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15件の感想……ありがとう。
ヌギステルサギ……。
あ、サブタイトルつけました。
泣き張らした顔のフィアッセさんはもう笑っている。二人で他愛もない会話をしていたらローウェルが呼びにきた。なんでも、仕事をおえた中島さんが道具を置いて帰ったらしい。なお、それぞれの説明はされていないもよう。俺に働けというのか。
「──そんな感じだからお願いね。あ。それとね。ゴトウのオジ様が来てるわ。シンと話したいって。それもお願いね」
「五島一佐が? わかった。すぐに行くよ。リビングで待たせているのか?」
「うん。ママさんがいぢめてたわ。ヒカワのオジ様も泣かされてたから、急いであげたら?」
「ああ、うん。すぐに向かうよ。ありがとう、ローウェル。……五島一佐と氷川さんがねぇ。なんだか重なる日だなあ」
「真くん? どんなひと達なの?」
「ああ、簡単にいうと『ふんどし』と『M字ハゲ』だよ。詳しくいうとだね──」
五島公夫(ごとうきみお)一等陸佐は陸上自衛隊の所属であり、『悪魔との共存』を夢みる暑苦しい男である。発言が革命家のようでありながら『より良い日本を守る』ことを念頭に置くため、過激な発言をしても処分はされていない。あと、やたらと俺を勧誘してくる。しかもだ。ふんどしにうるさい。
氷川正敏(ひかわまさとし)は『サイバース・コミュニケーション』という大手通信会社を経営する表の顔、ガイア教徒である裏の顔を使い分けている男だ。醜い争いの絶えない世界に失望したものの、暑苦しい五島一佐と論争をするのを楽しむ一面もある。今はヤタガラスと協力関係を築いており、近々ガイア教から脱退するつもりだとか。スタイリッシュな服装を好むが、M字ハゲだ。
──ストリップしてやがる。
「キャッ」
「誰が得するんだよ、バカやろー」
俺達がリビングに着いてみれば、陸上自衛隊の制服を脱ぎ散らかした五島一佐が高笑いをあげているではないか。白いふんどしを脱ぎ捨て真っ裸になったと思えば、妙に慣れた手つきで赤いふんどしを巻いた五島一佐が俺をみる。ローウェル? 逃げるの早いな。
「おお! 真ではないか! みよっ。このふんどしは素晴らしいと思わんかね? トールマンを排除した記念に新調したのだ。……ふむ。新田少年。記念に白いほうをくれてやろう。赤ふんはあげてやれん。すまんな」
「いらんわ!」
「……お兄ちゃん? まだなの?」
「まだだ。目を閉じていろよ。……いいところにきたよ、真くん。あれをどうにかしてくれ」
「ぬっ、温もりが辛いにゃ……」
投げられた白いふんどしの下からリニスが出てきたけどさあ。本当になにしてくれてんの? ひとん家でさあ。
「やあ、真。そろそろ五島一佐は公然猥褻罪とかにならないかな? 陸上自衛隊を辞職するべきだと思うんだ、私はね」
「氷川さんも止めなよ。……あ。殺された」
「セクハラは犯罪よ。死になさい。……あら? いたのね、真。朱美は帰ったから、なのはちゃんの処置だけは先にしたわ。説明は任せるから。エンジェル。ゴミを片しなさい」
哀れ、エンジェル。
「お母様は自由すぎるよぅ。……まあ、いいか。恭也さん達に説明する前に、氷川さんの用事は?」
「トールマンの排除の件にくわえ、私が穏便にガイア教徒から抜けれたことを報告しにね。真のいう通りに『創世の巫女』が真の味方になったから、賭けは真の勝ちになる。私はまた負けたわけだよ。……それにしても、相変わらずの弱肉強食だねぇ」
氷川さんの身体が震えていた気もするが無視するとして。そうか。高尾先生の件が解決したから報告しに来たわけだ。想像以上に律儀なひとだ。
「わかりました。……では、氷川さん? 俺の名は間薙真。コンゴトモ、ヨロシク」
「ふふ。ああ、そうだな。今後ともヨロシクだ。私ができる助力は約束しよう」
氷川さんと握手を交わした。ピクシーが道具を抱えて飛べなくなっているのをみたフィアッセさんが手伝ってくれている。まだ汚れているリビングはよろしくないな。道具を回収したので恭也さん達を俺の自室に連れていこう。
「──すまない。待たせた。説明をお願いしたいが、新田くんは大丈夫か?」
「えっ、ええ。なんとか大丈夫です、恭也さん。リニスは大丈夫か?」
「マスター。温もりがぁ……」
「リニスさん? なでてあげるね! いいこ、いいこ。リニスさんも可愛いの」
「少し待ってください。軽く調べてからでないと、なにを説明すればいいのかわかりません」
「すまない。勇み足だな。悪いが頼むよ」
男二人をソファに座らせ、フィアッセさんとなのははベッドの上へ。俺はテーブルに広げた道具のチェックを始める──。
「──優のは簡単だ。インテリジェントだからな。詳しくはピアスに訊いてやってくれ。可能になったのは『悪魔召喚プログラム』の起動。仲魔の召喚と送還。ダーク悪魔以外との会話を可能にしたこと等々。基本的なことは可能だと思ってくれていい。これらは恭也さんとも共通していますので。……そうですね。試しに起動、召喚をしてください。実践しながらいきましょう」
「大丈夫なのか?」
「ピアス?」
『問題ありません。マスター』
「ええ、問題ありません。すでに使用者の登録はされていました。恭也さんのカード型のCOMPは初めてみましたが、中身はありふれてました。注文した際に聞いていたと思いますが、恭也さんのカードには地霊のカハク、優には妖精のハイピクシーの召喚コードが入っています。マッカとマグネタイトは俺が分けましたから、丸々三日は召喚したままでも大丈夫な量です」
優のピアスはデフォルトで日本語か。恭也さんのもそうしとくね。俺からピアスを受け取った優が立ち上がった。
「なら、ピアス。セットアップだ」
『イエス、マスター。セットアップ』
なぜ学ラン? しかも白いけど?
「ピアス。悪魔召喚プログラの起動。妖精のハイピクシーを召喚できるか?」
『問題ありません。悪魔召喚プログラムを起動します──』
五芒星の魔法陣が空中に展開され、魔法陣が回りながら発光して妖精が出現した。青い髪を逆立てて飛ぶハイピクシーはピクシーの進化先になる。妖精ピクシーの長、そんな立ち位置にいるハイピクシーは優をみて鼻で笑った。
「アンタが新しいサマナー? まあ、ヘンタイじゃないからいっか。仲魔になってあげる。アタシは妖精ハイピクシー。これからヨロシクしてあげるから」
「お。おう。よろしく」
「それで? 仕事は? アタシはナニをしたらいいわけ? ……帰るわ」
「待てまて。親交をだな。お、おいっ」
どこかに飛び去ろうとするハイピクシーを追いかける優にタメ息が出てしまう。なのはの頭に乗る、俺のピクシーを見つけたハイピクシーは睨んで威嚇し始めた。なのはの腕にはリニスが抱えられ、小首を傾げていた。フィアッセさんは微笑んでいる。
「おんなじ妖精さん?」
ピクシーとハイピクシーね。サイズは変わらんしなあ。
「いいから聞いてくれ、ハイピクシー。僕は新田優でだな」
「そこでやってろ。──恭也さんのカード型COMPは音声入力が基本です。洋服越しでも大丈夫ですが、身体と接触するほどの距離で実行してください。起動は『悪魔召喚プログラムを起動』するといえば大丈夫。召喚や送還も同じようにしてください」
俺の言葉に返ってきたのは、深すぎる深呼吸だった。戦闘でも始める気ですか、恭也さん。
「わかった。これから『悪魔召喚プログラムを起動』する」
『──オーライ。完了したぜ。次はどうするんだ、兄貴? 召喚なら一体だけだぜ』
「妙に軽いな……。召喚を頼む」
『オーライ。カハクを召喚するぜ!』
五芒星の魔法陣が空中に展開され、魔法陣が回りながら発光して地霊が出現した。朱色の肌にタイトなチャイナ服を着用し、背に蝶の翅が生えた少女。妖精然とした可愛らしい姿がカハクになる。
「あ……。かっこいい。新しいサマナー?」
「そうだ。よろしく頼む。俺が高町恭也。あそこにいる女の子、なのはの兄になる。カハクにはなのはを守ってほしい。頼めるか?」
「う、うん。……その。サマナーも守ってあげるから。あたしは地霊、カハク。その。よろしくね?」
「ああ。よろしく頼む」
優と恭也さんの温度差がひどいなあ。さて。俺もやりますかね。新しい仲魔だし、改良後だから正規の手順でいくか。
「起きろ、相棒。音声入力『悪魔召喚プログラムを起動』する」
『OK BUDDY.SUMMON PROGRAM.START-UP』
────RESET
────SEI
────CLC
────XCE
────CLD
────X16
────M8
────LDX #1FFFH
────TXS
────STZ NMITIME
────LDA #BLANKING
────STA INIDSP
EL ELOHIM ELOHO ELOHIM SEBAOTH
ELION EIECH ADIER EIECH ADONAI
JAH SADAI TETRAGRAMMATON SADAI
AGIOS O THEOS ISCHIROS ATHANATON
────AGLA AMEN────
──AUTHENTICATE...
──SHIN.MANAGI.LINK...OK.
──SHIN.MANAGI.MAGNETITE...OK.
──真.間薙...MY BUDDY.OK.
────NOW LOADING────
──DIGITAL
──DEVIL
──SUMMON
──PROGRAM
──ACTIVATION
『HELLO BUDDY.WHATS UP?』
「相棒こそ、調子はどうだい? 新しい仲魔の召喚をするぞ。凶鳥のモーショボー。妖精のナジャを」
『NO PROBLEM.DDS-SYSTEM.ACTION』
二つの魔法陣から出現した悪魔達は髪の毛と翼が一体化したような幼女がモーショボー、色黒の肌に白い服と骨のペンダントを身に付けた幼女がナジャになる。やはり、どちらも育てられており──さすがロリコン──初心者には向かないレベルになっていた。
「ん~……。新しいサマナー? ヘンタイじゃなさそう? あたし、疲れてるからおんぶっ。だっこでもいいよ?」
「あり? 新しいサマナーだ! あたし、あたしね。いろ~んな悪魔と合体したんだよ! 『ゆきずりの関係』って言うんだよね?」
「話をしよう。うん。話が先だな」
だからね、フィアッセさん。こっちをじっとみるのは止めてほしい。俺はロリコンじゃないからね? 愛ではするけど──。
登場人物/作品。
五島『真・女神転生Ⅰ』
氷川『真・女神転生Ⅲ』
トールマン『真・女神転生Ⅰ』
創世の巫女『真・女神転生Ⅲ』
幼女回ともいう?