この素晴らしいスターオンライン2!   作:カザミノコフ

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第1章 世界はあなたを待っていた?
ACT1 RUSH AND DASH!  #1


 この惑星に来てから一週間が経過した。今なおアークス本隊とは連絡が取れていない。今頃自分を捜索しているであろう仲間達の顔が目に浮かんで申し訳ない気持ちになるが……こちらからは連絡の取りようが無いのだ、こればかりはどうしようもない。

 

 ……だが、マトイ達には再会した時にはちゃんと謝っておこう。コールドスリープで会えないだとかならまだしも今回は完全な行方不明だ、自分が逆の立場だったらと思うと……当然謝ってほしいなどとは思わないが……うん。

 

 あとは……【深遠なる闇】の方も大丈夫だろうか? 大層な肩書きなんかを持った今でも自分は一介のアークスのつもりだが、事実上の主戦力扱いだし……まあ、六芒にマトイ、後は黙っていても首を突っ込みそうなヒツギ達も居る事だし、戦力的には何とかなるか?

 

 ……いや、これ以上向こうの事を考えても仕方が無い、今日も今日とて惑星調査を兼ねた冒険者の仕事に勤しもう。現実逃避という訳ではないのだが、身体を動かしていた方が落ち着くのだ、職業病……いや、これも気にしても仕方が無い事か。さぁ、今日はどんなクエストがあるのだろうか――

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

「――本当にそのクエストを受けるのですか……? あぁいえ、あなたの実力を疑っている訳ではないのですが……」

 

 ギルドの掲示板に唯一残っていた討伐系クエストの依頼、それを懇意にしている受付嬢に見せに行ったのだが、何やら渋い顔をされてしまった。因みにその内容だが、雪精というエネミーの討伐らしいのだが……

 

「雪精討伐、この雪精は1匹倒す毎に春が半日早く来ると言われるモンスターですがさして害はありません、剣で斬るなりすれば簡単に霧散してしまいます。ですが、このモンスターを狩り続けると、ある強力なモンスターが出現するのです」

 

 強力なエネミー……これは何としても確認する必要が出てきた。冬篭りの為の食料集めに失敗して凶暴化した一撃熊の討伐を請け負った際も似たようなリアクションをされたが、アレは手こずりはしなかったが少しは手応えがあった。

 ただ、それを無傷かつ短時間で討伐してきた結果人間かどうか軽く疑われてしまった訳だが、すまない、自分はこの惑星の人間ではないのだ……それはさておき、その自分が多少なりとも心配されているのだ、かの一撃熊の固体レベルが難易度ベリーハード級だとするならば、今度のエネミーはもしかするとスーパーハード級かもしれない。

 

「何を考えているのか判りませんが、くれぐれも無理はしないで下さいね? 本来であればこの時期のアクセルの冒険者は誰もクエストに出たがらないので、あなたのような人はギルドとしましても貴重な人材なのですから」

 

 貴重な人材か……いや、実際そうなのだろう。地球同様に四季のあるこの惑星の冬場は弱いエネミーは軒並み冬篭りに入ってしまう為、強力なエネミーしか活動していないのだそうだ。アクセルは駆け出し冒険者の街、当然そんな彼らでは歯が立たない。

 それ故に暖かい内にお金を溜め込み、お安い宿屋でエネミー同様冬篭りに入ってしまうのだとか……たまたますれ違った冒険者にクエストを受けようとした際変な顔をされた件を受付嬢に聞いた時に得た情報だから間違いない。

 

 自分の使っている安宿も他の冒険者で全ての部屋が埋まっていた理由が同時に理解出来た瞬間でもあったが、なんというか……自分からすれば何とも理解に苦しむ。決して短くない冬の間中引きこもってしまっていては体が鈍ってしまうのではないだろうか?

 

「……あなたの感覚を他の冒険者に当てはめないで下さい。いえ、言いたい事は判りますが、あなたほど強い人というのはそうそう居ないのですよ?」

 

 であれば酒場等でグダグダとしていないで訓練なり鍛錬なりすれば良いと思うのだが……自分が間違っているのだろうか……? と思わず首を傾げると、受付嬢が途端に言葉を詰まらせた。

 

「……まさかここでぐうの音も出ない正論が……いえ、確かにあなたが正しいです……」

 

 だろう? 駆け出しという肩書きに甘えてはいけない、かくいう自分も初陣では本当に酷い目にあったものだ。救援に来た先輩が救援の救援を呼ぶとか言うミイラ取りがミイラになりかける状況……いや懐かしいな、自分も随分遠くへ来たものだ。

 

「何だか遠い目をされてますが……いえ、何でもありません。あ、件の強力なエネミーですが」

 

 そうだった、肝心のエネミーの情報を聞きそびれるところだった。エネミー討伐ではこういった情報が命綱になるのだ、そうやって何だかあぶなっかしい男も危険区域の先遣隊に選ばれる程に成長した位だ。自分は情報無しで突っ込む時も割と多かったが。

 

「続けますね? その強力なエネミーですが、名前を冬将軍と言います」

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

⇒α.……冬将軍? はて、どこかで聞いた記憶が……

 

⇒β.……それは気象現象を擬人化した物ではないのか?




《ラッピーでも判る!PSO2を知らない人の為のトピックス》

マトイ……ヒロインその1。2016年のキャラクター総選挙女性部門第1位。外野の趣味でストーリーが進むごとに衣装が変更され、その度露出度がどんどん増えていくのを少々気にしている模様。

【深遠なる闇】……ダークファルス達の親玉。昨今のRPGで言う所の大魔王。寄り代の【仮面】が頑張って抑えてはいるが、いつまで保つかは誰にもわからない。

六芒……六芒均衡、ちょうつよいアークス。零が居るため六芒なのに七人居る。アークスが新体制に移行した際、全員が上の方の役職に就いている。どう見ても身内人事です。本当にありがとうございました。

難易度……ノーマル(N)、ハード(H)、ベリーハード(VH)、スーパーハード(SH)、エクストラハード(XH)の5つ。クエストによってはSHまでしかない。難易度が上がればドロップするレアリティも上がる。当然最高レアが落ちるのはXH。レア14? あれは未実装だから。

安藤の初陣……PSO2本編EP1第0章の出来事。アークス研修生として臨んだ修了研修で、一緒に居たもう一人の研修生と共に多数のダーカーに囲まれた。

あぶなっかしい男……名をハンスと言う。このすばのハンスとは当然別人だが、特徴を挙げると黒い肌に茶色の短髪と字面で見事に被りまくり。討伐系オーダーで経験値やアイテムをいっぱいくれる人。安藤の弟子。
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