「この勢いのまま、前書きに居座るつもりかい、ハジヶえ?」
「なぜばれたし!!」
「それで、なにに困っているんだい?」
「さすが同胞……スルー能力は天下一品……!?」
「速く、結論を言ってくれないかな?
時間がもったいないじゃないか」
「今回はTIPSがあるんだけど」
「君にとっては、いいことなんじゃないのかい?」
「ほぼ、一言だけなんだよぉぉぉぉぉ!!!!!!」
「わけがわからないよ」
SIDE out
深夜の公園。その一角を塗り潰す“複数の”魔女結界。
洗脳魔法により、優木沙々には複数の“使い魔”が存在する。
彼女にとって、魔女狩りはとても簡単なモノであった。
洗脳して、自害させればいいのだから。
自分の為に、
自分の為に、
自分の為に、自分の為に、自分の為に――――――――――
「【在り得ないんだ】【有り得無い事なんだ】」
そんな【―――】の【
「【元々】【オレ達は】【単独行動を避ける】【その共通認識を持っていた】」
それを平然と無視した【―――】は、その事を彼方に放り捨て。至った道の解説場を開設する。
「【それでなくとも】【佐倉杏子の為に願った】【その千歳ゆまが】【
実際、ゆまは――――に「キョーコといる」と告げている。ここでゆまが嘘を吐く理由など無い。
「【しかし】【現実として】【千歳ゆまは一人】【魔法少女狩りに遭う】」
起きた現実。無常な事実。その【有り得た事】を否定するほど【―――】は夢見る少年ではない。
だが、それが【真実】であるのなら。必ず其処に至る道がある。その過程を仮定する事は不可能ではないのだ。
ゆえに【―――】は考える。ゆまが、するはずがない事をした。その真実への過程を仮定する。
その為に、一つずつ。虚言を戯言で潰していく。
「【魔法少女狩り】【彼女には不可能だ】」
呉キリカ。その能力は速度低下。ゆまを単独行動させる事は不可能。
「【白い魔女】【彼女には不可能だ】」
美国織莉子。その能力は未来予知。単独行動するゆまを“知る”事は出来ても“させる”事は不可能。
事実、――――は“美国織莉子の魔法”を判断する際に“洗脳系ではない”と結論し“未来予知”へ辿り着いている。
「【銃闘士】【当然ありえない】」
マミは学校。杏子がゆまを一人にするはずもなく。――――に至っては暁美ほむらとの不可侵を確認した後、織莉子に殺されている。
「【さて】【残る選択肢は】【ひとつ】」
ゆまが、するはずがない。そのたった一つから【―――】は辿り着いた。
「【オレの知らない魔法少女が】【手を出している】」
自らが知る魔法少女に不可能ならば、自らの知らない魔法少女が可能にした。
ただ、それだけの、当然の結論。
沙々は絶句していた。柔軟を通り越し、異常とも言える魔人の思考回路。事実と言うパーツのみで構成されたプログラム。それは“居るかどうかも解らない存在”に対する攻勢へ至る。
それを、たった一手。千歳ゆまの単独行動。これだけで。
「【そして】【ゆまが】【するはずがない行動】【それを可能にしたのは】【本来とは違う理で作用するモノ】【洗脳能力】【そう考えれば】【しっくり来るってわけさ】」
たったそれだけで、ここまで考えられるものなのか、と。
魔人はいつだって、斜め上に飛び上がる。
「【だとすれば当然】【お前の前に立ったオレが】【洗脳に対抗する術を】【発案していないはずもない】」
開設された解説場は、魔人の“一手”も暴露する。
「【洗脳とは即ち】【先】【に】【脳】【を支配する力】」
そう、発案。発展ではない。
すでにある“機能”で、充分。
「【ならば簡単な理屈だ】【洗脳されるよりも
<
事実、何度か“脳を操作”する使い方をしていた魔人。
それは“自分で自分を洗脳する行為”であるとも言えるのだ。
自分の為に、
自分の為に、
自分の為に、自分の為に、自分の為に――――――――――
その発展がLv2<
その在り得ない在り方。優木沙々の天敵。
「【考えてもみろ】」
ゆっくりと、電子タバコを咥えたまま【―――】が沙々に近づいていく。
「【お前がどれだけの魔女を】【自らの支配下に置こうとも】」
あくまでも、自然体。ただ一点だけ違うのは、その右手が握り込まれているだけ。
「【魔法少女は】【魔女を狩るモノ】【魔人もまた然り】」
優木沙々は間違っていた。魔法少女の使命が魔女を倒す事なら。
「【そして】【自分の“洗脳”の上で楽をしていたお前が】」
魔法少女より劣りながらも、魔法少女と同じ“起源”で生まれる魔人に。
「【劣る存在と知りながら】【徹底的に自分を酷使してきた】オレに!!!!」
魔女を向かわせて、勝てる道理等無いのだ。
「勝てるわきゃねぇだらぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」
振り被り、振り抜かれた拳は。
沙々の顔面を正確に捉える。
その凶悪な魔人の一撃は。
顔面を殴られた沙々が、その場で半回転し、顔面から地面に倒れるほどだった。
「【っと】【思わず】【
――――は、自身に【洗脳】を懸け直して、準備していた“技能”を発動する。
「【
殴られた痛みすら置き去りに、光が瞬く間に景色が反転し、気が付けば地面にうつ伏せに倒れていた沙々をナイフが貫く。
ナイフの数は4。両手と両足を的確に貫き、地面に固定する。
それはかつて、佐倉杏子がお菓子の魔女を槍で固定した時とは真逆。
地面から突き出した槍が“魔女”を固定した【彼女】と。
上から地面へと、短剣で“魔法少女”を固定した【―――】と。
不思議と、沙々は痛みを感じなかった。そのせいか、沙々はひとつの疑問に辿り着いていた。
【自分の
「その答えは、不十分じゃないですかねぇ!?」
固定されてしまった体。それに抗うように顔を上げた沙々の目に映る、独りの魔人。
劣っているはずなのに。自分の“力”の範囲外にいる、自分の“上”に立つモノ。
「
ならアンタが、どうやって
沙々の疑問は、当然の事。
【―――】は“第三者がいる”という結論に辿り着いた。
だが“第三者が誰であるか”を知る術はない。
当然だ。
第三者を【自分の知らない】“魔法少女”だと結論したのだから。
だが、それこそが重要。
アレを【情報源】として見て【自分の為になるように】交わしたこれまでが、消化されて昇華し唱歌する。
いつものように。右肩に飛び乗って。絶望を糧として生を紡ぐ器官が告げた。
「僕が教えたからね」
次回予告
正しい事 間違っている事
何故、正しいと言える?
何故、間違っていると決める?
簡単な事
所詮、終わってから決める
評価でしかないからだ
百四十八章 最初の一歩
TIPS 有頂天孵卵器ハジヶえ★ウザス
え? このタイトルで固定する気かい? 腹筋が候wwwwwwwwww
自己紹介の必要なんて無いかもしれないけど、平たく言えば勝手に名乗るよ!!!!
めんどうだから、やめとく
今回の解説ポイントはただ一つさ!! このTIPSの進行役にして最近人気急上昇のハジヶえが教えてあげよう!!!!!!
【】←これの名称は
したらな!