遊戯王VRAINS 幽霊に導かれし少年   作:ナタタク

32 / 48
第23話 確認のための決闘

「琴音…」

病室のベッドで眠る琴音の手を直葉は握る。

昨日の夜に病院に担ぎ込まれてから2日、疲労のためか琴音はずっと眠っている。

菊岡の検査では、ステージ2になった影響があるようだ。

幸いなことに、なっていた時期が短かったため、明日には目を覚ますという。

誠と徹は2人の姿を病室のドアから見ていた。

「良かったな、明日には目を覚ますみたいだからな…」

「ありがとうございます、谷村さん。竹宮さんを助けてくれて…」

「警官としての仕事をしただけだ。最も、これがその業務の範囲なのかは疑問だけどな。ほらよ」

徹から差し出された缶コーラをもらう。

徹は缶コーヒーですでにのどを潤し始めていた。

「ま…今回は助かった。俺1人じゃあ無理だった…」

「谷村さん…」

「けどな、まだ俺はてめえを認めたわけじゃねえ」

感謝されることは想定外だったが、認められていないことは想定内だ。

認められたくて戦っているわけではないが、徹には、ステージ2と戦うことになる彼にだけは認めてもらいたい。

「お前の力を…確かめたい。まさか断る気はないだろうな?もちろん、デュエルでな」

「刑事殿。なぜ、その必要があるのです?そのようなことをせずとも既に…」

「黙ってろ」

「え…?この、AIって…」

AI搭載のデュエルディスクがDen Cityで一般販売されていることは既に誠の耳に入っている。

ただし、簡単な受け答えができるだけでその容量の大半をデュエルに関するものに費やしている。

人間のように会話をするのは不可能だ。

「ああ、デルタだ。俺が装着している強化服のAIだが、今は理由があってこっちにいる」

「初めまして、結城殿、私はデルタです」

「あ…結城誠です。初めまして…」

「お前まで敬語を使わなくていいだろ」

AIに敬語で話すような人間を初めて見たのか、徹は苦笑して空っぽになった缶を握りつぶす。

誠がコーラを飲み終えたのを確認し、背伸びをする。

「ついてこい、病院の屋上だ。許可はもうもらっている」

「分かり、ました…」

「力を見せろ?面倒なことを考える奴だぜ…」

こんなデュエルをしても、シャドーにとっては何の利益もない。

だが、徹をここで黙らせておかないと、これからのステージ2との戦いに支障をきたしてしまうかもしれない。

そうなると、記憶探しができなくなってしまう。

ここは素直に応じるしかなく、シャドーは舌打ちした。

 

「よし…誰もいないな。邪魔はこれで無しだ」

霧山城市立病院の屋上庭園に足を運び、誰もいないことを確認した徹はさっそくデュエルディスクにデッキを入れる。

「ここは俺らの用事が終わるまで、誰も入れないようにしている。その理由は…当然、分かっているよな?」

誠は分かっていることを示唆するように、C.C.デッキを出して、それを徹に見せる。

そして、左腕に装着しているデュエルディスクにそのデッキを入れた。

「刑事殿、あのデッキは我々が所有している物とは違う何かを感じます。ご注意ください」

「ああ…だが、そのデッキを使ってくれねーと、確かめられないだろう?」

彼のデッキについては特殊召喚されたモンスターを相手に真価を発揮するということは知っている。

それ主体の自分のデッキでは相性が悪いかもしれないが、今の徹にとってはどうでもいい。

「「デュエル!!」」

 

手札5

LP4000

 

手札5

LP4000

 

「僕の先攻、僕は手札から《C.C.ユニコーン》を召喚」

 

C.C.ユニコーン レベル4 攻撃1800(2)

 

「ターンエンド」

 

手札5→4

LP4000

場 C.C.ユニコーン レベル4 攻撃1800(2)

 

手札5

LP4000

場 なし

 

「モンスターを召喚しただけでターン終了か…。案外消極的だな」

「しかし、刑事殿。《C.C.ユニコーン》は特殊召喚されたモンスターと戦闘を行うとき、ダメージステップ終了時まで攻撃力が500アップする効果があります」

つまりは、特殊召喚されたモンスターとの戦闘であれば、実質攻撃力2300となり、下級モンスターでは太刀打ちできない。

「俺のターン、ドロー」

 

手札5→6

 

「俺は手札から《神樹のパラディオン》を召喚」

 

神樹のパラディオン レベル3 攻撃800(3)

 

「そして、手札から永続魔法《リンク・コンバット》を発動。こいつは俺がリンクモンスターのリンク召喚に成功するたびに、カウンターを1つ乗せることができる。現れろ、犯罪者を捕らえるサーキット!アローヘッド確認、召喚条件は《マギアス・パラディオン》以外のパラディオン1体。俺は《神樹のパラディオン》をリンクマーカーにセット。サーキットコンバイン!リンク召喚!現れろ、リンク1!《マギアス・パラディオン》!」

 

マギアス・パラディオン リンク1 攻撃100(EX1)

リンク・コンバット(永続魔法)カウンター0→1(3)

 

「そして、《天穹のパラディオン》はリンクモンスターのリンク先となる俺のフィールドに守備表示で特殊召喚できる」

 

天穹のパラディオン レベル4 守備1000(4)

 

「そして、《マギアス・パラディオン》の効果。このカードのリンク先に効果モンスターが特殊召喚されたとき、デッキからパラディオン1体を手札に加えることができる。俺は《百獣のパラディオン》を手札に加える。そして、《マギアス・パラディオン》はリンク先のモンスターの元々の攻撃力分、攻撃力がアップする」

 

マギアス・パラディオン リンク1 攻撃100→1700(EX1)

 

「そして、俺のフィールドに《トーチ・トークン》2体を特殊召喚し、お前のフィールドに《トーチ・ゴーレム》を特殊召喚」

 

トーチ・ゴーレム レベル8 攻撃3000(4)

 

トーチ・トークン×2 レベル1 攻撃0(1)(3)

 

「現れろ、犯罪者を捕らえるサーキット!アローヘッド確認。召喚条件はモンスター1体以上。俺は《トーチ・トークン》1体と《天穹のパラディオン》をリンクマーカーにセット。サーキットコンバイン!リンク召喚!現れろ、リンク2!《オルフェウス・ゴーレム》!」

 

オルフェウス・ゴーレム リンク2 攻撃1600(2)

マギアス・パラディオン リンク1 攻撃1700→1600(EX1)

リンク・コンバット(永続魔法) カウンター1→2(3)

 

「攻撃力は《天穹のパラディオン》よりも低いし、リンクマーカーを見ても、これ以上の発展はできない。どうして…?」

「《オルフェウス・ゴーレム》の効果。こいつのリンク召喚に成功したとき、リンク素材としたモンスターの数だけデッキの上からカードを墓地へ送り、このカードの攻撃力をその効果で墓地へ送ったカードの数×300アップさせる」

 

オルフェウス・ゴーレム リンク2 攻撃1600→2200(2)

 

デッキから墓地へ送られたカード

・ゴーレム・ソング

・星辰のパラディオン

 

「現れろ、犯罪者を捕らえるサーキット!アローヘッド確認。召喚条件はモンスター2体。俺は《トーチ・トークン》と《マギアス・パラディオン》をリンクマーカーにセット。サーキットコンバイン。リンク召喚。現れろ、リンク2!《ジャッジアイズ・ゴーレム》!」

《ジャッジアイズ・パラディオン・ドラゴン》をそのまま小型し、石人形にしたような形のモンスターが現れる。

 

ジャッジアイズ・ゴーレム リンク2 攻撃2000(EX2)

リンク・コンバット(永続魔法) カウンター2→3(3)

 

「《ジャッジアイズ・ゴーレム》の効果。このカードのリンク先にモンスターが存在しない場合、墓地からリンク3以下のパラディオンリンクモンスター、またはゴーレムリンクモンスター1体をこのカードのリンク先に特殊召喚できる。俺は《マギアス・パラディオン》を特殊召喚」

 

マギアス・パラディオン リンク1 攻撃100(4)

 

「そして、《ジャッジアイズ・ゴーレム》のもう1つの効果。1ターンに1度、俺のフィールドのリンクモンスター1体の元々の攻撃力をターン終了時まで2000にすることができる。俺は《マギアス・パラディオン》の攻撃力を2000にする」

 

マギアス・パラディオン リンク1 攻撃100→2000(4)

 

「現れろ、犯罪者を捕らえるサーキット!アローヘッド確認。召喚条件は攻撃力2000以上のリンクモンスター2体以上。俺は《ジャッジアイズ・ゴーレム》と《オルフェウス・ゴーレム》をリンクマーカーにセット。サーキットコンバイン!リンク召喚!現れろ、真実を見極め、罪と罰を測る瞳。リンク4、《ジャッジアイズ・パラディオン・ドラゴン》!」

「《ジャッジアイズ》…!?」

リンク召喚された審判のドラゴンを見た誠は何か心を揺さぶられるような感じがした。

普通のモンスターではないけれど、精霊を宿したカードとも思えない。

自分の口ではどう形容すればいいのか、誠にはわからなかった。

 

ジャッジアイズ・パラディオン・ドラゴン リンク4 攻撃3000(EX2)

リンク・コンバット(永続魔法) カウンター3→4(3)

 

ジャッジアイズ・ゴーレム

【リンクマーカー:右/下】

リンク2 攻撃2000 リンク 光属性 岩石族

モンスター2体

(1):1ターンに1度、このカードのリンク先にモンスターが存在しない場合に発動できる。自分の墓地に存在するリンク3以下の「パラディオン」「ゴーレム」リンクモンスター1体をこのカードのリンク先に特殊召喚する。この効果を発動したターン、自分は「パラディオン」「ゴーレム」以外のモンスターを特殊召喚できない。

(2):1ターンに1度、自分フィールドに存在するリンクモンスター1体を対象に発動できる。そのモンスターの元々の攻撃力を2000にする。この効果の対象となったモンスターはターン終了時に破壊される。この効果は相手ターンでも発動できる。

 

「《ジャッジアイズ》の攻撃力は3000。これでも、《ユニコーン》を倒すには十分だが…俺は《リンク・コンバット》の効果を発動。カウンターが乗っているこいつを墓地へ送り、墓地からこのカードに乗っていたカウンターの数以下のリンクマーカーを持つリンクモンスター1体を俺のフィールドに特殊召喚する。俺は《オルフェウス・ゴーレム》を特殊召喚」

 

オルフェウス・ゴーレム リンク2 攻撃1600(3)

 

リンク・コンバット

永続魔法カード

このカード名のカードは自分フィールドに1枚しか存在できない。

(1):自分がリンクモンスターのリンク召喚に成功したとき、このカードの上にカウンターを1つ乗せる。

(2):カウンターを乗せているこのカードを墓地へ送り、自分の墓地に存在するそのカウンターの数以下のリンクマーカーを持つリンクモンスター1体を対象に発動できる。そのモンスターを自分フィールドに特殊召喚する。

(3):カウンターを乗せているこのカードが相手の効果によって破壊されたときに発動する。自分はデッキからカードを1枚ドローする。

 

「そして、《百獣のパラディオン》を《ジャッジアイズ》のリンク先に特殊召喚」

 

百獣のパラディオン レベル3 守備1600(2)

 

「現れろ、犯罪者を捕らえるサーキット!アローヘッド確認!召喚条件はリンクモンスターを含む効果モンスター2体以上。俺は《オルフェウス・ゴーレム》と《百獣のパラディオン》をリンクマーカーにセット。サーキットコンバイン!リンク召喚!現れろ、リンク3!《アークロード・パラディオン》!」

 

アークロード・パラディオン リンク3 攻撃2000(2)

 

「《アークロード・パラディオン》はこのカードのリンク先に存在するモンスターの元々の攻撃力分アップする。そして、《ジャッジアイズ》は自身と相互リンク状態のリンクモンスターの元々の攻撃力分アップし、そのモンスターの効果を受けない」

 

ジャッジアイズ・パラディオン・ドラゴン リンク4 攻撃3000→5000(EX2)

アークロード・パラディオン リンク3 攻撃2000→5000(2)

 

「攻撃力5000のモンスターが2体!?」

「《ジャッジアイズ》のリンク先になっているモンスターは攻撃できないから、安心しな。バトル!《ジャッジアイズ・パラディオン・ドラゴン》で《ユニコーン》を攻撃。審判のカオス・ストリーム!」

《ジャッジアイズ・パラディオン・ドラゴン》の灰色のブレスが《C.C.ユニコーン》を襲う。

迎撃のため、即座にマグナムが発射される。

「《ユニコーン》の効果。特殊召喚されたモンスターと戦闘を行うとき、ダメージステップ終了時まで攻撃力が500アップする」

 

C.C.ユニコーン レベル4 攻撃1800→2300(2)

 

「その程度、《ジャッジアイズ》には無意味だぜ!」

わずかに出力が上がった程度では勝負にならず、発射されたマグナムは消滅し、発射した本人もブレスに焼かれて消えていく。

「うわああ!!」

 

LP4000→1300

 

「ごっそりライフが減ったな。まさか、この程度じゃないだろう?」

「当然です…!《ユニコーン》の効果。このカードが特殊召喚されたモンスターとの戦闘で破壊されたとき、デッキからレベル4以下のC.C.1体を特殊召喚できる。僕は《C.C.コンパス》を特殊召喚」

 

C.C.コンパス レベル4 守備500(5)

 

「そんなモンスターだけか…」

徹はデッキの中にあるフィールド魔法《リユナイト・パラディオン》を思い浮かべる。

このカードが発動していれば、自分フィールドのパラディオンの攻撃力をアップさせるだけでなく、全体攻撃をも可能にする。

そのカードを発動できていれば、《C.C.コンパス》や《トーチ・ゴーレム》をも攻撃して一気に勝負をつけることができた。

「そして、僕のフィールドのC.C.モンスターが相手の特殊召喚されたモンスターと戦闘を行い、僕が戦闘ダメージを受けたとき、《C.C.ボーティス》は手札から特殊召喚できる!」

身の丈以上の牛を引っ張る、3本指のマニピュレータで胸部に牛飼い座の配置の飾りを付けたグレーの人型機械が現れる。

 

C.C.ボーティス レベル5 攻撃2200(1)

 

「そして、僕が受けた戦闘ダメージと同じ数値のダメージを相手に与える!」

「そういうことか!!」

《C.C.ボーティス》が連れている牛が牛らしからぬ激しい咆哮をし、強烈な衝撃波が徹を襲う。

「ぐおおお…やっちまったか…!」

 

LP4000→1300

 

「俺はカードを2枚伏せ、ターンエンド」

 

手札4→3

LP1700

場 C.C.ボーティス レベル5 攻撃2200(1)

  トーチ・ゴーレム レベル8 攻撃3000(4)

  C.C.コンパス レベル4 守備500(5)

 

手札6→1

LP1700

場 ジャッジアイズ・パラディオン・ドラゴン(相互リンク:《アークロード・パラディオン》 リンク先:《トーチ・ゴーレム》) リンク4 攻撃5000(EX2)

  アークロード・パラディオン(相互リンク:《ジャッジアイズ・パラディオン・ドラゴン》) リンク3 攻撃5000(2)

  伏せカード2(2)(4)

 

「あれ…携帯?」

電源を切ったはずの携帯が鳴りはじめ、目を丸くする直葉はせめて相手だけでも確認しようとスマホを見る。

すると、なぜか映像が見え、そこには病院の屋上でデュエルをしている誠と徹の姿が映っていた。

「誠君!?それに…谷村さん、なんでデュエルをしてるの!?それに、この映像って…」

どうしてこの映像が流れているのかわからないが、見ないわけにもいかず、ベッドの隣の椅子に座る。

先ほど菊岡が琴音は明日には目覚めて、退院できることを教えてくれたため、心にゆとりができている。

「谷村さんのフィールドには攻撃力が5000のモンスターが2体で、誠君には《トーチ・ゴーレム》を含むモンスター3体…」

現状はどちらに転んでもおかしくないような状態で、なおかつ誠のターンだ。

 

「僕のターン、ドロー!」

 

手札3→4

 

「僕は手札から《C.C.ブラスタ》を召喚」

 

C.C.ブラスタ レベル4 攻撃1900(3)

 

「現れろ、星を繋ぐサーキット!アローヘッド確認!召喚条件はC.C.モンスター2体。僕は《ブラスタ》、《ボーティス》をリンクマーカーにセット。サーキットコンバイン!リンク召喚!現れろ、リンク2!《C.C.ガンレオン》」

 

C.C.ガンレオン リンク2 攻撃2000(EX1)

 

「再び現れろ、星を繋ぐサーキット!アローヘッド確認!召喚条件は効果モンスター3体以上!僕は《ガンレオン》、《トーチ・ゴーレム》、《ボーティス》をリンクマーカーにセット。サーキットコンバイン!リンク召喚!現れろ、リンク4!《C.C.リ・ブラスタ》!」

 

C.C.リ・ブラスタ リンク4 攻撃2800(EX1)

 

C.C.ボーティス

レベル5 攻撃2200 守備1000 効果 地属性 機械族

このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。

(1):自分フィールドの「C.C.」モンスターが相手フィールドに存在する特殊召喚されたモンスターと戦闘を行い、自分が戦闘ダメージを受けたときに発動できる。このカードを手札から特殊召喚する。その後、その戦闘で自分が受けたダメージと同じ数値分のダメージを相手ライフに与える。

(2):このカードがアドバンス召喚に成功したときに発動する。デッキから「C.C.」モンスター2体を手札に加える。(同名カードは1枚まで)

 

「《コンパス》の効果。このカードを素材にC.C.リンクモンスターのリンク召喚に成功したとき、僕のメインモンスターゾーンにモンスターが存在しないとき、エクストラデッキへ行くこのカードをペンデュラムゾーンに置く」

「ペンデュラム!?それに、墓地へは行かずにエクストラデッキへ行くモンスターだと!?」

「それがペンデュラムモンスターの特性です!」

誠の左隣に《C.C.コンパス》が現れ、宙へ浮かんで光の柱を生み出す。

「そして、相手フィールドに《C.C.コンパストークン》1体を特殊召喚する」

徹のフィールドに《C.C.コンパス》を模した分身が現れる。

 

C.C.コンパストークン レベル4 攻撃1800(1)

 

「ペンデュラムモンスター…これが、誠君の…」

直葉は誠が言っていた、侑哉のデュエルを思い出す。

彼はペンデュラム召喚を使っており、彼からもらったというカードを実際にそれらのカードを見せてもらった。

だが、C.C.のペンデュラムモンスターは見たことがない。

しかし、もし誠がペンデュラム召喚をするなら、《C.C.コンパス》だけでは足りない。

「更に、《リ・ブラスタ》の効果。このカードのリンク召喚に成功したとき、リンク素材とした僕のモンスターを墓地から特殊召喚できる。僕は《C.C.ガンレオン》を特殊召喚」

 

C.C.ガンレオン リンク2 攻撃2000(2)

 

「2体のリンクモンスターを召喚したか…だが、その攻撃力では俺の《ジャッジアイズ》も《アークロード》も倒せないぞ」

「分かっています。僕は手札から魔法カード《リンク・ストライク》を発動。僕のフィールドのリンクモンスター1体の攻撃力をそのモンスターのリンクマーカーの数×600アップさせる。《リ・ブラスタ》のリンクマーカーの数は4つ、だから攻撃力は2400アップ!」

 

C.C.リ・ブラスタ リンク4 攻撃2800→5200(EX1)

 

「無理やり攻撃力を上げてきたか…!バトルフェイズ開始時に、俺は罠カード《クルセイド・パラディオン》を発動!俺のフィールドにパラディオンリンクモンスターが存在する限り、お前はリンクモンスターしか攻撃対象にできない」

「バトル!《リ・ブラスタ》で《ジャッジアイズ・パラディオン・ドラゴン》を攻撃!ラプター・シュート!」

《C.C.リ・ブラスタ》が持っているロングバレルライフルから発射される実弾が《ジャッジアイズ・パラディオン・ドラゴン》に迫る。

この攻撃を通してしまうと、攻撃力2000に低下した《アークロード・パラディオン》を棒立ちさせてしまうことになる。

「罠発動!《パワー・フレーム》!」

「《パワー・フレーム》は自分フィールドのモンスターが自身よりも攻撃力の高い相手モンスターの攻撃対象となったとき、その攻撃を無効にします」

《パワー・フレーム》のソリッドビジョンが《ジャッジアイズ・パラディオン・ドラゴン》の前に現れ、弾丸を吸収し、エネルギーに変換する。

「そして、このカードは攻撃対象となったモンスターの装備カードとなり、装備モンスターの攻撃力を先頭を行った2体のモンスターの攻撃力の差分アップします」

変換したエネルギーが《ジャッジアイズ・パラディオン・ドラゴン》に吸収され、そのモンスターの力の一部となる。

 

ジャッジアイズ・パラディオン・ドラゴン リンク4 攻撃5000→5200(EX2)

 

せっかく《リンク・ストライク》でパワーアップさせてうえで放った一撃がかわされ、《ジャッジアイズ・パラディオン・ドラゴン》の攻撃力がアップしてしまった。

このままでは、2体のうちのいずれかの攻撃で誠のライフは尽きる。

「メインフェイズ2に、僕は手札から魔法カード《マーカーズ・チャージ》を発動!エクストラモンスターゾーンのリンクモンスターのリンクマーカーの数が同じな時、デッキからカードを2枚ドローし、ドローしたカードを公開する」

 

誠がドローしたカード

・C.C.R

・ゼロ・エクストラリンク

 

「僕は手札から魔法カード《C.C.R》を発動。相手フィールドに特殊召喚されたモンスターが存在するとき、墓地のC.C.2体を特殊召喚できる。僕は墓地から《C.C.ブラスタ》と《C.C.ボーティス》を特殊召喚!」

 

C.C.ブラスタ レベル4 攻撃1900(1)

C.C.ボーティス レベル5 攻撃2300(2)

 

「そして、《リ・ブラスタ》の効果。このカードのリンク先のリンクモンスター以外のC.C.1体をリリースし、相手フィールドのカード1枚を墓地へ送る!僕は《ジャッジアイズ・パラディオン・ドラゴン》を墓地へ送る!」

《C.C.ブラスタ》がエネルギーに変換され、《C.C.リ・ブラスタ》が構えたライフルの銃口に吸収される。

そして、照準が撃ち損ねた《ジャッジアイズ・パラディオン・ドラゴン》に向けられる。

「VXチャージショット!」

凝縮されたエネルギーがビームに変化し、《ジャッジアイズ・パラディオン・ドラゴン》に発射される。

「《クルセイド・パラディオン》の効果!俺のフィールドの星遺物もしくはパラディオン1体をリリースし、名前の異なる星遺物、パラディオン1体をデッキ・墓地から特殊召喚する。俺は《ジャッジアイズ》をリリースし、デッキから《審判のパラディオン》を特殊召喚!」

 

審判のパラディオン レベル4 攻撃2000(3)

 

「けど、これで《アークロード・パラディオン》の攻撃力は下がる!」

 

アークロード・パラディオン リンク3 攻撃5000→2000(2)

 

《クルセイド・パラディオン》がフィールドに残っているため、次のターンに再び《ジャッジアイズ・パラディオン・ドラゴン》を特殊召喚することはできる。

しかし、リンクマーカーの都合上相互リンクさせることができる徹のリンクモンスターは限られている。

相手モンスターを利用することを考えると、いったん《ジャッジアイズ・パラディオン・ドラゴン》はエクストラデッキに戻さざるを得ない。

「そして、現れろ!星を繋ぐサーキット!アローヘッド確認!召喚条件はC.C.モンスター2体以上。僕は《ガンレオン》と《ボーティス》をリンクマーカーにセット。サーキットコンバイン!リンク召喚!現れろ、リンク3!《C.C.ジェニオン》!」

 

C.C.ジェニオン リンク3 攻撃2500(3)

 

「そして、《ジェニオン》の効果発動。このカードのリンク先のモンスターの数だけ、バリアカウンターを乗せる。《ジェニオン》のリンク先に存在するのは《リ・ブラスタ》。よって、バリアカウンターが1つ乗る。僕はカードを1枚伏せて、ターンエンド」

 

手札4→2

LP1700

場 C.C.リ・ブラスタ(相互リンク:《C.C.ジェニオン》) リンク4 攻撃2800(EX1)

  C.C.ジェニオン(相互リンク:《C.C.リ・ブラスタ》、バリアカウンター1) リンク3 攻撃2500(3)

  伏せカード2(2)(3)(うち1枚《ゼロ・エクストラリンク》)

  C.C.コンパス Pスケール8(5)

 

手札1

LP1700

場 C.C.コンパストークン レベル4 攻撃1800(1)

  アークロード・パラディオン リンク3 攻撃2000(2)

  審判のパラディオン レベル4 攻撃2000(3)

  クルセイド・パラディオン(永続罠)(2)

 

「俺のターン、ドロー」

 

手札1→2

 

「俺は墓地の魔法カード《ゴーレム・ソング》の効果発動。このカードを墓地から除外し、墓地のゴーレムリンクモンスター1体をエクストラデッキに戻すことで、デッキからカードを1枚ドローする」

今の手札では分が悪いと思ったのか、墓地の《ジャッジアイズ・ゴーレム》をエクストラデッキに戻してカードを引く。

ドローしたカードを見た徹はニヤリと笑う。

「俺は手札から永続魔法《にらみ合い》を発動。そして、現れろ、犯罪者を捕らえるサーキット!アローヘッド確認。召喚条件はモンスター2体。俺は《コンパストークン》と《審判のパラディオン》をリンクマーカーにセット。サーキットコンバイン!リンク召喚!もう一度現れろ、《ジャッジアイズ・ゴーレム》」

 

ジャッジアイズ・ゴーレム リンク2 攻撃2000(EX2)

 

「そして、《にらみ合い》の効果。自分がエクストラモンスターゾーンにモンスターの特殊召喚に成功したとき、相手フィールドのメインモンスターゾーンに存在するモンスター1体を自分のエクストラモンスターゾーンと同じ縦列のメインモンスターゾーンに移動させる。俺は《ジェニオン》をお前の4番目のメインモンスターゾーンに移動させる」

《ジャッジアイズ・ゴーレム》の瞳が光り、その光に誘われたのか、《C.C.ジェニオン》はそのモンスターの目の前まで移動してしまう。

 

C.C.ジェニオン リンク3 攻撃2500(3)→(4)

 

「そして、現れろ。犯罪者を捕らえるサーキット!アローヘッド確認!召喚条件はリンクモンスターを含む効果モンスター2体以上。俺は《アークロード》と《ジャッジアイズ・ゴーレム》をリンクマーカーにセット。サーキットコンバイン。リンク召喚。現れろ、もう1体の《アークロード・パラディオン》」

「狙いはそれか…!」

再び現れた《アークロード・パラディオン》の姿を見た誠は徹の狙いに気付くが、もうすでに彼のリンクマーカーが向いている《C.C.ジェニオン》は力を吸い取られつつあり、片膝を地面につけていた。

「分かっているな!?《アークロード・パラディオン》はリンク先のモンスターの元々の攻撃力分攻撃力がアップする」

 

アークロード・パラディオン リンク3 攻撃2000→4500→6500(EX2)

 

「攻撃力6500…!」

(さて、どちらを攻撃すべきだろうな…?)

攻撃力6500の《アークロード・パラディオン》の召喚に成功したことで、これで徹は誠のどちらかのリンクモンスターを戦闘破壊することで勝負を決めることができる。

だが、彼の脳裏に浮かんだのは《C.C.ボーティス》だ。

前のターンに受けた大きなしっぺ返しを忘れていない。

(あいつのフィールドには2枚の伏せカードがある。きっと、そのうちの1枚は《ゼロ・エクストラリンク》…)

《マーカーズ・チャージ》で公開したカードはターン終了時に除外されるが、既に彼の手札にないということは間違いなく伏せている。

ということになると、問題はもう1枚の伏せカードだが、それについては《アークロード・パラディオン》の効果を利用することができる。

(《アークロード・パラディオン》は1ターンに1度、リンク先のパラディオンか星遺物1体をリリースすることで、相手フィールドに表側表示で存在するカードの効果をターン終了時まで無効にできる効果がある。カウンター罠でない限りはその効果を使えばいい…)

《審判のパラディオン》をリリースすることになるが、それでも《アークロード・パラディオン》の攻撃力は4500。

《C.C.リ・ブラスタ》か《C.C.ジェニオン》を攻撃することで勝利するという点に変わりはない。

「バトルだ!《アークロード・パラディオン》で《C.C.リ・ブラスタ》を攻撃。アークロード・スラッシュ!」

2体分のモンスターの力を得た《アークロード・パラディオン》が剣で《C.C.リ・ブラスタ》を一刀両断しようとする。

「罠発動!《エクストラ・ミラージュ》!エクストラデッキから特殊召喚された相手モンスター1体の攻撃を無効にし、デッキからカードを1枚ドローする!」

「《アークロード・パラディオン》の効果!《審判のパラディオン》をリリースし、《エクストラ・ミラージュ》をターン終了時まで無効化する!」

《審判のパラディオン》が光でできた投槍に変化し、発動された《エクストラ・ミラージュ》めがけて飛んでいく。

槍が突き刺さった《エクストラ・ミラージュ》は淡い紫色の光を消し、効果を発揮できないまま墓地へ向かう。

「(よし…!)バトルフェイズ中に相手フィールドの特殊召喚されたモンスターが効果の発動に成功したとき、手札の《C.C.ベラ》は特殊召喚できる!」

背中から帆座の模様が描かれた大きな帆をつけている、セーラー服姿の船員を模した人型ロボットが現れる。

「また手札誘発のモンスターかよ!!」

2ターン連続でまた手札からモンスター効果が発動されたことに、徹は頭を抱えた。

 

C.C.ベラ レベル3 守備1800(5)

 

「そして、攻撃ができなくなり、効果も無効になる」

「ぐっ…!」

《C.C.ベラ》の帆から発射される雷を受けた《アークロード・パラディオン》は膝をつき、攻撃できなくなる。

 

アークロード・パラディオン リンク3 攻撃6500→2000(EX2)

 

「だが…まだ《クルセイド・パラディオン》の効果が残っている!《クルセイド・パラディオン》の効果発動!《アークロード・パラディオン》をリリースし、もう1度現れろ!《ジャッジアイズ・パラディオン・ドラゴン》!」

《C.C.ベラ》の効果で力を失っていた《アークロード・パラディオン》が《クルセイド・パラディオン》の中へ消えていき、再び審判のドラゴンがフィールドに舞い戻る。

 

ジャッジアイズ・パラディオン・ドラゴン リンク4 攻撃3000(2)

 

「僕は《C.C.ベラ》のもう1つの効果を発動!このモンスターの効果を受けたモンスターがフィールドを離れたとき、このカードを僕のペンデュラムゾーンへ移動させる。その時、このカードのペンデュラムスケールは1か8に変更できる。僕は《ベラ》のペンデュラムスケールを1にする!」

「こいつもペンデュラムモンスターだって言うのか…!」

誠の両サイドにペンデュラムモンスターが生み出した光の柱が存在し、条件を満たしたのか、彼の頭上には天の川が出現している。

「刑事殿、このまま終えてはなりません!」

「だろうな…!俺は手札から速攻魔法《審判のカオス・ストリーム》を発動!このカードの効果は《ジャッジアイズ》が存在するモンスターゾーンの場所によって決まる。メインモンスターゾーンに存在する状態でこのカードを発動した場合、《ジャッジアイズ》をエクストラモンスターゾーンへ移動させる」

 

ジャッジアイズ・パラディオン・ドラゴン リンク4 攻撃3000(2)→(EX2)

 

「そして、俺かお前の墓地に存在するリンクモンスター1体を《ジャッジアイズ》と相互リンク状態になるように俺のフィールドに特殊召喚する。俺はお前の《ガンレオン》を俺またはお前のフィールドに特殊召喚する」

「何!?」

《ジャッジアイズ・パラディオン・ドラゴン》と隣り合うように、《C.C.ガンレオン》がフィールドに現れ、その力を敵であるはずのドラゴンに供給していく。

「《ジャッジアイズ》は相互リンク状態のリンクモンスターの元々の攻撃力分、攻撃力がアップする」

 

ジャッジアイズ・パラディオン・ドラゴン リンク4 攻撃3000→5000(EX2)

C.C.ガンレオン リンク2 攻撃2000(2)

 

「《ジャッジアイズ・パラディオン・ドラゴン》で《C.C.リ・ブラスタ》を攻撃!審判のカオス・ストリーム!」

《ジャッジアイズ・パラディオン・ドラゴン》が発射するブレスが《C.C.リ・ブラスタ》を焼き尽くし、消滅させる。

そして、そのブレスは誠にも及ぶ。

「戦闘ダメージは2200!これで俺の勝ちだ!」

「まだだ!僕は《C.C.ベラ》のペンデュラム効果を発動!1ターンに1度、相手の特殊召喚されたモンスターが攻撃するとき、僕へ発生する戦闘ダメージを0にし、デッキからカードを1枚ドローする」

《C.C.ベラ》の帆から発生する白い波紋が誠を襲おうとしたブレスを消滅させ、誠はカードをドローする。

「ちっ…!凌いできやがった!俺はこれで、ターンエンドだ!」

 

手札2

LP1700

場 C.C.ジェニオン(バリアカウンター1) リンク3 攻撃2500(3)

  伏せカード1(3)(《ゼロ・エクストラリンク》)

  C.C.ベラ Pスケール1(1)

  C.C.コンパス Pスケール8(5)

 

手札3→0

LP1700

場 ジャッジアイズ・パラディオン・ドラゴン(相互リンク:《C.C.ガンレオン》) リンク4 攻撃5000(EX2)

  C.C.ガンレオン(《審判のカオス・ストリーム》の影響下 相互リンク:《ジャッジアイズ・パラディオン・ドラゴン》) リンク2 攻撃2000(2)

  クルセイド・パラディオン(永続罠)(2)

  にらみ合い(永続魔法)(3)

 

「ふうう…」

このターンを凌ぐことができたことで、誠は少しだけ安心できたのか、大きく息をする。

だが、まだ徹のフィールドには《クルセイド・パラディオン》と攻撃力5000の《ジャッジアイズ・パラディオン・ドラゴン》が存在する。

また、《クルセイド・パラディオン》と《にらみ合い》が存在する。

(《にらみ合い》のもう1つの効果は…確か、僕がエクストラモンスターゾーンにモンスターを特殊召喚したとき、相手は自分のメインモンスターゾーンのモンスター1体をそのモンスターの縦列のメインモンスターゾーンへ移動させることができる…)

今、徹の墓地には《アークロード・パラディオン》が存在する。

もし、こちらがリンク召喚をしようとしてきたなら、《クルセイド・パラディオン》で《ジャッジアイズ・パラディオン・ドラゴン》から《アークロード・パラディオン》へ入れ替えて、《にらみ合い》と併用して牽制してくるだろう。

一つだけ言えることは、今の状態では徹を倒すことができないということだ。

誠はデッキトップに指をかける。

「(来て…この状況を打開できるカード…!)僕のターン、ドロー!」

 

手札2→3

 

(さあ…どうする?エクストラモンスターゾーンを利用してくるか?それとも…)

「スタンバイフェイズ時に、《ジェニオン》の効果発動。このカードに乗っているバリアカウンターをすべて取り除く僕は手札から速攻魔法《星の瞬き》を発動!《ジェニオン》をリリースし、デッキから《C.C.バルゴラ》を手札に加える!」

「エースを自分から捨てるだと?」

《C.C.ジェニオン》が消え、誠のフィールドが空っぽになる。

だが、誠が手札に加えたカードはそれを上回るアドバンテージを与えるものだ。

「僕は手札から《C.C.バルゴラ》を召喚!」

 

C.C.バルゴラ レベル3 攻撃1200(1)

 

「《バルゴラ》の効果発動!このカードの召喚に成功したとき、相手フィールドに特殊召喚されたモンスターが存在し、僕のフィールドに存在するモンスターがこのカードのみの時、手札・デッキ・墓地から《バルゴラ》を特殊召喚できる。

 

C.C.バルゴラ×2 レベル3 攻撃1200(3)(4)

 

「現れろ、星を繋ぐサーキット!アローヘッド確認!召喚条件は《バルゴラ》を含むC.C.3体。僕は3体の《バルゴラ》をリンクマーカーにセット!サーキットコンバイン!リンク召喚!現れろ、リンク3!《C.C.バルゴラ・グローリー》!」

 

C.C.バルゴラ・グローリー リンク3 攻撃1900(EX1)

 

「《バルゴラ・グローリー》の効果発動!このカードの特殊召喚に成功したとき、このカードのリンク先に存在するモンスター1体を装備カードにする。けれど、この効果はこのカードがエクストラモンスターゾーンに存在する場合、もう片方のエクストラモンスターゾーンのモンスターも対象にできる!」

「《クルセイド・パラディオン》の効果発動!《ジャッジアイズ》をリリースし、墓地から《アークロード・パラディオン》を特殊召喚する!」

《C.C.バルゴラ・グローリー》が放つ光の網を回避するかのように、《ジャッジアイズ・パラディオン・ドラゴン》が消滅し、彼女の正面に《アークロード・パラディオン》が姿を見せる。

そして、彼女の体から放出される青いエネルギーを吸収していく。

「《バルゴラ・グローリー》がリンク先に存在する。よって、《バルゴラ・グローリー》は攻撃できなくなり、《アークロード・パラディオン》の攻撃力がアップ!」

 

アークロード・パラディオン リンク3 攻撃2000→3900(4)

 

「そんな…誠君の起死回生の効果が不発になって、《アークロード・パラディオン》の攻撃力がアップしちゃうなんて…」

《にらみ合い》のせいで誠のリンク召喚が裏目に出てしまった。

既に通常召喚を行っており、ここからさらなる展開は難しい。

「けど、今の誠君のフィールドには…」

「さあ、どうする…?これで終わりか?」

「いいえ、まだです!僕はセッティングしている《ベラ》と《コンパス》でペンデュラム召喚する!!星をつなげ、ペンデュラム!空に神話と伝説を刻め!ペンデュラム召喚!現れろ!幾多の星々の繋がりを調和する番人!《C.C.ミルキーウェイ・ドラゴン》!」

 

C.C.ミルキーウェイ・ドラゴン レベル7 攻撃2500(2)

 

「きれい…」

天の川から現れた純白のドラゴンに直葉は一瞬見とれてしまう。

機械族でありながら、その姿は生身のドラゴンのようにも見えてしまった。

「上級モンスターをリリースなしで召喚か…。だが、攻撃力2500じゃあ、《ガンレオン》を倒したとしても、俺のライフは残る!おまけに、《アークロード・パラディオン》に攻撃力が届いてないぞ!」

「僕は《ミルキーウェイ・ドラゴン》の効果を発動!このカードのペンデュラム召喚に成功したとき、相手フィールドの特殊召喚されたモンスターの数だけ、デッキの上からカードを墓地へ送る!そして、墓地へ送ったカードの数だけスターカウンターを乗せる」

「今の谷村さんのフィールドの特殊召喚されたモンスターは《ガンレオン》と《アークロード・パラディオン》の2体。だから、2枚のカードが墓地へ行く…」

「スターライト・チャージ!」

 

デッキから墓地へ送られたカード

・C.C.ハウンドドッグ

・ブレイクスルー・スキル

 

C.C.ミルキーウェイ・ドラゴン スターカウンター0→2(2)

 

「バトル!《ミルキーウェイ・ドラゴン》で《アークロード・パラディオン》を攻撃!!」

「攻撃力が劣る《ミルキーウェイ》で攻撃だと…何!?」

《C.C.ミルキーウェイ・ドラゴン》の体から発生する銀色の波紋を受けた《アークロード・パラディオン》は力を失い、片膝をつく。

「《ミルキーウェイ・ドラゴン》が相手の特殊召喚されたモンスターを攻撃するとき、ターン終了時までその相手モンスターの効果を無効化し、攻撃力を半分にする」

 

アークロード・パラディオン リンク3 攻撃3900→1000(EX2)

 

「スターライト・メガフレア!!」

発射される光の奔流が《アークロード・パラディオン》を消滅させ、そのエネルギーが徹にも及ぶ。

「うおおおお!!やってくれるな…だが、まだ俺のライフは…」

「《ミルキーウェイ・ドラゴン》がC.C.リンクモンスターのリンク先に存在する状態で相手モンスターを戦闘で破壊したとき、破壊したモンスターの攻撃力分のダメージを相手に与える」

「何!?うわあああああ!!」

光の奔流を受けた徹は大きく吹き飛ばされる。

勝利を見届けた《C.C.ミルキーウェイ・ドラゴン》は勝利を喜ぶかのように咆哮してから姿を消した。

 

LP1700→200→0

 

ゴーレム・ソング

通常魔法カード

(1):自分フィールドに存在する「ゴーレム」リンクモンスター1体を対象に発動できる。ターン終了時まで、相手フィールドの存在するモンスターの攻撃力はそのモンスターの元々の攻撃力分ダウンする。

(2):自分の墓地に存在するこのカードを除外し、自分の墓地に存在する「ゴーレム」リンクモンスター1体を対象に発動できる。そのモンスターをデッキに戻し、自分はデッキからカードを1枚ドローする。この効果はこのカードを発動したターン、発動できない。

 

C.C.ベラ

レベル3 攻撃0 守備1800 水属性 機械族

【Pスケール:青7/赤7】

(1):1ターンに1度、相手フィールドの特殊召喚されたモンスターが攻撃するときに発動できる。その戦闘で発生する自分へのダメージを0にし、デッキからカードを1枚ドローする。

【モンスター効果】

(1):バトルフェイズ中、相手フィールドの特殊召喚されたモンスターが効果の発動に成功したときに発動できる。手札のこのカードを自分フィールドに特殊召喚する。その後、このカードが自分フィールドに表側表示で存在する限り、その相手モンスターは攻撃できず、効果も無効となる。

(2):この効果を受けた相手モンスターがフィールドを離れたときに発動する。自分フィールドに存在するこのカードは自分Pゾーンの空いている個所へ移動する。その後、以下の効果から1つを適応できる。

●このカードのPスケールを1にする。

●このカードのPスケールを8にする。

 

審判のカオス・ストリーム

速攻魔法カード

このカード名のカードは1ターンに1度しか使用できない。

(1):自分フィールドに「ジャッジアイズ・パラディオン・ドラゴン」が存在するときに発動できる。そのモンスターの存在する位置によって、以下の効果が適応される。

●メインモンスターゾーン:メインモンスターゾーンに存在するそのモンスターを空いているEXモンスターゾーンへ移動させる。その後、自分・相手の墓地のリンクモンスター1体をそのモンスターと相互リンク状態となるように自分または相手フィールドに特殊召喚する。この効果で特殊召喚されたモンスターの効果は無効化され、攻撃できず、リンク素材とすることができない。。

●EXモンスターゾーン:自分の墓地に存在するリンクモンスター1体をそのモンスターと相互リンク状態となるように自分または相手フィールドに特殊召喚する。その後、「ジャッジアイズ・パラディオン・ドラゴン」とそのモンスターのリンク先に存在するモンスター以外のフィールド上のすべてのモンスターを破壊する。この効果で特殊召喚されたモンスターの効果は無効化され、攻撃できず、リンク素材とすることができない。

 

「やった…!勝ったぁ!あ…」

誠が勝利した嬉しさにガッツポーズを見せ、大声を出す直葉に病室を通りかかった患者や看護師の視線が集中する。

首を横に振り、スマホを切ってなんでもないように装い、再び眠っている琴音を見る。

(けど、誠君と谷村さん、なんでデュエルしてたんだろう…?それに、この映像って…)

「直葉ちゃん、早く屋上へ行こう!」

「アカネ?」

肩の上に小さくなったアカネが乗っている状態で現れ、何か嫌な予感を感じているのか、不安げな表情を直葉に見せる。

「誠君と谷村さんが危ないよ!何かが…怖いのが、来る!!」

余りにも抽象的だが、彼女の表情は嘘をついているように見えない。

「琴音…待ってて!」

置いていく幼馴染に詫びを入れた直葉は病室を飛び出した。

 

「痛て…派手にやりやがって…」

「あの、大丈夫ですか?谷村さん…」

倒れている徹に誠は手を差し出す。

徹は彼の手を借りて立ち上がると、着ているブルージャケットをはらう。

「ったく、情けねえな。まさかガキに負けちまうなんてな…」

「そんなこと…」

「おいおい、俺はこれでもデュエリストとしてのキャリアはお前より長いんだ。自信持てよ」

おかしな奴だ、と笑いながら徹は誠の肩を軽くたたく。

しかし、すぐに目つきを鋭くさせ、じっと誠を見る。

「だがよ…中途半端はやめろよな。やるってんなら、最後までだ。それが、これからも戦っていい、たった1つのシンプルな条件だ」

「…はい」

「刑事殿、結城さん、お話し中申し訳ありません。上空から精霊反応あり」

「何!?」

「上から…ステージ2か?」

「いいえ、これは…」

「久しぶりだね、結城誠。そして、裏切者」

声が聞こえた場所を見た誠は息をのむ。

彼はもう1人のC.C.使い、仮面の男だ。

仮面の男はゆっくりと屋上から降りてくる。

「誠君、谷村さん!!」

アカネの力を使って鍵を開けたのか、直葉が屋上のドアを開けて2人の元へ駆け寄る。

「直葉…!?なんでここへ??」

「アカネが教えてくれたの!けど、この人は…」

「…」

仮面の男は入って来たばかりの直葉とアカネに目を向ける。

しばらく彼女を見た彼だが、何一つしゃべることなく誠達を見る。

「イレギュラーの介入があったとはいえ、まさかペンデュラム召喚をわが物にするとはな…。これで、貴様らは禁忌の力を2つも再び手にしてしまったな…」

「禁忌の力…どういう意味だ!?」

「融合召喚…ペンデュラム召喚…」

侑哉と共に戦った、《マックス・テレポーター》のステージ2の言葉を誠は思い出す。

彼はそれらの召喚法を使う侑哉を異端視していた。

侑哉の話では、彼はその召喚法を神が生み出したものとし、人間が使うのを不敬だとも言っていた。

「一つだけ教えてやろう。私は監視者と呼ばれている。人間界へ逃げてきた精霊、そして人間を監視する者だ。そして…神の意に反する行動を犯した者へ制裁を加える」

「ふざけんな…神様とかなんとか知らねえが、勝手に裁かれるのはお断りだ!」

「お前たちの世界にも司法というものがあるだろう?それで、犯罪者を裁く。それと何が違う?」

「お前らが勝手に作ったルールだろうが!!話を聞く限りじゃあ、お前はステージ2の事件とかかわりがあるようだな?同行して…」

「お前の相手は後だ。今、私が相手をしなければならないのは結城誠…君だ」

仮面の男が右手をかざし、ニヤリと笑う。

そして、左腕のデュエルディスクを展開する。

「今回は邪魔が入ることはない。今度こそ、奪ったものを返してもらおう…」

「ちっ…無視すんじゃ…何??」

デュエルディスクを展開しようとした徹だが、なぜか体が動かず、勝手に扉の近くまで歩いてしまう。

それは直葉も同様だった。

「助けないと…!アカネ、変身を!!」

「駄目、何かに邪魔されて…変身できない!!」

「外野は黙ってみていてもらうぞ、ステージ3の少女、人間の知恵と力のみで戦う男。結城誠…お前が囚われた運命はここで終わる。潔く、あるべき姿に変えるがいい…」

「ざけんな…!誠、今度こそこいつを倒せ!こいつを倒さねえと、前へ進めねえし、仲良くお陀仏だ!!」

シャドーの介入により、誠は何もしていないにもかかわらず変身してしまう。

変身した誠の姿を見た監視者は目を細める。

「裏切者…やはり、それをお前に持たせ続けるわけにはいかないようだな…」

「うるせえ!何を持っているかもしらねえが、てめえらが持っているより百倍マシだろう!!…!?」

「シャドー…もしかして、記憶が…」

「今…俺は何でこんなことを…」

どうしてそのような言葉を言ったのか、シャドー本人にもわからず、困惑するあまり言葉を失う。

「なるほど…これは僥倖だ。だが、もう思い出す必要はない。お前もまた、神の掟に背いた。よって、その少女の中にいる精霊共々、処刑するだけだ」

監視者はカードを5枚ドローし、そのカードを見た後で再び誠を見る。

「今回は…見せることのできなかった本当の力を見せることができそうだ。お前への慈悲として、このデュエルで見せてやろう…」

「慈悲なんて…そんなのはいらない!直葉やみんなを危険にさらすというなら、相手になる!!」

「「デュエル!!」」

 

監視者

手札5

LP4000

 

手札5

LP4000


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。