界の数だけ、その世界の頂点が 世界を創り上げた創造主 《神》 と言うものが存在していた。
その神がこの世界、アルマトラン作りあげ、そして 生きとし生けるもの達への《運命》を作り上げた。
だが、その世界の初めはその名の通りとはいかない。……
この世界は 万を超える種族たちが暮らしている世界。
その無数にいる種族たちが、其々繁栄をしていく為には、自分達の世界を広げていくしかない。……そして軈て別の種族が出会い、種の繁栄を廻り争い……、強い者だけが生き残る世界へと変貌してしまった。強者が弱者を食らいつくしていく。それは食物連鎖ではない。それは、世界を循環させる仕組みではなかった。強者が弱者を食らい続けば、軈て弱者、即ち《餌》も無くなっていく。最後に見えるのは共食いと言う道のみ。
徐々に、世界は蝕まれていったのだ。
そんな弱肉強食の世界で、最弱の種族がいた。
脆い体に爪も牙も無く、毎日必死にただ 生き延びているアルマトラン最弱の知的生命体……それが人間だった。
他の種族にしてみれば、人間はただの餌に過ぎなかった。日に日に喰われ続けていた。そして軈て、人間の数は500に満たない数へと減少をしてしまった。
日に日に他種族に怯え、捕食され続ける。最早滅びるのを待つしかない……、それが運命だと強大な種族を前に諦めかけたその時だった。
天より降り注ぐ白い光の塊が、人間を蝕み、駆逐していく種族たちを一瞬で消し去った。
突然の出来事に、全く反応する事が出来ない人間たちを、その光の御手はそっと撫でた。それだけで十分だった。人間たちには、全て理解する事が出来た。
白い光の正体は――この世界の創造主、つまり神であるという事。神が直々にこの世界に降り立ったのには訳があるという事。
そして、その訳とは――この世界が数多の種族が争いあい、滅びの危機に瀕している為だった。
神は、その危機を救う為に行動を起こした。
『唯一の種族が圧倒的な力を持ち、そのほかの種族を納め、世界を1つにせねばならない』
そう人間たちに伝えたのだ。
その圧倒的な力、奇跡の力が後々に《魔法》と呼ばれるものである。
そして、その力を使役するのに選ばれたのが 最弱の種族と言われた人間だった。
人間たちは、光をその腕に抱いて、立ち上がった。
『与えられた使命を果たそう。……魔法の力で、『
神より授かった力を手に、崇高な志を胸に、滅びる寸前だったたった500人の人間たち全員が魔法を操る者《魔法使い》になり、広い世界へと飛び出していった。
これは 理想郷と言う名の 滅びる