ここから投稿ペースは落ちていきます。
なぜなら考えていたネタを書き終えたからだ!
リクエスト募集を始めました。
詳細は後書きにて
未練がましいと思われるでしょう。
理解もできないことでしょう。
それでもお願いです。
あの子に私の本音を…聞かせてあげてほしいのです。
私に売れるものなら魂でもなんでも売りますから…よろしくお願いします…
昔は俺だって、おふくろの事が好きだったんだ。
優しくて、悲しいことがあったら慰めてくれて、嬉しいことがあったら一緒に喜んでくれたおふくろ。
でも、中学くらいの頃からだんだん疎ましくなった。
「宿題はしたのかい?」
「お腹出して寝ると風邪をひくよ?」
「学校はどうだった?楽しかったかい?」
そうやってずっと変わらずに面倒を見ようとしてくるおふくろ。
もういいんだよ!いい加減俺だってガキじゃねぇんだから!
そうやって怒ったら悲しい顔するくせに俺を怒りやしねえ。
宿題はちゃんとしてたし、風邪は…引きたかったんだ。
学校?クソみたいだったよ。
典型的なイジメってやつだ。
俺が何したってんだ。
それでも強がって笑ってたんだ。
どうせおふくろは仕事で忙しいんだ、黙ってりゃバレねえだろ。
そんな生活を送って図体ばっかり大きくなって、次第にいじめられることはなくなった。
俺も口だけじゃなくてほんとに大人になった。
やりたいこともなくてテキトーに進学して、テキトーに入れそうな会社選んで入った。
それでいいや、そう思ってたのに。
「はぁ…また残業かよ…」
気がついたらため息ばっかついて毎日働いては家に帰って侘しく一人で飯食って寝るだけの生活。
娯楽なんてないし、嫁さんなんて貰う宛もない。
そんな生活送ってて、気がついたらおふくろは末期ガンでポックリ逝っちまってた。
仕事中で、死に目にはあえなかった。
悲しかった反面、少しせいせいしてる自分に気づいて、本当に堕ちるとこまで堕ちたなと自覚した。
おふくろもこんな俺のこと、恨んでんだろうな…
2、3時間残業して、帰路につく。
もちろん残業代なんてのは付かない。
あーあ…何やってんだろ、俺。
コンビニで遅すぎる夕飯を買って、貼り付けたような笑顔の店員に見送られて店を出る。
しばらく歩いていた時だった。
「あの、すみません。」
そこにはスーツ姿の謎の人物が居た。
男か女か、はたまた若造なのかジジババなのか分かったもんじゃない、とにかく胡散くせえ奴だ。
「今回は復讐依頼じゃないので穏便に事を進めたいのでこちらから参りました、
手渡された名刺にはデカデカと「復讐代行」とだけ書かれていた。
もはや名刺の意味が無い。
訳がわからなすぎて俺は「はぁ…」と曖昧な返事をした。
「どう伝えていいものやら…あなたに伝えたいことがあるという人が私にメッセージのようなものを託しまして、私はそのメッセージをあなたに伝えるためにこうして伺わせていただいた次第でございます。」
ますます訳が分からない…とはいえ、最初穏便に事を進めたいのでとか言ってたあたり拒否ったら強制で拉致なんだろうな。
「俺に危害を加えるわけじゃないんだな?」
「ええ。依頼以外の事をする筋合いなどこれっぽっちもございませんので。」
「ならいいよ。行ってやる。」
「話が早くて助かります…それでは機密保持のために眠っていてくださいませ…」
「いってらっしゃいませ」
あ…意識が…
「3267g!元気な男の子ですよ〜」
生まれて…くれた?
元気にきちんと産声もあげてくれたし…これで一段落ね…
いや、違うわ。
これからが大事なの。この子のためにも頑張っていかないと!
ねえマサキ、今日は学校どうだった?
(あれは…俺!?)
「えっとねぇ、あのね、〇×くんが、とっても変なことをしててね〜それでね…」
うんうん…
微笑んで聞いてやるだけでこの子は喜んで話してくれる。
とても素直な子。
なにせこの子にはお父さんがいないんだから、私が二人分愛情を注いであげないと…
「お母さんお母さん!見て見て!100点取れたよ!」
わぁ凄いわね!こっちへ来なさい。抱きしめてあげる!
「やめろよ〜くすぐったいだろ!」
口ではそう言ってるけど、そんなに激しく抵抗していない。
とても賢くて、可愛い自慢の息子。
そんなこの子にも反抗期はやってくる。
「うっせぇな!ほっといてくれよ!」
そんな言葉遣いに怒りよりも先に悲しみが前に出る。
でも、少しだけ嬉しい。
だって反抗期は、あの子が健康に成長していってることの証拠だから…
最近、心配事がある。
あの子の体に不自然な傷やアザがあるのだ。
それに、他のことならそんなに怒らないのに、学校のことを聞いた途端急に怒り始めるのだ。
多分あの子はイジメにあっている。
本人は隠しているつもりだろうけれど、私にはすぐ分かる。
だって私はあの子の唯一の母親だから。
でも私は何も聞かない。
本当に辛くなったら、打ち明けてくれるって信じているから。
自分1人の力で乗り越えようとしている時に手を出したらあの子の成長を邪魔してしまうと思うから。
でも、結局それは逃げだったのだと思う。
ある日電話がかかってきた。
「マサキくんのお母様ですか?」
はい。いつもお世話になっております。どうなさいましたか?
「マサキくんが…クラスメイトと喧嘩をして、相手に怪我をさせました。」
すぐに伺います!
どうやらマサキはいじめっ子達に袋叩きにされそうになり、かっとして反撃、そのまま相手が怪我をするまで殴り続けたらしい。
それから私はマサキとふたりで帰った。
ねえ、辛かったんだよね。
「…」
マサキは優しいから、私に心配かけないようにしてたんだよね。
「……」
イジメられてても、ずっと我慢してたんだよね。
そう言った瞬間でした。
「イジメなんて言うんじゃねえよ!なんだよ黙って聞いてたらよ!あんたが俺の何を知ってるってんだ!優しい?賢い?その期待が重いんだよ!いい加減にしろ!」
そう言ってマサキは家の方へ走り出した。
大きくなった小さな背中が、夕焼けの中に消えていくのを、私はただ見ている事しか出来なかった…
それからマサキは成長期が来て大きくなり、いじめられることもなくなった。
だけどマサキはどこか卑屈なまま大人になった。
就職内定おめでとう!マサキ!
「おぅ…」
マサキは私と目を合わせて話すことが減ったし、はっきり話さなくなった。
喜怒哀楽の表現が少なくなり、よくいえば落ち着いた。
でも、マサキはその代わりに希望を言わなくなった。
アレがしたい、これがしたい、そんなわがままが一切ない。
ごめんね、不甲斐ない母親で。
死んだ魚のような目をして荷物をまとめて引っ越していくマサキの背中に、私は内心で謝り続けることしか出来なかった。
マサキが家を出てからも、私は身を粉にして働いた。
マサキへの仕送りの為である。
家賃等でなんだかんだ一緒に住んでた頃よりもお金はかかる。
息子に不自由な思いをして欲しくない一心で働いた。
マサキは…
里帰りしてこなくなった。
それでも息子は愛おしいもので、マサキの顔を思い出せばいくらでも力が湧いた。
そうやって働いていたある日だった。
あれ?目眩…が…
どうして床に転がってるんだろう…早く立って…働か…な…いと…
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知らない天井だ。
ここは…どこだろう…
私は…仕事中に倒れて!?
仕事に戻らなきゃ!
…あれ?体に力が入らない…
「気が付きましたか。」
ええ。
「主治医の者です。過労で倒れたようですが…検査をしたところ、あなたの体にガンが見つかりました」
…え?
私が…ガン?
びょ、病状はどうなんですか?
「残念ながら…もう…」
そう言って主治医は目を伏せた。
そ、そんな…それじゃあマサキは…マサキはどうなっちゃうの!?
「とにかく!試せる治療法を試して、快復する可能性を探しましょう!」
その日から、辛い闘病生活が始まった。
抗がん剤を筆頭に、私にはよくわからない治療法を先生は沢山探してきては試して下さった。
けれども一向に快方へは向かわなかった。
お医者様にお願いして、マサキには何も伝えていない。
こう言ってはなんだが、何十年も帰ってきてはいないのだから突然帰ってこようとしたりなどはしないだろう。
髪が抜け、体は痩せこけて惨めな姿になった。
一番嫌いなものは鏡だ。
それでも私は生にしがみついた…だけど…
けたたましく鳴り響くナースコール。
息が…苦しい…
死にたくない…でももうダメか…
マサ…キ…強く…生き…て…
「19時15分、ご臨終です。よく頑張りました…」
その声がやけにはっきり聞こえた気がした。
涙が止まらない…
最期の最期までおふくろは俺のことを…
号泣する男の横で彼あるいは彼女はひとりごちる。
「こうなるからこの手の依頼は好まないのです」
「それにしても…母親とはなんと不憫な生き物なのでしょうか。自らを疎む息子のために生きるなど、私にはやはり理解できません。母は強し、そういう事でしょうかね?」
「所で、今回のお母様は、マサキ様を出産なさる時、既に父親がいないことについて覚悟をなさっていたようですが、マサキ様のお父様はなぜ亡くなっていたのでしょうか?そして…」
「マサキ様のお父様はどこの誰なんでしょうね?」
いい話をいい話で終わらせずに爆弾を投下するスタイル。
父親の正体については作者も考えてませんので、皆様の解釈におまかせします。
PS,活動報告にてリクエスト募集中です。
この小説の存続のためにも是非よろしくお願いします。
2017.5/8.19:08