天狗の幻想入り   作:ジャジャジャジャーン

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咲夜に宴会に誘われ博麗神社に来た主人公、藤村大樹は金髪黒服の少女と出会う。


第15話 宴会(後編)(R)

霊夢が指さす方向を見るとその少女はそこにいた。

黒が基調の服と長い帽子を付け、モノクロな服装で、その色合いには目立つ金髪の見た目だ。

お茶の間でどうやらくつろいでいるようだ。きっと今日開かれる宴会の参加者らしい。

 

「? あの人が霊夢に?」

 

「ええ。自分は魔法の箒で飛べるからって……。」

 

これはまた典型的な魔法使いらしい。

 

「魔法使いなのか!?」

 

「ここ幻想郷なら珍しい種族じゃないわよ。」

 

珍しくない、と言うことは、たくさんいるのかな?

 

「そんなものか……。」

 

それに魔法使いが『種族』と言うのは……。魔法使いは人間じゃないのか? それなら、パチュリーさんは実は妖怪だった…!?

 

「おーい霊夢。誰と話してるんだ?」

 

「例の外来人よ。」

 

金髪少女は大樹と霊夢の方へ向かう。身長は霊夢とあまり変わらず。13~15歳といったところだろうか。

 

「私は霧雨魔理沙。お前は?」

 

「俺はその噂の外来人の、藤村大樹だ。」

 

「……。」ジーッ

 

魔理沙は俺を物珍しそうに眺める。

……外来人はそこまで希少なのだろうか。

 

「レミリアが面白いって言ってたが……。格好以外は至って普通の人間だな。」

 

「はぁ。」

 

「けど幻想郷に住み着いてからすぐにあの紅魔館の連中と仲が良いって言うのは、とても怪しいがな。」

 

魔理沙が俺を凝視していた理由はどうやらその為かな。正直俺自身でも随分数奇な巡り合わせだと思う。

……実際その運命を操られていたのが実態だけど。

 

「怪しいって……。レミリアに運命操られたから俺がどうこう出来る事じゃないからなあ。」

 

「あいつそんな凄いことできるのかよ。」

 

俺はふと思った。レミリアの説明によれば運命を上書き出来ない、と。

つまり俺が紅魔館に訪れることは最初から決まっていたのでは? そこの所が実に腑に落ちない。

 

「詳しくは本人から聞いた方がいいけど。あまり無茶苦茶なことは出来ないらしい。」

 

「ふぅーん。大したことないのかな。」

 

俺もそういえば、レミリアに対して似たような言葉を返していたか。この魔理沙という少女はストレートに物を言う。口調も若干そうだが他の女性と比べて男らしい。

……見た目は可憐な少女だが。

 

「立ち話も何だし。あんたらも家に入りなさい。」

 

3人で宴会が始まるまでお茶を楽しんだ。霊夢の出すお茶は良い風味でとても美味しい。一緒に出された茶菓子とも良く合う。

暫くするとようやく紅魔館組が到着した。妖精メイドはそこには居らず、日傘をさしたレミリアとパチュリーさん、咲夜さんに美鈴さんまで。

それにパチュリーさんの近くには見たことがない、黒い羽が付いた赤髪の少女が。

……頭にも羽らしきものとがついているが。あれは羽なのか角なのかはっきりさせてほしいところ。

 

 

 

「それじゃあ、乾杯の音頭は霊夢がやりなさい。」

 

「嫌よ。」

 

「異変解決したんだから霊夢がやれよ。」

 

どうやら、この宴会は異変解決の後の記念か何からしい。起こした側の紅魔館の人々(ほぼ妖怪)が来ているのに違和感を感じえないけど。

 

「……。わかったよ。それじゃあ乾杯!」

 

「「乾杯ッ!」」

 

俺から見たら、自分より年下の少女が物凄い勢いで酒を飲む光景に少し戸惑う……。実は、幻想郷と外の世界と微妙にルールが違うので基本的には自立した12歳以降は酒を飲んでいいらしい。無論まだ16歳の大樹も飲んでいるけどね。

 

「あら。君も来たのね。」

 

隣に座っていたレミリアが、早速喋りかける。

 

「数日ぶりだなレミリア。君もって、だいたい誘ったのはレミリアじゃないのか? 」

 

「常人なら妖怪じみた集団の中には入ってこないわよ。」

 

うぐぐ、それを言われると反論出来ない……。

 

「そう言われたら、俺も妖怪の端くれだから。まあ、多少はね? 」

 

「あら。自覚あるのね。」

 

レミリアは相変わらず夕食の時の様に、酒を飲んでいない。おつまみに出されている食事を申し訳程度につついている。

……また俺が吸血されるのでは。流石に酒で酔っ払った後に大量出血は死んでしまいますが。

 

「私に飲み比べで勝つのは10年速いぜ!」

 

パチュリー「……。」ムキュー

 

あちらではどうやら、飲み比べが勃発している。

 

「ああっ! パチュリー様! お身体が弱いのですから無理はしないようにとあれほど……。」ムッ

 

「なんだよ小悪魔。パチュリーだって承諾したのぜ?」

 

あの羽の娘は、小悪魔さんというらしい。恐らくパチュリーさんの部下か何かだろうか。

 

「それは魔理沙さんが煽ったからでしょ! この間の弾幕勝負で負けた事を使って!」

 

「偉大な生まれながらの魔法使いはプライドが高いから困るんだよなあ。」

 

何やら揉めているみたいだ。魔理沙の口ぶりからは、どうやら魔法使いは生まれつきがいるらしい。先程霊夢が言っていた『魔法使いという種族』とはそういう事か。

 

「何やっているのやら……。」

 

それにしてもあの強そうなパチュリーさんに勝てるとは、魔理沙も相当実力があるらしい。

それを眺める霊夢と咲夜。あの2人は妙に気が合いそうだ。雰囲気がどことなく似ている。

 

「パチェったら。パチェがあんな見え見えの煽りに乗るなんて。魔理沙と仲がいいのねえ。」

 

「ええっ。そんなものか?」

 

俺には仲が悪そうに見えるけど。

 

「ええ。パチェがそもそもここに来たのも魔理沙に魔法使いの何たるかを教えるって。」

 

魔理沙も魔法使いみたいだけど……。

 

「そういえば。レミリアは何でこの間の異変を起こしたの?」

 

話題転換に、前々から疑問に感じていたことを聞く。

 

「そういえば、君には話していなかったわね。そもそも私達はここ幻想郷につい最近引っ越してきた。……と言うのは、既に話していたわね。」

 

「ああ。ところで、どこから来たの? 」

 

「どこからかは秘密。とにかく異変は私達なりの幻想郷への挨拶と言ったところね。」

 

名前は外国っぽいけど、日本語は日本人とさして変わらないし…。咲夜さんは日本人っぽいし、美鈴さんは中国人っぽい。もう気にしないでおこう。

 

「随分手荒な挨拶だなあ。」

 

異変が挨拶って。死者やけが人は出なかったけど、一応人里にも影響あったんだけど。まあ、俺が怒ることでもないから別にいいか。

暫くした後に咲夜と霊夢と魔理沙で飲み比べが始まった。最初に霊夢がダウンした後に魔理沙も諦めた。

3人とも凄い量を飲んでいた。流石に気が引ける。と言うか、外の世界でもこんなに飲む人は居ないんじゃないかな!?

 

 

 

案外楽しかった宴会も終わりが近づく。時間は深夜12時を回ったらしく、日にちも1日進んだ。

博麗神社の周りは森くらいしかない為か。周りの森から流れてくる風は夏場では気持ちいい涼しさを持つ。

幻想郷の夏は外の世界と比べて涼しい。気温の面ではここの方が快適で暮らしやすい。

少し落ち着いたので少し宴会会場の霊夢の家から出てみる。街灯は1つも無いので辺りは暗闇に包まれている。

 

――空を見上げると。

外の世界……とりわけ日本の都会では見られないであろう星の輝きがそこにはあった。

 

「……。綺麗だ。」

 

大樹は酒の酔いが一気に覚める。ただ目に写った景色を眺めて物思いにふけていた。

 




ここまでお読みくださってありがとうございます。
次回以降は予定無いのでいきなり話が進むかもです。

更新不定期です。
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