聖杯戦争 偽典の外典   作:朱い月

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最強クラスだと私が思うサーヴァントによる聖杯戦争になっております。




fake Apocrypha◆偽り

アメリカ合衆国 西部。

 

ラスベガスの北に位置する奇妙で曖昧な都市スノーフィールド。

 

グランドキャニオンのような渓谷、先が見通せないほど深い森、湖沼地帯、砂漠地帯。

 

そのような場所の中心に座すのが人口八十万をこえる都市スノーフィールドだ。

 

そのスノーフィールドを見渡せるような丘の上に二人の男が居た。

 

青黒いローブを纏う老齢の男性と若い青年だ。

 

「ファルデウス。この街、どう思うかね?」

 

老齢の男性が青年──ファルデウスと呼ばれた──に問う。

 

「はあ…どうと言われましても…このような奇妙な場所にあって良く発展している都市だな、と言う感想しか出て来ませんが…?」

 

ファルデウスの返答に老齢の男性は呆れたような視線を向ける。

 

「ファルデウス、君は本気でそんなことを言っているのか?この都市の歴史は教えたはずだが」

 

「はあ、まあ…」

 

老齢の男性は溜息を吐いて物分かりの悪い弟子に教える教師のように──実際、師弟関係なのだが──説明を始めた。

 

「この都市、スノーフィールドは二十世紀初頭頃までは先住民族、例えばアパッチ族の様なもの達が疎らに住んで居ただけの何も無い広大な土地だった。その土地が六十年程前に突然に急激な発展を始めたのだよ。まあ、急激な発展というものはどこの土地にもあるものだ。だが、この土地の場合、何も前兆がなかった。一切だ。経済学者達すらわからない程にな。その様な土地で聖杯戦争が起こる。疑念しか感じないだろう?」

 

「確かに…言われてみればそうですね…気づきませんでした。しかし、聖杯戦争…そのような物が本当にここで開催されるのですか?」

 

聖杯戦争。

 

それはあらゆる願いが叶う万能の願望機を求める戦争。

 

聖女の復活。

 

神性の奪還。

 

全人類の不老不死化。

 

全人類の救済。

 

この世の全ての悪の根絶。

 

生き長らえる。

 

根源へと至る。

 

誰かを救う。

 

宿敵を殺す。

 

一族を繁栄させる。

 

世界を滅ぼす。

 

箔をつける。

 

誰かを見返す。

 

第三魔法を魔術に貶める。

 

快楽を求める。

 

人類の停滞を止める。

 

 

かつて、そして未来で様々な世界でこの様な多様な願いを叶える為に魔術師、傭兵、殺人鬼、僧侶、神父、ウィザード、死徒達や数多の人類史に名を轟かせる英雄達が参加し、散って行った闘争。

 

それが聖杯戦争である。

 

冬木市。

 

新宿。

 

ルーマニア。

 

とある大魔術師の迷宮。

 

月。

 

あるいは、海の底で。

 

様々な世界の至る所で行われた聖杯戦争。

 

かの闘争にて現れたといわれる兆候に似通った兆候がアメリカ合衆国西部の地方都市、スノーフィールドにて湧き上がっている。

 

その様な話がここ数ヶ月、魔術師達の間で持ち上がったのだ。

 

結果として彼ら魔術師を統括する時計塔、アトラス院、彷徨海の三大部門からなる魔術協会は秘密裏に調査を行うことにした。

 

その為に一人の老齢の魔術師とその弟子がスノーフィールドに派遣されることになったのである。

 

 

「この噂が真実だと言うならば、な」

 

「まさか!聖杯戦争のシステムはアインツベルン、マキリ、トオサカの俗に言う御三家によって敷かれたものですよ!ここ、アメリカで本当に行われるのだとしたら、そのシステムを掠め取ったということですよね?誰かが。第三次聖杯戦争の時に。その様なこと、彼ら御三家が許すはずがありませんし…」

 

「第三次聖杯戦争はナチス、日本帝国陸軍の乱入により、混沌とした戦いだったと聞く。その様な混沌した状況ならば、システムを掠めとる機会など沢山あるだろう。まあ、可能性として、アインツベルンやマキリ、トオサカの縁者がこの聖杯戦争を仕組んだというものの方が高いと私は踏んでいるがね。トオサカの縁者はもう一人しかいないから無いだろうが」

 

老齢の魔術師の言葉にファルデウスは懐疑の表情を見せる。

 

「なるほど…ですが、彼ら御三家が絡んでいるならば、何故六柱のサーヴァントが召喚されるというのはおかしくはないですか?冬木の聖杯戦争は七騎でしょう」

 

ファルデウスの疑念の言葉に老齢の魔術師は苛立ちを覚えながら叱咤する。

 

「何を言っているのだファルデウス、六柱ではないだろう。まったく…。しっかりしてくれ!」

 

「いいえ。六柱なのですよ。ランガル」

 

「何…?」

 

ファルデウスが老齢の魔術師を名前で呼ぶなど今までに一度もなかったことだ。

 

その唐突な事態に対して、

ランガルは己のサーヴァント(・・・・・・)の言葉が間違っていなかったことを残念ながら確信してしまった。

 

「そのままの言葉通りですよ。ランガル。この聖杯戦争──偽りの聖杯戦争は六柱のサーヴァントを呼び水にして行われるのです」

 

「なるほど。信じたくはなかったが─────お前はやはり最初から裏切っていたか(・・・・・・・・・・・・・・・・・)

 

「は?」

 

ランガルの予想外の反応に対しファルデウスは驚愕の声を上げた。

 

ファルデウスには弟子入りした当時から一切ボロを出していない自信があった。

 

その為、ランガルのこの裏切りを予測していた反応は予想外だったのだ。

 

「真キャスター!」

 

『了解したよ』

 

どこからか聞こえて来た声と共にランガルの姿は消え始めた。

 

「ファルデウス。私は今サーヴァントを使役している。サーヴァントを所有していない君を甚振る趣味はない。

ミスター(・・・)()ランガルに知らせた時に(・・・・・・・・・・・)ミスターの意思表示があったということもある。よって、君がサーヴァントを召喚してから君を下しに来よう」

 

 

その言葉を最後にしてランガルの姿をした魔術師はファルデウスの目の前から消え去ったのを目の当たりにしてファルデウスは呟いた。

 

 

「………これは。予想外すぎるアクシデントだ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




真キャスター
name:不明
クラス:キャスター
マスター:ランガル(?)
宝具:不明
スキル:不明
ステータス:不明
経歴説明:不明



続きません
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