遊戯王VRAINS 幽霊に導かれし少年   作:ナタタク

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第27話 電脳空間の戦士

「直葉…」

霧山城市の夜空を飛ぶ誠はステージ2と戦う直葉のことを案じる。

飛んでいる間も何度か直葉とステージ2がデュエルをしている光景が見えたが、今では全く見えなくなっている。

ステージ2を倒すことができたのか、それとも最悪の結果となったのか。

それが分かるまで、不安が晴れるはずがない。

「ったく、病み上がりの癖に…ん??気を付けろよ、誠」

「え…?どうしたの?シャドー」

「お前、ステージ2には敏感だが、それ以外については鈍感みてーだな!!」

急に誠の体がDボードもろとも勝手に横へと逸らす。

加速したまま一気に逸らしたことで反動が大きく、危うく意識が持っていかれる。

「痛た…シャドー、何を…!?」

「へえ、今の避けるって、すごいじゃん。…というより、中の精霊のおかげ?」

「…!?誰??」

Dボードを止め、声が聞こえた方向を見る。

そこには銀色のDボードに乗る薄緑色のフルフェイスのバイザーがついた銀色のヘルメットをつけた、黒いライダージャケットと手袋をつけた男がいた。

背丈は180以上の大柄で、左利きのためか右腕にデュエルディスクを装着している。

精霊のことを知っているらしい言動から考えると、おそらくはステージ3だろう。

「初めまして、というべきかな?どうだい?お近づきの印に俺とデュエルでも?」

「ええ…!?そんなことをやってる場合じゃないんだ!!」

彼の正体は気になるが、それよりも今は直葉のことを優先しなければならない。

Dボードを動かし、彼を素通りする。

しかし、数秒まっすぐ進むとなぜか目の前に再びDボードに乗った彼が正面から待ち受けていた。

「どうして…!?今、だってあそこに…??」

「デュエリストがデュエルを拒否するなんてなぁ。デュエルしてくれないなら、いくらでも追い回してやるよ?」

「そんな…!僕は…」

「グダグダ言ってる場合じゃねえぞ、誠!!こいつは…もう戦うしかねえ」

「そんなのって…くっ!!」

再び素通りするが、今度はまったく時間が経過していないにもかかわらず、また目の前に同じ状態で彼が立っていた。

おそらくまた同じことをしたとしても、彼は何度も追い回すだろう。

納得できないが、彼を倒さなければ先へ進めない。

やむなく誠はデュエルディスクを展開する。

「そうだ、それでいい。せっかく手に入れた力だ…。好きに使いたいからなぁ!!」

 

ステージ3

手札4

LP4000

 

手札4

LP4000

 

「スピードデュエル…??」

「急いでるんなら、その方が好都合だろう?先攻はもらう。俺は手札から魔法カード《ワンタイム・パスコード》を発動。俺のフィールドに《セキュリティトークン》1体を特殊召喚する」

《羊トークン》が描かれた青いセキュリティカードがフィールドに現れる。

 

セキュリティトークン レベル4 守備2000(2)

 

「加速しろ!自由へのサーキット!!」

上空にサーキットが出現し、その中へ《セキュリティトークン》が飛び込んでいく。

「アローヘッド確認。召喚条件はサイバース族トークン1体」

「また…サイバース族」

遊作と徹が持っていた未知の種族のモンスター。

《セキュリティトークン》もまた、サイバース族。

「リンク召喚。現れろ、リンク1。《BL(バーストリンカー)シルバー・クロウ》」

ステージ3と似たヘルメットを身に着けた、全身を銀の鎧で包んだひょろ長い肉体の戦士が現れる。

 

BLシルバー・クロウ リンク1 攻撃1000(EX1)

 

「これが俺のエースモンスター。俺の象徴、という奴だ」

「リンク1で、攻撃力1000のモンスターが…?」

「その意味はこれから分かるさ。俺は手札から魔法カード《アームズ・ホール》を発動。このターンの通常召喚を放棄する代わりに、デッキの上からカードを1枚墓地へ送り、デッキ・墓地から装備魔法カード1枚を手札に加える。俺がデッキから手札に加えるのは《メタトロン・ウィング》」

 

デッキから墓地へ送られたカード

・ルシード・ブレード

 

「そして、手札に加えた《メタトロン・ウィング》を《シルバー・クロウ》に装備」

《BLシルバー・クロウ》の背中に複数の金属フィンで構成された翼が出現する。

そして、頭には天使の輪が出現するとともにその翼が四枚二対のものへと変化していく。

「そして、《シルバー・クロウ》の効果発動。装備カードを1枚以上装備している場合、《シルバーウィングトークン》1体を特殊召喚できる」

《BLシルバー・クロウ》の翼から放出された羽根がトークンとして彼のそばに浮遊する。

 

シルバーウィングトークン レベル1 攻撃0(1)

 

「さあ、再び加速しろ。自由へのサーキット!アローヘッド確認。召喚条件はサイバース族トークン1体。俺は《シルバーウィングトークン》をリンクマーカーにセット。サーキットコンバイン!リンク召喚!現れろ、リンク1!《BLライム・ベル》」

三角帽子を深々と被った、緑をベースとしたローブを纏った小柄な少女を模したモンスターが《BLシルバー・クロウ》のリンク先に出現する。

 

BLライム・ベル リンク1 攻撃500(1)

 

「更に手札から装備魔法《クワイヤー・チャイム》を《ライム・ベル》に装備。そして、《ライム・ベル》の効果。装備カードを1枚装備していて、このカードが表側表示で存在する限り1度だけ、墓地から装備魔法カード1枚を手札に戻すことができる。俺は墓地から《ルシード・ブレード》を手札に戻す。そして、《ルシード・ブレード》を《シルバー・クロウ》に装備」

「また装備魔法を!?」

「《ルシード・ブレード》を装備した《シルバー・クロウ》の攻撃力は1000アップする」

両手に両刃直剣を手にした《BLシルバー・クロウ》がそれを構え、バイザー越しに相手である誠をにらむ。

 

BLシルバー・クロウ リンク1 攻撃1000→2000(EX1)

 

「でも…これだけ装備カードを装備したんだ。魔法・罠ゾーンはもう…」

「《シルバー・クロウ》の効果。装備カードを2枚以上装備している場合、そのうちの1枚をこのカードの下に置き、その効果を得る」

「魔法・罠ゾーンじゃなくて、装備モンスターの下に置くだって!?」

「俺のBLデッキ、お前の常識に縛られないのさ!そして、俺はカードを1枚伏せて、ターンエンドだ!」

 

ステージ3

手札4→0

LP4000

場 BLシルバー・クロウ(《メタトロン・ウィング》《ルシード・ブレード》装備) リンク1 攻撃2000(EX1)

  BLライム・ベル(《クワイヤー・チャイム》装備) リンク1 攻撃500(1)

  メタトロン・ウィング(装備魔法)(1)

  クワイヤー・チャイム(装備魔法)(2)

  伏せカード1(3)

 

手札4

LP4000

場 なし

 

「装備カード主体で、2体ともリンク1のモンスター…一体、何なんだ…??」

このターン、召喚したモンスターはすべてサイバース族で、遊作との関係性を感じずにはいられない。

おまけに装備カードを自分の下に置くという聞いたことのない効果まで持っていて、それが誠を困惑させる。

「さあ、お前のターンだぞ!楽しもうぜ!」

「こんな状況で…楽しんでなんかいられるか!僕のターン、ドロー!」

 

手札4→5

 

「相手ターンのスタンバイフェイズ時に、BL達の効果が発動!こいつらは相手スタンバイフェイズ時に、自分が装備しているカードの数×500攻撃力がアップする!」

 

BLシルバー・クロウ リンク1 攻撃2000→3000(EX1)

BLライム・ベル リンク1 攻撃500→1000(1)

 

「リンク1なのに、ここで攻撃力が3000!?」

「時間をおけば置くほど、パワーアップしていく…。早めに倒さないと、痛い目見るぜ?」

「くっ…!」

未知なるモンスターに未知なる効果。

苦虫をかみつぶしながら、誠は手札のカードを見る。

「僕は手札から《C.C.バルゴラ》を召喚!」

 

C.C.バルゴラ レベル3 攻撃1200(2)

 

「《バルゴラ》の効果!このカードの召喚に成功したとき、フィールドに存在する僕のモンスターがこれだけで、相手フィールドに特殊召喚されたモンスターが存在するとき、更に手札・デッキ・墓地から《バルゴラ》を呼び出すことができる」

 

C.C.バルゴラ×2 レベル3 攻撃1200(1)(3)

 

「更に僕は手札から永続魔法《デカン・レコード》を発動!そして、現れろ!星を繋ぐサーキット!アローヘッド確認!召喚条件は《バルゴラ》を含むC.C.3体。僕は3体の《バルゴラ》をリンクマーカーにセット。サーキットコンバイン!リンク召喚!現れろ、リンク3!《C.C.バルゴラ・グローリー》!」

 

C.C.バルゴラ・グローリー リンク3 攻撃1900(EX2)

 

「《バルゴラ・グローリー》は特殊召喚に成功したとき、このカードのリンク先の特殊召喚されたモンスター1体を装備カードにすることができる!この効果はエクストラモンスターゾーンで発動している場合、もう片方のエクストラモンスターゾーンのモンスターを対象にすることもできる!カーバー・ドレイン!」

《C.C.バルゴラ・グローリー》の装備コンテナからビームの網が発射されようとするが、その前にそのモンスターの体が青く光るとともに、その姿が3体の《C.C.バルゴラ》へと戻ってしまう。

 

C.C.バルゴラ×3 レベル3 守備1000(1)(2)(3)

 

「そんな…!?どうして…??」

「カウンター罠《リンク・ストップ》を発動したのさ。こいつは相手のリンク召喚を無効にし、そのモンスターをエクストラデッキに戻したうえで、リンク素材となったモンスターを可能な限りお前のフィールドに特殊召喚する。そして、このターンお前はリンク召喚を行えない。これで、このターンの《バルゴラ・グローリー》の効果は封じたぜ」

狙い通りになったと仮面の中でステージ3は笑みを浮かべる。

せっかくリンク召喚した《C.C.バルゴラ・グローリー》が戻された上にこのターンのリンク召喚を封じられたとなると、リンク召喚主体の誠にとっては痛い状況だ。

「でも、これで終わったわけじゃない。僕は《デカン・レコード》の効果発動。僕のフィールドに存在するC.C.モンスター1体をリリースし、デッキからカードを1枚ドローする。僕は《バルゴラ》をリリースして、ドロー!!そして、その効果でドローしたカードがC.C.ペンデュラムモンスターの場合、そのカードを相手に見せることで、さらにカードを1枚ドローする。僕がドローしたカードはペンデュラムモンスター、《C.C.エリダヌス》!よって、さらにカードを1枚ドローする!」

「へえ、ここでペンデュラムモンスターを手札に…」

「そして、僕はスケール3の《エリダヌス》とスケール9の《パールファング》でペンデュラムスケールをセッティング!これで僕はレベル4から8までのモンスターを同時に召喚可能!星をつなげ、ペンデュラム!空に神話と伝説を刻め!ペンデュラム召喚!現れろ、《C.C.ブラスタ》!」

 

C.C.ブラスタ レベル4 攻撃1900(3)

 

「バトルだ!《ブラスタ》で《ライム・ベル》を攻撃!バンカー・スラッシュ!」

《C.C.ブラスタ》がピストルを撃ちながら接近し、シールドで切り裂こうとする。

しかし、《BLライム・ベル》が巨大なベルを盾替わりにして、弾丸とシールドを受け止め、無傷な姿を見せる。

「《ライム・ベル》が装備している《クワイヤー・チャイム》の効果。BLリンクモンスターは1ターンに1度、戦闘及び効果では破壊されず、戦闘で発生する俺へのダメージは0になる。まさに鉄壁のベルさ。残念だったな!」

「くっ…!」

こちらのスタンバイフェイズになるたびにパワーアップするBLリンクモンスターを1体だけでも除去したかったが、そうなることも織り込み済みで《クワイヤー・チャイム》を装備させたのだろう。

「僕はこれで、ターンエンド…」

 

ステージ3

手札0

LP4000

場 BLライム・ベル(《クワイヤー・チャイム》装備) リンク1 攻撃1000(1)

  クワイヤー・チャイム(装備魔法)(2)

 

手札5→3

LP4000

場 C.C.バルゴラ×2 レベル3 守備1000(1)(2)

  C.C.ブラスタ レベル4 攻撃1900(3)

  C.Cエリダヌス(青) Pスケール3(1)

  デカン・レコード(永続魔法)(2)

  C.C.パールファング(赤) Pスケール9(3)

 

「俺のターン、ドロー!」

 

ステージ3

手札0→1

 

「メインフェイズ開始時に、奥は《デカン・レコード》の効果を発動!相手メインフェイズ時、エクストラモンスターゾーンに相手モンスターが存在し、僕のフィールドにリンクモンスターが存在しない場合、このカードをフィールドから墓地へ送ることで、僕のフィールドのC.C.モンスターを素材に、C.C.リンクモンスター1体をリンク召喚できる!」

《デカン・レコード》がサーキットへと変化し、上空へと飛んでいく。

「へえ…相手ターンでも効果を発動する永続魔法かぁ…。珍しいものもあるんだなぁー」

「現れろ、星を繋ぐサーキット!アローヘッド確認!召喚条件は《バルゴラ》を含むC.C.3体。僕は《バルゴラ》2体と《ブラスタ》をリンクマーカーにセット!サーキットコンバイン!リンク召喚!現れろ、リンク3!《C.C.バルゴラ・グローリー》!」

 

C.C.バルゴラ・グローリー リンク3 攻撃1900(EX2)

 

「そして、《エリダヌス》のペンデュラム効果発動!僕がC.C.リンクモンスターのリンク召喚に成功する度に、このカードの上にスターカウンターを1つ置く!」

 

C.C.エリダヌス(青) スターカウンター0→1(1)

 

「更に、《バルゴラ・グローリー》の効果発動!《シルバー・クロウ》を装備カードにする!カーバー・ドレイン!」

再びフィールドに現れた《C.C.バルゴラ・グローリー》が再びビームの網を発射し、それが今度こそ《BLシルバー・クロウ》を捕縛し、武装コンテナに取り込んでいく。

「そして、このカードの攻撃力はこの効果で装備したモンスターの元々の攻撃力の半分の数値分アップする」

 

C.C.バルゴラ・グローリー リンク3 攻撃1900→2400(EX2)

 

「なかなかやるな。でも、まだ俺が負けたってわけじゃない。俺は手札からフィールド魔法《アクセル・ワールド》を発動!」

発動と同時に夜空に波紋が発生し、徐々に緑が入り混じった夜空へと変わっていく。

「《アクセル・ワールド》はスピードの、自由の世界!ここからが俺のデュエルの本領だ!!」

 

ステージ2を倒し、一度は安寧を取り戻したはずの街中で直葉達を乗せたトレーラーがサイレンを鳴らしながら走る。

小沢はトレーラーについているレーダーから送られる情報を確認しつつ、運転手に指示を出す。

「このまままっすぐに進んで!そして、ガーランド(霧山城市の道の駅)正面の交差点を左に曲がって!予測コースを考えると、近道になるわ!」

「誠君…」

変身を解除している直葉はベンチに腰掛け、戦っている誠の身を案じる。

ステージ3の存在に気付いたアカネの言葉に従い、徹達に協力してもらい、誠の元へ向かっている。

気になるのはどうしてステージ3が誠とデュエルをしているのかだ。

「ステージ3になったのなら、ステージ2とか、精霊のことが分かっているはず…だったら…」

「ステージ3になったからといって、ステージ2と戦う正義の味方になるってわけじゃないだろう?そういう点は個人の自由だ」

水を飲み、フラットな言葉を口にする徹は強化服に身を包んだままで、その視線はモニターに向けられる。

映像には誠とステージ3の位置座標が映っていて、それが200キロ近いスピードでまっすぐ移動し続けている。

「ま…警察官として、町の治安を乱すっていうなら、誰だろうと許す気はねーけどな…!」

「誠君、無事でいて…!」

 

「《アクセル・ワールド》の効果発動。俺のフィールドにBLリンクモンスターが存在する場合、俺のフィールドに《アクセルトークン》1体を特殊召喚する」

小さな《BLシルバー・クロウ》と言えるモンスターがフィールドに現れる。

ただ、その体つきはモデルとなったモンスターとは対照的で、小柄で肥満体と言える。

 

アクセルトークン レベル1 攻撃0(2)

 

「さあ、現れろ!自由へのサーキット!アローヘッド確認。召喚条件はサイバース族トークン1体。俺は《アクセルトークン》をリンクマーカーにセット!サーキットコンバイン!リンク召喚!現れろ、リンク1。《BLシアン・パイル》!」

無数のスリットがついた仮面を身に着けた、シアンの鎧姿の戦士がフィールドに現れるとともに、両肩に装着されているランプが淡く光る。

 

BLシアン・パイル リンク1 攻撃1200(2)

 

「更に、《アクセル・ワールド》の効果発動。1ターンに1度、自分フィールドにBLリンクモンスターがリンク召喚されたとき、デッキ・墓地からBLがテキストに記されている装備魔法カードを1枚手札に加えることができる。俺はデッキから《パイル・ドライバー》を手札に加える。そして、《パイル・ドライバー》を《シアン・パイル》に装備!」

シンプルな太い棒が側面についたガントレッドが《BLシアン・パイル》の腕に装着される。

「《シアン・パイル》を装備したモンスターの攻撃力は1000アップする」

 

BLシアン・パイル リンク1 攻撃1200→2200(2)

 

「そして、《パイル・ドライバー》の効果発動。1ターンに1度、相手フィールドの魔法・罠カードを1枚破壊できる。俺は《バルゴラ・グローリー》に装備されている《シルバー・クロウ》を破壊する」

武装コンテナに格納されていた《BLシルバー・クロウ》が消え、それからのエネルギー供給が断たれたことで《C.C.バルゴラ・グローリー》が力を失う。

 

C.C.バルゴラ・グローリー リンク3 攻撃2400→1900(EX2)

 

「更に、《シアン・パイル》の効果。このカードが装備カードを1枚以上装備している場合、その装備カード1枚を墓地へ送ることで、墓地からリンク1のBLリンクモンスター1体を特殊召喚できる。俺は墓地から《シルバー・クロウ》を復活させる」

 

BLシアン・パイル リンク1 攻撃2200→1200(2)

BLシルバー・クロウ リンク1 攻撃1000(3)

 

「そして、現れろ!自由へのサーキット!アローヘッド確認!召喚条件はリンク1のBLリンクモンスター2体。俺は《シルバー・クロウ》と《シアン・パイル》をリンクマーカーにセット。サーキットコンバイン!リンク召喚!!現れろ!!」

上空のサーキットに2体のリンクモンスターが飛び込み、その中から両腕と両足に剣が装着されている細い女性的な体つきをした、黒と紫がベースのアーマー姿の女性が舞い降りる。

「すべてを包む黒を宿す刃の姫君、リンク2!《BLブラック・ロータス》!!」

 

BLブラック・ロータス リンク2 攻撃0(EX1)

 

「攻撃力0…こいつは、何かありやがるな…」

わざわざ2体のリンクモンスターを素材にしてまでリンク召喚したそのモンスターにシャドーは強く警戒する。

《BLブラック・ロータス》はそんな彼の心を見透かすように、黒く透き通った刃の腕を誠の中にいるシャドーに向ける。

「《ブラック・ロータス》がフィールドに存在する限り、俺はモンスターを通常召喚できない…が、一つ教えておいてやる。俺のメインデッキには…純粋なモンスターは1体も入っちゃいない」

「な…!?」

「正気の沙汰じゃねえぞ…そいつは」

確かに、ここまでの展開でステージ3がモンスターを通常召喚したことは1度もない。

だが、どうしてこのタイミングでそんな自分のデッキのことを暴露してきたのかが気になってしまう。

「言っただろう?俺のデッキに常識は通用しない。つまり、自由なんだよ!《ブラック・ロータス》の効果発動!こいつのリンク召喚に成功したとき、墓地に存在するカードテキストにBLが記されている装備魔法カード2枚を手札に戻すことができる。俺は墓地の《メタトロン・ウィング》と《ルシード・ブレード》を手札に戻す。更に、《ブラック・ロータス》は1ターンに1度、墓地に存在するリンク1のBLリンクモンスター1体を特殊召喚できる。再び蘇れ、《シルバー・クロウ》!」

《BLブラック・ロータス》が両手の剣を空に掲げると、上空から銀色の羽根が降ってきて、それと共に《BLシルバー・クロウ》が舞い降りる。

 

BLシルバー・クロウ リンク1 攻撃1000(3)

 

「そして、《シルバー・クロウ》に《メタトロン・ウィング》を装備。そして、《シルバー・クロウ》の効果発動。《シルバーウィングトークン》1体を特殊召喚する」

 

シルバーウィングトークン レベル1 攻撃0(2)

 

「更に現れろ、自由へのサーキット!」

このターン3度目のサーキットが出現し、現れたばかりの《シルバーウィングトークン》が飛び込んでいく。

「アローヘッド確認。召喚条件はサイバース族トークン1体。俺は《シルバーウィングトークン》をリンクマーカーにセット。サーキットコンバイン!リンク召喚!現れろ、リンク1!《BLスカイ・レイカー》!」

銀色をベースとした、つば広帽子とワンピースで身を包んだ、車いすに座る女性型モンスターが現れろ。

 

BLスカイ・レイカー リンク1 攻撃0(2)

 

「そして、手札から装備魔法《ルシード・ブレード》を《スカイ・レイカー》に装備。《スカイ・レイカー》は装備カードを1枚以上装備している場合、元々の攻撃力が1500になる!」

《ルシード・ブレード》を手に取った瞬間、装備していたワンピースと帽子がはじけ飛ぶとともに車いすも粉々に砕け散る。

そして、翼の装飾が各部に施されている銀色の女戦士というべき姿へと一変した。

 

BLスカイ・レイカー リンク1 攻撃0→1500→2500(2)

 

「更に、《ブラック・ロータス》は俺のフィールドのBLリンクモンスターの元々の攻撃力の合計分アップする」

 

BLブラック・ロータス リンク2 攻撃0→3000(EX2)

 

「攻撃力3000!?」

「それから忘れてはいないよな?《ルシード・ブレード》を装備した《スカイ・レイカー》は1度のバトルフェイズ中に2回まで攻撃できる!バトルだ!《スカイ・レイカー》で《バルゴラ・グローリー》を攻撃!」

《BLスカイ・レイカー》が《ルシード・ブレード》を構え、回転しながら《C.C.バルゴラ・グローリー》に突っ込んでいく。

《C.C.バルゴラ・グローリー》は武装コンテナからビームの刃を発生させて受け止めるが、《ルシード・ブレード》に対ビームコーティングが施されているのか、あっという間に突き抜けられてしまい、胴体を真っ二つに切り裂かれる形で破壊される。

「うわあああ!!」

 

LP4000→3400

 

「これで、お前のフィールドはがら空き!もう1度攻撃だ!!」

回転をやめた《BLスカイ・レイカー》が誠の目の前で一度停止し、胸に手を当てて深くお辞儀した後で後ろを向く。

しかし、その一瞬で誠の胴体を《ルシード・ブレード》が一閃していて、痛みを覚えた誠が膝をつく。

「ぐうう…!」

 

LP3400→900

 

「お前にはライフが0になるダメージを受けるとき、無理やりライフを1残して、カードを1枚ランダムに手に入れるスキルだある!けどな、ライフ1の状態でもう一撃加えられたら、さすがに無理だろ?《シルバー・クロウ》でダイレクトアタック!」

《BLシルバー・クロウ》が《メタトロン・ウィング》を羽ばたかせ、誠に向けて突っ込んでいき、翼で誠の胴体を切り裂く。

「ぐうう…僕はスキルStar Accessを発動!ライフが0になるダメージを受けるとき、僕のフィールドのカードをすべて破壊し、僕のライフを1残す!!」

 

LP900→1

 

「そして、ランダムにカードが手札に加わる!!」

上空から流れ星が誠に向けて降ってきて、それがカードへと変わっていく。

そして、そのカードを手札に加えた誠はそれを見て笑みを見せる。

「まだまだ!!《ライム・ベル》でダイレクトアタック!!」

《BLライム・ベル》がとどめを刺そうと持っている《クワイヤー・チャイム》で殴ろうとする。

「僕は手札の《C.C.オリオン》の効果発動!相手フィールドの特殊召喚されたモンスターの攻撃宣言時、このカードを手札から特殊召喚する!」

誠をかばうように現れた《C.C.オリオン》を前に、攻撃は不可能だと判断した《BLライム・ベル》はステージ3の元へ戻る。

 

C.C.オリオン レベル6 守備2400(2)

 

「なら、《ブラック・ロータス》で《C.C.オリオン》を攻撃!」

《BLブラック・ロータス》が両腕の剣で《C.C.オリオン》を十字に切り裂いて撃破する。

その瞬間、手札に加わったばかりのカードが淡く光る。

「今だ…!僕は手札から《CC:スターライト・ペンデュラム》を発動!僕のフィールドのC.C.が戦闘で破壊されたときに発動でき、その時に僕のフィールドにモンスターが存在しない場合、このカードは手札から発動できる!」

「何!?」

「その効果で、このターン戦闘で破壊されたC.C.1体を墓地から特殊召喚できる。僕は《C.C.バルゴラ・グローリー》を特殊召喚!」

 

C.C.バルゴラ・グローリー リンク3 攻撃1900(2)

 

「更に、エクストラデッキに表側表示で存在するC.C.ペンデュラムモンスターを2体まで守備表示で特殊召喚できる。僕は《エリダヌス》と《パールファング》を守備表示で特殊召喚!」

 

C.C.エリダヌス レベル7 守備2200(3)

C.C.パールファング レベル7 守備2200(EX2)

 

「ちっ…!俺はこれで、ターンエンドだ!!」

 

ステージ3

手札1→0

LP4000

場 BLブラック・ロータス(リンク先:《BLライム・ベル》《BLスカイ・レイカー》 《ルシード・ブレード》装備) リンク3 攻撃3000(EX1)

  BLライム・ベル(リンク先:《BLスカイ・レイカー》 《クワイヤー・チャイム》装備) リンク1 攻撃1000(1)

  BLスカイ・レイカー リンク1 攻撃2500(2)

  BLシルバー・クロウ(《メタトロン・ウィング》装備) リンク1 攻撃1000(3)

  ルシード・ブレード(装備魔法)(1)

  クワイヤー・チャイム(装備魔法)(2)

  メタトロン・ウィング(装備魔法)(3)

  アクセル・ワールド(フィールド魔法)

 

手札3→2

LP1

場 C.C.パールファング レベル7 守備3300(EX2)

  C.C.バルゴラ・グローリー(リンク先:《C.C.エリダヌス》) リンク3 攻撃1900(2)

  C.C.エリダヌス レベル7 守備2200(3)

 

このターンの敗北は免れたものの、ライフはたったの1になってしまった。

しかし、ここで《C.C.オリオン》をギリギリまで温存したことで勝利への道は開けた。

「僕のターン、ドロー!!」

 

手札2→3

 

「この瞬間、《ブラック・ロータス》以外のBLリンクモンスター達の効果が発動!自らが宿している装備カードの数だけパワーアップだ!」

 

BLライム・ベル リンク1 攻撃1000→1500(1)

BLスカイ・レイカー リンク1 攻撃2500→3000(2)

BLシルバー・クロウ リンク1 攻撃1000→1500(3)

 

「僕は手札から魔法カード《スターライト・リンク・ペンデュラム》を発動。僕のペンデュラムゾーンにカードが存在しないとき、僕のフィールドのリンク3以上のC.C.リンクモンスター1体をリリースすることで、デッキからカード名の異なるC.C.ペンデュラムモンスター2体を手札に加える。僕は《バルゴラ・グローリー》をリリースし、デッキから《C.C.コンパス》と《C.C.ミルキーウェイ・ドラゴン》を手札に加える!」

「…!《ミルキーウェイ・ドラゴン》!!」

「《ミルキーウェイ・ドラゴン》で驚きやがったな…てめえ、俺らのことをどこまで知ってるんだ?」

誠のスキルのことを知っており、《C.C.ミルキーウェイ・ドラゴン》をはじめとした誠のペンデュラムモンスターやペンデュラム召喚についても知っている。

どうしてこのタイミングで現れたのかはわからないが、おそらくこのステージ3は最近そうなったわけではない。

「何者だ、てめえは!」

「何者かどうかなんて問題じゃないだろ?俺はただ自由に楽しみたい…それだけだ!」

「その自由が誰かに奪われている人がいるとしたら…?」

「うん…?」

「最初、戸惑ったよ…。どうして何もない僕にこんな力がって…でも、もし僕に誰かを助けるだけの力があるなら、これを助けられる人に使いたい。だから…!」

それは今、監視者によって囚われている和人とその妹である直葉に対する贖罪の思いが始まりかもしれない。

自分は手の届く範囲の人しか助けられない、テレビやゲームで出てくるようなヒーローではない。

だが、それでも、そんな誠でも助けられる人がいるというなら。

「ふん…!力をどう使おうと自分の勝手だろう!?さっさとデュエルを続けろよ。ジャッジキルされたいのか!?」

「…現れろ、星を繋ぐサーキット!アローヘッド確認。召喚条件はリンクモンスター以外のC.C.モンスター1体。僕は《パールファング》をリンクマーカーにセット。サーキットコンバイン!リンク召喚!現れろ、リンク1!《C.C.ジ・インサー》!」

 

C.C.ジ・インサー リンク1 攻撃0(EX2)

 

「《ジ・インサー》の効果発動!このカードが表側表示で存在する限り、1度だけ墓地からC.C.リンクモンスター1体をこのカードのリンク先に特殊召喚できる。僕は《バルゴラ・グローリー》を墓地から特殊召喚!」

 

C.C.バルゴラ・グローリー リンク3 攻撃1900(1)

 

「現れろ、星を繋ぐサーキット!アローヘッド確認。召喚条件は同じ種族のモンスター2体以上。僕は《バルゴラ・グローリー》と《エリダヌス》をリンクマーカーにセット!サーキットコンバイン!リンク召喚!現れろ、リンク4!《D.C.サイバスター》!!」

 

D.C.サイバスター リンク4 攻撃2800(1)

 

「更に僕は手札から魔法カード《リンク・ディベード4》を発動。僕のフィールドのリンク4以上のモンスター1体をリリースし、デッキからカードを2枚ドローする!」

せっかくリンク召喚したばかりの《D.C.サイバスター》がフィールドから消滅し、その代わりに2枚のカードが誠の手に渡る。

「そして、僕はスケール4の《C.C.ミルキーウェイ・ドラゴン》とスケール8の《C.C.コンパス》でペンデュラムスケールをセッティング!これで僕はレベル5から7までのモンスターを同時に召喚可能!星をつなげ、ペンデュラム!空に神話と伝説を刻め!ペンデュラム召喚!現れろ、《D.C.サイバスター》!」

「何!?《サイバスター》はリンクモンスターのはず!?どうしてペンデュラム召喚できる!?」

「ああ…そうだったね。ペンデュラムモンスターとしてのこのカードの効果を使うのは初めてだね。このカードはレベル7のモンスターのペンデュラム召喚が可能な時、エクストラデッキからペンデュラム召喚できる…ペンデュラムリンクモンスターなんだ!」

異世界との繋がりで生まれた新たなカテゴリーはもしかしたら、これからも現れる可能性のない一瞬のきらめきかもしれない。

しかし、そうすることができるのも、そのきらめきを繋げるのも己次第だ。

「ペンデュラム召喚!よみがえれ、《D.C.サイバスター》!!」

 

D.C.サイバスター リンク4 攻撃2800(1)

 

「《サイバスター》の効果発動!このカードのペンデュラム召喚に成功したとき、このカードのリンク先にモンスターが存在しない場合、相手メインモンスターゾーンのモンスターをすべて除外する!」

「何!?じょ…除外だってぇ!?」

「除外なら、てめえの《クワイヤー・チャイム》の効果も、《メタトロン・ウィング》の効果も無意味だなぁ!!」

「アカシックコードサーチ!!」

《D.C.サイバスター》が剣先を相手フィールドに向け、正面の魔法陣を生み出すと、それに向かって剣を投げる。

剣は魔法陣通過と同時に鳥のようなエネルギー体へと変換され、自らも鳥のような形態に変形させた《D.C.サイバスター》が追随するように飛行する。

そして、2体の鳥が重なりあい、青色のエネルギーを放出させる不死鳥へと変貌し、ステージ3のフィールドに突っ込んでいく。

「いけ!アカシックバスター!!」

ステージ3のメインモンスターゾーンが《D.C.サイバスター》が通過すると同時に発生したエネルギーの嵐に飲み込まれ、その中で《BLスカイ・レイカー》と《BLシルバー・クロウ》が消滅していき、残る《BLライム・ベル》が《クワイヤー・チャイム》を盾替わりに凌ぎ続ける。

「くっそ!!《クワイヤー・チャイム》の効果!装備モンスターがカード効果でフィールドを離れるとき、代わりにこのカードを墓地へ送る!!」

エネルギーの嵐が収まり、無傷で済んだ《BLブラック・ロータス》と《BLライム・ベル》が周囲を見渡すが、そこには彼女たち以外の仲間は一人も残っていなかった。

「2体のBLリンクモンスターがいなくなったことで、《ブラック・ロータス》の攻撃力はダウン!」

 

BLブラック・ロータス リンク3 攻撃3000→500(EX1)

 

「そして、僕は手札から《C.C.ピーコック》を召喚」

 

C.C.ピーコック レベル4 攻撃1600(3)

 

「現れろ、星を繋ぐサーキット!アローヘッド確認。召喚条件はC.C.モンスター1体以上。僕は《ピーコック》と《ジ・インサー》をリンクマーカーにセット。サーキットコンバイン!リンク召喚!現れろ、リンク2!《C.C.ガンレオン》!」

 

C.C.ガンレオン リンク2 攻撃2000(EX2)

 

「そして、《ピーコック》の効果発動!このカードが表側表示でエクストラデッキへ送られたとき、エクストラモンスターゾーンに相手モンスターが存在する場合、一度だけエクストラデッキから特殊召喚できる」

 

C.C.ピーコック レベル4 攻撃1600(3)

 

「バトル!《ガンレオン》で《ライム・ベル》を攻撃!ライオット・ジャレンチ!」

《C.C.ガンレオン》が持っている大型レンチを振り回し、それを叩きつけることで《BLライム・ベル》を粉砕する。

「ぐううう!!」

 

ステージ3

LP4000→3500

 

「そして、《ガンレオン》の効果。このカードが特殊召喚されたモンスターを戦闘で破壊したとき、墓地のC.C.1体を特殊召喚できる。僕は《バルゴラ・グローリー》を墓地から特殊召喚!」

 

C.C.バルゴラ・グローリー リンク3 攻撃1900(2)

BLブラック・ロータス リンク3 攻撃500→0(EX1)

 

「《バルゴラ・グローリー》で《ブラック・ロータス》を攻撃!コンバット・アクション・ゴー!!」

《C.C.バルゴラ・グローリー》が武装コンテナからミサイルを数発発射して牽制した後で高度を上げ、そこから一気に下降して武装コンテナを《BLブラック・ロータス》にたたきつける。

頭部に鈍い一撃を受け、めまいを覚えたのか、彼女が頭を押さえている間に距離を取り、武装コンテナから身の丈ほどの長さの刃を出し、それで彼女を両断した。

 

ステージ3

LP3500→1600

 

「これで終わりだ…!《サイバスター》でダイレクトアタック!」

続けて《D.C.サイバスター》が剣を召喚すると、それを右手で握り、ステージ3を縦に切り裂いた。

「くうう…やってくれたなぁ!次は俺が勝つから、覚悟しろよなぁ!!」

敗北したにもかかわらず笑みを浮かべたステージ3は自らの能力を発動したのか、光学迷彩で自分とDボードの姿を隠してしまった。

 

ステージ3

LP1600→0

 

BL(バーストリンカー)シルバー・クロウ

リンク1 攻撃1000 リンク 風属性 サイバース族

【リンクマーカー:下】

サイバース族トークン1体

このカード名のカードは自分フィールドに1枚しか表側表示で存在できず、このカード名の(2)の効果はいずれも1ターンに1度しか使用できない。

(1):相手スタンバイフェイズ時に発動する。このカードの攻撃力はこのカードが装備している、または(2)の効果でこのカードの下に置かれている装備魔法カードの数×500アップする。

(2):このカードが装備している、または(2)の効果でこのカードの下に置かれている装備魔法カードの数によって、以下の効果を得る。

●1枚以上:このカードが装備魔法カードを装備したときに発動できる。「シルバーウィングトークン」1体を自分フィールドに特殊召喚する。

●2枚以上:このカードが装備している装備魔法カードのうちの1枚を対象に発動できる。そのカードをこのカードの下に置き、その効果を得る。

●3枚以上:このカードのリンク先にモンスターが存在しない場合、このカードをリリースすることで発動できる。相手フィールドのカードをすべて破壊する。

 

シルバーウィングトークン

レベル1 攻撃0 守備0 トークン 風属性 サイバース族

「BLシルバー・クロウ」の効果で特殊召喚される。

このカードはリリースできず、「BL」モンスター以外の召喚素材とすることができない。

 

メタトロン・ウィング

装備魔法カード

「BL」リンクモンスターにのみ装備可能。

このカード名の(2)の効果はデュエル中1度しか発動できない。

(1):装備モンスターは戦闘では破壊されない。

(2):このカードが墓地に存在し、自分LPが1000以下の時、自分の墓地に存在するリンク1の「BL」リンクモンスター1体を対象に発動できる。そのモンスターを自分フィールドに特殊召喚し、このカードを装備させる。

(3):(2)の効果でこのカードを装備したモンスターが相手モンスターと戦闘を行うダメージステップ開始時に発動する。装備モンスターの攻撃力はダメージステップ終了時まで戦闘する相手モンスターの攻撃力分アップする。

 

ルシード・ブレード

装備魔法カード

「BL」リンクモンスターにのみ装備可能。

(1):装備モンスターの攻撃力は1000アップする。

(2):装備モンスターは1度のバトルフェイズ中に2回まで攻撃できる。

 

BLライム・ベル

リンク1 攻撃500 リンク 闇属性 サイバース族

【リンクマーカー:右】

サイバース族トークン1体

(1):相手スタンバイフェイズ時に発動する。このカードの攻撃力はこのカードが装備している、または(2)の効果でこのカードの下に置かれている装備魔法カードの数×500アップする。

(2):このカードが装備している、または(2)の効果でこのカードの下に置かれている装備魔法カードの数によって、以下の効果を得る。

●1枚以上:このカードが表側表示で存在する限り1度だけ、自分の墓地に存在する装備魔法カード1枚を対象に発動できる。そのカードを手札に戻す。

●2枚以上:このカードが装備している装備魔法カードのうちの1枚を対象に発動できる。そのカードをこのカードの下に置き、その効果を得る。

●3枚以上:このカードが表側表示で存在する限り1度だけ、自分フィールドのモンスターが破壊されたターン終了時に発動できる。このターン、破壊された自分の「BL」リンクモンスターを墓地から可能な限り自分フィールドに特殊召喚する。この効果で特殊召喚されたモンスターは「BL」リンクモンスター以外のリンク素材とすることができない。

 

クワイヤー・チャイム

装備魔法カード

「BL」リンクモンスターにのみ装備可能。

(1):自分フィールドの「BL」リンクモンスターは1ターンに1度、戦闘・効果では破壊されず、戦闘で発生する自分へのダメージを0にする。

(2):装備モンスターがカード効果でフィールドを離れるときに発動できる。代わりにこのカードを墓地へ送る。

 

リンク・ストップ

カウンター罠カード

(1):相手がリンクモンスターのリンク召喚に成功したときに発動できる。その召喚を無効にし、そのモンスターをEXデッキに戻す。その後、相手フィールドにそのモンスターのリンク素材となったモンスターを墓地から可能な限り、表側守備表示で特殊召喚する。このカードを発動したターン、相手はリンク召喚を行えない。

 

 

デカン・レコード

永続魔法カード

このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。

(1):自分フィールドの「C.C.」モンスター1体をリリースすることで発動できる。デッキからカードを1枚ドローする。そのカードが「C.C.」Pモンスターの場合、そのカードを相手に見せることで、更にもう1枚だけデッキからカードをドローできる。

(2):相手メインフェイズ時、EXモンスターゾーンに相手モンスターが存在し、自分フィールドにリンクモンスターが存在しない場合、自分フィールドのこのカードを墓地へ送ることで発動できる。自分フィールドの「C.C.」モンスターを素材に「C.C.」リンクモンスター1体のリンク召喚を行う。

 

アクセル・ワールド

フィールド魔法カード

(1):1ターンに1度、自分フィールドに「BL」リンクモンスターが存在する場合に発動できる。自分フィールドに「アクセルトークン」1体を特殊召喚する。この効果を発動したターン、自分は通常召喚を行えず、サイバース族以外のモンスターを召喚・特殊召喚できない。

(2):1ターンに1度、自分フィールドに「BL」リンクモンスターの特殊召喚に成功したときに発動できる。自分のデッキ・墓地からテキストに「BL」が記されている装備魔法カードを1枚手札に加える。

(3):自分フィールドに「BL」リンクモンスターが相手によってフィールドから離れたときに発動する。フィールド上に存在するこのカードを破壊する。この効果は無効化されない。

 

アクセルトークン

レベル1 攻撃0 守備0 トークン 風属性 サイバース族

「アクセル・ワールド」の効果によって特殊召喚される。

 

パイル・ドライバー

装備魔法カード

「BL」リンクモンスターにのみ装備可能

このカード名の(2)の効果は1ターンに1度しか発動できない。

(1):装備モンスターの攻撃力を1000アップさせる。

(2):相手フィールドの魔法・罠ゾーンに存在するカード1枚を対象に発動できる。そのカードを破壊する。その際に対象としたカードがセットされたカードの場合、相手はこの効果の発動に対して、対象となったカードを発動できない。

 

BLシアン・パイル

リンク1 攻撃1000 リンク 地属性 サイバース族

【リンクマーカー:左】

サイバース族トークン1体

このカード名のカードの(2)の効果はいずれも1ターンに1度しか使用できない。

(1):相手スタンバイフェイズ時に発動する。このカードの攻撃力はこのカードが装備している、または(2)の効果でこのカードの下に置かれている装備魔法カードの数×500アップする。

(2):このカードが装備している、または(2)の効果でこのカードの下に置かれている装備魔法カードの数によって、以下の効果を得る。

●1枚以上:このカードが装備している装備魔法カード1枚を墓地へ送ることで発動できる。自分の墓地に存在するリンク1の「BL」リンクモンスター1体を自分フィールドに特殊召喚する。

●2枚以上:このカードが装備している装備魔法カードのうちの1枚を対象に発動できる。そのカードをこのカードの下に置き、その効果を得る。

●3枚以上:自分フィールドの「BL」リンクモンスターが攻撃する場合、相手はダメージステップ終了時まで魔法・罠・モンスター効果を発動できず、戦闘を行う相手モンスターの攻撃力・守備力が元の数値に戻る。

 

BLブラック・ロータス

リンク2 攻撃0 リンク 闇属性 サイバース族

【リンクマーカー:左下/右下】

リンク1の「BL」リンクモンスター2体

このカード名のカードは自分フィールドに1枚しか表側表示で存在できない。

このカードはリンク3以上の「BL」リンクモンスター以外のリンク素材にできない。

(1):自分はモンスターを通常召喚できない。この効果は無効化されない。

(2):このカードのリンク召喚に成功したとき、自分の墓地に存在するテキストに「BL」と記されている装備魔法カードを2枚まで対象として発動する。そのカードを手札に加える。

(3):1ターンに1度、自分の墓地に存在するリンク1の「BL」リンクモンスター1体を対象に発動できる。そのモンスターを自分フィールドに特殊召喚する。

(4):このカードの攻撃力は自分フィールドに存在する「BL」リンクモンスターの元々の攻撃力の合計分アップする。

 

 

BLスカイ・レイカー

リンク1 攻撃0 リンク 地属性 サイバース族

【リンクマーカー:右下】

サイバース族トークン1体

このカード名の(2)の効果はいずれも1ターンに1度しか使用できない。

(1):相手スタンバイフェイズ時に発動する。このカードの攻撃力はこのカードが装備している、または(2)の効果でこのカードの下に置かれている装備魔法カードの数×500アップする。

(2):このカードが装備している、または(2)の効果でこのカードの下に置かれている装備魔法カードの数によって、以下の効果を得る。

●1枚以上:このカードの元々の攻撃力が1500となる。

●2枚以上:このカードが装備している装備魔法カードのうちの1枚を対象に発動できる。そのカードをこのカードの下に置き、その効果を得る。

●3枚以上:このカードが相手モンスターと戦闘を行うダメージステップ開始時に発動できる。戦闘を行う相手モンスターを墓地へ送り、そのモンスターの元々の攻撃力分のダメージを相手に与える。

 

CC:スターライト・ペンデュラム

通常罠カード

(1):自分フィールドの「C.C.」モンスターが戦闘で破壊されたときに発動できる。このターン、戦闘で破壊された自分の「C.C.」モンスター1体を墓地から特殊召喚する。その後、EXデッキに表側表示で存在する「C.C.」Pモンスターを2体まで表側守備表示で特殊召喚する。

(2):このカードは自分フィールドにモンスターが存在しない場合、手札からでも発動できる。

 

スターライト・リンク・ペンデュラム

通常魔法カード

このカード名の(1)(2)は1ターンにそれぞれ1度しか発動できない。

(1):自分フィールドに存在するリンク3以上の「C.C.」リンクモンスター1体をリリースすることで発動できる。自分のデッキからカード名の異なる「C.C.」Pモンスター2体を手札に加える。このカードを発動したターン、自分Pゾーンに存在する「C.C.」Pカードは魔法・罠カードの効果では破壊されない。

(2):自分フィールドに「C.C.」リンクモンスターがリンク召喚されたとき、墓地のこのカードを除外することで発動できる。ターン終了時までそのモンスター1体の攻撃力を自分Pゾーンに存在する「C.C.」Pカードの数×1200アップさせる。

 

リンク・ディベート4

通常魔法カード

(1):自分フィールドに存在するリンク4以上のリンクモンスター1体を対象に発動できる。そのモンスターをリリースし、デッキからカードを2枚ドローする。

 

「くそ…!あいつ、どこへ行きやがった!?」

Dボードを止め、周囲を見渡すが、あのステージ3の姿はどこにもなく、反応も感じられない。

「次は自分が勝つみたいなことを言ってた…。きっと、また僕たちの前に出てくる」

未知のカード、BLを操るステージ3。

ステージ3であるにもかかわらず、なぜ自分にデュエルを仕掛けてくるのか、そしてどうして自分のことを知っているのか、何もわからずじまいだ。

「誠くーーーーん!!」

「その声…直葉??」

直葉の声が聞こえ、振り返るとDボードに乗った直葉の姿があり、目の前までやってきた彼女が心配そうに誠を見つめる。

「誠君!?大丈夫??」

「う、うん…大丈夫…。その、直葉は…どうなの?」

「私も大丈夫だよ。谷村さんたちが助けてくれたから」

「そっか…」

直葉の無事を知り、安心した誠だが、ここから何を話せばいいのかわからない。

和人のことを詫びればいいのか、それとももっと別のことを話せばいいのか、混乱して何も思いつかない。

黙り込む誠を見つめる直葉は何も言わずに誠の手を握る。

「直葉…?」

「何も言わなくていいよ、わかってるから…。お兄ちゃんのこと、絶対に誠君のせいじゃないって…わかってるから…」

「でも…」

「あたしはお兄ちゃんを助けたい。だから…お願い、誠君。あたしとお兄ちゃんを助けてくれないかな?」

安心させようと笑顔を見せる直葉に誠の目が潤む。

許されないと思われた自分を直葉が許してくれて、助けを求めている。

そのことがうれしくて、だがそれでも自分自身が許せなくて、喜びと罪悪感がごちゃ混ぜになる。

何も答えることができず、涙を流すことしかできない。

「もう…昔から泣き虫だね、誠君って…」

 

 


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