この素晴らしいスターオンライン2! 作:カザミノコフ
「――よ、読めない……」
出来上がった冒険者カードを見て受付嬢が困惑している、読めないとは一体どういうことだろうか……?
「……ステータスの部分等が見たことも無い文字になってしまっていて読む事が出来ないんです……あ、討伐したモンスターの項目はちゃんと確認出来ました、只今そちらの報酬の方は準備させて頂いております」
それは良かった、しかし見たことも無い文字か……念の為自分にも見せてもらっても良いだろうか? 何となくだが嫌な予感がする。
「あ、はい、どうぞご覧下さい」
手渡された真新しいカードを見て、思わず固まってしまった。これは……自分の予感が当たってしまった事に思わず眩暈を覚えた。
「恐らく読む事は出来ないと思いますが……」
……なるほど、どうやらここは目に見えない物を数値化する技術に関してはオラクルにも匹敵するらしい……
「やはり読む事は出来ませんよね……?」
……読める、自分にはこれが読める、何故ならこれは我々の言語……
オラクル文字で表示されているのだから――
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
「――それではこちらがモンスター討伐の報酬になります、お受け取り下さい。あ、登録手数料は既にそこから引いてありますのでご安心下さい」
受付嬢からこの世界の通貨、エリスと呼ばれる物が入った袋をを受け取る、金額を聞くに結構な額の報酬のようだ、後ろに並ぶ冒険者もザワついている。あのエネミーはここではそれなりに厄介な相手だったらしい。
「にしても困りましたね、これでは職業の選択が出来ません。こんな事は今まで一度も無かったので……試しにもう一度登録しなおしてみますか?」
恐らくもう一度やっても結果は変わらないだろう。何せ冒険者カードに表示されていた内容、元の項目を塗りつぶすように表示されていたのはよりにもよって自分のアークスとしてのステータスなのだから。
そう、カードの職業の部分は2分割されてメインクラスとサブクラスが表示され、スキルの部分にはクラススキルのツリーが表示されていたのだ。どうやら自分はこの惑星の職業になることは不可能らしい。
まぁ、今の自分でも余裕で戦えるので特に問題は無いだろう、ダークファルス級のエネミーでも出現したなら話は別……いやむしろその場合はこの惑星の人々の方こそ専門外か。
それにしても、この惑星で普及している魔法等に触れる機会が恐らく失われてしまった所が残念だが、まぁ無理な物は仕方が無い。その辺りの解析は情報部に丸投げしよう。
そこまで考えて、やり直しを提案する受付嬢に「それには及ばない、自分はこれで大丈夫だ」と断っておいた。
「そうですか……いえ、そうですね、初心者殺しを相手に無傷で討伐が出来るほどお強いのですから!」
前向きなのは良い事だ。というか、受付という仕事上、注意喚起や忠告はしても後ろ向きな意見を客に述べて不安を煽るのはご法度だろうから当然か。
「改めまして、冒険者ギルドへようこそ! スタッフ一同、今後の活躍を期待しています!」
笑顔でそう言う受付嬢に「ありがとう」と礼を述べてその場を後にする。さぁ、早速仕事を始めようか――
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
第0章 この素晴らしい世界に安藤を!
ACT1 THIS WONDERFUL WORLD AND YOU
END
《ラッピーでもわかる!PSO2を知らない人の為のトピックス》
オラクル文字……その名の通りオラクルで使われている文字、PSO2のゲーム中のいたる所で見かける。因みに文字はアルファベットに置き換えれば英語として読む事が可能。
クラス……アークスの戦闘用クラスはハンター、レンジャー、フォース、ファイター、ガンナー、テクター、ブレイバー、バウンサー、サモナー、がある。クラスによって使える武器に制限があるが、武器そのものにクラス制限の無い物も存在する。
ダークファルス……通称DF、EP4現在確認されている物は【巨躯】【敗者】【若人】【双子】【仮面】エスカファルス・マザー(【仮面】とマザーは厳密にはDFの亜種)。ダーカー達の親玉。けど実は中間管理職ポジション、昨今のRPG言う所の魔王。