リインカーネーション・ストラトス 作:人ちゅら
――お前は宇宙へ行きたい。星々の彼方まで旅をしたい。それができる世界が欲しい。そういうことで良いか?
「うん、その通り。私はそのために
――だが現状では、お前の願いは絶対に叶わない。
「なんで!」
――この世界は閉じている。
「閉鎖的ってこと? でもそんなの――」
――違う。言葉の通りだ。この世界は閉じている。地球と、その周囲を巡る月。そこまでしか無い箱庭だ。その先の宇宙というものは存在しない、空に見えるアレはただの書割りの絵のようなものだ。
「なにそれ?! そんな馬鹿なことが――」
――起きている。というより、誰かが起こした。理由は分かっている。この地球から人類が旅立つことを認めない、そう考えた“力ある
「認めないから、無くしちゃったってこと? そんなの――」
――神でもなければ出来やしない、と考えるのは半分正しく、半分間違っている。これは確かに創世神話を再現したものだが、それを為したのは人間だ。世界に絶対の法則を敷く、世界との契約。
「そんな……」
――
「流石にそれは、自分で確認しないと信じられない」
――だろうな。お前はそれでいい。
「うん。そこは譲れない」
――それはそれとして、今の話が事実だったときのことを話しておこう。この世界が閉じていで、それでもお前が宇宙を願うなら。どうしても星々の彼方へと旅立ちたいのなら、このコトワリを打ち破る方法がないわけではない。
「!! どうやって!?」
――方法は二つ。一つは力ある存在、世界に閉じよと願った
「なるほど。その契約ってのを駄目にしちゃうわけだ。もう一つは?」
――数で応戦する。地球上の人間の多くが、宇宙の星々への旅を、移住を願うようになれば、今のコトワリは形骸化して打ち捨てられる。
「多くの人間が、宇宙を願う……」
――ただ、その過程でお前を妨害しようとする者も出てくるだろう。
「だろうね。馬鹿は本当に馬鹿だから。でもそうすれば契約者が引きずり出せるんじゃないかな?」
――かも知れんな。そのあたりは俺にも分からん。
「そっか」
――だがまあ、世界が閉ざされていることをお前が確信するまでは手伝おうか。お前はISを持っているのか?
「無いよ。有ったけど、無くなっちゃった」
――そうか。ならまずそれを用立てることだ。それと、地表からの距離が分かる計器を用意しておいてくれ。
「分かった。座標計測器なんかはすぐ用意できるけど、ISの方は
――では一週間後に。そうだ、先にこれだけは言っておこう。
「なぁに?」
――もし本気でお前がこのコトワリを打ち破ろうと願うのなら、お前はこれからお前自身の手でそれを考え、実行しなければならない。そして俺はお前の計画について一切制限しないことをここに誓約する。もちろん、俺に手を出してきたなら全力で反撃せざるを得ないが。
「うん。君には手出ししないよ。怖いし」
――そうしてくれるとありがたい。
「じゃあ一週間後に」
――また来る。
「楽しみにしてるよ」
――俺もな。
続きません。