岸波白野の転生物語【まじこい編】【完結】   作:雷鳥

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色々な思いはあとがきで。


【エピローグ】

「「それじゃあお父さん行ってきます!」」

 

「はい行ってらっしゃい。車に気をつけるんだよ」

 

 元気よく出かけて行く我が子達を見送って家事を行う。

 

 ……あ、どうも『主夫』の鉄優季です。今年で結婚10年目です。そして今日は結婚記念日。そう、自分が『喰われ』たあの日です。

 

 ……思えば無茶無茶だよなぁ。

 

 十年前のあの日、自分は目が覚めたら全裸だった。

 そして周りの親しい女性も。更にはなんか色々アレな匂いや赤い色のティッシュにタオルが周りに放置され、それを見た瞬間に『あ、自分これやっちまったな』と生涯で一番の冷や汗を流しながら、それでも責任は取らないと、と思い立って個人的に一番頼りになる大人認定をしていたあずみさんに電話して九鬼への就職をお願いした。

 

 その後目が覚めた全員の前で土下座して全員ちゃんと幸せにしますと宣言した訳だ。

 

「……思えばあのとき一部の人が物凄く申し訳なさそうな顔してたけど……事情を知っている今となっては納得だよなぁ」

 

 自分があの日の真実を知ったのは全員と正式に『付き合う』事になってから一年後だった。揚羽さんが教えてくれたのだが、もっと早く教えてくれても良かったんじゃないと言うと『これでお前も落ち着けるだろ?』なんて笑われてしまった。

 

「まぁ結局九鬼には就職しなかった訳だけど」

 

 その点だけは揚羽さんも誤算だったらしく苦笑まじりに残念がっていた。

 当初は自分が全員を養うお金を稼ごうと思ったが『いや、不可能だろう。むしろ優季が主夫になるべきだ』とマルギッテの冷静な言葉に全員が同意し、結局自分は川神学園を卒業後、こうして主夫として子供達の面倒を見続けた……生まれた子が悉く娘でしかもファザコンなのはきっとそのせいに違いない。

 

 因みに娘達は全員鉄の性を名乗っている。

 というのも日本は重婚を認めていないので指輪は全員に送ったが結婚届は出していない。

 まあ法的な手続きは全部済ませたので、自分と娘達は法的にも血縁的にもちゃんとした親子である。子供達に問題が無いのならば親が被った色々は些細な事である。

 

『次のニュースです。川神市長が新しく――』

 

「おっと、今日も出てるな大和」

 

 あの海での語らいで何か思うところがあったのか、大和は夏休み明けから勉強し、クラス替えテストでSクラスにやってきた。

 

『もう一度目指してみる事にしたよ』

 

 と一言呟いた彼の笑顔は今でも思い出せる。そして現在は川神氏の市長、ではなくその補佐として現市長と共に一緒に川神をより良くしようと頑張っている。彼ならきっとすぐに市長となり、いずれは夢を叶えるだろう。

 

 家事を終えて日課の運動をしながら他の面々についても思い出す。

 

 風間は夢であった冒険家としてあちこち父親と一緒に飛び回っては偶に川神に帰ってくる。

 一子は夢が叶って川神院の師範代として百代のサポートを行っている。というか百代が一子の言う事しか聞かないので彼女が常に傍にいるというのが正しいか。

 ガクトは営業のサラリーマンとしてそこそこ実績を上げているらしい。年下の子から告白される事も増えたが、やはり年上が好きなので未だに独身なんだそうだ。

 モロは意外な事に演劇の道を進み、この前は全国区のドラマのエキストラとしてテレビに出ていた。

 クリスは本国に戻って父親とおなじ軍人になり、マルギッテさんの上官として働いている。都合が合うとよく家に来るので昔よりも仲良くなれた気がする。

 椎名さんは大和の秘書だそうだ。まだ諦めていないらしく大和が愚痴っていた。

 由紀江ちゃんも実家に戻って家を継いだらしい。地元の友達も何人か増えたと、この前メールが着ていた。

 冬馬と準も実家の病院で医者として精力的に働いている。クリスと同じくよく家に来て談笑する。

 義経、弁慶、与一、清楚姉さんは紋様と一緒に政治の道へと進み、色々と頑張っているそうだ。そのうち大和ともぶつかる日が来るのか、それとも協力するのか今から楽しみだ。

 

「さて、そろそろ夕食の下準備でもしようか。みんな仕事がバラバラだけど、今日は集まれるって言っていたし」

 

 日課の運動や趣味の裁縫等をしている内に空が茜色に染まったのを見て夕食の準備に取り掛かりながら、結婚してそれぞれの夢に向かって頑張る奥さんたちの事を考える。

 

 小雪は小児科の医者として働いている。あの明るい笑顔が子供達に人気で来院する家族が多いらしい。

 百代は川神院の総代を引き継ぎ現在は一子と共に世界のあちこちを飛び回って見識を広めている。学園は鉄心さんが学園長として管理しルー師範も教員と師範代を兼任して働いている。

 弁慶と清楚姉さん項羽姉さんは義経と一緒に政治の世界に足を踏み入れて何かと大変だと電話で言っていた。そのせいか帰ってくると物凄く甘えてくる。

 マルギッテは帰国後はクリスの後方部隊に配属となり戦地にはあまり行かなくなったらしい。そのお陰でよほどの用事でも無い限りは日本で仕事をしている。たぶん、クリスや彼女の父親が色々根回ししたのだろう。

 静初とステイシー、天衣は九鬼のあずみさんの直属の従者部隊として今も働いている。日本に居る時は家で過ごしているが、たまに長期で海外に行ったりと中々多忙な生活を送っている。そのせいか帰って来るとスキンシップが激しい。

 梅子はそのまま川神学園の教師を続けている。周り曰く厳しいのは変わらないが子供が出来てから良い意味でトゲが無くなって丸くなったとの事だ。あと、宇佐美先生は酒を飲む量が増えたらしい。

 

 親しかった友人たちはそれぞれの道に進み、そして自分は結局この街に留まっている。

 

 だがまぁ幸せだからいいか。

 

 子供達の世話も好きだし、疲れて帰ってくる妻達を労うのも好きだ。

 当初は色々と大変だったが今ではご近所さん達とも楽しく接して貰っている。

 

 もしかしたら違う未来があったかもしれない。だがきっとそれはまたどこかの誰かのお話なのだろう。

 

 そんな事を考えながら下準備を終え、結婚記念10年目のプレゼントを用意する。

 

 そして玄関から聞こえた複数の『ただいま』という声に、自分は笑顔を浮かべて出迎える。

 

 ――おかえりなさい。

 




……まず、ここまで読んでくれた方、ありがとう。そしてこんな終わり方で申し訳ない。
ハイスクールは元々アニメまでの所で打ち切りエンドさせるつもりだったから良かったけど、こっちはちゃんと終わらせる予定だった為に色々と反省しています。
活動報告でも言いましたが、いつかリメイクでリベンジするつもりです。

水着と各ヒロインの子供に関しては設定自体はちゃんとあるのですが、もったいなくて出せませんでした。リメイクの方で使えたら使う予定です。

それではもう一度。最後まで読んでくれてありがとうございました!
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