天狗の幻想入り   作:ジャジャジャジャーン

9 / 32
幻想郷に住み着いて3日が過ぎた主人公、藤村大樹は人生初の定職である寺子屋に勤務する。

前回の後書きで付け加え忘れをここに。
この作品の登場のオリジナルキャラの名前は現実とは一切関係ありません。


第8話 人里での日常(後編)(R)

 

ここで少し説明しておくと、人里の街の景色は外の世界の時代を巻き戻したかのような感じだ。

大きな道がある。その道沿いに木造建築が並ぶ。殆どが1階建てで外来人居住区を含めて数少ない建物で2階が存在する。

そんな街並みを歩いていくと様々な建物がある。

普通の一軒家。食事処。呉服店。酒屋。その他にも沢山種類があるので生活には困らない。

川も存在する。道の中間にある川には不定期に小橋がかかっており渡ることもできる。

 

~10数分後~

 

「おはよう大樹。待っていたぞ。」

 

共に寺子屋で務める慧音は、既に到着していた。

 

「おはよう慧音。少し遅れた。すまない。」

 

「気にするな。数分だからな。」

 

「今日の授業は?」

 

「今日の午前中は習字、計算、読書。昼からは体育と歴史だ。」

 

江戸時代の寺子屋と似たような感じで、基本は読み書きそろばん。体育などたまに外の世界にでもある様な科目を扱っている。どうやら、志川さんが導入したらしい。

 

「了解。それじゃあ奥で準備をしておく。」

 

「ああ。そうしてくれ。」

 

人間が僅かな幻想郷であっても、この寺子屋には1クラス10数人が2つ存在する。

2人がそれぞれのクラスを持つ。ただ歴史に関して俺は外の世界出身であるから、歴史は慧音、体育は大樹が受け持つ。といった感じに補完する。

……というのも歴史で扱うのは幻想郷での歴史であり、外の世界の歴史とは違うらしい。

 

「先生!おはようございます!」

 

「ああ。おはよう。」

 

お、早速生徒の挨拶が聞こえてきた。

 

「大樹先生!おはようございます。」

 

「おう。おはよう。」

 

慧音は先生と呼ばれるのに対して俺は大樹先生と呼ばれる。……どうにも生徒は慧音=先生であって慧音と大樹を区別する為にそう呼んでいるらしい。

慧音の授業は歴史以外は好評であるが…。歴史好きらしい慧音は歴史の授業になると力が入るらしい。

……力が入ると分かりやすくなるかと言うとそうではない。とても眠いらしい。どの時間帯で行ってもクラスの半分は寝ているか他事をしている。

その事を慧音はたまに俺にぼやいているが授業経験のない俺はアドバイスがあるわけがなく力になれない。

 

~授業終了後~

 

「それじゃあ先生。ご指導の程お願いします。」

 

「先生ってなぁ。大樹は私をからかってるだろ。」

 

「そんな事ないよ。弾幕の先生だ。」

 

生徒が帰宅した放課後に、慧音に弾幕を教わっている。

 

「大樹は覚えがいいのか。それとも要領がいいのか。ある程度弾幕は使えるようになっているぞ。」

 

「そんなに褒めなくても……。今日は弾幕の避け方を教わろうかな。」

 

慧音「いいだろう。」

 

大樹は2日で弾幕を出す所かそれなりに弾幕を張る事ができる様になっている。普通の人間は霊力を外に出す事にさえかなり時間がかかるらしい。もしかして、俺が天狗だからなのかなあ?

と言っても、『スペルカード』はまだ1枚。これからどんどん増やしていくつもりだ。

そして今日は躱す練習を行う。いくら『スペルカード』が使えるようになっても相手の『スペルカード』を躱せねば意味がない。

……因みに大樹は霊力、妖力。両方使えているらしい。

この2つは使い手が妖怪なのか、人間なのかの違いではないかと訪ねたことがあるが、それ以外にも微妙に性質が異なるらしい。詳しくは分からなかったが。

 

~特訓終了後~

 

「…ハァ…ハァ…」

 

俺は小さい頃から運動は苦手では無かった。だが、上下左右どこからでも飛んでくる弾幕を躱すには、相当の集中力と判断力、持久力を使う。数十分だけでも俺は体力の限界を迎えていた。

 

「大分弾幕に当たったな。手加減はしているが痛いだろ。今日はここまでだな。」

 

これで手加減をしていると言うのか…。恐ろしい。

 

「ふぅ~。疲れた。先生。ありがとうございました。」

 

「ああ。明日は休みだから午前中は休んでおけ。午後からなら特訓に付き合えるぞ。」

 

「了解。それじゃあ。また明日。」

 

「ああ。じゃあまた明日。」

 

弾幕の特訓はしんどいが、紫さんから必要と言われた以上、兎に角頑張るしかない。

 

生徒がいない夜が迎えた寺子屋を後にして俺は仕事帰り隆希と合流して、約束していた食事処へ向かう。

 

~食事処~

 

「今日もお疲れ様。大樹。」

 

「ああ。お疲れ様。乾杯!」

 

隆希はジョッキを俺の方に向ける。

 

隆希「乾杯!」カキンッ

 

ここ幻想郷では酒を飲むのは15歳以上からで2人とも酒を飲むことはできる。……気が進まないので人里の同年代と食べる時だけ酒を飲むことにしている。

因みに隆希は酒にとても弱い。大樹はその逆でめっぽう強い。沢山飲んでも意識がある。

……これも天狗だからであろうか。

 

夜飯を食べ終わり、大樹は自室に帰る。

 

「……ただいま。」

 

「………………。」

 

家に帰るときに返事が無いところは外の世界での生活と同じである。最初は寂しかったけれども今ではすっかり慣れてしまった。

 

明日は仕事は休みなのですぐに大樹は寝床についた。明日も仕事があるなら、明日の授業についてシュミレーションしたりする。それにしても、1クラス数十人を持ち、複数のクラスに何回を授業をしている外の世界の先生方には敬意を表したくなる。こんな大変な事を、ほぼ毎日こなしているのだから。

 

「……zzz……。」

 

今日も疲れたらしい。寝床についた瞬間俺は深い眠りについた。

 

幻想郷、人里は今日も平和だ。

 

……明日は何が起こるのか。少し、楽しみだ。

 




ここまでお読みくださってありがとうございます。
日常パートはこれで一段落つきました。
次はいよいよ紅霧異変からですかね。
原作ゲームをやったことがないので、ある程度流れを掴んでから投稿しようと思います。

更新不定期です。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。