サザエ=サン   作:サンシタ

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◆暑さ◆皆さん暑いですか?私は暑いです、どうか熱中症にお気をつけて、水分・塩分の補給、充分な睡眠、ニンジャアトモスフィアの補給等、自己管理メント重点でお願いします◆暑い◆


◆海鮮◆最近サザエさんアトモスフィアが感じられない展開で関係各位に大変なご迷惑をおかけし申し訳ありません、実際作者自身が(これは闇金ウシジマ=サンとのクロスでは?)などと自問自答にふける展開ですがサザエさん一家はもう少しで登場するので今しばらくお待ち下さい◆鮮魚◆



それでは更新です



◆◆◆サザエ=サン◆◆◆


#4アビス・フィッシュ・カオス

アウトレイジがヘル・キノコ・ヤクザクランの事務所で横暴の限りを尽くしたいた頃、マーダー・タケノコクランでは未だに会議が続いていた。

 

 

 

 

長時間の会議で出席しているヤクザ幹部達は一様に疲労を顔に滲ませていた、建設的な意見が出ず否定の否定が繰り返される不毛な会議・・・・・・平安時代末期、北条早雲がエド・トクガワの大軍に居城を包囲され打開策が浮かばずに会議を繰り返しいたずらに時を費やしたオダワラ・ミーティングの故事を思い起こさせる。

 

 

 

 

幹部達は皆クランの窮状を理解はしていた、なるほど今回もヘル・キノコの襲撃を退けた、だが次の攻撃は今までのように退ける事は出来るのか?圧倒的な敵対ヤクザクランの攻勢に自分達マーダー・タケノコクランは人的、資金的に耐えられるのか。

 

 

 

その答えは・・・・・・否だ、ヘル・キノコクランだけならばなんとかなるであろう、しかし彼らの背後には巨大な暗黒ニンジャ武力組織ソウカイシンジケートが控えているのは間違い無い。

 

 

 

ヘル・キノコクランの攻勢を凌ぎきれたとしてもソウカイヤが本気でマーダー・タケノコを潰しにかかれば1時間もせずこの抗争は終結するだろう、タケノコ側ヤクザの全滅という結末で。

 

 

 

彼らソウカイヤにとって何も難しい事では無い、ニンジャを・・・・・・ソウカイニンジャを1人でも差し向ければ良いだけの話である。

 

 

 

ニンジャの戦闘力は実際圧倒的だ、銃弾を回避出来る動体視力と反射神経、恐るべきカラテ・・・・・・並みのヤクザなど何十人いても何の問題も無く皆殺しにされるだろう、マーダー・タケノコクランもフリーランスニンジャに仕事を依頼した事もあれば妨害される事もありその実力は良く理解している。

 

 

 

 

クランの壊滅を防ぐ為に出来る事は最早ただ一つ、・・・・・・皆その方策が頭に浮かぶ、だが誰もその考えを口に出す事は出来なかった、リアルヤクザとしてのプライドか、オヤブンの叱責を恐れてか。

 

 

 

気まずい沈黙と重苦しい空気が会議室を覆う、沈んだ表情で顔を見合わす幹部達、オヤブンのチヨクラの表情が険しくなり怒声が上がろうかというその時。

 

 

 

「・・・・・・オヤジ」チヨクラの目の前、最前列の席に座っていた1人のグレーターヤクザが挙手し発言の許可を求めた、チヨクラは無言で頷く、仕立ての良い高級感漂うグレーのヤクザスーツに身を包んだ壮年が立ち上がる。

 

 

 

 

浅黒く焼けた肌、顔面に付けられたカタナ傷そして全身から漂う暴力的アトモスフィア・・・・・・只のヤクザでは無いことは一目瞭然である、男の名はササギ・リュウジ恐るべき武闘派ヤクザクラン、マーダー・タケノコ・ヤクザクランのNo2でありチヨクラの後継者と目されている男だ。

 

 

 

武闘派ヤクザクランの幹部の名に恥じないカラテのワザマエを誇り若い頃から数々の殺人クエストやカチコミ・ミッションを成功させてきた猛者であり、また、幾つもの合法・非合法のシノギ・ビスで大きな利益をクランにもたらした大黒柱的存在でありクランの内外で大きく名を轟かしていた。

 

 

 

立ち上がるササギにこの場に集まった一同の視線が注がれる、ある者は期待の、ある者は信頼の眼差しを送る、クランのメンバーがササギによせるソンケイはオヤブンのチヨクラに勝るとも劣らない。

 

 

 

場のざわめきが収まるのを待ってササギが口を開く「この場に集まった者はクランの現状は良く理解していると思う」ひと息入れて言葉を続ける「ヘル・キノコの連中との抗争は現在激化の一途を辿っている」

 

 

 

 

「我々の拠点は本部を含め連日の様に奴らの襲撃を受け多数の死傷者を出している、これを見てくれ」戦略チャブ・テーブル上のモニターには抗争開始以降の毎日の死傷者発生数、発生した金銭的損失、そして付随する各種データが有機LEDディスプレイに映し出される。

 

 

 

死傷者と金銭的損失を意味する折れ線グラフは右上に跳ね上がりクランの窮状が可視化される、感覚的に厳しい状況だとは感じていたクランの幹部達だが改めて具体的に数値化されるとその危機的状況に言葉を失いジリー・プアー(訳:徐々に不利)の言葉が頭に浮かぶ。

 

 

 

「連中の攻撃は常軌を逸している、まともな神経ならこんなヤバレ・カバレなカチコミなどせん、だが・・・・・・これを見て貰いたい」ササギはディスプレイの画像を切り替える。

 

 

 

切り替わった画像は先程の襲撃の物である、襲撃側のヘル・キノコクランのヤクザ達は皆、双子の様に同じ顔、同じ身長、同じ体格である、そして別の襲撃現場の画面に切り替わる、ここでも同じ顔のヤクザ達がマーダー・タケノコの拠点を襲撃している、更に別の現場でも、これは一体・・・・・・?

 

 

 

 

「・・・・・・クローンヤクザ」ボソリと誰かが呟いた、一般市民はクローン人間の実用化を知らない、しかしネオサイタマの社会を支配する政・財・官そしてヤクザ・・・・・・彼らにはクローンヤクザの存在は周知の事実であり人件費削減の観点から導入に踏み切るヤクザクランは急速に増えている、昔ながらの義理・人情といったウェットな人間関係を重んじる幾つかのヤクザクランは導入を拒んではいるがその数は少なく減少の一途を辿っている。

 

 

 

マーダー・タケノコもそんなヤクザクランの一つである、ヤクザとは職業では無く生き様だと信じる彼らにとってクローンヤクザの存在は嫌悪感を感じさせる存在でありモニターに映るクローンヤクザ達をマーダー・タケノコの幹部達は忌々しげに睨みつける。

 

 

 

呟きに頷くとササギは言葉を続ける「そう、クローンヤクザだ、ヘル・キノコの連中は戦力をクローンヤクザに切り換えている」「嘆かわしい事だ」誰かが呟いた、ヘル・キノコ・ヤクザクランも元をたどれば江戸時代から続く歴史ある組織である、これも時代の流れか。

 

 

 

「だがおかしいとは思わないか?ヘル・キノコの連中がこれ程のクローンヤクザを購入し連日の様にカチコミを仕掛けてくる・・・・・・それだけの資金は連中にあると思うか?」

ササギの言葉に会議室に静かなざわめきが広がる。

 

 

 

確かにその通りだ、クローンヤクザがリアルヤクザを雇用するよりは安く済むとは言っても無料では無い、それなりの購入予算、維持費が必要になってくる数十人規模だと決して安い金額では無い、更に武器・弾薬の費用もある、それらはどこから出たのか?

 

 

 

マーダー・タケノコ・ヤクザクランとヘル・キノコヤクザクラン、双方とも組織の規模、資金力、戦闘力いずれもドングリ・コンペティションでありこれ程の大規模な抗争を行える余裕は無いはずだ、後先考え無いヤバレ・カバレ作戦だとしても先に息切れするのはヘル・キノコ側だ。

 

 

 

だが現実は追い込まれているのは自分達でヘル・キノコは平然と戦力は増強し続けている、グレーターヤクザの一人に不吉なイメージが湧き起こる「ま・・・まさか・・・・・・」

 

 

 

「そのまさかだ奴らヘル・キノコの野郎共ソウカイシンジケートの傘下に入りやがった」ササギは吐き捨てるかの様に言い放った。

 

 

 

#4アビス・フィッシュ・カオス完#5に続く

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




◆感謝◆今回も読んで頂きありがとうございました◆感激◆

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