天狗の幻想入り   作:ジャジャジャジャーン

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この作品は東方Projectの二次創作であり設定も独自解釈、ないし無視している場合があります。
東方Projectのゲームをやった事がないのでキャラの言動が崩壊しそうです。

追記
後から少し手直しさせて頂きました。
わかりやすいようにタイトルに(R)をつけてみました。



第1章 天狗の幻想入り
プロローグ(R)


少し懐かしい記憶を思い出す。

小学校から帰宅した俺をいつも出迎えてくれるはずの母親がそこにはいなかった。家は夕暮れ時の薄暗い光に照らされて、ただ淋しさを漂わせていた。

 

また別の記憶を思い出す。そこにはとある2人の墓がある。1つの名前はくっきりと記されている。俺の父親の名前だ。だがもう1つ―母親の名前ははっきり見えない。ほんの前に作ったはずなのに。

俺は2人に花を添える。実際、2人の遺体はまだ確認されていない。周りの人々が勝手に2人の死を創り上げたのだ。その上俺を憐れむ。

 

ふと、母親の名前を思い出そうとするが……。

 

 

 

「大樹ー。何ぼーっとしているんだ? もう暗いから今日はもう帰ろうぜー。」

 

「OK。今行くよ。」

 

大樹は思考の旅から我に返る。もう時間も遅くなっていたため、日も暮れそうになっていた。

2人は慌てて学校の校門を出る。公立の平凡な高校らしい門構えだ。そう思いながら大樹は自分が乗る自転車のペダルを漕ぎ始める。

 

「今日の練習も疲れたな~。」

 

一緒にいた友人は大樹に喋りかける。彼と大樹は中学時代に知り合った。家も小学校は違ったのでそこまで近くは無いが、高校からの帰り道のルートは途中まで同じなので2人で帰宅している。

 

「先輩の相手はいい練習だけどしんどいよね~。」

 

2人は今日の練習を振り返る。相変わらず中学生の頃とは比べ物にならない練習量であった。

 

「そんな事言って。大樹は運動神経もいいし、体力もあるから余裕だったんじゃないか?」

 

「そんな事は無いよ。毎日クタクタだよ。」

 

そんな事を喋りながら、自転車はあっという間に帰路を進んでいく。

 

 

「じゃあな!大樹ー。」

 

「おう。また明日」

 

2人は途中で別れ、それぞれの家へと向かう。

先程眺めたあの夕暮れは既に空には無く、長い夜を迎えようとしていた。

 

 

大樹「ただいま~。」

 

大樹は家の鍵を開け、中へ入る。家の明かりは何一つも付いておらず、外より暗い。

当然、おかえりなさい、などの返事は帰ってこない。

 

「……シャワーでも浴びるか。」

 

今日の練習で掻いた汗を流そうと、大樹は帰宅すぐに風呂へ直行する。服は区別せずにまとめて洗濯機へと放り込む。

大樹の両親は家には居ない。いや、この世界に存在していないと言うべきか。小学生の頃、突然母親が消えてしまった。それに続いたかのように父親も姿をくらました。世間では夜逃げやら、自殺やらと言われたが遺体などはまだ見つかっていなかった。

今はどうしているかと言うと親戚に面倒を見てもらっている。

 

大樹は風呂上がり、すぐに寝巻きに着替えて自室へと向かう。そして机の上で保管している1つの手紙を手に取る。何年の前のものなのでボロボロである。

 

その手紙は母親から大樹への手紙であった。

そこには不思議な事が書かれていたのである。

『貴方に伝えなければならないことが……』と書き出しのこの手紙には様々な事が綴られていた。

 

母親は、自らを天狗だと語る。

決して傲慢な人間と言う意味では無い。その言葉のまま、今やあの鼻高のイメージが定着した天狗である。

この事に関してはあまり他人に話していない。何故ならこの手紙には『禁止事項』が記されていたからだ。

 

1,この事は口外禁止

2,母親の出身地は幻想郷(?)と言う名前の場所

3,幻想郷については忘れてしまった

4,もしかしたら大樹にも天狗の能力が遺伝してるかもしれない

5,もし人間離れした能力があれば隠すこと

 

 

この『禁止事項』には馴染みの無い単語が1つある。

幻想郷というのは……? 1度も聞いた事が無い。ただ母親の記した事なので嘘では無いだろうが……。もしかしたら、昔使われていた言葉なのかもしれない。だが何度か学校のネットで検索をかけてみたがどうもいい感じの答えが出てこなかったのだ。

もう1つ気になるのが天狗の能力について。恐らく人間離れした力を持っているのであろうか。だが今の所では少し運動神経の良いいたって平凡な高校生である。

 

「久しぶりに読んでもやっぱりよく分からないなあ。……夜ご飯でも作るか。」

 

平日の夜は部活で帰りが遅くなるので、簡単なカップ麺が多い。栄養的にも偏りがあるので、朝や昼の弁当は手料理で作る。幼い頃から料理に手を出していたので、食事の面ではなんとか1人でやっていける。

 

「そういえば今日は七夕かー。」

 

大樹は部屋に飾ってあるカレンダーを眺めながらそう呟いた。……幼少期は両親が何処からか用意した竹に短冊をかけていたものであった。

 

「願い事……か。今の生活に不満は無いけど。」

 

夕食を取りながら大樹は考えてみる。願い事は真剣に考えるといまいち浮かばないものである。

 

だが。大樹は1つ願い事を思いつく。

 

大樹は箸を置いて急ぐように自室へ向かう。適当な紙を短冊状に切り取り、それにペンで名前を書き、その願いを綴り出す。

 

(母親の事、父親の事、そして天狗の事をもっと詳しく知れますように……っと。)カキカキ

 

……もし叶うのならば、これ以上の願い事は無い。

 

 

……ブオォン……

 

 

「? 何だ今の音。下の方から……!!」

 

大樹が短冊に願い事を書き終わったその刹那、聞いたことも無いよな重い音が足元から響いた。

大樹は足元を覗くとそこには黒い空間が広がっていた。

中には目(?)がたくさんあって気持ち悪い。

 

「何だこれ!? ていうか身動きが取れない……。」

 

大樹の足が既に黒い空間の中に吸い込まれていた。

いくら踠こうとしても全く抜け出せず、どんどん大樹の体は黒い空間に吸い込まれていく。

 

「………………ッ。」

 

大樹は恐怖のあまり言葉が出ない。

俺は……死ぬのか? 何故こんな事になった? というかこの状況は何なのだ!?

 

大樹の脳内ではそのような言葉が反芻される。

体が全て黒い空間に覆われた時、大樹は気絶した。

 

 

「…………ん……。」

 

大樹はようやく目が覚める。と言ってもどれ程時間が経ったのかは分からない。確か俺はあの黒いのに取り込まれて死んだはずじゃ……?

「ここは……どこだ?」

 

気がつけばは森の中で眠っていたのだろうか、大樹の目の前には大自然が広がっていた。

 

……ところで本当にここはどこなのだろうか?

 




最後まで読んでいただいてとても嬉しいです。
続きはあります。(ここまでほぼ東方要素ZERO)

ここで少しご紹介を。

藤村 大樹(フジムラタイキ)
今作の主人公。およそ特徴の無い平凡な高校1年生。スポーツは大体得意。地元の高校へ進学。所属部活は卓球部。幼少期に両親を亡くす。両親の遺体は確認されていないが、そういう事になっている。あの手紙通りであれば、天狗と人間のハーフ(半人半怪)であるが……?
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